エントランスに設けられたドアをくぐった一行が最初に入ったエリア、月光タワー1Fは、治安部隊が主に利用している“兵器庫”だった。そのドアは裏口で、反対側の大きなシャッターが開くことで、兵器類を出し入れしていたようだ。
希「いきなり兵器庫かよ…。俺たちのためにわざわざ用意したわけでないのはわかるけど、運が悪いというか…」
黒崎「いや、運が良い。まだここには、ガーディアンフェザーから放たれた、デイライトガンのガンナーが到着してない。こいつらとセットで来られていたらと思うと、心底ぞっとする」
リキュール「…で、最初の壁って、やっぱこいつら?」
ビコーーーーーン!
そこに列をなして置かれていた、治安部隊用補助ロボットである“小型の自動人形=オートマトン”のモノアイが赤く点灯し、そしてターゲット確認を開始した。
黒崎「オートマトン“チャッキー”タイプか…。武装はデイライトガン“ドグーン”の可動式固定兵器。弾丸タイプは光弾で、効果はショック。つまり治安部隊が相手を拘束するのに必要な効果、というわけだな」
黒崎がガーディアンフェザー側が利用しているスマホの検索結果を読んだ上で説明してくれた。
スイート「つまり、俺たちはどうすれば良い? ルシフェリオンでは相手が機械では話にならないだろうし、限界突破した俺のコキューターの冷気でも効果は望み薄だ」
ステロイド「俺のタヂカリオンで蹴散らすか? 少々派手になるが…」
希「俺のアルダーの“疾風弾”で蹴散らすか、“地雷弾”で足止めするか、多少は効果あると思う」
リキュール「私のムスペルヘイマーの火炎は、スイートに同じ効果薄いかも」
テンニャン「それなら、ハイパーソニックパルサーの出番アル! 全員衝撃でビリビリアル!」
ぬこみん「これだけの数だから、フォルティマレシオの狙撃は不向きね」
黒崎「いや、ここは俺だけで十分だ。そっちは温存していてくれ」
黒崎は仲間の作戦会議を一言で制した後、自分のデイライトガン『拘束銃=サタメント』を懐から取り出すと、大挙して襲ってくる気マンマンのオートマトンに銃口を向けた。
リキュール「え!? だってあんたのデイライトガンは“対人間用拘束銃”なんじゃないの?」
黒崎「こいつの拘束の原理は“電撃”だ。つまり“感電させて気絶させ拘束する”、所謂スタンガンだ。だから、人間では感電ショックになるが、機械相手に使うと、こういう別の効果に変わる!」
その言葉の後、黒崎は一番前のオートマトンに向けて、サタメントの銃口を向け、そして一発発射した!
バシュ! バリバリバリバリバリ!!!!!
サタメントから放たれた“雷属性の光弾”がヒットしたオートマトンは、激しく“内部ショート”し、そして…
シューーーーーン ガコン!
黒い煙を上げて、脚部が折れ曲がり、そして地面に無造作に転がって、起動停止した。
黒崎「機械相手では、“破壊”の効果に変わる。RPGやった事あるなら、わかるだろ? 機械の敵には“雷”が特効なんだよ」
黒崎以外の全員が、呆気にとられていた。そして全員、こう思った。
黒崎以外全員(この人が今、敵に回らなくて、本当に良かった…)
それは、ほんの数分の出来事だった。オートマトンからの一部の“ドグーン”の束縛光弾攻撃は、仲間の回避で十分対応できる程度だった。それくらい、黒崎のサタメントの“連射”スピードが速かったのだ。
次々に破壊されていくオートマトン。そして、最後の1体が“対応を処理するために混乱している”時に、サタメントのファイナルショットが開始した。
黒崎「お前ら相手が悪かっただけだ。んじゃ、ま、楽にしてやる」
バシュン! ・・・・ ゴトン…
こうして、最後の1体が破壊された事で、オートマトンの大軍の奥に配置されていた、“2Fへの階段”、に、ようやく、到達すること出来たのだった。
黒崎「では、行くか」
希は冷や汗をかきながら、一言呟いた。
希「今回は・・・・黒崎乱舞だったな・・・・」
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☆続きです。キャプション内容を更新しました。主に本名関連です。
☆サイバーパンクで神話の入ったガンアクション小説です。
☆ラストまでのプロットをちゃんと書いてあるので、形式は、少しずつ続きを書いていく、章区切りの長編となります。
☆『pixno』(URL:http://www35.atwiki.jp/pixno/ )に参加しております。
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