No.802284 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルートsoranoさん 2015-09-15 00:06:50 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1428 閲覧ユーザー数:1272 |
~オーロックス峡谷~
「………………」
「―――――」
貴族連合の兵士達や小型の人形兵器達は次々と銃撃を放ってリィン達を攻撃し
「エマ、また防ぐわよ!」
「わかっているわ、姉さん!」
クロチルダとエマはそれぞれ協力して仲間達全員を覆うドーム型の結界を展開して銃撃を防いだ。
「総員、反撃開始!そこッ!!」
「イエス・マム!!」
クレア大尉や鉄道憲兵隊は銃やライフルで怒涛の銃撃で反撃して兵士達や人形兵器達を怯ませ
「お返しよ!―――メルトストーム!!」
「キャハッ♪逃げられるものなら逃げてみればぁ!?」
「石化弾―――発射!!」
「悪魔の矢をたっぷりと受けなさい!」
クレア大尉達に続くようにアリサやエヴリーヌ、マキアスとエンネアはそれぞれ広範囲のクラフトを放ち、遠距離専用武器を持つ生徒達も続くように広範囲のクラフトを放って追撃した。
「怯んだぞ!一気に攻めろ!二の型―――疾風!!」
「秘技―――裏疾風!―――斬!!」
「聖なる光よ、我が剣に力を―――エクステンケニヒ!!」
「十六夜―――”斬”!!」
「竜巻よ―――薙ぎ払え!!」
「ガーちゃん、ハンマー!!」
「消えろ!デッドトライアングル!!」
「逃さぬ―――洸閃牙!!」
「せーの……―――これで止めッ!!」
「喰らえ―――地雷撃!!」
「うふふ、避けられるものなら避けてみなさい♪―――旋風大魔刃!!」
仲間達の攻撃によって敵による銃撃の嵐が止むと近距離攻撃を得意とするリィン達は広範囲のクラフトで次々と多くの敵を沈め
「常世に響け―――ノクターンベル!!アークス駆動―――グランシュトローム!!」
「氷の槍よ、全てを貫け!―――フリーズランサー!!アークス駆動―――サウザントノヴァ!!」
「聖なる水よ……奔流となり、我が仇名す者達に裁きを!――――リ・カルナシオン!!アークス駆動―――アルテアカノン!!」
「漆黒の闇よ……全てを飲みこめ!―――ティルワンの闇界!!アークス駆動―――シャドーアポクリフ!!」
仲間達が攻撃している間に詠唱や駆動時間を終えたエリオットとエマ、そしてセレーネとエリスを始めとしたアーツや魔術を得意とする学生達が高火力かつ広範囲のアーツや魔術で止めを刺した。
「久々に行くわよ……っ!ハァァァァァッ!!ハッ!セイッ!ハァァァァァッ!!ノーザン――――イクシードッ!!」
「燃え盛る業火であろうと砕き散らすのみ…………はぁぁぁぁぁぁぁ、滅!!」
「これで終わりですわ!オォォォォォ……!プリズム―――キャリバー―――――ッ!!」
「”死線”の奥義、とくとご覧あれー―――ハッ!失礼――――ですが、もう逃げられませんわ!秘技――――死縛葬送!!」
「”蒼の深淵”の真髄、見せてあげるわ――――氷霧に彷徨え!紅き業火に悔悟せよ!我が霊力(マナ)の前にひれ伏しなさい――――氷炎地獄(インフェルノ)!!」
一部を除いた多くの学生達が手間取る相手である大型の軍用魔獣や人形兵器にはサラ教官やレーヴェ、そしてデュバリィとシャロン、クロチルダが大技で次々と沈めていた!
「ハァ、ハァ……何とか退けられたわね……!」
「さすがにボク達もヤバくなってきたね~……!」
「これ程の連戦は初めてだからな……」
連戦続きで蓄積した疲労によってフェリスを始めとした士官学院生達どころか激戦を潜り抜けた”Ⅶ組”も疲れを見せ始め
「―――前衛は我々が受け持ちます!皆さんは一端後方に下がって私達が撃ち漏らした敵の無力化をお願いします!総員、速やかに――――」
疲労している士官学院生達の様子を見たクレア大尉が鉄道憲兵隊に指示をしかけたその時地響きがし始め、更に機関音が聞こえ始めた!
「こ、この機関音は……!」
「ま、まさか……!?」
機関音を聞いたガイウスは驚き、ある事を察したマキアスが表情を青褪めさせたその時戦車と機甲兵による軍団が姿を現した!
「”アハツェン”と”機甲兵”の部隊か……!」
「……現れたタイミングからするとわたし達が疲弊するのを待って、そこに止めを刺すつもりのようだったようだね。」
「チッ、操られている癖にそんな知能があるとは生意気な……!」
「キャハッ♪やっとちょっとだけ本気を出せる相手が来たね♪」
援軍の登場にラウラとフィーは厳しい表情をし、ユーシスは舌打ちをして援軍を睨み、エヴリーヌは凶悪な笑みを浮かべた。
「フフ……なかなか頑張ったようだが、もうこれでおしまいだよ。」
するとその時貴族連合の部隊から不気味な笑みを浮かべているセレスタンが姿を現した!
「ええっ!?あ、あの人って確かパトリックの……!」
「あなたは―――セレスタンさん!?どうしてパトリックと一緒に貴族連合に誘拐された貴方がここに―――」
セレスタンの登場にエリオットは驚き、リィンは信じられない表情で声を上げた。
「ああ、勘違いしないでほしいね。”僕”は君達が知る執事ではない。彼の身体を借りてこうして話しかけているだけさ。」
するとセレスタンは普段の口調とはかけ離れた口調でリィン達を見つめて答えた。
「か、”身体を借りて”……?じゃあ貴方は一体どなたなのですか……?」
セレスタンの言葉を聞いたエリスが戸惑ったその時
「!まさかアンタは……!?」
「”D∴G教団”司祭ヨアヒム・ギュンター!!」
目の前のセレスタンの正体を察したクレア大尉がサラ教官と共にセレスタンを睨んで声を上げた。
「ええっ!?セレスタンさんが……!?一体どういう事なのですか……!?」
クレア大尉の口から語られたセレスタンに乗り移っている人物の正体――――ヨアヒムの名を聞いたセレーネは驚いた後困惑の表情でセレスタンを見つめ
「かつてヨアヒム・ギュンターは”グノーシス”を服用した人物達を自由自在に操った事があるのは既にお前達も聞いていると思うが…………奴は離れた場所から操った人物から見える光景を見る事ができるどころか、その人物で自身の意思を伝える事もある。」
「何だと!?」
「薬物で暗示どころか、人を完全に自身の傀儡にする事までできるのですか!?」
「ひ、非常識にも程があるぞ!?」
「という事は今まで無力化した兵士達も全て彼一人が操っていたのか……」
「……ま、その点で言えばアンタも得意の”子守唄”で似たような事はできるんじゃないかしら?」
「あのね……幾ら私でも”教授”やヨアヒムのような趣味の悪い事はした事はないし、これからもするつもりもないわよ。」
レーヴェの説明を聞いたユーシスとエマは驚き、マキアスは疲れた表情で声をあげ、ガイウスは真剣な表情でヨアヒムを見つめ、セリーヌに視線を向けられたクロチルダは呆れた表情で答えた。
「フフ、正解だ。既に顔を会わせた事もある者達もいるが改めて自己紹介をしよう。―――僕の名はヨアヒム・ギュンター。大いなる叡智を崇める”D∴G教団”の司祭だ。」
「……………………」
「レン…………」
「レンさん、わかっているとは思いますけど今のヨアヒムはヨアヒム自身ではありませんから間違っても――――」
殺気も何も纏わずただ静かにヨアヒムを見つめるレンをプリネと共に心配そうな表情で見つめているツーヤはレンに忠告し
「そのくらいの事は言われなくてもわかっているわよ。ただ改めてヨアヒムがまだこの世にいる事を自分の目で確認しただけよ。」
レンは静かな表情で答えた。
「……あんたがみんながカレル離宮で出会った”D∴G教団”司祭の亡霊―――ヨアヒム・ギュンターか。一体何の為にこんな事をした……!?」
「それにその身体はセレスタン殿のものだ。早急にセレスタン殿から出て行きセレスタン殿を解放しろ、外道!」
リィンとラウラはそれぞれヨアヒムを睨み
「クク、僕の悲願が叶えばちゃんと彼を含めた貴族連合に囚われた君達の知り合いも解放するつもりだから安心するといい。」
「という事は貴族連合に誘拐された士官学院生を含めた人質達は貴方の元にいるのですか……!?」
ヨアヒムの答えを聞いてある事を察したエリゼは厳しい表情でヨアヒムを睨んで問いかけた。
「フフ、察しがいいね。さすがはかの”剣聖”カシウス・ブライトから直々に教わっているだけはあるね。」
「そ、そんな!?じゃあ貴族連合に誘拐された人質達はヨアヒムの元にいるって事になるじゃない!?」
「やはりそうでしたか……という事は恐らくカイエン公も……」
「マルコーニの時のように人質達と同じ場所か、近い場所に閉じ込められているんだろうね~。」
「……カイエン公や貴族連合の残党の安否もそうですが一番心配なのは貴族連合に誘拐された人質達ですわ。かの”教団”の司祭の元に彼らがいるという事は最悪”太陽の砦”で”特務支援課”やエステル様達が対峙した”グノーシス”を服用した”ルバーチェ”の構成員達のように”グノーシス”を投与されて異形の化物と化している可能性も考えられますわ。」
「……ッ!アンタ……まさかとは思うけど人質にされた貴族の家族たちもそうだけどウチの生徒達に手を出していないでしょうね!?」
ヨアヒムの答えを聞いたアリサは表情を青褪めさせ、クレア大尉とミリアムはそれぞれ真剣な表情で呟き、厳しい表情で推測したシャロンの推測を聞いたサラ教官は怒りの表情でヨアヒムを睨みつけた。
「クク、クロウ君との”契約”で”彼と取引して以降”は彼らには一切手を出していないから安心するといい。」
「ええっ!?じゃ、じゃあやっぱりクロウは自分の意志で……」
「クロウと取引をしたですって!?一体どんな取引をしたのよ!?」
ヨアヒムの口から語られた驚愕の事実を知ったエリオットは驚いた後複雑そうな表情をし、クロチルダは血相を変えて尋ねた。
「フフ、獄中の彼に貴族連合や彼の同級生達の状況を教えたら、僕の”協力者”になる事を申し出たと言えばわかるだろう?」
「!!」
「ま、まさかクロウさんはパトリックさん達の為に…………」
「この外道が!」
「……さすがはゼムリア史上最低最悪の組織に属している外道のやり方と言った所かしら。」
「我が剣で今すぐ目の前の外道を成敗できないのが悔しいですわ……!」
ヨアヒムの答えを聞いたリィンは目を見開き、セレーネは不安そうな表情で推測し、アイネスやエンネア、デュバリィはそれぞれ怒りの表情でヨアヒムを睨んでいた。
「……―――!ヨアヒム・ギュンター。人質達について質問がある。」
一方ある事に気付いたレーヴェは目を細めてヨアヒムを見つめて問いかけ
「レ、レーヴェ……?一体何を聞くつもりなの……?」
レーヴェの問いかけを聞いたプリネは戸惑いの表情でレーヴェを見つめた。
「フフ、一体何を聞きたいのだい?」
「先程”アームブラストと取引して以降は人質達に一切手を出していない”と言っていたが……―――”アームブラストと取引をする以前”はどうなっている?」
「あ…………」
レーヴェの質問の内容を聞いたエリスは不安そうな表情をし
「クク……中々鋭いね。実はクロウ君と取引をする前に一人だけ真の”真なる叡智(グノーシス)”を創りだす為に僕の実験に付き合ってもらったのだよ。―――他の学生達や貴族連合に誘拐された人質達に手を出さない事を条件にね。」
「何だって!?」
「一体誰を人体実験したのですか!?――――答えなさい!」
ヨアヒムの答えを聞いたリィンは驚き、クレア大尉は怒りの表情で銃口をヨアヒムに向けて問いかけた。
「クク、かつての”検体”のデータ―――ティオ・プラトーや”楽園”の検体であるそちらの”殲滅天使”の件を考えれば女性の方が検体としていいデータが取れると思ってね。その結果人質の中で一番若い年齢である一人の女子生徒に協力してもらう事になったのさ!」
そしてヨアヒムはリィン達にとって凶報となる情報を凶悪な笑みを浮かべて答えた!
「女子生徒って事は士官学院の人だね。」
「ええっ!?ちょっと待ってください!確か貴族連合に誘拐された士官学院の女子生徒は一人だけという話ですよね!?という事は人体実験された人物は……!」
「……間違いなくエーデル部長だね。」
「そ、そんな……部長が…………」
「……どうやら亡霊になって、狂気に更に磨きがかかったようね。」
ヨアヒムの答えを聞いたエヴリーヌは真剣な表情で呟き、誰が人体実験されたのか察したツーヤは驚いた後その人物と親しい間柄であるフィーとセレーネに視線を向け、フィーは心配そうな表情で呟き、セレーネは表情を青褪めさせ、レンは膨大な殺気を纏ってヨアヒムを睨んでいた。
「貴ッ様……ッ!」
「よくもエーデル先輩を……ッ!」
「アンタ……ッ!」
「クロウを騙した所かエーデル先輩を人体実験に使うなんて……!クロウとエーデル先輩は今どうなっているんだ!?」
ユーシスとラウラ、サラ教官はそれぞれ怒りの表情でヨアヒムを睨んでいる中、リィンは怒りの表情で問いかけた。
「フフ、二人とも今は僕の優秀な手駒として僕の元にいるよ。クロウ君もそうだが、協力してくれた女子生徒は素晴らしい検体になったよ!何せ今の彼女はあのティオ・プラトーをも超える可能性を秘める検体になったのだからね!」
「ひ、酷い…………」
「何てことを……!」
「……外道が。貴様もあの”教授”と同類―――いや、それ以上の”外道”だな。」
「その意見には同感ね。それどころか下手をすればクロウもその娘同様ヨアヒムに……」
「…………ッ……!」
「エーデル部長……」
「セレーネ……フィーさん……」
「やめろ………!」
「いい加減にしなさい!この人でなし……!」
「どうして……どうして同じ”人”であったのにそのような”禁忌”を平気で犯せるのですか……!?」
(…………下手をすればその娘は”半魔人”のティオやレンと違って、完全な”魔人”になって”人間ではなくなっている”のかもしれないわね……)
ヨアヒムの話を聞いたエリスは悲痛そうな表情をし、プリネとレーヴェ、クロチルダは厳しい表情をし、フィーとセレーネはそれぞれ辛そうな表情をし、ツーヤは心配そうな表情でセレーネとフィーに視線を向け、リィンとアリサ、エマはそれぞれ怒りの表情でヨアヒムを睨み、レンは複雑そうな表情で推測していた。
え~……今回のヨアヒムの発言やレンの推測によって、あるモブキャラの運命が思いっきり改変された事に気付いたかと思います(冷や汗)ちなみにそのキャラはこのルート限定でリィン達の仲間になるというある意味珍しい(?)キャラです。ちなみに強さはヨアヒムも自慢しているように、光と闇の軌跡シリーズで超強化されたティオやレンと同等か、下手したらそれ以上のクラスです!(ガタガタブルブル)……え?どこで、どうやって仲間になるかって?それは”察してくれ”としか(遠い目)
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第87話