No.797142

インフィニット・ストラトス ~The blade princess~

Type_002ptさん

第一話

2015-08-19 14:05:25 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1031   閲覧ユーザー数:1019

前書き

 

ふと、書きたくなって書きました。艦これの方と同時進行で出していきたいと思います。

 

2015/8/19 間違い修正

 

 

 

 

春。それは別れの時期でもあり、同時に出会いの時期でもある。

 

 

「ああ~~。疲れた~」

 

 

私こと如月 明日香は制服を着崩してベッドに腰掛ける。開けた窓からは春のそよ風が入ってくる。

 

私は今日が高校の入学式だった。入学したのは地元の就職率の高い高校だった。入学している友人も多いから友人関係には苦労しないだろう。

 

────そう、『友人関係』の苦労は絶対に────

 

ふと、テレビの電源を入れると教育テレビ以外の全てのチャンネルで、同じことが鸚鵡返しの様に繰り返されている。

 

 

『現在、各国のIS研究機関で男性のIS適合者が居ないかどうかを検査していますが、依然として男性のIS適合者は織斑 一夏君しか発見されていない状況です。』

 

 

──────────IS。制式名称 Infinite・Stratos(インフィニット・ストラトス)──────────

 

 

それは篠ノ之 束博士の作り出した夢の塊。宇宙(そら)の彼方へ行きたいイカロスの為に作り出した『蝋で固めた翼』。

 

それは現実となり、それは博士の夢を乗せ宇宙(おおぞら)へと羽ばたく筈だった。

 

 

だが、神々(人類)はそれを赦さなかった。

 

 

蝋で固めた翼(IS)を人類は兵器として扱った。その翼に風を抱き翔んだイカロス(白騎士)は大空へと羽ばたき、靡く風(降り注ぐ4312発のミサイル)を物ともせずに羽ばたいた。

 

その翼(IS)を神々(人類)は恐れ、驚き、崇拝した。

 

やがて、その翼(IS)は太陽(アラスカ条約)に焼かれ(縛られ)宇宙(そら)へと上がる事はなかった。

 

 

更に厄介な事に、その翼(IS)は女性にしか扱えなかった。その為、女尊男卑という今の体制が根付いてしまった。

 

 

 

私はテレビの電源を落とし、ベッドへ横たわる。

 

 

「………夢の内容も知らない馬鹿共はそれを使い権力を手にいれた……ね…………」

 

 

そんな中に現れた男性適合者『織斑 一夏』は正に世界中の男の希望とも言えた。

 

そんな彼はIS教育専用の学校────IS学園へと入学させられたのである。

 

 

「……さてさて、アイツは卒業までに何人堕とすことやら」

 

 

織斑 一夏。中学生時代の渾名は『唐変木・オブ・唐変木』『歩くフラグ建設者』『フラグ建築特一級保持者』etc…

 

兎に角、唐変木なのである。道を歩けば女性の目を引き、話し掛ければ恋に堕ちる。そんな彼は鈍感すぎる為、彼に恋した者達は皆等しく枕を濡らすであろう。

 

そんな彼の友人を続けて居た為、彼を思う者達からの相談が後をたたなかった。

 

 

「まっ、それも今年からは起きないから無いから気楽に高校生生活を満喫出来るけどね」

 

 

そう言って置いてあったカフェオレを一口飲む。これからは七色(?)に輝く高校生生活──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………………………………………………」

 

 

突然、家のチャイムが鳴った。

 

只、それだけの筈なのにとてつもなく嫌な予感がする。

 

 

 

 

 

ピンポーン……ピンポーン

 

 

 

 

 

 

 

「…………居留守をしよう。それがいい」

 

 

布団を被り完全に気配を消す。

 

 

 

 

 

………………………………………しーん…………………………………

 

 

 

 

 

 

妙な沈黙が続くが気にせず気配を消し続ける。

 

それが、数分続き漸く私は布団から顔を出す。

 

 

「居なくなっt─────────」

 

 

 

 

 

 

─────ガチャ…………キィイ…………ガチャン…………………

 

 

 

 

 

「────────────────────────────」

 

 

 

 

閉めていた筈の玄関の鍵が外れる音がして、何者かが家に入ってくる音がした。

 

 

 

ガサガサ………トンッ………トットットットットットッ………………

 

 

靴を脱ぎ、階段を上がって来る。

 

 

「………靴を脱ぐって、何者?」

 

 

鞄の中から護身用のバタフライナイフ(刃渡り10cm前後)を抜き出して窓を開け、迎撃又は逃走の用意をする。

 

 

トンッ…トンッ…トンッ………

 

 

私の部屋の前で足音は止まり、沈黙が流れる。気配からして只者ではない、そう私の勘が警告を発し続けている。

 

 

ガチャ──────

 

 

遂に最後の扉が開かれ、私が窓枠に足を掛けた時─────────

 

 

 

ヒュゴッッッッッッッッ

 

 

「ぬわわ!!?」

 

 

いきなり襟首を引っ張られベッドに放り投げられる。バフンと跳ねた衝撃でバタフライナイフが手から離れる。

 

 

「っ!?!?もががが!?!?!?」

 

 

次いで叫ぼうとした口をハンカチの様な布で押さえ付けられる。ハンカチからは微かに薬品の香りが漂っている。

 

 

(あっ………これはヤバイやつだ……………)

 

 

意識が段々と遠くなっていくのを感じながらせめて相手の顔を見てやろうとするが、瞼が重い。

 

 

「すまん。こうでもしないとお前は逃げるだろうからな。恨むなら私とあの天災(・・・・・・)を恨んでくれ」

 

 

(あれ………今の……こ…えは………ち…ふ……)

 

 

その声に懐かしさを感じながら私の意識は深い闇の底へと落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────知らない天井だ─────」

 

 

次に私が目を覚ますと、見たこともない天井がそこにあった。

 

 

「お前は何処の三人目の適合者だ」

 

 

バッ!!(←飛び起き0.05秒で窓を確認して突撃)

 

ガシィィィッッッッッッ!!(←それを越える速さで襟首を掴む)

 

 

「何故逃げる、明日香?」

 

「そりゃ誰だって逃げるよ!?」

 

 

ジタバタ暴れる私に溜め息をつく女性。今時世界最強の女性であり、世界中の女性の憧れの的。初代ブリュンヒルデであり、友人の姉であり、同時に厄介事を押し付けてくる人No.2。

 

 

「ここどこ!?って言うかなんでここに居るの、千冬姐!?」

 

 

そう、織斑 千冬。その人である。

 

 

「少し落ち着け馬鹿者」

 

 

手を離され着地様に額にチョップを決めてくる。世界最強の名は伊達では無く、軽めのチョップと言えども頭部全体に衝撃が響く。

 

 

「ヤッパリ規格外アダッ!!」

 

「本人を目の前にしてよくそんなことが言えるな」

 

 

さっきより強めにチョップを入れられ悶える私。だが、そのお陰で少し落ち着いてきた。

 

 

「それで、千冬姐………ここどこ?」

 

 

部屋の内装を見る辺りそんじょそこらのホテルより良い作りになっている。

 

 

「ここはIS学園の寮の一室だ」

 

「………………………………………はい?………」

 

 

千冬姐の言葉を理解仕切れない。

 

落ち着け私。これはきっと夢だ、そうに違いない。そうでなければあの世界最強の千冬姐がこんな馬鹿な事を言うことは─────────

 

 

「残念ながら本当だ。現実逃避したって無駄だ」

 

 

───────ありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、なんで私はここに居るの?」

 

 

現実逃避から帰ってきた私は向かい側の椅子に腰掛けている千冬姐に聴く。

 

 

「……あの馬鹿が仕出かした事は知っているだろう?」

 

「ええ、それはもう。二ヶ月経った今でもテレビでひっきりなしに出てますからね」

 

 

あの馬鹿、とは織斑 一夏の事である。そんなもんは百も承知だ。

 

 

「マスコミにバレて各国の研究機関からは調査依頼が殺到した」

 

「そりゃまぁ……」

 

「それで仕方なくこの学園に入学させた。ここなら各国の手も出しづらいからな」

 

「で?…なんで私がここに居るんですか?今の内容じゃ私要らなくないですか?」

 

 

ついつい私の必要のないことを言われ、一寸熱くなって聴く。

 

 

「うむ、実はな外からの脅威は排除出来ても中からの脅威には手を出しにくい」

 

 

一応教員だしな、ととてつもない事を言われた。

 

 

「え…千冬姐。ここの教員なの?」

 

「ああ、だが今はその事は置いておくぞ。…………つまりだな、アイツに接触してDNAだりなんだりを採取したり、ハニートラップを仕掛けて自国に引き込もうとするのを対処しづらいんだ」

 

 

嫌な予感がします。超絶嫌な予感が。

 

 

「私並みの実力を持ち、尚且つ信頼出来る者に護衛に着いて貰いたい」

 

「結局、一夏のお目付け役じゃん!!?」

 

 

帰るぅ~~~!!と逃げ出そうとするが、それを止める驚愕の事実が放たれる。

 

 

「ああ、そうそう。お前の学籍をここに変えておいた」

 

「………………はい?…………………」

 

「始業式は明後日の9:30からだ。仕度しておけよ。逃げ出せば束が変な探知機で世界の果てまで追いかけるそうだ」

 

「結局逃げ道の一つも無いーーーーーーーーーーー!?!?!?!?!?!?!?」

 

 

ニギャ~~~!!?!?!?と悲鳴を上げ、私はベッドへ倒れ込む。

 

ああ……去らば平穏な高校生活。いらっしゃいcrazyな学園生活。


 
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