1-5『まだ説得できるはずだ』
拓真(いや、マリュースの洗脳はそこまで入念にできる時間はなかった…まだ説得して正気に戻せるはずだ)
拓真はひまわりの洗脳を説得すれば解けると判断し一歩前に出る。
竜也「拓真?何をするつもりだ?」
拓真「まだ正気に戻すことができるかもしれない、なんとか説得してみる」
椿「危険だぞ!」
拓真「そんなこと百も承知さ、竜也さん達は下がって」
そう竜也達に言い残すとさらにひまわりの元へと近づいていく。
拓真「四宮、聞こえているなら返事をしてくれ」
ひまわり「消えろ」
説得する拓真を操られているひまわりはそれを拒否してライトを放ち拓真に光の刃が降り注いできて拓真に直撃する。
拓真「ぐっ!」
竜也「拓真!」
拓真「大丈夫!なあ、四宮、お前は操られてるんだ!マリュースは四宮の両親の仇だろ!?」
ひまわり「黙れ、マリュース様は私にとっての大事なお方、それを侮辱するとは言語道断」
さらに説得を続けたが耳を貸さないひまわりは無情にもライトの攻撃を連発して拓真に与えて吹き飛ばし地面に叩きつける。
椿「拓真!」
蕾「いやぁぁぁぁぁぁっ!?」
竜也「拓真!今助けに…」
拓真「来なくて…いい…」
竜也「なんだと!?そんなボロボロで…まだ説得を…っ!?」
ひまわり「…これでとどめだ」
ボロボロになりながらも未だに説得を試みようとする拓真にひまわりは止めを指そうとした矢先異変が起きた。
ひまわり「なっ!何故…何故体が言うことをきかない」
拓真「それは…本当は俺を殺したくないからだ!」
ひまわり「敵を前にしてそのような戯れ言!」
拓真「なら…ならなんでお前は泣いてるんだよ!」
止めを指そうとするひまわりだったが不思議なことに体がいうことをきかずその瞳には涙を流していた。
拓真「お前は本当は俺を傷つけたくなくて…それをマリュースが無理矢理やらされて、こんなことが嫌だから泣いてるんだろ!?」
ひまわり「違う…私は…ぐっ!うっ!」
拓真の説得でひまわりは頭を抱え苦しみ出す。
竜也「っ!説得が効いているのか」
拓真「今からでも遅くはない!戻ってこい!ひまわり!」
ひまわり「ぐっ!うわああぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
ひまわりはさらに苦しみだして悲鳴をあげると糸が切れたかのように持っててたライトの書を落として倒れそうになるが拓真がひまわりを支える。
拓真「おい、しっかりしろ」
ひまわり「…う…拓真…わたし…」
拓真「よかった、正気に戻ったんだな」
ひまわり「うん、ごめん…拓真のこと…きずつけて」
拓真「別に…これくらい…だけど」
ひまわり「?」
拓真「疲れたから…少し…ね…る…」
ひまわり「拓真?」
拓真「……」
緊張の糸が切れたからか拓真は気を失う。
竜也「拓真!蕾、直ぐに手当てを」
蕾「は、はい!」
椿「おい!しっかりしろ!」
ひまわり「拓真!拓真ぁ!」
……
拓真「う…う~ん…ここ…は」
拓真は気がついて始めに目が移るのは室内の天井であり彼の側にはひまわりが拓真の手を持って寝ていた。
椿「気がついたか」
拓真「そうか…俺気絶して…どれくらい気を失っていたんだ?」
椿「大体20分程だったぞ」
拓真「そんなにか…ごめん心配かけて」
椿「全くだ、蕾なんて半泣きでお前を治療していたし、ひまわりなんかな、ここに来てからずっと拓真のそばを離れなかったからな」
拓真「…そうみたいだね」
拓真は寝ているひまわりを見て納得して、椿は拓真の安否が無事でほっとしたあと顔を引き締めて拓真を見る。
椿「…拓真、二つだけお前に伝えておきたいことがある」
拓真「伝えたい…こと?」
椿「1つは…此島の生存者だが…300人も満たないとのことだ」
拓真「なっ!どういうことだ!?俺達がマリュースのところに行く前はここには700人以上…」
拓真が動揺するのも当然であった、避難場所周辺の敵は粗方片付けてからマリュースの元へと向かい、その上数十人だが鈍器などでゾンビに対抗する大人達もいたそれが易々と大打撃を受けたことに動揺の色を隠せなかった。
椿「話を聞き耳で聞いた話だと…マリュースは私達が向かっていた途中にゾンビを内部に転移させて奇襲し大混乱を引き起こしたらしい」
拓真「そんな…くそ!マリュースのやつ!」
椿「私達が防衛に徹していたらせめて被害を押さえられたかもな」
拓真「……」
竜也「だが、悔やんでも仕方がない…俺たちは精一杯のことをしたんだ」
椿「竜也さん…」
拓真「…それでもうひとつっていうのは…」
椿「…ひまわりの話だ」
拓真「ひまわり!?まさか!命の危険が!?」
竜也「いや、悪い話ではない安心しろ」
椿「…ひまわりの知識に魔導書の扱い方やそこに書かれる古代文字の知識が残っているんだ」
拓真「それが何が…あっ! そういうことか!」
竜也「そうだ敵に変わっては逆に奴にとって邪魔物となるはずだ…そんなリスクを侵す真似をしないと思ってな…ある仮説をたてた」
竜也「恐らく、あの洗脳には倒された場合知識の消去するように細工してあったのだろう…だが」
拓真「俺達は説得してひまわり自身の意思を取り戻して洗脳を破った、つまりその結果知識の消去が作動しなかった訳か」
椿「その通りだ、結果ひまわりの中には魔導書の知識と古代文字の知識が備わっているわけだ」
二つ目のひまわりのことが悪い話ではないことにほっとしていると竜也が拓真と椿に話しかける。
竜也「ところで、これからどうする?恐らく俺達は救助隊が来て本島に行くことになるが…戸籍に関してはあるだろうが暮らす家がないだろ?」
椿「むっ、確かにこの騒動のせいで忘れていた」
拓真「確かに俺も目覚めれば火の手のなかだったから考えてなかった」
竜也「そこでなんだが…これは女神アクアの気まぐれなんだが…実はこんなものが俺のポケットに入っていた」
そういって竜也はポケットから紙切れを取り出して二人に見せるとそこには自宅の住所と郵便番号が記載されていた。
竜也「戸籍じたいはデバイスを使えばうまく行くだろうし、どうだ?これも何かの縁だ、この家に来ないか?」
椿「確かにこのまま姉妹共々家無しはきついだろうし、乗っても問題ないだろう」
拓真「俺も構わないよ、この世界に知人もいないし、この戦いを一緒に戦い抜いた竜也さん達なら信頼できるしね」
椿「こう見るともしかしたら私達が巡りあったのは女神アクアの導きだったかもな」
拓真「確かにね、同じタイミング、そして同じ場所の近くに転生ってなんか仕組んだ感じがするしね」
竜也「確かにそうだな…それでひまわりにも聞こうと思ったのだが…今回の件で両親を亡くしているし」
拓真「だけど、親族に引き取られるから問題…」
椿「いや、無理だ、ひまわりには親族がいないとマリュースと戦う前に聞かされた」
拓真「それじゃあ、ひまわりは…天涯孤独…」
竜也「そうか…なら一度起きてから話を聞いた方が…」
ひまわり「私は構わないよ」
竜也に返答する声がしたのでした方向に振り向くとひまわりが目を開けて起きていた。
竜也「いつから起きていたんだ?」
ひまわり「私の話をしていたときから、わたし身寄りいないし…だったら竜也さんのこと信用はできるからさっきいってた女神アクアとか転生とかはよくわからないけど…」
竜也「き、気にすることではない、と、取り合えず決まりだな」
ひまわり「それで…お家ってどこにあるの?」
竜也「ふむ、それはな…神奈川県の少し離れた…小島の…」
竜也「初音島だ」
……数日後…
ひまわり「はぁ…はぁ…まだ続くの?」
ゾンビ騒動から数日がたち監査入院していた拓真たちも無事に退院して神奈川県の初音島にきて自宅へと向かっていたのだが目的地目の前で100段もあるだろう立派に整備されている石の階段を上がっていた。
椿「まさか、予想外だった…まさか住所が山のなかとは」
竜也「この階段中々だな、これはいい体力作りができそうだ」
拓真「いや、これ買い物とか不便だろ」
蕾「はぁ…はぁ…ぁっ!階段の終わりが見えてきましたよ」
蕾の言う通り遂に階段の終わりが見えてきてそして上り終えて拓真たちが見たもので絶句した。
竜也「こ、これは…!」
椿「てっきり、山中にひっそりと佇む家だと思っていたが…」
ひまわり「これはさすがに予想外」
蕾「すごく…大きいです」
拓真「いやこれもう…屋敷とかじゃなくて…城でしょ?これは…」
拓真達に佇む家は恐らく縦横に150mはあると思われる敷地に城とも思わせる大屋敷が佇んでいた。
第一章『百熱の業火の中で』完
第一章の選択肢
第一の選択肢
どちらに行く?
右 四宮ひまわりと椿、蕾と合流する
左 八神はやて、八神両親、竜也と合流する(こちらの選択肢次第では八神両親の生存もあり)
・椿達に関しては先に合流するのが違うだけ
第二の選択肢
四宮両親の頼みを聞き入れる?
頼みを聞き入れる 四宮両親との戦闘はなしひまわりは拓真達についてくる
頼みを聞き入れない 四宮両親との戦闘になる戦闘途中に???が両親を倒しひまわりは???についていく(この選択肢だと竜也合流時、はやても合流・八神両親は死亡済み)
第三の選択肢
どうする?
攻勢にでる マリュースとの戦闘及び洗脳されたひまわり(はやてルートならはやて)との戦闘があり、ただし生存者が300未満に
防衛に徹する マリュース、ひまわりとの戦闘はなし(もちろん、四度目の選択肢は自然消滅)、生存者は約600人
第四の選択肢
どうする?
戦うしかないのか ひまわりもしくははやてとの戦闘、戦闘後ひまわり(はやて)はライトマージ(はやてならダークマージ)の力を消滅される
まだ説得できるはずだ ひまわり(はやて)との戦闘はなし、戦闘後、ひまわり(はやて)はライトマージ(ダークマージ)の力を消滅せず所持する。
余談、実は第四の選択肢ではひまわり(はやて)を説得するが声は届かず???に殺されるという結果にしようかなと思っていたが序盤でそれは…というか、自分でかいていてなんかやばそうと思いマリュースにあれを特典で所持いる設定にして死亡はやめました、正直に説得は正解です。
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第一章が遂に完結しました、最後に選択肢のどちらを選んだらどうなるかを簡単に説明いたします