No.81708

悪ノ召使2

柊 ハクさん

悪ノ召使の続きです。

レンって優しいですよねぇ…。
自分には考えられせん(゜□、゜)

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2009-06-29 22:15:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:794   閲覧ユーザー数:733

昨日の事のように思い出す。

いつの日かのおやつの時間…。

今は、とてもそんな雰囲気で食べる事が出来ない。

 

今、王女様は国民を苦しめている。

そのため王女様は怯える日々を送っている。

 

僕は緑のあの子を、あの子を…

 

殺して、しまった。

 

取り返しのつかない事になっているのは分かっている。

何故なら今、城の前には王女様を殺しに

国民が我が兵士達と戦う場面が繰り広げられている。

 

 

「馬鹿な人達。…さて、あの人達は私の元へ来る事が出来るのかしら。」

 

 

王女様は心にも無い事を口にした。

王女様は小さく震えていた。

分かっているんだ。自分の侵した罪の重さが…。

 

 

「王女様…。」

 

 

僕は何とかして王女様を助けたかった。

けれど、いくら考えても王女様を助ける方法が思い付かない。

いや、思い付いてはいるがそれを実行するかを考えてしまった。

しかし王女様を助けるにはこれしかない…。

 

 

「…王女様。此処で少し待ってて下さい。」

 

「えっ!?レッ、レン?」

 

 

僕は心配そうに見つめる王女様を背に自室へと向かった。

 

★★★★★

 

 

「王女様!!」

 

 

僕はあるものを手に王女様の元へと戻った。

 

 

「レン…。心配したじゃない…。」

 

 

王女様は目を潤ませながら僕に抱き着いてきた。

 

 

「レン、私…。——レン、その手に持っている服は何…?」

 

 

あるもの、それは僕の服。

 

 

「王女様、これを着て逃げてください。」

 

「えっ!?」

 

「大丈夫。容姿は似ているから皆にはばれないよ。」

 

 

王女様は僕から目をそらし強く僕を抱きしめた。

 

 

「王女様。いや、リン。僕は大丈夫だから早く。」

 

 

リンは小さく、震えた声で僕に言った。

 

 

「絶対…。絶対にまた私の元に帰って来てね…。」

 

 

服が冷たい。リンの涙で服が濡れているんだと思う。

僕はリンの頭を撫でた。

 

 

「絶対にまたリンの所へ戻るよ。だから早く着替えて。」

 

「…うん。」

 

 

僕はリンに服を渡し、後ろを向いた。

 

 

「……。」

 

 

リンの泣き声が微かに聞こえる。

泣きながら着替えているのだろう…。

 

 

「レン…。着替えたよ。」

 

「では、早く此処から逃げてください。」

 

 

リンは走って扉へ向かいドアを開けた。

 

 

「じゃあ、また後でね。リン。」

 

「絶対にまた私の元へ…」

 

 

バタン…

 

ドアが閉まった。

 

 

「さて。」

 

 

僕も着替えなければならない。

僕はリンのクローゼットを開いた。


 
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