No.793443

宮城急行電鉄の路線概要

古淵工機さん

宮急の路線は一体どんなものなのかまとめてみました。

沿革(戦前編):http://www.tinami.com/view/792939
沿革(戦後編):http://www.tinami.com/view/793142

2015-08-01 11:15:11 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:990   閲覧ユーザー数:962

本線(ほんせん)

仙台市を南北に貫く「本線(ほんせん)」は、名のとおり宮急の中核をなす路線であり、南は白石市、

北は岩手県一関市まで延びる。全長145.0km、宮急の保有する路線として最長距離を誇る主要幹線である。

特に仙台都市圏に位置する名取~仙台~古川間では列車の運行密度が極めて高く、連日のように大勢の乗降客が詰め掛ける。

都市圏部を離れると、郊外に造成された住宅地を眺める通勤路線の様相がしばらく続くが、

北部地区の宮急古川(みやきゅうふるかわ)栗原築館(くりはらつきだて)中田(なかだ)まで、のどかな田園風景の中を走り抜ける。

 

いっぽう南側は阿武隈川(あぶくまがわ)白石川(しろいしがわ)に沿って工場が林立しており、

そこへの通勤需要があるなど、また違った雰囲気である。

 

何より、白石、仙台、古川、栗原、一関の各都市圏を連絡するという重要な役目を担っており、

頻繁に特急や快速特急が運行される。これらの特急は特別料金不要であるが、データイムには転換クロスシートの専用車が使用される。

また仙台市から自社各路線への連絡を積極的に行う観点から、多層建て列車も多く設定されている。

 

宮急仙台(みやきゅうせんだい)西古川(にしふるかわ)間は旧・仙台電気鉄道(せんだいでんきてつどう)のルートをほぼなぞっているが、宅地の開発によって線路の移設や改築、

連続立体交差化などが実施されており、開業当時とはルート取りが大きく異なっている。

また仙台都心部においても、ルートを変更した上で仙台駅に接続する地下トンネルへと変貌を遂げており、

急カーブの続く路地裏を大型の電車が恐る恐る練り歩く光景もまた、過去のものとなってしまった。

 

営業キロ:145.0km(宮急白石(みやきゅうしろいし)宮急仙台(みやきゅうせんだい)一関市(いちのせきし)間)

軌間:1435mm(標準軌)

駅数:122駅(起終点含む)

電気方式:直流1500V/架空電車線方式

複線区間:全線(うち富沢~富谷間29.2kmは速度別複々線区間)

秋保線(あきうせん)

もともと、秋保電気鉄道(あきうでんきてつどう)として開業した区間で、古くは温泉客・石材輸送用の軌道であったものを路面電車に改築、

その後本格的な電気鉄道として運営されてきた。その成立の過程から秋保温泉(あきうおんせん)への湯治客輸送をメインにしてきた同線だが、

最近は沿線の住宅開発のため通勤路線としての側面も強くなった。観光シーズンを中心に本線から特急が乗り入れるなど賑やか。

営業キロ:15.2km(長町南(ながまちみなみ)秋保温泉(あきうおんせん)間)

軌間:1435mm(標準軌)

駅数:10駅(起終点含む)

電気方式:直流1500V/架空電車線方式

複線区間:全線

名取川線(なとりがわせん)

軽便鉄道であった増東軌道(ぞうとうきどう)を前身とする。

漁港のある閖上(ゆりあげ)地区と東北本線との接続を図った軽便鉄道であったが、増東軌道時代は開業当初からいわゆる

「モグリ」の気動車や客車を運行させていたことでも知られる。

 

なお、増田(ますだ)駅が1963年に名取(なとり)駅に改称されると、

それまでの名取駅が国鉄に名を譲る形で「宮急名取(みやきゅうなとり)」に改称されたのだが、その隣が「名取」という駅であるうえ、さらにその隣が「名取市役所前(なとりしやくしょまえ)」であるため非常にややこしい。

線内折り返しが基本で、データイムは普通のみ、2両編成または4両編成がのんびり走る。

 

かつては行商向けの「鮮魚電車」が運転されていたが、その後鮮魚輸送はトラックに切り替えられた。

 

営業キロ:6.8km(宮急名取(みやきゅうなとり)閖上(ゆりあげ)間)

軌間:1435mm(標準軌)

駅数:9駅(起終点含む)

電気方式:直流1500V/架空電車線方式

複線区間:全線

遠刈田線(とおがったせん)

遠刈田(とおがった)温泉への湯治客輸送や沿線の石材輸送のため建設された仙南温泉軌道(せんなんおんせんきどう)を前身とする。

ただし、電化の際にルートの変更などが実施されており、もとの路線そのままではない。

急峻な勾配が多く控える路線であるため急カーブも多く、現在の主力である18m級電車がどうにか曲がれるといった程度の急カーブも多く見られる。単線区間ながら休日には急行が乗り入れる。

 

なお、本線とは宮急大河原駅の仙台方で合流するため、仙台方面からの急行は大河原構内で一度折り返してから乗り入れる。

 

営業キロ:22.9km(宮急大河原(みやきゅうおおがわら)遠刈田(とおがったおんせん)間)

軌間:1435mm(標準軌)

駅数:9駅(起終点含む)

電気方式:直流1500V/架空電車線方式

複線区間:なし(全線単線)

登米線(とよません)(登米(とよま)アートライン)

東北本線と登米(とよま)(ただし行政区分における都市名は登米(とめ)市)を結ぶ鉄道として計画され、

仙北鉄道(せんぽくてつどう)として開業。このうちの瀬峰(せみね)米谷(まいや)~登米間の路線が登米線(とよません)である。

 

佐沼(さぬま)から先が単線というのどかな路線ではあるが、沿線に石ノ森章太郎(いしのもりしょうたろう)ふるさと記念館や、

サトル・サトウ・アート・ミュージアムなどといった施設があることから、昨今は「登米アートラインプロジェクト」と称し、

ギャラリー電車や駅デザインアートなどが目立つようになった。

 

営業キロ:28.7km(瀬峰(せみね)登米(とよま)間)

軌間:1435mm(標準軌)

駅数:14駅(起終点含む)

電気方式:直流1500V/架空電車線方式

複線区間:瀬峰~佐沼(さぬま)間12.2km

栗原線(くりはらせん)

宮急の路線では唯一、戦後になってから編入された路線である。

というのも、1960年代にかけて拡大戦略を推し進めていた宮急が、ちょうど資本関係にあった栗原電鉄(くりはらでんてつ)

(合併当時は宮城中央交通(みやぎちゅうおうこうつう))を併合して一体経営することとしたのである。

これは沿線の宅地化をもくろんでのことだったと思われるが、細倉鉱山(ほそくらこうざん)からの亜鉛鉱石輸送のため貨物列車を

運行できるようにすることが合併条件とされたため、貨物列車華やかなりし頃は三線軌条(1435mm/1067mm)となっていたのが特徴であった。

 

現在は細倉鉱山閉山に伴う輸送廃止により1067mm線用のレールは撤去されているが、鉱山跡では廃バッテリーのリサイクルが行われており、

これに関連して最近は沿線各地で発生した廃バッテリーを輸送するための電車(種別上は『特別荷物列車』)が、時たま細倉マインパークまで運転される。

なお運転系統上は沢辺(さわべ)駅を境に分断されており、本線からの直通は沢辺~細倉(ほそくら)マインパークまでとなる。

 

営業キロ:25.7km(石越(いしこし)細倉(ほそくら)マインパーク間)

軌間:1435mm(標準軌)

駅数:16駅(起終点含む)

電気方式:直流1500V/架空電車線方式

複線区間:なし(全線単線)

 


 
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