ドイツ料理店フローエ・ツァイト。

「そういえばもうそろそろオクトーバーフェストの時期ですよね」

料理を食べていたアルディナ・ルーヴが、ルイーゼ・フライベルクに声をかける。

「ええ、天空市(ここ)では3年ほど前から始まってるんだけど、初回以来フローエ・ツァイト(うち)も毎年参加してるのよ」

天空オクトーバーフェスト。

2012年から始まった祭りで、毎年10月になると天空駅前のイベント広場に大勢の人々がごった返す。

元祖はドイツのミュンヘンで行われる祭りなのだが、それを模したイベントとしてここでも開かれているのだ。

「というのもこの周辺はドイツ移民が多いからねー。私もだけどｗ」

すると長岡シラセが興奮して一言。

「この祭りのときのルイーゼさんってば可愛いんだよねｗ」

「またまたｗ」

その話を聞いていたアンネ・フライベルクがこんな言葉を漏らす。

「ただ懸念材料がねー…」

「懸念材料って？」

「ほら、サウヤさんとシラヒさん」

「あー…姉貴とお母さんか…、あの二人は酒飲むと裏が出ちゃうからなあ…」

そんな話をして盛り上がっているところに、また新たに3人が来店してきた。

「Guten Abend(グーテンアーベント)！Emceeのみんなもお揃いでどうしたの？」

アンネが出迎えたのはガールズロックバンド・Emceeの面々。

ギター担当のエリシア・グレイ、ベース担当のミュア・ブリーズ、ドラムス担当のキャメロン・ベルだ。

「あー、どうもｗ」

「いや、ちょっとお腹がすいたし久しぶりにｗ」

「ここの料理はやっぱりおいしいからねｗ」

「まぁせっかく来たんだしさ。座って座って」

こうして、シラセたちが座っている席のすぐ近くに案内されたEmceeの3人。

「でもさ」

「どったのシラセちゃん？」

「単にご飯食べに来たわけでもなさそうに見えるんだけど」

「ああ、実はちょっとしたInformationも兼ねてｗ」

「お知らせって？」

「それがね、今年のオクトーバーフェストでライブやることになりました！」

「「Yeah！！」」

その言葉を聞いたアルディナが、Emceeのメンバーに質問する。

「え、でもEmceeのメンバーってドイツ人じゃないんでしょ？」

すると、その質問に切り返すアンネとルイーゼ。

「いやいや、せっかくの祭りだから盛り上がればいいに越したことはないしｗ」

「そうそう。出身国なんて関係ないわよｗ楽しければそれでよし！」

「んー…まぁいいかｗ」

かくして、フローエ・ツァイトのランチタイムは楽しく過ぎていくのであった。