No.806111

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

soranoさん

第102話

2015-10-04 00:42:12 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1131   閲覧ユーザー数:1040

 

 

~ジュライロッジ~

 

「何とか退けられたわね……」

「ええ。今度こそ”怪盗紳士”の命運はつきましたね。」

「魂ごと滅した以上、カリンたちのように生まれ変わる事もできん。まあ、奴にとっては満足な最後だったようだがな……」

「さらばだ、我が好敵手よ…………」

戦闘を終えたプリネとツーヤはそれぞれ安堵の表情で呟き、レーヴェは静かな表情で呟き、アムドシアスは自身が持っている琴弓でレクイエムを奏で始めた。

 

「うふふ、さすがは皆様ですわ♪お蔭様でわたくしも随分と楽ができましたわ♪」

「よく言うわよ……貴女だったらその気になれば、一人で滅する事もできたでしょうに。」

「さてと。後はあちらに女子生徒ですわね…………」

「ええ……今の彼女、かなり”不味いわよ。”」

同じように戦闘を終えたシャロンの称賛の言葉を聞いたクロチルダが呆れている中、シグルーンは真剣な表情でエーデルに視線を向け、レンは厳しい表情でエーデルの状態を推測した。

 

「フー……フー……エーデル部長の無力化を確認。」

「すみません、エーデル部長……」

「か、勝った~!」

「強かったよ~!」

一方フィーは乱れた息を整え、セレーネは申し訳なさそうな表情でエーデルを見つめ、アリサとミルモは安堵の表情で呟き

「ああ……これでエーデル先輩を助ける事ができたな。―――後はクロウだけだ。」

リィンは静かな表情で呟いて太刀を鞘に納めた。

 

「!そ、そんな!?まだ、力を残しているというのですか……!?」

「全員、構えなさい!まだ、終わっていないわよ!」

「え…………」

そしてある事に気付いて血相を変えたエマとセリーヌの警告を聞いたセレーネが呆けたその時

「ウゥゥゥ…………アァァァァァァ――――ッ!!」

何とエーデルは膨大な瘴気を解放しながら立ち上がった!

「ええっ!?ま、まだ立ち上がるの!?」

「それよりも今のその娘、かなり不味いワ!このままだとその娘は死ぬワよ!?」

「!?どういう事だ、それは!?」

エーデルの様子を見たアリサが驚いている中、血相を変えたヴァレフォルの警告を聞いたリィンは信じられない表情で尋ねた。

 

「周囲の霊力(マナ)を取りこんで、自身の霊力(マナ)を暴走(オーバーロード)させようとしているのよ、その娘は!」

「それがどうして部長が死ぬことになるの……!?」

クロチルダの警告を聞いたフィーは真剣な表情で尋ね

「自身の魔力を暴走させた結果、起こるのは…………―――”自爆”よ……!」

「自爆ですって!?」

「そ、そんなっ!?」

厳しい表情をしているベルフェゴールの説明を聞いたツーヤは血相を変え、セレーネは表情を青褪めさせた。

 

…フィ…………レ……ちゃん……

 

するとその時リィン達の頭に声が響いてきた。

「!これはまさか……念話か!?」

「わ、私にも聞こえたわよ!?一体誰が私達に……!?」

「……今の状況からすると恐らくこの”声”の正体は―――――」

念話にリィンとアリサが驚いている中、シャロンは真剣な表情でエーデルを見つめ

「ま、待ってください……!この声は……!」

「エーデル部長……!?」

声の正体が最初からわかっていたセレーネとフィーは信じられない表情でエーデルを見つめ

 

フィーちゃん……セレーネちゃん……それにⅦ組のみんなやレオンハルト教官も……

 

「!また念話が聞こえました!声の正体は間違いなくエーデル先輩です……!」

「どうやら戦闘の疲労によって、一時的に意識が戻ったみたいね……!」

再び念話を聞いたエマとセリーヌは驚きの表情でエーデルを見つめ

「エーデル先輩!意識が戻っているのでしたら、気をしっかり持ち、自分を見失わないで下さい!過去貴女と似たような状況でありながらも、気をしっかり持った事で助かった方もいらっしゃいます!」

「”グノーシス”によって巨大な魔人と化したヨアヒムやアーネストと比べると、助かる確率は高い。だから希望を持て、ブルーメ。」

プリネとレーヴェはそれぞれエーデルに呼びかけた。

 

二人ともありがとう…………でも、今も……私とは違う……私ガ……私を呑み込モウと……アァッ!?

 

「部長……!?」

「……どうやら今の彼女は”闇”に属する種族たちに必ずある”魔の衝動”と戦っているみたいですわね。」

「ええ……レンやティオは”魔の衝動”を受け入れる適正があったからそんな事は無かったけど……レンやティオと違って適正がなく、”完全な魔族と化している”彼女では厳しすぎるわ。」

エーデルの念話を聞いてエーデルに異変がある事に気付いたセレーネは血相を変え、シグルーンの推測に頷いたレンは辛そうな表情でエーデルを見つめていた。

 

お……願い……私を殺して……このままだと、みんなも巻き込んで……しまうわ……

 

「なっ!?」

「何を言っているんですか!?そんな事、絶対にできません!」

「諦めずに気をしっかり持ってください、エーデル先輩!その間に私達がエーデル先輩を助ける方法を考えます!」

エーデルの驚愕の嘆願にリィンは驚き、アリサとエマはそれぞれ反論した。

 

もう、いいの……最後に……フィーちゃんと……セレーネちゃんにも会えて……よかったわ…………二人とも……私がいなくなった後……学院の中庭の花の世話を……お願い……ね……

 

「エーデル部長…………」

「そんな弱気な事を言わないで下さい……!絶対に助けますので、諦めないで下さい……!」

既に自身の命を諦めているエーデルの念話を聞いたフィーは辛そうな表情で顔を俯かせ、セレーネは悲痛そうな表情で反論した。

「アアアアァァァァ―――――ッ!?」

するとその時エーデルは再び咆哮して、更に膨大な瘴気を纏い始めた!

「クッ……!このままだと本気で不味いわよ……!?エマ、最悪の事態に備えて結界を展開しなさい!」

「待って、姉さん……!エーデル先輩を見捨てられないわ!」

エーデルの様子を見て自分達の危機を悟り、結界を展開しようとするクロチルダをエマは制止し

「レン姫、失礼を承知で伺わせて頂きますが、エーデル様と同じ”被験者”としてエーデル様を救う方法で何か妙案はないでしょうか?」

「…………そうね…………何らかの方法で暴走している彼女の力を抑える事ができれば暴走は止まるだろうし、彼女も正気を取り戻すと思うわ。」

「よくわからないけど、エーデル先輩を助けるにはエーデル先輩の力を抑える事ができればいいのですのよね!?何をすればいいのですか!?」

シャロンに視線を向けられたレンは考え込んだ後自身の推測を答え、それを聞いたアリサは真剣な表情で尋ねた。

 

「”力を抑える”…………―――!うふふ、よく考えてみたら、こんなの簡単じゃない♪ご主人様、例え”どんな方法でも”彼女を助けたいのかしら?」

レンとアリサの会話を聞いて何かに気付いて口元に笑みを浮かべたベルフェゴールは真剣な表情でリィンに視線を向けてリィン達にとって希望となる言葉を口にした。

 

 

ベルフェゴールの発言から既に展開が読めたかと思いますww


 
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