No.793622

寂しがりやな覇王と御使いの兄 拠点第三弾

あなたまさん

残りの桃香 三羽烏 西涼組み 母親組み 華琳・曹嵩の拠点です~
キャラ崩壊がありますので注意を!

2015-08-02 01:12:04 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:9661   閲覧ユーザー数:6396

 

拠点(桃香)

 

陳留・・・かつての外史、そして今の外史でも華琳・一刀達の本拠地

大体は北は黄河、南は長江 この間の肥沃な平原地帯の中原

 

この中原でも交通の要衝として栄え、一刀が天の知識と以前の経験を存分に生かした結果、前漢の劉邦が築いた都・長安、後漢の光武帝が都と制定した洛陽にも勝るほどの大商業都市として名を馳せている

 

 

永らく留守にしていた陳留に凱旋を果たした一刀だが、陳留に戻ってから浮かない顔が続いて為、桃香が強引に連れ出し2人で陳留の街を散歩していた

 

 

 

 

桃香「ほへーここが一刀さんの故郷の陳留か~交通の要衝だけあって、以前過ごした洛陽に負けないぐらい栄えてますね~商業の賑わいは洛陽に勝ってるかな?」

 

一刀「俺や華琳達の本拠地だからね、色々試行錯誤しながらここまで発展させるのは大変だったよ。反連合で奪われた後、民衆に悪政を強いたりしてなかったみたいだから安心したよ」

 

 

桃香「そっか...一刀さんも十常侍に洛陽を追われたり、本拠地を奪われた経験がありました....ね」

 

一刀「十常侍との対立はある程度予測してたんだけど、反連合は予想外の出来事だったから・・・陳留の民には申し訳ないと思ってるよ」

 

桃香「でもみなさんは、一刀さんが陳留に戻られてとても喜んでいると思いますよ?」

 

一刀「だといいんだけど。正直、恨まれても仕方ないと思ってるところもあるんだ」

 

一刀が身分を隠し、大陸を旅するようになってから陳留は華琳に任せっぱなしだった。

それに加え、一刀が奪還するまでは袁紹の領地になってしまった・・・一刀は奪還が遅くなってしまったことを悔いてた

 

 

桃香「一刀さん!行き交う民のみなさんや、商売に精を出す周りにいらっしゃる商人の方々を見てください!」

 

一刀「え?」

 

桃香「見てください!」

 

一刀「はい!」

 

更に自分を責めようとしていた一刀は、急に桃香に周りを見るように指示をされる

なぜ?と聞こうとした矢先に、有無を言わさないほど強い口調で周りを見るように求めてきた

そして周りを見渡せば・・・子供は楽しそうに遊び、大人は商売・工業・農業にと、生き生きしながら働いていた。

 

老若男女問わず、ずべての民に共通している事、それは”暗くどんより”とした絶望感漂う雰囲気が一切ない事だった

 

桃香「どうですか?一刀さん、民のみなさんはとても活気に満ちた表情をしています。このような光景、乱世で見られる都市なんて一握りです。一刀さんは”民の笑顔”で溢れる街を造り上げたんです、そんな一刀さんを責めるような人はいません。それに・・・後ろを見てみてください」

 

一刀「今度は後ろ?なにが・・・・」

 

 

一刀が振り向いた先には・・・洛陽から脱出する華琳達の護衛に就けた親衛隊と・・・主君を護り最後まで戦った親衛隊の家族が、一刀が街に出ていると噂を聞きつけ参上してきたのである

 

親衛隊「曹仁様・・・お久しぶりにございます」

 

一刀「お前達・・・陳留にいたのか」

 

親衛隊「っは、曹操様が洛陽に召集時に、満寵、牛金を筆頭に大半の親衛隊は洛陽に赴きましたが、我々一部の者は陳留に留まり、守護の任に就いておりました」

 

一刀「そうか・・・俺が留守の間華琳を支え、陳留の民を護ってくれた事を感謝する」

 

親衛隊「もったいないお言葉にございます。ですが我々は曹仁様、曹操様が生まれ育ったこの土地を袁紹に奪われる失態を犯してしまいました、いかような罰も甘んじて受け入れる所存です」

 

一刀「よい、陳留陥落はお前達に責は無い、よって俺は罰を与えない」

 

親衛隊「そのお言葉は大変嬉しく思います。しかし、信賞必罰を怠ってしまっては規律が成り立ちません。どうか私達に罰をお与えください」

 

一刀「・・・お前達も同じ気持ちなのか」

 

 

親衛隊's「ッハ!相違ありません!」

 

 

一刀は陳留に留まり、ずっと民を護り続けた親衛隊を罰する気持ちは全くなかった。

対する親衛隊は元・曹仁軍最強と言われたエリート部隊、陥落時は責任と取って自害しようとする者が大半だった

しかし、いま自分達が死ねば民を護る存在が居なくなると考え直し、生き恥を晒そうと敵の膝に屈してた

 

自分達が永らえるのは一刀が陳留に戻り、民が開放されるまでと決めていたのだ

 

そんな一刀と親衛隊の様子を見ていた民は、事情を周りに伝え親衛隊助命のを一刀に訴え出た

 

 

民1「曹仁様、親衛隊の方々はおいら達をずっと護ってくれました」

 

民2「親衛隊の方々が常に袁紹側からの防波堤になってくれていました。親衛隊が居なければ、私達は奴隷として扱われていたかもしれません」

 

民3「お願いしますだ、どうか・・・どうか親衛隊にお慈悲を・・・」

 

親衛隊「お前達!そんな事をしては、お前達の命が無くなるかもしれないのだぞ!ただちに辞めよ!」

 

民1「おら達はどうなってもいい、命の恩人である親衛隊を見捨てる事は出来ませぬ」

 

 

 

親衛隊の助命嘆願をしてきた民と、罰を望み民を帰そうと必死になる親衛隊

両者ともお互いを思い、首が飛ぶのを覚悟で一刀の前に姿を現した

 

中には幽州の大徳と謳われる劉玄徳・・・桃香に一刀を説得を頼む民も出てきている。

一刀に対等に意見出るのは、この場では桃香だけ、民は桃香に何とか頼み込むが・・・

 

本音を言えば、桃香は親衛隊を助けたい。しかしこれは自分が口を出してはいけない問題だと桃香は無言を貫き、事の推移を見守っている

 

そして一刀も親衛隊・民を罰するつもりは全く無く、この場をどうやって収めるかを考えている

 

一刀(どうする・・・どうやってこの場を収める、親衛隊は罰を与えなければ納得しない、民は親衛隊に罰を与えれば納得しない)

 

桃香(一刀さん悩んでるな~普段ならすぐ思いつくと思うけど、動揺してる・・・のかな)

 

 

一刀が悩んでいる間も、親衛隊と民がお互い譲らずに口論を続け、それに釣られるように野次馬がどんどん増えていった

 

桃香「あちゃ~随分人が集まって来ちゃったか、そろそろ騒ぎを聞きつけてお城から誰か来るかもしれないし・・・一刀さん」

 

一刀「桃香か・・・すまない、知恵を貸してくれないか?両者納得する案が浮かばなくてな」

 

(私に知恵を求めるって大分弱ってますね、こんな一刀さんも可愛い・・・じゃなくて!)

 

無言を保っていた桃香が一刀に近づき、一刀が助言を求めたので、民は期待に胸を膨らませている

 

 

桃香「そうですね~罰を与えればいいと思いますよ?」

 

一刀「桃香は罰を与えろ・・・か」

 

桃香の口から”罰”が出たことで、親衛隊と民で反応が別れた

 

桃香「ですが、”戦場”での失態は”戦場”でしか清算できませんからね♪」

 

(戦場でしか・・・そういう事か!)

 

一刀「親衛隊に判決を下す、親衛隊への罰は、袁紹との決戦で”戦功第一”になる事だ。これは生半可な事ではない、これがお前達への罰だ。必ずやり遂げろ」

 

親衛隊一同「必ずや・・・やり遂げてみせます!」

 

 

民は親衛隊の命を奪う判決ではない事に安堵し、親衛隊は汚名を返上する機会をくれた一刀に感謝をした。

 

その後は親衛隊の遺族との会談と、凱旋した一刀にわれ先にと、売り物の肉まんやお菓子の差し入れをする者が続出し、お祭り騒ぎにまで発展してしまう。すべてが終り、開放された頃にはすっかり日が傾いき、夕暮れとなっていた

 

 

桃香「すっかり夕空になっちゃいましたね」

 

一刀「なんかごめんな、こんな事になっちゃって」

 

桃香「一刀さんと民のみなさんの絆の深さを垣間見る事が出来ましたし、その後のどんちゃん騒ぎは楽しかったです!」

 

一刀「そういってくれると気が楽になるよ。それと、助言してくれてありがとう。あの時は助かった」

 

桃香「それこそ大した事ないですよ、普段の一刀さんならすぐに思いついたことですから」

 

一刀「あの時は親衛隊やら、影武者になってくれた兵の親御さん達が居てな・・・混乱してたから本当に助かったよ」

 

桃香「お礼は素直に受けとさせてもらいますね、親御さん達とは何をお話してたんですか?」

 

一刀「息子が願った天下泰平を必ず実現して欲しい・・・だよ」

 

桃香「一刀さんや親衛隊の方々の夢が叶うまでもう少しですね」

 

一刀「桃香は天下泰平になったらどうするつもりなんだ?」

 

桃香「私ですか?うーん・・・まだ漠然とした構想しかありませんが、情勢が収まり次第旅に出ようと思ってます」

 

一刀「旅に?」

 

桃香「初めてお会いした時にお話したと思いますが、私の夢は『みんなが笑って過ごせる世を造りたい』は今でも変わっていません。むしろ天下が治まってからが私の夢の本番だと思うんです」

 

一刀「夢の・・・本番」

 

桃香「戦が無くなり歓喜を挙げる一方で、戦で傷ついた民達もいるのが現状です。幽州の民しか護れなかった今と違い、自由に動く事が出来れば救える人がいっぱいいると思います。私は救護団を結成し、今度こそ胸を張って『みんなが笑って過ごせる世を造りたい』を実現させる為に動きたいと考えています」

 

 

凄いな桃香は・・・

俺は天下統一の後はまだ何も考えていなかった、戦後復興の方がやることは多い

その中で自分は何をすればいいか、何を出来るかを前々から考えていたのだろう

大徳の劉備玄徳・・・もし・・・以前の外史で会ったのが華琳じゃなく、最初に桃香に会っていたらどんな世を迎えていたのかな

 

 

桃香「一刀さん、どうかしましたか?」

 

一刀「何でもない、もし桃香が救護団を率いるのなら、出来る限りの支援をするよ」

 

桃香「その時はお言葉に甘えさせてもらいますね♪」

 

 

本当は今言った救護団の他にもう一つ夢が出来たけど、一刀さんの周りには素敵な女性がたくさんいる。

もっと自分を磨いてから実現させないと!肝心の一刀さんに気づいてもらえるかが一番の問題ですよねぇー

やっぱり直接面と向かって言わないと駄目なのかな?うぅ~その時までに少しでもこの朴念仁治ってればいいな~

私のもう一つの夢・・・好きな人のお嫁さんになること!

少しあざといかな?でも私だって女の子だし、この夢は捨てないもんね♪

 

 

一刀「お?手を引っ張ってどこに行くんだ、桃香!」

 

桃香「今日はまだ終ってません!まだまだ楽しんで行きますよー!」

 

一刀「付き合うから引っ張らないで~~~~~~~~~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

拠点(三羽烏)

 

 

沙和「こうして三人揃って警邏するのも久しぶりなの~」

 

真桜「せやな~凪がうちらを捨てて、ワンコ隊に入ったからな~」

 

凪「捨てたとは言い方が悪くないか」

 

沙和「そうなの~凪ちゃんは隊長に忠実なワンコだから仕方ないの!」

 

真桜「女の友情より男を選ぶ・・・うちら悲しいわ~~」

 

沙和「泣かないで真桜ちゃん!例え凪ちゃんに捨てられても、沙和と真桜ちゃんの友情は不滅なの!」

 

 

沙和と真桜が久々に”北郷隊”の3人で警邏をしている最中だが、凪が居る事で二人のテンションが上がり、恒例の凪イジリに発展していた。

 

凪もワンコ隊の面子と一緒に居る事が多くなり、3人で居られる時間が減っているのは気にかかっているが、経験上関わるとろくな事にならないので、普通に仕事の話しに戻すことにした

 

 

凪「お前達仕事に集中しないか、隊長のお膝元である陳留で犯罪を行う不届き者は、一人たりとも見逃せないのだぞ!」

 

 

真桜「そうゆうてもな~天下の英傑がこの陳留に集合しとるからな~正直やる気が出へん」

 

沙和「真桜ちゃんの言うとおりなの、いまこの街で犯罪を犯そうと思ったら、命がいくつあっても足りないと思うの」

 

凪「確かに隊長を始め五虎将・飛将軍・小覇王・魏武の双璧と、以前は異名を取る人達ばかりだしな」

 

真桜「せやろ?こんな化物の巣窟で揉め事起こすとか自殺願望者だけやで」

 

沙和「ってことで沙和服屋見に行きたいの~阿蘇阿蘇で新作発表されたし、絶対に見に行かないとなの!」

 

真桜「沙和は相変らず服か~全部で何着所持する気なんや」

 

沙和「着なくなった服は他の人に安く売ってるから無駄にはしてないもん、そういう真桜ちゃんだってからくりの部品買いに行こうとしてるの!」

 

真桜「うちは沙和と違って隊長に頼まれてるから私用やないもん~」

 

沙和「ぶー真桜ちゃんのくせにずるいの~」

 

真桜「ずるいって・・・何がずるいんや沙和」

 

沙和「沙和だって隊長に頼られたい~凪ちゃんと真桜ちゃんばっかりずるいのー!」

 

真桜「そんなのうちに言われても・・・隊長に仕事頂戴って言いに行けばええやないか」

 

凪「沙和だって訓練で頼られてるじゃないか、なにが不満なんだ」

 

真桜「せやせや~凪もっといったれー!」

 

沙和「そういう事じゃなくて~凪ちゃんは隊長の親衛隊、真桜ちゃんも発明(がらくたが大半なの)で隊長の役にたってるのに、沙和だけ役割が地味なの!」

 

真桜「沙和・・・いまさりげなくうちの発明をディスったよな?」

 

沙和「ギ、ギクーなの!」

 

真桜「そないなやからさまな反応はいらん!まったく、沙和はわかってへんな~これらのどこがガラクタやねん」

 

沙和「どっからどう見てもガラクタなの!そんなぽんこつ戦場ではくその役にもたたないの!そんなガラクタしか作れない真桜ちゃんなんて、尻の穴に手を突っ込んで奥歯カタカタ言わせてやるの!」

 

 

凪(どうしてここで教官態勢に入ってるんだ?そしてこの流れはなんだ)

 

真桜

「ほぉ~言うやないか沙和・・・ええやろ、そのガラクタで化粧しとるその顔に・・・全自動洗顔装置つけたる!少しでも化粧しようものならすぐさま顔中に水を発射、綺麗さっぱり化粧を洗い流す寸法や」

 

沙和「真桜ちゃん・・・なんて恐ろしい物を作り出してしまったの!自分を可愛く見せる女の子の努力を無にするなんてひどいの!」

 

真桜「うちかて鬼やない、沙和がここで謝れば・・・この装置壊してやってもええで」

 

沙和「だが断る!なの!」

 

真桜「全自動、洗顔装置発射ー!」

 

 

沙和「あばばばばばばば!み、、、、みずつよすぎ、、あばばばばば」

 

真桜「見てみい凪!カラクリを馬鹿にした諸悪の根源を撃破したで!」

 

 

真桜が装置を止めようとしないので、沙和の顔には大量の水が噴射し続けている

それを見て腹を抱えて見ている真桜、ツッコミを放棄し、二人が満足するまで沈黙を決めた凪

 

この異様な光景を見慣れていない陳留の民は、何事かと野次馬が集まり始めていた。

15分ぐらいが経つと、装置の水を使い切ったのか噴射が止まり見てみると・・・落ちきれていない化粧の後、鼻水の後で顔がぐしゃぐしゃになっている沙和が現れた

 

普段から自分を可愛く見せようとしている沙和の今まで見た事ない顔を見て、真桜はいよいよ笑いが止まらなくなり、膝をついて地面を叩きながら爆笑を続け、堪えようとした凪も陥落。沙和には悪いと思いながらも真桜同様腹を抱えて笑いだしてしまった

 

沙和「ま~~~お~~~う~~~ちゃ~~~ん」

 

 

顔で受け止められきれなかった水が髪を濡らし、

 

三つ編みで作ったサイドテールも解け、まさに呪い殺すために現世に舞い戻った怨霊の様な姿で自分をこんな姿にした真桜にゆっくり、ゆっくりと水をぽたぽた垂らしながら近づいていく。

 

そんな中、野次馬の一人が気が付く。どこから取り出したのか、沙和が双剣・二天を手に持ち『許さない・・・許さない・・・真桜ちゃんに死を・・・』と壊れた笑みを浮かべながら接近していることを・・・

 

腹を抱えて笑っていた真桜は、自分に向けられた殺気にようやく気が付き沙和の方に目線を向け、あまりの異形さに逃げ出そうとするが足が動かない。まるで沙和が金縛りを真桜にかけたかのように、真桜は動きを封じられてしまっている

 

そして・・・遂に沙和(怨霊)が真桜の目の前に辿り着いた。

普段の沙和では考えられないほどドスが効いた低い声で

 

 

 

お仕置きだよ・・・真桜ちゃん、私が受けた苦痛じゃ済まさない。ニヤァ

 

 

野次馬の民もあまりの恐ろしさに逃げ出そうとするが、恐怖で足が竦んでいるのか動き出せる者は一人も居なかった

 

 

唯一沙和を止められるであろう凪は

 

 

凪「沙和に新しい属性が追加されて存在が濃くなったか、私も隊長に尽くすと同時になにかやってみようかな」

 

 

恋する乙女、忠犬凪は真桜・沙和のやり取りは既に眼中に無く、いかに周りを出し抜き自分を可愛がってもらうかを考え始めていた

 

 

真桜「あかん・・・うち死んだ」

 

頼みの綱・凪が見捨てたことにより、真桜は自分の死を悟り、目を閉じた

 

 

沙和「真桜ちゃんがいけないんだよ・・・真桜ちゃんがこんなの作らなかったら死ななかったのにね。バイバイ真桜ちゃん。クスクス」

 

 

そう言い放つと沙和はゆっくりと二天を・・・・

 

 

凪「あ、隊長の気配だ」

 

 

沙和「えー!隊長どこどこ!」

 

 

両手に持っていた二天をどこかに放り投げ、キョロキョロと周りを見渡し一刀を探し始める

凪が一刀の気配を間違えるなどありえない、凪が感知したならば絶対近くにいるとくまなく探している

 

 

沙和「隊長!隊長どこなの!」

 

凪「あそこの道から来るぞ」

 

 

凪が指を向けた道は、まるでモーゼのように人が左右に別かれ、道が見通せるようになると、遠くから歩いてくる一刀の姿がうっすらとだが見えている

 

 

沙和「いや~ん、隊長と会うならメイクし直さないとなの!蛆虫以下の存在で、おっぱいお化けの真桜ちゃんと遊んでる場合じゃないの!」

 

 

 

 

凪「隊長の気配察知もかなり正確になったが、恋さんや華琳様に負けぬように更に改良しないと」

 

 

最後の最後まで真桜を罵倒、しかも存在意義はおっぱいだけと言ってるようなものだった。

凪も終始沙和と真桜の掛け合いに興味は無く、隊長にどう尽くしていくか、この事しか考えていなかった

 

 

真桜「うちのだらしない姿を民間人に見せつけ、更に誰も構ってくれない・・・あかん、癖になりそうや」

 

 

沙和から罵倒、凪から放置プレイを食らったことで、真桜の中で何かが目覚めようとしていた

 

 

一刀「なんなんだ?この人混みは、なにか事件でもあったか?」

 

 

モーゼで割られた道の真ん中を不思議に思いながらも、思考を深めている凪、ハァハァと喘ぐ真桜、物凄い勢いで化粧を直している沙和の下に辿り着いた

 

凪「隊長お疲れ様です、隊長はお一人でどうなされたのですか?」

 

一刀「久しぶりの陳留だからね、視察も兼ねて警邏をと思って・・・それより、何かあったのか?」

 

集まった民衆、鏡を片手に物凄い勢いでメイクしている沙和、なぜか恍惚の笑顔を浮かべている真桜

これを見て理由を聞くなと言うほうが無理である

 

凪「気にしないでください、いつもの馬鹿な行動ですので」

 

一刀「嫌々!馬鹿な行動ならいつも通りで流すところだけどね?過去一番ひどいからな!?」

 

凪「いつも通りです、いいですね?」

 

一刀「あ、はい。わかりました・・・」

 

 

凪はかなり勢い良く念を押してきた為、一刀は何も言えずに頷くしかなかった。一刀自身も状況がカオスすぎる為、気にするのを辞める事にした

 

 

真桜「隊長もうちを無視する・・・こ、これが!華琳様に無視されて恍惚の笑顔を浮かべる桂花の気持ち!」

 

 

一刀(真桜がドMを開花させてる・・・マジで何があったのこれ。気になるけど聞けない)

 

沙和「た~いちょう~!こんなところでどうしたの~?」

 

一刀「ちょっと視察にね、沙和は今何をしてたんだ」

 

沙和「え~沙和はちゃんと視察してたの~!」

 

一刀「え、いま鏡で『し・さ・つ!してたの!』・・・沙和はちゃんと視察しててエライナー」

 

沙和「隊長~暇なら一緒に視察するの~!」

 

一刀「俺も視察するつもりだったから、邪魔じゃないなら一緒に行こうかな」

 

凪「何を言っているのですか!私達が隊長を邪魔だと思うわけないじゃないですか!」

 

沙和「さすが凪ちゃん!沙和達が言えないことをずばっと言えるのは凄いの!」

 

真桜「なんだかんだ、凪が一番大胆やからな~」

 

凪「なんだ、お前達は隊長と一緒に居たくないのか!」

 

沙和「そんなの愚問なの~」

 

真桜「まったく、隊長の事になると一途すぎるんやから」

 

凪「異論が無いみたいですので、私と組んで行きましょう!」

 

 

真桜「ちょーとまち!なんで凪が組む事決定してるんや!隊長と組むのはうちや!」

 

沙和「沙和に罵られ、放置プレイで恍惚の笑顔を浮かべてたドMの牝豚2号の真桜ちゃんは黙ってるの!隊長と組むのは私なのー!」

 

 

一刀(牝豚一号は桂花だよな?桂花と同列扱いされるって何事?しかも真桜罵倒されてるし)

 

凪「ほぅ~沙和は私と争うか。いいだろう、相手になる」

 

一刀「はいはいすとーぷ!今日は久しぶりだから4人で回ろうな、文句ある子は置いていくからな」

 

 

 

三羽烏「は~い」

 

一刀「本当にいつも返事だけはいいんだから・・・3人はどこ警邏してたんだ?」

 

凪「え~とですね、商店街(工業地区)商店街(服屋)ですね」

 

一刀「なんだその趣味丸出しの警邏経路は」

 

真桜「何言うてんねん、これがうちらの警邏やないか」

 

沙和「そうそう、これがいつも通りの沙和達の警邏なの~!つまりいつも通りの光景なのー!」

 

一刀「これがいつもの光景なら、真桜と沙和を組ませるには行かなくなるな」

 

凪「そうなると・・・私と隊長が組む事は・・・ないと言うことでしょうか」

 

 

一刀「そうだな~俺と凪は別れて組まないと、あいつらはさぼってばかりで仕事しないと思うから」

 

凪「そんな・・・隊長と組めない・・・隊長と一緒に仕事を出来ない・・・」

 

 

沙和「ねぇ真桜ちゃん・・・なんだか嫌な予感がするの」

 

真桜「奇遇やな・・・うちもや」

 

沙和「ここは一緒に」

 

真桜「逃げたほうがよさそうや」

 

 

凪の殺気を敏感に察知した沙和と真桜は、気づかれないうちにこっそり逃げ始めたが

 

凪「どこに行くんだ~沙和・真桜!」

 

 

 

沙和・真桜「ヒィィィィ!」

 

凪「お前達が毎日仕事をちゃんとしないから・・・私が隊長と一緒に仕事出来ないんだ・・・・今日こそお前達の根性を叩き直してやる!」

 

 

沙和・真桜「たすけてえぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

凪「逃がさん!!」

 

 

 

 

民間人A「あの曹仁様・・・結局なんだったのでしょうか」

 

一刀「あ~いつものじゃれ合いだから気にしないでくれ。みんなー!騒がしたな!かいさんーー!」

 

 

沙和「ギブギブギブー!そっちに腕は曲がらないのー!」

 

真桜「痛い痛い痛い痛い!でもなんだか気持ちよくなってきた!凪ー!もっと強くしてー!もっと痛めつけてー!はぁはぁ」

 

 

凪「はぁはぁ言うな気持ち悪い!猛虎蹴撃!」

 

真桜「ぎにゃああああああはあああんんん♪」

 

 

 

・・・もう手遅れか。凪の必殺気弾食らって感じるってやばいな。下手したら桂花以上のドMに昇華したな

 

てか俺の周り重度のドM多すぎじゃないか?

俺はまともなのになぜだ

 

 

 

凪「お待たせしました、なにか考え事ですか?」

 

一刀「何でもないよ、この後どう巡ろうか考えてただけさ。沙和と真桜はどうしたんだ?」

 

凪「あの二人でしたら・・・あちらに」

 

 

 

沙和「やめて凪ちゃ~~ん、それ以上腕は曲がらないの~~」

 

真桜「ピクピク....凪の気弾....癖になる」

 

 

 

 

沙和→凪に関節決められて悶絶

 

真桜→習得したドM精神で恍惚の表情

 

 

 

一刀「何を言ってるんだ凪、どこにもあいつらいないじゃないか」

 

 

一刀が取った手段それは・・・”THE・他人の振り”つまりただの現実逃避である

あの状態の二人と関わりたくない、関わったら周りからの視線が痛いと一瞬にして悟った

 

 

凪「ではあの・・・私と二人で街をでぇーと(視察)しませんか!」

 

 

普段は奥手だが、ここぞという時は三羽烏の中でも一番行動力が出る(原作のご褒美で抱いてくださいの台詞然り)

真桜・沙和が行動不能で一刀との時間を邪魔されずにでぇーと(視察)出来ると張り切っている

 

 

一刀「いま本音と建前逆じゃなかった?」

 

凪「??。ですから、でぇーと(視察)ですよね?」

 

 

駄目だこの子、完全に逆になってるー!

こんだけ目をキラキラ輝かせて・・・断れないじゃないか!

これを天然でやっているのは恋ぐらい....まさか!恋を通じて無意識に習得したというのか!

 

凪、恐ろしい子!

 

 

一刀「じゃあどこから回ろうか」

 

凪「そうですね・・・それではあそこの通りから行きましょう」

 

 

そこから凪と工業地区・商業地区・娯楽街を巡り、あっという間に予定していた視察兼警邏が終ってしまった

 

 

凪「あっという間に終ってしまいましたね」

 

一刀「あぁ、でも一人で回るより有意義な視察になったよ。凪のお陰だな」

 

 

凪「い、いえ!そんな事は!私も...隊長と一緒に居られて....ゴニョゴニョ」

 

 

どんなに強くなっても、凪は俺の知っている奥手で恥ずかしがり、でも芯は真っ直ぐ通ってる魅力的な女の子だな

 

一刀「なぁ凪、凪は俺と再会するまでどんな生活を送っていたんだ?」

 

凪「私ですか?私は・・・以前の世界の行動と大差は無く、小さい時から武芸を磨き、ときおり森に行って虎や熊とも戦ってました」

 

一刀「大自然と激しい闘いやりすぎだ!」

 

凪「流石に7尺(約2.1m)ほどの熊との闘いは熾烈を極めました」※(1尺約30cm)

 

 

体術・武術を鍛えるの相手が大熊とか恐ろしいわ!

通りで以前の凪と比べて、実力が段違いなわけだ

 

凪「その後も村で真桜・沙和と共に鍛練を続けて参りました。そしてある時・・・隊長が幽州に居ると噂話を耳にしました。そして、特長が隊長と一致している点が多かったので・・・居ても立っても居られずにその・・・」

 

 

一刀「真桜や沙和達を引きずる形で飛び出してきちゃったと」

 

凪「はい...」コク

 

 

一刀「あの時は本当にびっくりしたよ。探そうと思ってた凪・沙和・真桜がやってくるんだもん。黄巾党の軍勢がおまけで付いてたけど」

 

凪「隊長の事は幼少期から思い出しておりました。しかし、子供だった私に大陸を旅する力はありませんでした。なのでひたすら自分を磨き、隊長が名をあげたらすぐに駆けつけようと思っておりました」

 

一刀「なるほどね、それでさっき話してくれた”噂話”を頼りに駆けつけてくれたんだね。その噂話の人物が俺と違う人って可能性は考えなかったのか?」

 

「何を仰いますか!私が隊長の人物像を間違えるはずがありません!幽州に居るのは必ず隊長だと確信しておりました!」

 

 

そう話す凪をよく見ると・・・尻尾をぶんぶん振ってる姿が目に浮かんできた

いつまでも主人の帰りを待ち続け、戻ってきたらすぐさま駆けつける。

そういえば誰かが言ってたっけ、俺に忠実な凪ワンコって

 

一刀「今更だが....これからも俺に付いてきてくれるか?」

 

凪「本当に今更ですね。なんでいまそんな事を聞いてくるのですか?」

 

一刀「凪は無条件で俺を信じ、慕ってくれるだろ?そんな凪に対して・・・俺はちゃんと応えてあげられてるかなと思ってな」

 

 

凪は何を言ってるんだ?と少しの間を目をパチクリさせ、無言でその場に片膝をつき、左手を胸に添え頭を垂れる。

人前であろうが関係なく、凪は一刀に対して『臣下の礼』を取った

 

凪「隊長、私は隊長から様々なものを頂きました。それはどれもお金では得ることが出来ないものばかりです。私が隊長を無条件で信じる事が出来るのは・・・隊長の今までの努力あってこそです。私も武人です、武や知を持たない一般人には従おうなんて思いません、隊長は常々自分は凡人だ、一般兵以下だと仰っていましたが、魏の民から愛され、華琳様を精神的に支えになり、定軍山では秋蘭様・流琉様を救出、私達の訓練指導、そして・・・ご自身の身を犠牲にしてまで赤壁の戦いを勝利に導いてくれました。」

 

凪「民の為、私達の為にと尽くしてきた隊長だからこそ・・・私は隊長に身も、心も捧げられるのです。私の居場所は隊長の傍らです、それ以外の場所なんか欲しません!ですので・・・隊長は隊長の赴くまま突き進んでください、隊長の前に立ちはだかる者はわが拳で薙ぎ払ってみせます!」

 

 

一刀「凪からこんな言葉が聞けるなんてな・・・まったく、泣かすなよ・・・」

 

凪「ふふ、隊長の貴重な泣き顔ですね。かめらで保存できないのがもったいないぐらいです」

 

 

一刀は凪の言葉を聞いて涙腺が緩み、涙を流してしまった

凪はそんな一刀を優しく見つめ、そっと傍で佇んでいる

 

 

そんな二人を回復した沙和と真桜がようやく見つけ出した

 

 

 

沙和「凪ちゃんばっかり隊長とでぇとしてずるいの!抜け駆けは禁止!」

 

真桜「凪ー!見つけたでー!って、隊長泣いとるんか?」

 

沙和「あ、本当なの!女の子に声をかけたけど、こっぴどく振られて泣いちゃったと推測するの!」

 

真桜「いやいや、隊長と付き合って女の子が凪と一緒に居る隊長を目撃、平手を食らって振られて泣いてるに違いない」

 

沙和「それなのー!真桜ちゃん冴えてるー」

 

真桜「せやろ?隊長を見てびびっと感じとったんや!」

 

 

 

真桜と沙和はケタケタと笑い転げていて気が付いてないうちに・・・

一刀は二人の背後に回り、物凄い笑顔で二人の襟を掴んだ

 

 

一刀「ずいぶんと楽しそうだな~沙和、真桜?」

 

ビク

 

沙和「隊長声と顔が怖いの・・・さっきのは冗談・・・」

 

真桜「ちょっとお茶目な冗談・・・」

 

一刀「二人はまだまだ元気みたいだからちょっと~~~~~~一緒に訓練しようか」

 

真桜「隊長と一緒に訓練・・・死ぬ!」

 

一刀「やだな~死なないって、とっと恋・愛紗・明命・流琉・春蘭・雪蓮を連れてくるだけだって」

 

沙和「全然”だけ”って面子じゃないの!猛獣の群れに放り込まれた兎なの!」

 

一刀「え?まだ足りない?しょうがないな~秋蘭・紫苑・祭さん・桔梗も連れてくるよ」

 

真桜「天下の弓の名手を全員・・・殺る気満々や・・・・慈悲は」

 

一刀「あると思うか?ほら行くぞ!」

 

 

余計な茶々を入れた沙和と真桜は一刀に引きずられ、断末魔をあげながら死刑執行台(訓練場)に連行されていった

凪は二人の自業自得と思いつつも、どこか懐かしいやり取りに頬が緩んでしまう

 

 

 

凪「隊長は隊長の思うままお進みください、この楽文謙はいつまでも隊長と共にいます」

 

 

 

 

 

 

拠点(翠・蒲公英・馬騰)

 

 

蒲公英「お姉さま!おば様!」

 

翠「っよ!元気そうだな蒲公英」

 

馬騰「元気そうね蒲公英、曹仁さんもお久しぶりです」

 

一刀「お久しぶりです、連絡いただければお迎えに参りましたが」

 

馬騰「今回は驚かせたかったのでお忍びで参りまし。この様子を見る限り、成功ですね!」

 

翠「こんな感じで西涼出てからずっとはしゃいでるんだよ。自分の歳考えてくれよ」

 

馬騰「歳の事をいう口は・・・これですか?」

 

 

翠「痛い痛い痛い!」

 

翠が歳の話しをした瞬間、馬超の顔面にアイアンクローを決める馬騰病気で武器が振るえる事が出来なくなったのだが、物凄い握力で翠の顔面をミシミシ締め付けている

 

そして一刀は理解した、この人にも年齢の話しはタブーだと

 

一刀「それで・・・馬騰さん達はどうして陳留に?」

 

馬騰「そうでした、お話がまだでしたね」

 

 

一刀が訪問の理由を尋ねたことでようやくお仕置きをしていた翠を開放、ようやく本題に入る事になった

 

 

翠「た・・・たすかった」

 

蒲公英「お姉さまも命知らずだよね、おば様に言っちゃいけない台詞だったよ」

 

翠「だってよ、実の母からあんな台詞聞かされるんだぜ?言いたくもなるって」

 

蒲公英「気持ちはわかるけど、世の中言っちゃ駄目な事だってあるんだからさ」

 

 

 

馬騰「ふふふ、貴方達~何かいったかしら?」

 

 

 

 

 

馬超・蒲公英「なにも言ってません!」

 

開放された翠と蒲公英が小声で話していた内容すら拾ってしまう、二人は慌てて話しを中断した

 

馬騰「そうですか?それならいいですが、もしもあれの事を言ったら・・・わかってますね」

 

華琳も英雄と称し、決戦を楽しみにしていた武人・馬騰の眼力を浴び、二人はコクコクと無言で頭を縦に振る。次禁句を言えばどのようなお仕置きを受けるか・・・想像しただけで顔が青ざめてしまった

 

 

馬騰「ごめんなさい、また話しがそれてしまいましたね。私達が陳留に赴いた理由ですが、相次ぐ天災・宦官が権力を握った事で漢王朝は腐敗、戦乱の世となってしまいました。ですが、この戦乱も袁紹を倒せば終結いたします。漢王朝から新たな時代を迎えます、漢に仕えた身としてそれを見届ける為ですわ」

 

 

馬騰さんは史実と違って、長年漢に忠誠を誓い、漢から外敵を防ぎ続けた忠臣。そんな馬騰さんが漢の行く末を見守る・・・か。俺には想像出来ないが、どんな気持ちなんだろうな

 

 

馬騰「まあ今いったのはあくまでオマケなんですけどね」

 

ガタガタガタ

 

 

翠「母さん!私にも言ってたもっともらしい理由はオマケなのかよ!母さんが複雑そうに語るから、なんて言えばいいかずっと悩んでたんだけど!」

 

馬騰「あら、そんなの翠の慌てる顔が見たいために”わざわざ”理由を考えてあげたのですよ?感謝してくださいね♪」

 

翠「なんでそんな無駄な事に知恵を使ってるんだよ!」

 

馬騰「そんなの・・・決まってますわ。ね~?蒲公英」

 

蒲公英「ねー♪お姉さまの反応がおも・・・可愛いからに決まってるじゃん♪」

 

翠「いま面白いって言いかけたよな!?というか、母さんと蒲公英共謀してたのか!?」

 

蒲公英「えぇ~そんなわけないじゃん~!二人が来たの、蒲公英だって今知ったんだよ?」

 

翠「じゃあなんだ!即興でやったとでもいうのか!?」

 

 

馬騰「口煩い翠は放置して、本当の理由ですが・・・あなたの様子を見に来たのですよ」

 

 

一刀「俺の様子を・・・ですか?」

 

蒲公英と馬騰さんに嵌められて、うがーーー!と唸ってる翠は放置され、馬騰さんから本当の理由が語られてた。

というか煩いから放置って・・・哀れ

 

馬騰「以前西涼で話した内容は覚えてますか?」

 

 

一刀「俺の事を母さん(曹嵩)に話してみなさい・・・ですか?」

 

馬騰「頭の出来が悪い翠と違って、ちゃんと覚えてましたか。偉い偉い」

 

 

翠「頭悪いのは認めるが、いちいち私を引き合いに出すなー!」

 

蒲公英「頭悪いのは認めちゃうんだ・・・というか、お姉さまが引き合いって言葉知ってることにびっくりだよ!」

 

馬騰「そうね、何か悪いものでも拾い食いしたのかしら?一度医者に見せた方がいいかしらね」

 

一刀「あ、ならちょうど華陀居るし、見てもらう?」

 

蒲公英・馬騰「「それだ!」」

 

 

翠「それだじぇねえ!それと!実の娘に言う台詞じゃないよな!?あーーもう!私だけじゃツッコミ追いつかねえからいい加減にしてくれ!」

 

翠の台詞を聞いて、蒲公英と馬騰さんがニッシッシと悪い笑顔を浮かべだした

まだいじるつもりなのかこのふたり。

 

蒲公英「それじゃあお姉さま抜きで話し進めようか!」

 

馬騰「そうね、翠の存在は”無視”して進めましょう。それで、その後は曹嵩さんとお話したのですか?」

 

一刀「それが・・・西涼を後にしてから劉焉、劉表と戦いが続いて思うように時間が取れずに・・・」

 

馬騰「そうやって先延ばしは感心しません、こういう大事な話しはずるずる行きがちです!」

 

 

確かに馬騰さんの言う事が正論なのはわかっているのんだが、話を切り出しにくいってのもあるし・・・

それにいま母さんは洛陽にいるから今すぐって訳にも・・・

 

馬騰「ちなみに陳留に来る前に、洛陽に寄りました。後はわかりますね?」

 

 

一刀「・・・マジデスカ?」

 

馬騰「逃げられないようにちゃんと対策練っておきました。それと洛陽に名門・荀家の荀緄さんも訪れていたようなので、拉致・・・じゃなく来ていただきました」

 

一刀「いま拉致って言いましたよね?言い直した意味ないですから!」

 

馬騰「って事ですので、私達母親三人で話し合いがありますので、これで失礼させていただきます」

 

一刀「集まって何を話すんですか!?嫌な予感しかしませんが!」

 

馬騰「それは・・・後でのお楽しみです♪」

 

 

そう言うと歩いて待ち合わせ場所?に向かって歩いていった。

馬騰さん~掻き乱すだけ掻き乱しておいて最後放置ですか~

 

 

蒲公英「おば様行っちゃったね。それと・・・お姉さまいい加減元気だしなよ」

 

蒲公英に釣られて翠が居る場所に目を向けると・・・体育座りでノの字を書いてる馬超の姿があった

というかなにしてるのあの子・・・無視するって宣言されてからずっとしてたのか?

 

 

一刀「ねぇ蒲公英、彼女は何してるのかな?さっきまで騒いでたよね?」

 

蒲公英「蒲公英とおば様で無視するって言ったじゃない?あの後お姉さまずっと抗議しようと騒いでたんだけど、蒲公英達が相手にしなかったから拗ねちゃったみたいで」

 

 

子供か!メンタル弱すぎるだろ。

西涼の錦・馬超と謳われる人物があんな四隅でいじけてる姿は・・・兵士達には見せられないな。

それに良く見たらなぜか公孫讃さんが居るし・・・・

 

・・・え?公孫讃さんいつから居たの!?

 

一刀「蒲公英・・・公孫讃さんっていつから居た?」

 

蒲公英「え?そんな人いな・・・・居るよ!?」

 

一刀「やっぱり気が付かないよね」

 

蒲公英「え?え?本当にいつから居たのあの人!?」

 

 

驚く俺達二人をスルーし、ハムと馬超の二人だけで話しは進んでいた

 

 

 

 

 

翠「私さ~西涼の錦・馬超とか言われててさ~武勇には自信があったんだよ」

 

ハム「私もさ~北平では白馬将軍、白馬長史とか言われててたんだけどさ~」

 

翠「西涼での模擬戦は、夏侯惇が油断してたお陰で勝てたけど、実際の内容は負けてたし・・・それでその後曹仁と戦おうと思ったら趙雲に瞬殺されるしさ~」

 

ハム「確かに桃香は優秀さ、彼女には武を除いて勝てる気がしない。でもな~私だってそれなりに自分の能力に自信あったさ」

 

翠「しかも夏侯惇や趙雲よりも強い将は曹仁軍に多く居るみたいじゃん?なんか武では誰にも負けないとか意気がってた私なんなんだろうなって」

 

ハム「でも盧植先生と戦えば瞬殺されるし、ずっと本拠地だった北平も奪取されるし、決死の覚悟で援軍を頼みに行っても、袁紹軍には存在すら認知されないし・・・盧植先生の目の前だって通過したんだよ?」

 

翠「こんな私だから母さんや蒲公英からは脳筋・脳筋と馬鹿にされるのかな~」

 

ハム

「やっぱり私は桃香の引き立て役にしかなれないのかな~~」

 

 

 

翠・ハム「「ハァァァァァァァァ・・・・」」

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・」

 

 

蒲公英「・・・」

 

 

 

重い!空気が重いよ!

なんでこんなに負の空気が蔓延してるのさ!?

 

蒲公英なんて哀れんで『お姉さま・・・』とか言ってうっすら涙浮かべてるよ!?

 

 

 

翠「それにしても公孫讃と言ったか?私の気持ちこんなに理解してくれるとは思ってなかっぜ」

 

ハム「私もだよ、今まで私の事なんて気にかけてくれる子・・・桃香以外居なかったからその・・・嬉しいものだな」

 

翠「なら・・・私と友達になるか?」

 

ハム「いいのか!?よろしく頼む!」

 

翠「おう!こうして友達になったのも何かの縁、このまま飲みに行こうぜ!」

 

ハム「あぁ!今日はいっぱい語ろう!そして飲もうーーーー!私の真名は白蓮だ!」

 

翠「私の真名は翠だ!よろしく頼む!今日は朝まで飲むぞー!」

 

 

 

 

 

 

一刀「負の感情を周囲にばら撒いて・・・本人達は元気に行っちゃったね」

 

蒲公英「本当に・・・・西涼の時から色々ごめんなさい」

 

一刀「蒲公英が悪いわけじゃないよ・・・」

 

蒲公英「お姉さまの事はひとまず置いておいて、おば様達は何の話をするのかな?」

 

母さん、馬騰さん、荀緄さんで話す内容か・・・

母さんと馬騰さんなら俺の身の事、荀緄さんだけなら桂花の婿に迎える事なんだろうけど、3人集まったら何を話すのか想像できんな

 

蒲公英「曹嵩さんはお兄さん、華琳さんのお母様ってのはわかるんだけど、荀緄さんは誰なの?」

 

一刀「そういえば蒲公英は知らないんだっけ?荀緄さんは桂花のお母さんだよ」

 

蒲公英「荀彧さんの?でもなんで荀彧さんのお母様も連れて来たのかな?」

 

 

 

一刀「その前に聞きたいんだけど、馬騰さんは翠か蒲公英を俺の嫁に出す気はまだあるのかな?」

 

蒲公英「どうかなー蒲公英も最近会ってなかったからわからないけど、多分その気はあると思うよ」

 

一刀「そしたら・・・多分だけど、桂花の婿に迎えるって話しを聞きたいんじゃないのかな」

 

 

蒲公英「え!?お兄さんと荀彧さんって結婚するの!?」

 

 

一刀「荀緄さんの暴走だから、するわけじゃない・・・はず」

 

蒲公英「最後自信持って言おうよ。それで、なんでそんな話になったの?」

 

一刀「桂花は元々男嫌いだったんだ、いまでは少し改善されてきたんだけどね」

 

蒲公英「あ~そういえば荀彧さんが男の文官・部隊長に近づかないで!妊娠しちゃうじゃない!とか色々言ってるね」

 

 

言うなって言っておいたがまだ言ってたか・・・

でも沙和の訓練でドMの軍団増えてるから、桂花の罵りもご褒美か?

今度聞いてみたいと

 

一刀「そんな桂花が実家に男である俺を連れて行ったら・・・どうなると思う?」

 

蒲公英「蒲公英が親だったら娘が男を連れてきた!?その男を逃がしたら駄目よ!って指示だすかも!」

 

一刀「蒲公英の言った通りの事が、冀州にある桂花の実家で起こったんだよ」

 

蒲公英「なるほどね。真意を確かめる為に拉致して、曹嵩さんを交えて三者面談になったって言う事だね」

 

一刀「あくまで推測だけどね、やっぱり蒲公英は頭の回転が速いね」

 

蒲公英「へへーん!これでも蒲公英も勉強してるんだよ?翠お姉さまみたく、脳筋と呼ばれたくないもん。それに、これからの世に必要なのは”武”じゃなくて”知”だから頑張ってるの!」

 

一刀「蒲公英は次の戦いが終ったら西涼に帰るの・・か?」

 

蒲公英「な~に?蒲公英が帰っちゃうと寂しいの?」

 

蒲公英は少しほほを赤らめ、からかうようにニッシッシと笑みを浮かべてくる

 

 

一刀「寂しいか、確かに寂しいの・・・かもな」

 

反連合の時からずっと俺に味方して傍に居てくれてたからな、それに蒲公英はムードメーカで場を盛り上げたり、将と将の繋ぐ架け橋になったりしてくれたからな。俺以上に寂しがる子が出そうだな

 

 

蒲公英「寂しがってくれるのは蒲公英も嬉しいんだけど、やっぱりお姉さまを一人にするのは心配なんだよね。さっき自分でも言ったけど、お姉さま脳筋だから蒲公英が付いてないと駄目なんだよね。それに一生会えないってわけじゃないもん」

 

 

涼州は五胡という外敵と戦うためにいくつもの部族を馬家がまとめ、涼州連合という形をとっている。その盟主が新たに翠となるならそれを補佐するのは蒲公英の役目か

 

 

一刀「蒲公英が自分自身で決めて、努力してるんだ。俺は蒲公英を応援するし、何かあったら力になるよ」

 

蒲公英「本当に?じゃあいま勉強を見て欲しいな!お姉さまが賢くなれば一緒に居るって選択も出来るんだけどね~お姉さまじゃ無理そうだし、いつまでもおば様を頼りにしてられないから」

 

一刀「それくらいお安い御用だよ、じゃあ俺の部屋に行こうか」

 

蒲公英「自分の部屋に連れ込んで、蒲公英を押し倒すつもりなんだね!どんとこいー!」

 

一刀「違うから、それとどんとこいー!じゃありません、もっと自分の体を大事にしなさい」

 

蒲公英「ちぇー大事に思ってこの言動だったんだけどな~」

 

一刀「なお悪いから・・・勉強が進んだら俺がお菓子作ってあげるから真面目にやるように」

 

蒲公英「は~い、よろしくお願いします先生!」

 

 

 

蒲公英は勉強する理由のもう一つを一刀には伏せていた

一刀の隣に居る為にも、一刀の役にたつ為にも、今の自分では実力不足を痛感している。今のままでも一刀は傍に居てくれるが、それに甘えてはいけないと考えている

 

治世でも一刀の役にたてる力を涼州の統治で身につけて戻ってくる、それが蒲公英の目標

であり決意

 

 

蒲公英「よ~~し今日も頑張るぞーーーー!」

 

 

 

 

 

拠点(母の集まり)    

 

 

馬騰「本日はお忙しい中、私の宴に参加していただき感謝いたします」

 

荀緄「構いませんわ、涼州の名高い馬騰殿に会える機会なんて、なかなかありませんもの」

 

曹嵩「一刀もお世話になったと聞きましたので、ちょうどお礼を申し上げたいところでしたので、渡りに船ですわ」

 

馬騰「そう言っていただけると気が楽になります。さて、今日集まって頂いた趣旨をご説明させていただきます」

 

 

曹嵩と荀緄はなぜ馬騰に招かれたのか、理由を聞かされてなかったので、どんな話題が来るのかと少し緊張気味に構えていた

 

そんな二人の様子を察知したのか、少しニヤケながら話題を切り出した

 

馬騰「私が用意した話題・・・それは、”曹仁子孝”に私の娘・馬超、従姉妹の馬岱を嫁に嫁がせようと思う」

 

曹嵩「なんですってー!?」

 

 

母親である曹嵩は、今まで浮いた話が無かった一刀に、いきなり付き合いと通り越して”嫁”の話しが持ち上がったことに驚愕した。

 

 

荀緄「意義を申したてます!曹仁さんの嫁は私の娘、荀彧(桂花)に決まっていますわ!」

 

曹嵩「えぇーー!」

 

馬騰に続き、荀緄対抗するように自分の娘、桂花を一刀の嫁にと推薦兼立候補をしてきた。

 

曹嵩は予想外の連続、それも提案してきたのは涼州の現・盟主の馬騰、名門・荀家からなので言葉が出てこなかった

 

 

馬騰「あら、噂通りでしたね。やはり、あなたも娘を”嫁”にと狙っていましたか。ですが娘さんはかなりの男嫌いと伺っておりますが」

 

荀緄「そうですね、幼少の頃から男嫌いでしたので、曹仁さんを屋敷に連れて来た時は本当に驚きましたわ」

 

馬騰「あらあら、男嫌いで有名な荀彧さんを誑しこむなんて・・・ますます見逃すわけには行きませんね」

 

荀緄「馬超さんは次期涼州連合の長、馬岱さんはその補佐と予測しておりますわ。そして曹仁さんはいまや天下人、劉家・孫家・袁家・曹家を纏める者として涼州に留まる事は出来ないと思いますよ?その点、桂花は王佐の才と言われてる才能を生かし、これから迎える治世で曹仁さんを支える事が出来ますわ。」

 

馬騰「確かにずっと一緒に居る事は難しいでしょう。しかし、天下人だからこそ涼州をまとめ、外敵を防ぐ大事な役目を将来的に引き受けるうちの翠こそ、夫として相応しいと思いますよ」

 

荀緄「公私にわたって”夫”を支える、これこそが良妻ではなくて?確かに”公”では尽くす事が出来ても”私”の部分ではどうでしょうか?夫婦は一緒に居るのが自然の流れ。離れ離れな夫婦では熱が冷めてしまいます」

 

馬騰「会おうと思ってもすぐには会えない、だからこそ、会った時は燃える様な恋が出来るとは思いませんか?」

 

荀緄「それではお互いの心が離れてしまうのではなくて?」

 

馬騰「そちらも常に一緒では熱が冷めてしまうのではありませんか?」

 

 

荀緄・馬騰「「ふふふふふふふ」」

 

 

 

この女尊男卑の世において、男の身でありながら他者を圧倒する能力を持つ一刀に惚れこみ

娘を一刀の嫁にと画策する二人の母親・馬騰と荀緄。

両者一歩も退かずに舌戦を繰り広げている、そんな二人を当事者の義母・曹嵩はどうしたらいいのかオロオロしてしまっている

 

 

荀緄「・・・決着が付きませんね」

 

馬騰「これは曹嵩さんに決めていただくしかありませんね」

 

 

曹嵩はここで私に振らないで!と直接はいえないので内心2人にツッコミを入れたが、そんな曹嵩の心境などどこ吹く風と言わんばかりに、馬騰と荀緄から私の娘を!と迫られる

 

 

 

馬騰「この大陸でも屈指の武を持ち、羌族から神威将軍と謳われる錦馬超を嫁にどうでしょう!」

 

荀緄「他の追随を許さないほどの圧倒的な内政官の実力を持ち、王佐の才と称される天下有数の智謀の士・荀彧などいかがでしょうか!」

 

 

2人とも娘が持つ異名・二つ名や民からの風評を利用し、曹嵩にこれでもかとアピールを繰り返す

返答に困っていた曹嵩がようやく2人に返事を返した

 

曹嵩「話しは大変嬉しいのですが・・・私は一刀の恋愛に口出しをするつもりはありませんので...」

 

 

馬騰「曹仁さんが身を固めると言うのは必要な事だと思いますが」

 

曹嵩「確かに世継などの問題もあるとは思いますが・・・このような世ですから、恋愛は私達親が強制で決めるのではなく、当人同士で選ばせてあげたいのです」

 

荀緄「た、確かに曹嵩さんの言うとおりですわね....このような戦乱の世だからこそ、愛すべき人と歩んで欲しいというのはわかりますわ」

 

馬騰「確かに解るのですが・・・正妻は大事だと言うのもまた真理だと思います」

 

 

曹嵩「一刀の嫁にと強いて言うのならば・・・・」

 

 

曹嵩の口から一刀の嫁に来て欲しい人物の名が語れる

ふたりは曹嵩の言葉を聞き逃さないように、神経をすべて注いで曹嵩を見つめているが・・・曹嵩が挙げた名は2人の予想外な人物だった

 

 

曹嵩「一刀の嫁には・・・私の娘、曹操(華琳)を推しますわ!」

 

 

馬騰・荀緄「「えぇーーーーーーー!」」

 

 

曹嵩「私の娘、曹操は武芸・智謀を兼ね備えております。また一刀と華琳はお互いを溺愛しておりますので、これが一番しっくりくる形ですわね」

 

 

うんうん、と満足な表情で自分の言った発言を噛み締めていた。

そんな曹嵩に慌てて馬騰と荀緄から抗議が入る

 

荀緄「ちょっと待ってください!曹仁さんと曹操さんは兄妹のはずですわ!」

 

馬騰「いくらお互いを溺愛してたとしていても、2人は兄妹(義理の)は流石に風評がよろしくないと思います!」

 

 

一刀と華琳の関係を知らない荀緄は本当の兄妹での結婚はどうなのか、

馬騰は2人が本当に兄妹では無いと知っているが、それをされてしまうと翠の入り込む隙が無くなってしまうと考えている

 

いがみ合っていた2人が共通して思うのは、一刀と華琳の結婚話の阻止だった

 

 

曹嵩「愛する二人の前に、風評など障害にはなりえませんわ、むしろ2人の仲を知っている人ならば”とうとうか”と納得すると思います」

 

 

陳留や洛陽の民をはじめ、一刀と華琳が共に立ち寄った都市では2人のいちゃいちゃが度々目撃されている。

そんな民からの目撃情報が各地に広まりつつあるので、荀緄が懸念する風評被害など全く問題ではなかった

 

 

馬騰(このままでは不味いですね・・・いまの翠ではどう足掻いても曹操さんにはすべての面で敵いません)

 

荀緄(桂花がようやく認めた男の子ですし、なんとしても嫁にしてあげたいですが・・・)

 

 

先ほどまで我先にと争っていたが、華琳の名が出た途端何もいえなくなってしまった

それほど一刀と華琳の絆は深いと馬騰と荀緄は理解しているのだ

 

 

曹嵩「それに、一刀と華琳は兄妹といえ、血の繋がりはありませんから夫婦になっても問題ありませんわ♪」

 

荀緄「ぇぇえええええええ!!」

 

馬騰(あ、ここで暴露しちゃうんですね)

 

 

一刀と華琳の関係を知らない荀緄は本日2度目の驚き、馬騰は言っちゃったという表情と浮かべていた

 

 

荀緄「曹嵩さんどういう事ですの!?」

 

曹嵩「言った通りですわ。一刀は私の養子なので、華琳とは血の繋がりが一切無いのです」

 

荀緄「曹操さんはこの事はご存知なのですか?」

 

曹嵩「もちろん伝えてあります、あの子が気にせずにべったりだったのはそのせいもあるかもしれませんね」

 

荀緄「これは・・・勝てません」

 

 

曹嵩「馬騰さんは驚かないのですね」

 

馬騰「私は西涼で聞いておりましたので。ですが、まさか曹操さんを嫁にするなんて考えを出すとは思っていませんでしたよ」

 

 

荀緄の驚きで崩れ落ちた姿と馬騰の負けたと言わんばかりに苦笑いを浮かべる表情を見て、曹嵩はやりました♪と満面の笑みだった。

真面目かと思いきや、意外と悪戯好きな面を発揮してくる曹嵩だった

 

 

曹嵩「ですが、先ほども言いましたが、この件はすべて本人達の判断に委ねるつもりです。仮に一刀が自らを慕ってくれている子すべてを妻に迎えたとしても、私は祝福いたしますわ」

 

荀緄「すべての女の子・・・ッハ!」

 

曹嵩「一刀と再会してから関係を観察していましたが、一刀は贔屓をせず、平等に接している様でしたので、恐らく全員選ぶ可能性が一番高いですね」

 

曹嵩の話しを聞いて、荀緄・馬騰の目がキランと輝き始め、2人は行きよい良く立ち上がった

 

荀緄「いまの曹嵩さんの話しが本当ならば、諦めるのは早いですわね!曹仁さんに直接売り込みに行きます!」

 

馬騰「抜け駆けは許しませんよ!私も行きます!」

 

 

曹嵩「いってらっしゃ~~い」フリフリ

 

 

一刀はたくさんの方々に愛されていますね、最初森で拾った時はこんな子に育つなんて思ってもいませんでした

華琳も理解してくれるたくさんの仲間が出来たみたいですし、みなさんには感謝しないといけませんね

 

 

私も孫の顔が見たいので、誰が一刀の嫁になるか・・・楽しみにさせてもらいます♪

 

 

 

 

 

 

 

 

拠点(華琳・曹嵩)

 

 

華琳「本当に今日話すの?決戦後でもいいと思うのだけど」

 

一刀「馬騰さんに釘さされたし、昼間母親三人で集まって何か話してたみたいだし・・・これ以上先延ばしにしたら後が怖いかも」

 

華琳「そうね・・・お母様はいじけると機嫌直るまでに時間かかるものね。。。」

 

一刀「その辺りは華琳もそっくりだったよな~流石親子って感じ」

 

華琳「私がいつ!いじけてる時間が長かったと言うのよ!」

 

一刀「え?言っていいの?小さい時から挙げたら色々あるけど」

 

華琳「生意気いいました、謝るのでそれ以上は勘弁して」

 

 

流石華琳、潔い反応だな。

当の本人は黒歴史だ~~と頭抱えながらうなってるけど、前世でかなりいじられたから、今度は俺がいじくり回さないとな!

ヤラシイ意味はナイヨ?本当ダヨ?

 

華琳「貞操の危機を感じたのだけど、気のせいかしら」

 

一刀「あれじゃないか?桂花・稟・春蘭が妄想爆発させてるとか?あの華琳LOVEな3人が集まれば悪寒も感じるだろ?」

 

華琳「・・・一理あるわね。ふふ、私抜きで妄想するなんて、閨でお仕置きが必要のようね」

 

 

誤魔化しておいてなんだけど、あっさり騙せちゃったよ!

風が言ってたけど、華琳本当にアホの子になってる?

まぁ、お仕置きを考えてる華琳が楽しそうだから・・・いいか

 

 

曹嵩「一刀?華琳?居るのですか?」

 

 

来たか・・・やば、なんだか緊張してきた....

事情を説明するのは2度目だけど、今度は俺を拾って育ててくれた母さんが相手だもんな

こんな与太話をいきなり聞かされてどう反応するだろうか・・・拒絶されたりしないかと、悪い方向に思考が傾いていく

 

 

華琳「大丈夫よ、私も一緒に居るのよ?それにお母様はどんな話でも聞いてくれる、だから怯えないで」

 

 

ここまで来て怖気づいていた俺を見て、華琳はそっと俺の手を握って励ましてくれた

俺だけではなく華琳も関係している突拍子もない事を話すのだが、華琳拒絶される心配など微塵も感じられない。

そればかりか、話しを信じて欲しければ、まずは私達がお母様を信じないさい、まずはそこからよっと優しく諭してくれた。

この威風堂々とした風格・・・これがかつて覇王として君臨した姿か。

並んだつもりでいたが、まだまだ研鑽が足りないっか

 

 

 

華琳(やばいやばいやばい!一刀にはあんな偉そうに言ったけど、お母様いきなり人格が変わった私を不気味に思わないかしら!?こんな可愛げの無く、素直じゃない子は私の子じゃないって拒絶されたらどうしよーーー!態度を真似てなんとか乗り切る?駄目ね、流石にあの頃みたく一刀にべったりくっつくなんて、私の心が持たないわ!というか、むしろ昔の私はあんなにべたべたで平気だったわね!羨ましいぞ!昔のわたし~~~~!)

 

 

表面上は凛と佇み、不安がる一刀を鼓舞し、曹嵩の来訪を待っているが・・・

内心はキャラ崩壊どころの騒ぎではなかった。むしろ一刀以上に動揺し、どう接すればいいかわからない状況まで陥っている

兄さん大好きな少女→かつて大陸を制覇した覇王とでは人格・風格すべてが変貌している為、母親には隠してもすぐばれる・・・

 

 

一刀「か、華琳・・・何か不安なのか?なんだか百面相になってるぞ」

 

華琳「にゃんでもにゃいわよ!」

 

一刀「・・・・」

 

華琳「ゴホン・・・なんでもないわよ?一刀の見間違いじゃなくて?」

 

一刀「でもいま『なんでもない!』・・・はい。私の見間違いでした」

 

 

曹嵩「あらあら、どこに居ても、一刀と華琳は楽しそうですわね」

 

華琳「お母様・・・今の見ていらしてましたか?」

 

曹嵩「えぇ、ばっちりと」

 

華琳「ちなみに・・・どこからでしょうか」

 

曹嵩「ふふ・・・知りたいですか?」

 

華琳「いえ....知らないままでいいです」

 

曹嵩「そうですか?不安がる一刀に大丈夫と諭しながらも、内心どうしようかと動揺していた『わーわーーわー!』もう!ここからがいいところでしたのに!」

 

華琳「お願いしますお母様、後生ですから勘弁してください!」

 

 

華琳が母さんにいじられてるの久々に見たな~

やっぱりやり方が鮮やかだ!

それと、いまさらっと聞き逃しそうになったけど

 

一刀「華琳も内心動揺してたの?」

 

華琳「一刀・・・それ以上口にしたら・・・本体を三枚卸にするわよ」

 

一刀「サー!私は何も聞いておりませんサー!」

 

 

曹嵩「もう少し楽しみたかったのに~残念ですわ」

 

華琳の悪戯好きな性格は間違いなくこの人からの遺伝だ!

いまようやく確信した!

 

曹嵩「それで・・・話しとはなんですか?まさか・・・とうとう華琳と結納するのですか!?」

 

華琳「違います!何を言い出すんですか!一刀も何か言いなさい!」

 

一刀「ずっと言おう言おうと思ってたけど・・・華琳を俺・・・いや、私に下さい!必ず幸せにしてみせます!」

 

華琳「ちょっと!一刀まで何言い出してるの!」

 

華琳が何か言ってるが、無視だ無視。

これは超重要な事なんだ!

 

曹嵩「母親の私を前にしてその台詞・・・本気なのですね」

 

一刀「はい、俺の隣は華琳以外考えられません」

 

 

曹嵩の質疑に即答する一刀、両者は目を逸らさずじっと見つめていた。当事者の華琳は置いてけぼりの状況だが、言葉は不要、まさにそんな事を物語っているような雰囲気を醸し出している

 

曹嵩「そうですか・・・一刀がそこまで決意を固めているのでしたら何も言う事はありません。華琳の事頼みますよ」

 

一刀「この命に尽きるまで華琳と共に生きると誓います」

 

曹嵩「ふぅ、華琳の花嫁姿を見届けるという夢がようやく叶いました。今宵はとてもいい報告を聞けました、次は孫の報告が聞きたいわね!」

 

一刀「それこそ任せてください!孫の顔を最低でも9人は見せるつもりです!」

 

曹嵩「まぁまぁ!その日が楽しみね♪」

 

 

華琳「あんた達・・・いい加減にしなさーーーい!」

 

一刀と曹嵩が孫(子)の名前を考え始め、すっかり華琳の存在を忘れて2人で盛り上がっていたところで、華琳の雷がとうとう落ちた

 

華琳「一刀もお母様も何の話をしているのですか!今日はそのような話しをするために集まったのではないですよ!なんでこんな話しを逸らしたのですか!」

 

華琳の問いに、一刀と曹嵩は顔を合わせ同時に

 

一刀・曹嵩「「華琳の慌てる可愛い顔が見たかった、反省はしていない」」

 

華琳「はぁ・・・もういいです。真面目に突っ込むのが馬鹿らしくなってきました」

 

曹嵩「最初から流せばよかったのに~」

 

華琳「誰のせいですか!誰の!」

 

曹嵩「それは置いておきまして、お話は華琳の雰囲気等が違うって事と関係がありますか?」

 

 

一刀・華琳(ばれてるーーーー!そして先制口撃されたー!)

 

流石ドS華琳の母親・・・今まで見せてこなかっただけで、隠れドSだったのか!

華琳も急に話しの流れが変わってアタフタしてるし・・・ここでやっぱり動揺してたんだと言ったらもげちゃうから言わないけど・・・

 

一刀「やっぱり、華琳の雰囲気が違うのはわかっちゃいますか」

 

曹嵩「何年一刀と華琳の母親をしてると思ってるの?これぐらい見抜けないようじゃ、母親失格です。それで・・・その理由を話してくれるんですよね」

 

一刀「はい、荒唐無稽、突拍子も無い話しになりますが・・・」

 

曹嵩「一刀、私は貴方達の母親ですよ?”わが子”の話しを疑ったりしませんよ。だから聞かせてください、どんな話でも信じます」

 

そう言う母さんの顔は慈愛に満ちていた。

母親は強しって言葉聞くけど、本当だな・・・

そう思うと自然に涙が出てきてしまった

 

一刀「ありがとうございます...」

 

曹嵩「男の子が泣かないの。そうだ、久しぶりに抱きしめてあげましょうか!」

 

一刀「この歳でされるのはちょっと・・・華琳も怖いですし」

 

華琳「フン!」

 

曹嵩「母親にまで嫉妬して・・・この辺りは変わらないわね。さて、本題に入りましょうか」

 

一刀「そうですね。俺は今から約2千年先の未来からこの戦乱の世にやって参りました。故郷は東の海を渡ったところにある蓬莱と呼ばれる地です」

 

曹嵩「2千年もの未来の蓬莱から・・・どうやって過去にやってきたのですか?」

 

一刀「自分が住んでいた部屋で寝ていて、起きたら陳留郊外の野原に居ました。最初は驚きました、自分の部屋で寝ていたはずなのに、見知らぬ土地に飛ばされてるし、いきなり黄巾党に所属する3人に襲われましたし」

 

曹嵩「襲われたのですか!?でも、一刀なら賊ぐらい一瞬ですね」

 

一刀「一瞬はそうなのですか・・・一瞬で”負けました”ね」

 

曹嵩「一刀が・・・一瞬で負けたのですか!?相手はどんな化物ですか!」

 

 

母さんはそんな馬鹿な!と驚愕した表情を浮かべている

母さんは今の姿しか見てないもんな~驚くもの当然か

 

華琳「お母様、一刀は飛ばされた時は、一般兵以下の武しか持ち合わせていなかったのです。今の一刀の文武は忘れてお聞きください」

 

曹嵩「一刀の武が一般兵以下・・・想像出来ませんね」

 

一刀「そしてその後、主君探しの為、大陸各地を旅していました趙雲、郭嘉、程昱に助けていただきました。そして助けていただいた後・・・また死にそうになりました」

 

曹嵩「死にそうにって、何があったのですか?黄巾党の本隊と遭遇したのですか?」

 

一刀「黄巾党では無く・・・趙雲達に殺されるところでした」

 

 

曹嵩「助けた後に殺ろそうとした...わかりました、いきなり一刀が彼女達を押し倒したのですね!」

 

一刀「ち・が・い・ま・す!目をキラキラさせて、何を言い出すんですか!」

 

曹嵩「一刀ならありえる話だと思ったのですが、違うのですか~残念

 

本当につまらないの~と言いたげですねお母様!

というか、母親にも初対面の女性を押し倒すなんて思われてるの!?

 

一刀「未来の国では『真名』という風習がありませんでした。なので、呼び合っていた名前が彼女達の名前かと思って呼んでしまいまして・・・」

 

曹嵩「それで初対面の一刀に真名を呼ばれ、激怒したと。文化の違いは怖いものですね」

 

一刀「これが冷静な彼女達ではなく、春蘭のような猪だったら間違い無く死んでましたね。華琳と出会ったのがそのすぐ後だったので、先に会ったのが彼女達で本当に助かりました」

 

曹嵩「確かに・・・華琳ならば問答無用で打ち首ですね。趙雲さん達に感謝しなければいけません」

 

華琳(確かにそうしただろうから何も反論出来ないけど、少しぐらい娘を擁護してくれてもいいじゃないですか)

 

曹嵩「会った時の華琳はどのような感じだったのかしら」

 

一刀「そうですね・・・体全体から覇気を感じさせ、自信に満ちた王者って感じでした。後は好奇心の塊ですね、俺みたいな未来から来たなんて得体の知れない男を傍に置くぐらいですから」

 

曹嵩「華琳の新しいモノ好きは今と変わらないのですね」

 

一刀「未来の知識、技術はやはり興味津々だったのか、いまよりも激しかったですね」

 

華琳「仕方ないじゃない・・・この時代にはない画期的な知識ばかりだったんだもの。中には無駄なのもあったけど」

 

一刀「手厳しいな~その後華琳と共に乱世を戦い、仲間を増やしていきました。主な重臣は夏侯姉妹、楽進、李典、于禁、典韋、許褚、張遼、荀彧、郭嘉、程昱といま袁紹軍に捕らわれている張三姉妹です」

 

曹嵩「一刀を助けてくれた趙雲さんは一緒じゃなかったの?」

 

一刀「彼女は蜀の王だった劉備玄徳に仕えていました」

 

曹嵩「ということは、趙雲さん達は友でありながらお互い戦っていたのですね」

 

一刀「郭嘉達はいまは道は違えど、いずれ道は交わると言ってあっさりしてました。華琳に拾われた後、各地で戦乱が勃発し、最終的に大陸で生き残ったのは華琳・劉備・孫策の三陣営でした」

 

一刀「細部まで話すと時間が長引くので省きますが、勝って大陸を統一したのは、未来の知識で対策を万全にしていた華琳でした。統一後そのまま華琳達と過ごせればよかったのですが、本来の歴史では統一するのはまだ先の事です。本来の歴史をねじまけて、華琳を天下人に導いてしまったので、俺は華琳達と離れ未来に帰らないといけなくなりました」

 

 

曹嵩「戦乱の世を終わりに導いた立役者である一刀が、そんな目に会わないといけないなんて。。。」

 

一刀「本来俺は居てはいけない存在、俺と華琳は会うはずがなかった事を思えば、このような別れ方であっても、華琳と出会えてよかったと思ってます」

 

曹嵩「今も昔も、愛されてるわね~華琳」

 

華琳「この私が唯一男で愛した存在なのだもの、これぐらい思われてて当然よ」

 

曹嵩「またこの子は素直に気持ちを言わないんだから~私の教育が悪かったのかしらね?私を説教したいところね」

 

 

華琳のお母さんが本人をお説教するってシュールだ

もし華琳の意地っ張りな性格が無かったらもっと華琳と仲良く・・・

駄目だ、素直な華琳に近づいて、春蘭と桂花に殺されるイメージしか沸かない。

イメージにまで邪魔してくるなんて、今度2人をいじめてやる

 

一刀「そして未来に帰る途中である男?化物?に出会いました。その化物は未来から俺を華琳達の世界に送った張本人でした。その化物曰く、この世界で華琳の命が危ない、華琳が死なないように助けてあげて欲しいと頼まれました。未来に帰る事も出来るとも言われましたが、俺は華琳を救う方を選びました」

 

 

男から完全に化物認定されてますね、男と呼んでいいのかすら迷うほどひどいってのが伝わってきます。それと・・・一刀にも家族や友の下に帰る事が出来たのに、華琳を護ると決めてくれた事を感謝しないといけません。

今までの出来事を省みると、一刀が居なければ私と華琳はとっくに死んでいたと思います

 

 

一刀「そうしてこの世界で生まれ変わり、母さんに拾ってもらい、華琳と共に成長していきました。後は母さんも知っている通りです。嬉しい誤算だったのが、華琳達が俺と過ごした記憶を何も覚えてないと聞かされてたのですが、記憶を取り戻したり、保持していたりしたことです」

 

 

なるほど、華琳の雰囲気が変わったのは、大陸を制覇したときの意地っ張りで素直じゃない性格なのですね

道理で一刀と結びつきが強い子がたくさん居るはずですわ

 

曹嵩「一刀の話しはわかりました、その上で聞きたいことがいくつかあります」

 

 

一刀と華琳はすんなり終るとは思っていなかった、どんな質問が来るのかと身構えるが、曹嵩の質問は予想の斜め上だった

 

曹嵩「ずばり、一刀と付き合ってる女の子は誰ですか!」

 

 

身構えていた一刀達は思わず膝から崩れ落ちてしまった。

突っ込む部分が多々あるのだが、母親が気にするのはそこだった

 

 

華琳「お母様、いまの話し聞いてましたよね?なのに聞く場所がそこですか!?」

 

曹嵩「何を言ってるの華琳、これ以上に重要な場所なんて無かったじゃないですか」

 

華琳「我親ながら、頭が痛い・・・」

 

曹嵩「で!で!誰なの一刀!」

 

 

どんだけ気になってるの!

華琳は隠したら面倒、喋りなさいって訴えてくるし・・・

 

一刀「えっと・・・華琳を含め、さっき名を挙げた女の子全員です・・・」

 

曹嵩「15人も!・・・・・流石私の息子ですわ!よくやりました!」

 

一刀・華琳「「えぇーーーーー!?」」

 

 

曹嵩「それだけの女の子に愛され、一刀もしっかりと全員の愛に応えていた。これは素晴らしいことだわ!それに、いまの一刀の周りにはたくさんの女の子が居る・・・まだまだ増えてそうね!ますます誰が一刀の嫁になるか楽しみですわ♪」

 

華琳「お母様、本当に他に聞くところないの?私だって以前と性格が全然違ってるし・・・」

 

曹嵩「最初に言ったでしょ?一刀達を信じるって。こんな信じてくれるかわからない話を、勇気を出して話してくれたのです。私はそれだけで嬉しいんです。それと一刀、あなたがどう思ってようと、あなたは私の大切な息子です。それを忘れないでね」

 

一刀「・・・ありがと、母さん」

 

 

曹嵩「さて、こうしちゃいられないわね。一刀がいつ嫁を連れて来てもいいように、準備を進めないと!楽しくなってきたわ!」

 

 

 

・・・

 

・・・・

 

・・・・・・

 

 

一刀「行っちゃったな」

 

華琳「信頼してくれてるのは嬉しいのだけど、もっと突っ込んで聞かなくてよかったのかしら」

 

一刀「母さんが気にしてないならいいと・・・思うよ」

 

華琳「何はともあれ・・・拒絶されないでよかったわ」

 

一刀「ずっと俺の裾掴んでたもんな」

 

華琳「気のせいよ。それよりも、ようやくここまで来たわね」

 

 

ここまできて誤魔化す必要ないと思うんだけどな~

やっぱりあの素直な華琳にはなれないか

 

一刀「あぁ、次勝てば今度はみんな揃って太平の世を迎える事が出来る」

 

華琳「魏・呉・蜀の人材が集結してて負ける要素はないわね」

 

一刀「油断、慢心は駄目だぞ?浮かれるのは勝ってからだ」

 

華琳「わかってるよわ、ちょっと言いたくなっただけ。それと、預かってたこれあなたに返すわ。私には扱いきれない武器だしね」

 

一刀「そういえば預けたままだったか、偃月刀使うのが自然になってからすっかり忘れてたよ」

 

華琳「元々あなたのでしょ、忘れたままじゃ武器が可哀想よ」

 

一刀「拗ねないように謝らないとな、それじゃあ華琳は変わりにこれ使ってくれ」

 

 

華琳から凍華と双狛を受けとり、愛用していた黄龍偃月刀を華琳に手渡す

 

華琳「私がこれを使っていいの?」

 

一刀「あぁ、華琳なら上手く扱えると思うからね。それに・・・離れてても一緒に戦ってるって感じがするから使って欲しいなと...」

 

勢いで渡しちゃったけど、華琳には絶があるし、押し付けないでとか言われたらどうしよ

 

華琳「そんなに不安がらなくても大丈夫よ一刀、あなたが鍛錬込めて作り上げた黄龍偃月刀を使わせてもらうわ」

 

一刀「よかった~いらないって返されたらどうしようかと思ったよ」

 

華琳「馬鹿ね。私があなたからの贈り物を拒絶するはずないじゃない。どんな物であっても、私は一刀からもらえればなんだって嬉しいのよ」

 

一刀「今度はちゃんとしたものをプレゼントするさ、華琳がとびきり喜ぶ物をね」

 

華琳「期待しないで待ってるわよ、一刀が気合を入れるとろくなものじゃないから」

 

一刀「いったな!絶対嬉しがるのをプレゼントしてやる!」

 

 

 

私はもう一刀から十分貰ってるわ、一刀

一度は諦めたあの生活・・・

 

 

魏のみんなが居て、その輪の中心に一刀がいる日々

 

 

 

これが私にとって、一番の宝物で・・・・あなたからの最高の贈り物なのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっと拠点が終わった・・・

勢いでやると後が辛いですね。

美羽の拠点なのですが、申し訳ないですがカットさせていただきました。

 

美羽と出すとどうしても孫家(主に雪蓮)が出てきちゃうので、ネタが被るんですよね。

 

 

それと我ながら、ところどころキャラ崩壊が激しいですね~

翠は大変美味しいキャラでした、白蓮に念願の友が出来ましたしw

 

 

さて、1ヶ月ぐらい拠点で費やしちゃったので、最終話に取り掛かろうと思います

暑くてだらけ気味ですが、気合いれていきたいと思います!

 


 
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