No.796593

ボルトが遊びに誘ってきた

スーサンさん

映画に触発されて書いたボルサラ小説です!
サイトで後日談的なものを書きました。
よければ見に来てください!
サイト:http://www.geocities.jp/shinoujp/index.html

2015-08-16 17:43:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:10939   閲覧ユーザー数:10928

「なぁ、サラダ、今度の休み、一緒に遊びに行かねぇか?」

「え……?」

 サラダは自分の顔がボッと熱くなるのを感じた。

 

 

「とういことでデートってなにをするかわからないから相談に乗ってほしいわけだ?」

 クスクスとミツキは可愛く笑った。

「ち、違うわよ!」

 逆にサラダは顔を真っ赤にしてミツキの言葉を否定した。

「おや?」

 ミツキは不思議そうな顔をした。

「男が女の子を誘って遊びに行くのはデートじゃないのかい?」

「……」

 恥ずかしそうに項垂れるサラダにミツキはうんうんと頷いた。

「サラダは可愛いね」

「ッ……!?」

 さらに顔を真っ赤にするサラダにミツキは納得したように顎に手を置いた。

「やっぱり、ボルトはサラダが好きだったのか」

「なななななんでそういう答えになるの!?」

「だって、七代目は元はサラダのお母さんが好きだったのは有名だし、サスケさんとは好敵手だし、実際、サラダはボルトのストーカーだし」

「ちょっと、誰がストーカーですって!?」

「違うの?」

 心外なと怒鳴った。

「断じて違う!」

「そうなの……?」

 頭の上に何個も「?」を作るミツキにサラダは声を荒げた。

「いいから、なにか助言をちょうだいよ!」

 なりふり構わなくなったサラダにミツキは少し考えるように顎を上げた。

「ボルトがどんなデートコースをするのかが決め手だから……」

「で、でーとじゃない!」

 声を上ずらせて否定するサラダを無視し、ミツキは頷いた。

「まず、ボルトの好きそうな服とか着るのが大事だよね」

「ボルトの好きそうな服か……」

 サラダも真面目に考えだした。

「アイツ、意外と新しい服好きだからなぁ……」

「ボルトの服じゃなくってサラダの服ね」

「……」

 真っ赤になるサラダにミツキは彼女の可愛そうな胸を見た。

「なにを着ても大して変わらなさそうだけど……」

 拳が飛んだ。

「おっと」

 軽く避けた。

「気にすることないよ」

 避けた手を軽く下げて、ミツキはニコニコと笑った。

「サクラさんもぺったこんだし、ボルトのお母さんは巨乳だけど女の子は胸じゃないから」

 改めてサラダの胸を見た。

「でも、胸は人間が魅力的に感じる部分の一つだけど……」

「全然フォローになってない!」

 さすがに涙目になるサラダにミツキは改めて考えた。

「じゃあ、服はいつも通りで軽くスキンシップを取るとか?」

「ミツキのエッチ!」

「手を繋ぐとか」

「……」

 また言葉を失い顔を赤らめるサラダにミツキは耐え切れず苦笑した。

「サラダって耳年増だよねぇ」

「く、くぅ……」

 見事に手のひらの上で踊らされる自分にサラダは一生この男に勝てないと悔しくなった。

「あ、そうだ!」

 いい案が出たという顔で手を打った。

「お弁当を作るのはいいかもね! ああ見えて、ボルトは家庭的なところに弱そうだし♪」

「家庭的か……」

 ミツキの笑いが飛んだ。

「もっとも、サクラさんの料理はマズイからさらだのみかくもあてにならな……」

 ミツキの顔がサラダの拳にめり込み、倒れ込んだ。

「誰が飯マズ女だ……」

 

 

 そして、遊びに行く当日……

「うぅ~~~……」

 映画館が出てボルトは興奮した顔で両手を振り上げた。

「やっぱ、サイコーだってばさ♪」

 続くようにいのじんも頷いた。

「そうだね!」

 眠そうにシカダイがあくびをした。

「俺、寝ちまってたぜ……」

「……」

 その後ろを女の子らしい可愛い服で付き添い、サラダは自分のバカさ加減に呆れた。

(こういう男よ……)

 デートだと思ったデートはデートでなく本当にただの遊びだった。

「あれ?」

 ふくれっ面のサラダに気づき、ボルトは振り返った。

「サラダ、お前、映画、つまらなかったか?」

 シカダイが眠そうに答えた。

「男のやるゲームを映画化した奴だからな」

 いのじんが可笑しそうに笑った。

「ボルトが途中で騒ぎ出しそうでボクはハラハラしたよ……」

 三者三様に顔を綻ばせる三バカの反応にサラダは苛立った。

(映画のチケットが余ったから私を誘ったって……しかも)

 実は前にミツキが誘われて断っていたのだ。

(アイツ、知ってて黙ってたわね)

 もっとも、聞かれなかったから言わなかったと言うだろうミツキにサラダはそれでも報復の誓いを立てた。

「さて、俺達は先に帰るぜ!」

「え……?」

 ボルトは意外そうにポーチからゲーム機を取り出した。

「これからハンバーガー屋で映画の特典アイテムを使って冒険だろう?」

 いのじんが困った顔で笑った。

「ボク達は素直に帰るよ。それよりもサラダとどこかゆっくりできる場所に行ってきなよ」

 シカダイの後を追うようにいのじんも歩き出した。

「……?」

 残されたボルトは不思議そうな顔をした。

「いいか、貸しだからな!」

「ちょ!?」

 ボルトの顔が真っ赤になった。

「なんで貸しだよ、これが!?」

 去っていく二人にボルトは頭の後ろをボリボリと掻いた。

「まぁ、いっか?」

 つまらなさそうにしているサラダに振り返った。

「なぁ、サラダ、冒険しねぇか?」

「……」

 ゲーム機を指さすボルトにサラダはため息をついた。

「男って本当、しゃーんなろう……」

「……?」

 不貞腐れるサラダにボルトは訳の分からない顔をした。


 
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