No.799319

『潮ちゃん』と『とら』

いたさん

『うしおととら』の二次創作物です。 主人公は『艦これ』の潮ちゃん。 駄文ですので、期待せずに読んで下さい。

2015-08-30 16:15:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1125   閲覧ユーザー数:1070

 

【 出逢い の件 】

 

〖 ○○鎮守府 地下室周辺 にて 〗

 

み、皆さん……こんにちわ。

 

綾波型10番艦の……潮(うしお)です。

 

じ、実は……私……第七駆逐隊の皆と……ちょっと……賭けをしまして。

 

○○鎮守府の地下にある『誰も入っちゃ駄目な部屋』に……提督には内緒で侵入する事になりました。

 

───ど、泥棒なんてしませんよっ!?

 

た、ただ……確かめてたい事が出来たからなんですから! 本当なんです!!

 

あっ!? あぁぁぁ───私、う、五月蝿いですよね?

 

ごめんなさい! ごめんなさいっ!!

 

だけどぉ………うぅうううう………だって、だってぇ!!

 

だってぇええええ───っ!!

 

提督が……夜な夜な食事を持って、その部屋に入ると噂を聴いて───確かめに来たのです!

 

何でも──その部屋には、若い女性が囲われているって、聞いたんですぅ!

 

★☆★

 

ちょうど……一時間ぐらい前でした。

 

潮「お待たせぇ、先にお風呂頂いた………よ?」

 

私が第七駆逐隊の合同部屋に戻って来ると、三人で異様に盛り上がっていたんです。 部屋から出る時は、普通だったんですけど…………?

 

―――

 

漣(さざなみ)「ご主人様の噂、ハイキタコレー!!」

 

曙「まったく──あのぉ……クソ提督! あたし達を何だと思ってるのよ!」

 

朧「何だって……艦娘でしょう?」

 

曙「そんな、笑えないクソ真面目な答えじゃなくてぇ!」

 

漣「なになにぃ? 大好きなご主人様が、曙に振り向いてくれなくて、ツンツンしてるって訳だね? ヽ(´∀`●)」

 

曙「そんな訳ないでしょう!! だ、 誰が……あんなクソ提督にっ!!」

 

☆ーーー★

 

綾波型 7番艦 駆逐艦 朧(おぼろ)

 

綾波型 8番艦 駆逐艦 曙(あけぼの)

 

綾波型 9番艦 駆逐艦 漣(さざなみ)

 

☆ーーー★

 

私の大事な仲間が……話し合いをしていたんです。

 

曙「ちょっと潮! あんたも参加しなさい! あのクソ提督の話を今してんのよ! あんただってねぇ、一言二言、ぜったい言ってやりと思うわ! あの噂を聞いてるでしょう!? ────クソ提督が地下に食事を運ぶ話!」

 

潮「う、うん! 準備して提督さんが降りて行くのを、当日の秘書艦だった青葉さんが見たっていう……アノ噂話……?」

 

朧「アタシは……完全なガセネタだと思ってるよ? だって……あの提督が……わざわざ鎮守府の地下に囲ってるって。 どう考えても………変じゃない?」

 

曙「でも──事実よ! 今日の秘書艦は、あたしが当番だったから、真相を確かめる為、実際に尾行したの!」

 

漣「へぇ~『動かざる事、曙の如し』と言われる曙が動くなんてぇ……! まさに春がキタコレェ!?」

 

曙「変な探り入れるなっ!! だ、誰が……あんなクソ提督に───!!」

 

朧「で……曙、どうなったの?」

 

曙「あぁ、うん。 また、『今日も仕事が多くて多忙なんだよ。 迷惑かけるがよろしく頼む!』って、あたしに謝りながら仕事を処理していたのよ! まったく、それが秘書艦の役目だって、何度も説明してるのに…… クソ提督!!」

 

朧「そうだね、アタシにもよく言ってくるよ? 『君たちが居ないと仕事が始めれない。 感謝してるよ!』って。 確かに、実務は今一歩なんだけど……何だかんだで………良い提督だよね。 ──アタシは好きなタイプだな!」

 

曙「そんなのただの甘え! クソ提督の指揮一つに、あたし達の命が懸かっているのよ! 締めるところは、キチンと締めて貰わないと!」

 

漣「そうだよねぇ……提督を好む艦娘が、これ以上増えたら───睨みが効かなくなっちゃうもんね? (・∀・)ニヤニヤ」

 

曙「ふんっ! ──まあ……その話はおいておくわ! アイツは仕事が終わると、さっさとあたしを部屋に帰し、食事の準備を始めていたの! 」

 

潮「………………………」

 

漣「ほほぉうー? それでぇそれでぇっ!? Σ (゚▽゚ )」

 

曙「───その後、地下の方へ食事を持って行くの見たんだからぁ! 絶対、あの部屋で若い女を内緒に囲ってるのよ!」

 

漣「───ん? 曙は、ご主人様の降りて行く様子までしか……見ていないわけ? 中で淫らな声が聞こえたとか、姿を目撃したとかは?」

 

曙「そんなモノ、誰が好き好んで覗くもんですかぁ! ってぇ──何で漣が、あたしの近くで聞いてるのよ!? それに何なの!? そのニヤツキはぁ!!」

 

漣「ご主人様を心配して、わざわざ尾行するなんてぇ……健気過ぎて激ワロwwww しかも、行為を見たくも聞きたくもないなんて、マジ乙女!!」

 

曙「心配も恥ずかしがってもいないわよっっっ!! 勘違いしないで!!」

 

朧「へぇ………そうなんだぁ」

 

曙「や、やっと分かった!? クソ提督の本性が!」

 

朧「ううん……曙って、意外に提督を気に掛けてるんだね?」

 

曙「何でぇそんな話になるの! いい加減にしなさいよ! 馬鹿ぁぁぁ!!」

 

潮「……………」ギュッ

 

―――

 

それから、四人で話し合い……賭けをしました。

 

───地下室の中に、何が居るのか?

 

もし、噂の通りに女の人が居るのなら──漣ちゃん、曙ちゃんの勝ち。

 

居ないのなら……その噂を不定する────私と朧ちゃんの勝ち。

 

敗者は勝者に、間宮さんのお店で、明日の夕食を奢ることになりました。

 

ただ、確認に行くのは──何故か一人だけ。

 

私こと潮が……確認へ向かう事になりました!

 

行くのが深夜だから……点呼でバレると不味いと言う事と………

 

三人曰く───

 

『潮なら、提督に見付かっても怒られる心配が少ない。 それに、もし怒られそうになったら、潮の88㌢砲で対処すれば良いのよ! 轟沈間違い無し!』

 

わ、私だって───好きで、こんなに大きくなったわけじゃないのにぃ!!

 

だけど……誰かが行こうとしたなら、私も付いて行ったと思います。 だ、だって、私も……提督の事………心配だったから。

 

 

 

◆◇◆

 

【 意外な反応 の件 】

 

〖  地下室 にて 〗

 

《 潮 視点 》

 

うぅぅぅ………少し、パニクってしましました、 ごめんなさい!

 

だって……地下に向かって、階段を一歩一歩降りているのですが……人の気配が全然しないんです! 冷蔵庫並みの冷たさ、チリチリと首筋に感じる異様な風が、私の恐怖心を増大させてくれます!

 

まるで………得たいの知れない物が居そうな感じが。

 

だ、だけど……提督が何回も下に降りて行くし、猛獣を地下室で長く飼育していれば、猛獣の健康障害、地下室の生活のストレスで、精神の支障をきたす事になりかねません!

 

だ、だから……もし見つけたら、優しく保護して、提督に環境改善のお願いしようかと。 皆、生きているんだから、当然の権利だと私は思います。

 

だ、大丈夫です! 私も艦娘の一人ですから………ライオンぐらいなら、なんとか出来ます! いえ──必ず!!

 

────あっ! やっと扉が見えました!

 

急いで駆けつけると、何か凄い難しい模様や習った事も無い文字が書き巡らされています。

 

───でも、変ですね? この扉、簡単に引くと開けますよ!?

 

も、もしかして、提督が鍵を締め合わせるのを忘れていたのかもしれませんね? 私は、小さい声で『お邪魔しますぅ~』と声を掛けて、身体を部屋の中に滑りこませました。

 

★☆☆

 

《 とら 視点 》

 

…………

……………

………………

 

はあぁぁぁ…………何でぇ、また『お前達』に縫い止められなきゃならないんだぁ? 確か……『お前』も無くなったんだじゃねぇのか? 確か……うしおの中に入って、ワシのようにならないように……なったんじゃねぇのか?

 

『……………………』

 

チッ、黙りかよぉ。 まぁ……ワシのコトも考えれば言えんな………

 

あの後、うしお達と別れて……上に昇った筈のワシなんだがぁ……その……まだ未練があったのさ。

 

『………………?』

 

なぁんだ、その顔は? ワシだって未練ってモノはあるさ! アイツ……うしおの奴の前では、言わんかったがな…………

 

───ん? 教えてくれって……か?

 

『お前』なぁ………………分かった、分かったから! その悲しげな顔は止めろぉ! 顔が真由子にソックリな分だけあって、アイツが悲しんでるように見えるじゃねぇか! うしおの奴が、めんどくさがる理由が分かるぜぇ!

 

───おいっ! 笑うなよ! 絶対に笑うなよぉ!?

 

『………………』コクコクッ

 

ふんっ! ワシは……うしお達の……その後が見たかった。

 

アイツらのやり遂げた事が……アイツらのその後が………気に掛かっただけだ。

 

もちろん『ハンバーガー』もな、たらふく食いたいし……『フネ』や『クルマ』……まだまだワシの知らん物を見ておきたいしな!

 

それなのに、何故かまた………あの寺の地下と同じ状態とは!

 

ワシにも記憶が、全くないのに………どうしてこうなったぁ!?

 

『??』という奴の話だと………既に数十年、あれから年が過ぎたようだ。 ワシらには年なんて関係ないが、人間は弱いし柔いから……直ぐに死んじまう!

 

早く……うしおの顔を見たい。 アイツは表面は竹を割ったように豪快なところがあるが、結構、後になって悩むからな。

 

たぶん……髪の毛もかなり薄くなってるだろうが!

 

早く会って………存分に笑って───ん?

 

誰だぁ………? 『??』以外に飯を持って来てくれる奴じゃないな?

 

★★☆

 

───若い女か?

 

なんだぁ………小刻みに震えてやが………?

 

潮「だ、大丈夫ぅ!? 痛くない、痛くないのぉ!?」

 

──────!!?

 

お、おいっ!! この女……ワシが怖くないのかぁ!?

 

潮「ああぁ───提督ったら酷い! こんな大きな槍を、この子を突き刺したまんまで放置しておくなんてぇ! 明日になったら直談判しなきゃ!!」

 

な、なんだぁ? ワシの姿を見ても驚かんのかぁ!?

 

早く戻らんと、『??』に叱られるだろうに!

 

??「ガァアアアアアア───ッ!」

 

潮「キャアアアア──ッ!!」

 

ほれほれぇ! ワシの口は大きいし、鋭い牙が生えてるぞ!

 

それに───この凶悪な爪と腕、ワシが何千何万の妖怪を切り裂き、殺してきた恐ろしい武器なんだぞぉ!!

 

───どうだぁ! 怖いだろう、恐れているだろがぁ!

 

これに懲りて、二度と、この部屋に入るんじゃねぇ───!?

 

潮「わあ……凄いね! こんな立派な牙や爪、始めて見ちゃたぁ! 漣ちゃんや曙ちゃん、朧ちゃんにも見せてあげたいなぁ!!」

 

──────ガクッ!

 

ワシのやったこと……全部無駄か。 ちぃ! 面倒だが……話さなきゃ

分からないようだな。 ったく……真由子みたいな奴だ!

 

??「────おいっ! そこの女!」

 

潮「───は、はいっ! って………今、喋ったのは………貴方なの?」

 

??「ああ、ワシだよ……! こんな小汚ない地下室に小娘が何のようだ!?」

 

潮「えっ? それは……その……提督が、此処に誰か匿っていると聞いたから……心配して……」

 

??「『??』がか……ギャーッハハハハッ! アイツにそんな甲斐性なんてねぇ! 心配しなくても大丈夫だ! 女なんて囲うことなんかない!」

 

潮「ふぇえ!? わ、私………そんな事、ひと言も!」

 

??「ふん! こんな薄暗い石壁の気味悪い場所へ、若い女が一人来るなんて事は、嫉妬に駆られて怒鳴り込んで来るのが大概さ! それとも……なんだ? ワシをどうにかしようとでもする気か? この大妖怪であるワシを?」

 

潮「えっ!? よ、妖怪なんですか? こ、こんなに……可愛いのに!!」

 

??「………………ワシを目の前にして、『可愛い』なんてほざく奴は二人目だ。 はぁ~! ……あれほど恐れられたのが、遥か遠い昔に思えるぞ?」

 

潮「あっ、わ、私………此処の○○鎮守府所属の綾波型10番艦……潮(うしお)と申します! あ、あの………貴方の名前は、なんて呼ばせて…… ど、どうしたんですかぁ──?」

 

??「………ワシの名前は『字伏せ』『長飛丸』と数多く呼ばれている。 しかし、今のワシは『とら』だ! 『とら』と呼べばいい!」

 

潮「はい! 私の事は潮と呼んで下さい! 提督や第七駆逐隊の皆も、そう呼んでくれます! わぁ──『とらちゃん』の事も、皆に紹介しないと!!」

 

とら「おい、コラッ待てぇ!! なんでワシより年下の分際で『ちゃん』付けで呼ぶんだぁ! せめて敬って『とら様』と呼ぶべきだろうが───」

 

潮「『とらちゃん』で充分です! 」

 

とら「ぐぅ……ワ、ワシを目の前にして、有無を言わさぬ迫力を……! わ、分かった……。 その呼称で納得してやるわぁ! ………真由子と同じような……芯の強い女だ………やりにくくて仕方ない………」

 

潮「───あっ!! と、とらちゃん! 」

 

とら「な、なんだぁ!? ワシの耳元で、がなり立てるな!! 」

 

潮「そ、その槍! 早く抜かないと! 待ってて、今抜くからぁ!!」

 

とら「ま、待てぇ! その槍は、選ばれた者にしか抜けれないんだ!」

 

潮「大丈夫、私達『艦娘』は、人よりも力が遥かにある──」

 

とら「ば、馬鹿がぁ………話を聞けぇえええっ!?」

 

─────────!

 

 

◆◇◆

 

【 提督も関係者 の件 】

 

〖 ○○鎮守府内 工廠 にて 〗

 

《 潮 視点 》

 

その後………散々でした。

 

槍を握って軽く引くと、とらちゃんの身体から容易く抜けました。

 

だけど……槍を持った私には、急に力が満ち溢れ、私の髪の毛が地面に付いても伸び続けます!

 

様々な記憶が、私の脳に刻まれていくのが分かって──凄く怖かった!

 

とらちゃんが叫んでいるんですが……私の耳には入りません。 視界も急に暗くなちゃて、その後の記憶が殆どないんです。

 

覚えている事は、意識を失う私の目の前で、綺麗な女の人が哀しそうに謝られた事かな。 遥か昔の……中国の官女が着るような着衣で………

 

『貴女を………このような運命に巻き込ませてしまい、ごめんなさいね』

 

───と。

 

 

 

───それから、気付けば……明石さんの工廠でした。

 

そこには、涙を浮かべ喜んでくれる明石さんと第七駆逐隊の皆、思案顔の提督。

 

────そして、部屋の隅でキョロキョロと見渡している『とらちゃん』が居てくれました!

 

提督の話によれば、私の帰還が余りに遅いことを心配した漣ちゃん達が、提督に急遽報告。 提督も、話を聞いて着のみ着のままで案内し、倒れている私を発見して下さったそうです。

 

第七駆逐隊の皆は、任務があるからと戻り……提督も『今は体調を整えていてくれ。 私の知っている事を話すから』と仰り、仕事へと戻られました。

 

いったい……あれは何だったのでしょうか?

 

★☆☆

 

提督「…………潮は大丈夫ですかね? 」

 

とら「何とも言えねぇよ。 ワシにも事態がぜっんぜん掴めねえ。 それにしても……ようやく思い出した。 お前……あの時うしお達に助けられた………」

 

提督「その節は……お世話になりました! にいちゃんやねぇちゃ……い、いや、蒼月 潮、麻子夫妻に命を助けられた───『中島タツヤ』です!」

 

とら「そうか………それで、ワシに毎日食事を用意してくれたのか? 最初の奴が扉を開けて、ワシの姿を確認したら悲鳴を上げて逃げてきやがったが、あれから数十年経ったんだよな?」

 

提督「はい……! この鎮守府を建て直した時、地下から厳重に封印された扉が現れたそうで。 それで光覇明宗の方に来て、封印を解除して頂き、部屋の中を確認した次第です。 私も『関守 日輪』さんより事情を聞いております!」

 

とら「………………… 」

 

提督「ですが──失礼ながら、貴方は本当に『とら殿』ですか? あの時は『獣の槍』を背中に受けられ、白面と言う大妖怪を討つため、命を落とされた聞いているのですが?」

 

とら「………ワシにもわからねぇ。 気が付いていたら、あの状態だったんだよ。 どうも、あの槍が事情を知っているようなんだが、返事をしねぇんだよ!? ワシが本物かどうかは……戦ってみれば分かるぜぇ!」

 

提督「ならば───お願いします! 是非、私達の手助けを! この鎮守府は元より、国内外の海を救って下さい!!」

 

とら「………どういう事だ──」

 

タッタッタッタッ─────!

 

大淀「提督、大変です! 周辺海域に警備に出動した第七駆逐隊が、敵侵攻艦隊を捕捉、相互で海戦を始めました!」

 

提督「あの辺りなら、彼女達の練度と申し分ない筈だが?」

 

大淀「そ、それが──この海域で遭遇する筈のない『レ級』の存在が確認されたと! このままでは、第七駆逐隊が壊滅する可能性が!?」

 

提督「な、何だとぉ!?」

 

───ガタン!

 

潮「──今の話……本当ですか!? 」

 

提督「潮、聞いていたか? ──しかし、お前は病み上がりだ! 何時もの万全な体調じゃないんだ! それに、轟沈する事が分かっている場所に、潮一隻だけ行かすわけにも!! 他の艦娘が戻るまで待つんだ!」

 

潮「ですが──このまま手を拱いて、また皆を全員失うなんて………もう嫌です! 私にも覚悟があります! 提督、行かせて下さい!!」

 

提督「だが………『しょうがねぇな!』──とら殿!?」

 

とら「行ってやるよ──潮、槍を呼べ! 」

 

潮「槍を…………呼ぶ?」

 

とら「お前は、槍に選ばれたんだよ! お前が呼べば、槍はどんな所に居ようが、どんな何重にも張られた結界だろうが……関係ねぇ! お前の手元に訪れて力を貸してくれるぜぇ!」

 

潮「それじゃ、皆を救う事も───」

 

とら「だがな……獣の槍は、使用者の魂を力と成す! つまり、魂を削られ過ぎれば、ワシのような獣になるぞ! その覚悟は……あるのかぁ!?」

 

潮「皆を救えない未来なんて──想像したくない! 誰かが哀しむ様子なんて見たくない! だから、私は槍を使います! あの笑いあった日々を、過去の思い出だけにしたくなんか───ありません!!」

 

とら「なら、直ぐに戦の用意をしておけ! ワシが、そこまで運んでやる!」

 

潮「─────は、はいっ!」ダッ!

 

提督「とら殿───恩に着ます!」

 

とら「ふん、ワシは強い敵と闘いたいだけだ! それに、潮の出動も認めて貰うぞ? それが、今回の手助けの条件だ! ついでに──敵対している者の実力を試してやる! 強ければ、退屈な日常より解放されるからな? 」

 

提督「了解です。 潮の事……よろしくお願いします!」

 

とら「 ワシだって……潮を結構気に入ってるんだ! 他の奴らの餌なんかにさせねえよ! おいっ、後で何か必要な物があれば、急いで準備しておけよ! 潮を泣かすと──どうも、嫌な予感がしてならねぇ!」

 

提督「ふふ……その件も了解ですよ! 」

 

ーーーー

ーーーー

 

大淀「───行かれましたね。 まさか、窓から飛んで行くとは思いませんでしたけど。 提督は、あの方をご存知なのでしたか?」

 

提督「私が……まだガキで、ひねくれていた時に助けて貰ったのさ。 丁度、同じように海の怪異があった時に──! 私が今、この地位に入れるのは……にいちゃんとねぇちゃん、そして……あのとら殿のお蔭だ!」

 

 

『俺と一緒に、母ちゃんにいいとこみせようぜ?』

 

『タツヤ──っ! カッコよかったぞぉ──っ!』

 

 

提督「──大淀、至急艦隊を編成、例の海域を目指すように通達! 私も同行し、二人の勇姿、余すことなく刮目させて貰うぞ! 」

 

大淀「──はいっ!」

 

 

 

ーーーー

ーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

艦これの資料を読んでいましたら、潮ちゃんの名前を見かけ、最近始りましたアニメを思い出しました。 作者も第好きでした読んでましたからね。

 

───『うしおととら』

 

作者の作品を読んで下さる方は、ご存知かと思いますが、結構伝説や昔話をモチーフにした話が出てきます。 勿論、妖怪とかも。

 

そんな関係で、『潮ととら』で検索したら、絵では何件か出てきましたが、小説では出てこない。 探し方が悪いのか出てこない。

 

それじゃ………書いてみるか。 ええ……単純でしたね。

 

艦これの小説も、もう少しで完成だったのですが、ネタが詰まって止まった状態。 戦極姫の小説も言うに及ばず。

 

そんな突貫小説ですので、連載はしません。 しても……闘いの所で終わりかな? 設定なんて、行き当たりばったりですので。

 

次回は、艦これの小説になりますので、よろしくお願いします!

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択