No.789570 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルートsoranoさん 2015-07-15 00:58:09 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1417 閲覧ユーザー数:1306 |
~カレイジャス・ブリーフィングルーム~
「最悪の情報が一つ残っているって……!」
「い、一体どのような情報なのでしょうか……?」
「……先程の話以上に”最悪”と言える話って、どんな話よ。」
パントの答えを聞いたアリサは信じられない表情をし、セレーネは不安そうな表情で尋ね、セリーヌは目を細めた。
「それを答える前に……君達は貴族連合から脱退する貴族達が増えている話は覚えているかい?」
「は、はい……ノルティア州が貴族連合から脱退した事をきっかけに、西部の貴族達も貴族連合からの脱退や貴族連合への出資を中断している話ですよね?」
「それとパント卿が仰った”最悪の情報”がどう関係するのでしょうか?」
パントの問いかけにトワは戸惑いの表情で頷き、ジョルジュはパント達を見つめて尋ねた。
「……諜報部隊の報告では貴族連合軍は貴族達の家に踏み込んで、貴族達の家族を拘束して、様々な場所に軟禁しているとの事です。」
「なっ!?」
「そ、それって……!」
「人質かっ!」
ルイーズの話を聞いて仲間達と共に血相を変えたリィンは驚き、エリオットは信じられない表情をし、ユーシスは厳しい表情で声をあげ
「そ、そんな……どうして貴族連合軍が自分達の味方の貴族の方々を拘束して軟禁しているのですか!?」
「それに一体誰がそのような事を命じているのですか!?」
アルフィン皇女とセドリック皇太子はそれぞれ怒りの表情で尋ねた。
「まあ~、状況を考えたら貴族連合が負けたら絶対に自分は破滅するって確信している貴族連合軍の総指揮権を持っている人の仕業だろうね~。」
「―――間違いなく”主宰”のカイエン公だね。」
「愚かな……!自分と共に皇家に刃を向ける事を決めた同志である貴族の方々に対する裏切り行為をする等、カイエン公はどこまで愚かになれば気が済むのだ……!?」
疲れた表情で推測するミリアムの言葉に続くようにフィーは真剣な表情で呟き、ラウラは厳しい表情をし
「……ノルティア州が貴族連合から脱退した事で、カイエン公は疑心暗鬼に陥って、そのような凶行を実行したのかもしれませんね……」
「………………パント卿、シグルーン中将閣下。まさかとは思いますが貴族連合軍は”裏切り者”のノルティア州に襲撃してノルティア州を支配下に置いて、再び貴族連合に加担させる準備やノルティア州の貴族達を人質に取る準備もしているのでしょうか?」
「アンちゃん………」
エマは複雑そうな表情で推測し、パント達に尋ねるアンゼリカをトワは心配そうな表情で見つめた。
「すまないがそれについては何とも言えない。さっきも言った通り貴族連合軍に潜入していたメンフィル軍の諜報部隊は全員撤退したからね。今話した全てが諜報部隊が持ち帰った貴族連合の”最後の情報”だ。」
「ですが今の話を聞けば、皆さんにとっても他人事で無く、”最悪の事態”に陥ってしまった事は理解したかと思います。」
「貴族連合が貴族達の家族を人質にしている事がオレ達にとって”最悪の事態”とはどういう事なのですか……?」
パントの後に答えたシグルーンの話を聞いたガイウスは不思議そうな表情で首を傾げて尋ね
「貴族達に引き続き協力してもらう為にも、貴族連合は自分達が占領したドライケルスが建てた学び舎にいる者達にも手を伸ばしている可能性が高いという事です。」
「!!まさか……!」
「士官学院にいる貴族出身の生徒や教官達が危ないよ……!」
「……メンフィルに占領されたバリアハートとオルディス、後は正規軍に占領された都市や町の領主をしていた貴族達が親の生徒達は大丈夫だと思うけど、それ以外の貴族生徒達が危ないだろうね。」
リアンヌの指摘を聞いたリィンは目を見開き、トワは表情を青褪めさせ、ジョルジュは辛そうな表情で推測し
「………貴族出身の教官はメアリー教官とハインリッヒ教頭。ルーレに滞在しているメアリー教官は大丈夫でしょうけど、学院に残っているハインリッヒ教頭はわからないわね……」
「”フロラルド伯爵家”の実家はメンフィルに占領されたバリアハートだから、多分フェリス達は大丈夫だと思うけど……」
「………セレーネ、エーデル部長って、確か西部の貴族じゃなかったっけ?」
「はい……確かそう聞いていますわ。」
サラ教官は厳しい表情で考え込み、アリサは不安そうな表情をし、辛そうな表情をしているフィーの疑問にセレーネは心配そうな表情で頷き
「……ランベルト部長も西部の貴族だから、部長にも危機が迫っているだろうな。当然残りの”四大名門”の三男であるあの男も例外ではないだろうな。」
「”ハイアームズ侯爵家”のパトリックか…………」
「そ、そんな……同じ”四大名門”であるのですから、さすがにパトリックさんには危害を加えないと思うのですが……」
ユーシスの推測を聞いたマキアスは複雑そうな表情をし、エリスは不安そうな表情をした。
「いや、唯一残った”四大名門”の子息である彼はむしろ真っ先に狙われる対象だと思う。しかもハイアームズ侯爵は貴族連合が敗北しても自分達への被害は最小限で済ませるようにしていたからね。今のカイエン公にとってハイアームズ侯は一番警戒すべき相手だ。」
「え……」
「ハイアームズ侯爵は貴族連合が敗北しても、自分達への被害は最小限で済ませようとしているとはどういう事でしょうか?」
パントの推測を聞いたアリサは呆け、ラウラは真剣な表情で尋ねた。
「ハイアームズ侯爵は内戦に巻き込まれ難民と化した民達を手厚く保護しているという話は皆さんもご存知ですが……あれは恐らく貴族連合が敗北した際の為ですわ。」
「それがどういう意味を示しているのかわかりますか、セドリック殿下。」
「はい……貴族連合が敗北した際皇家であるアルノール家(僕達)に情状酌量の余地ありと判断してもらい、自分達の処罰を軽くしてもらう為……という事ですよね……」
「それは………」
「………………」
シグルーンの推測の後に問いかけたパントの言葉に頷いたセドリック皇太子の答えを聞いたリィンとアルフィン皇女はそれぞれ複雑そうな表情をしていた。
「そして”ハイアームズ侯爵家”はサザーランド州の統括領主。ノルティア州に続いてサザーランド州までもが貴族連合から脱退すれば、メンフィルどころか正規軍ともまともに戦う事もできない事は明白。よって”ハイアームズ侯爵家”は真っ先に人質を取って、協力を強いるべき相手です。」
「………むしろ”四大名門”の関係者だからこそ、パトリック君は真っ先に狙われる対象だという事か……」
「フン……貴族連合に協力していた貴族達どころか”四大名門”すらも信じられなくなり、そのような凶行に走るとは墜ちる所まで墜ちたようだな、カイエン公は。」
リアンヌの推測を聞いたアンゼリカは重々しい様子を纏い、ユーシスは鼻を鳴らして静かな表情で呟いた。
「―――パント卿。パント卿はかつてメンフィル軍の”総参謀”としてメンフィル帝国を勝利に導いたとの事。どうかわたくし達エレボニア皇家の為に力を貸してくださっているⅦ組―――いえ、”トールズ士官学院”の為に知恵を貸して頂けないでしょうか?お願いします……!」
「僕からもお願いします、パント卿……!」
「姫様……」
「殿下……」
パントを見つめてそれぞれ頭を下げて嘆願するアルフィン皇女とセドリック皇太子をエリスとリィンは心配そうな表情で見つめた。
「…………貴族連合が既に手を出した貴族生徒達を救う方法はまだ思いつかないが、トールズ士官学院―――いや、トリスタを貴族連合から奪還する方法なら二つある。」
「ええっ!?トリスタを奪還する方法があるんですか!?」
「それも二つもあるなんて……」
「……それでトリスタを奪還する方法ってどんな方法なのでしょうか?」
パントの口から語られた驚愕の話にアリサとセレーネは驚き、ラウラは真剣な表情で尋ねた。
「一つは正規軍―――第三、四機甲師団、そして”鉄道憲兵隊”を総動員してトリスタを奪還してもらう事だ。」
「と、父さんやクレア大尉達にですか!?」
「……勝算はあるのかしら?トリスタは帝都近郊の影響もあって防衛線は未だ厚いままよ。」
パントの話を聞いたエリオットは驚き、サラ教官は真剣な表情で尋ね
「機甲師団には”対機甲兵戦術”がある上、例の”妥協案”のお蔭で補給の心配もなくなり、ノルティア州が貴族連合から脱退した事で合流も容易くなった第三、四機甲師団ならトリスタで防衛線を敷いている貴族連合軍に対して互角以上の戦いを繰り広げられる事は可能だろう。そして機甲師団が貴族連合軍を引きつけている間に”鉄道憲兵隊”がトリスタを奪還し、トリスタ奪還後挟撃すれば、トリスタの防衛部隊は壊滅するか降伏するかのどちらかだろう。」
「なるほどね~。クレア達なら数で劣っていても領邦軍の兵士達が相手なら最後は勝つだろうね~。でも、どうやって機甲師団や鉄道憲兵隊を動かすの?」
パントの答えを聞いたミリアムは納得した様子で呟いた後ある事に気付いて真剣な表情で尋ねた。
「―――彼らを動かす方法は到って簡単だ。セドリック殿下とアルフィン殿下が彼らにトリスタを奪還するように”勅命”すれば、彼らはその”勅命”に従う。」
「そ、それは………」
「………………」
パントの説明を聞いたアルフィン皇女とセドリック皇太子はそれぞれ複雑そうな表情をし
「で、でも、それは……」
「僕達の”大目標”がなくなってしまうな……」
一方ある事に気付いていたエマとマキアスは複雑そうな表情をしていた。
「……――パント卿。こちらから知恵を貸す事を申し出ていながら申し訳ありませんが、その方法は絶対に取りたくありません。」
「リィンさん……」
「………何か理由があるのでしょうか?」
リィンの答えを聞いたアルフィン皇女は心配そうな表情をし、ルイーズは真剣な表情で尋ねた。
「はい。士官学院の奪還は俺達”Ⅶ組”の悲願です。いや、俺達だけじゃない。このカレイジャスに集まった士官学院生全員の果たすべき”使命”と言っていい。他のどんな勢力にも任せるわけにはいきません。」
「リィン君………」
「兄様…………」
「フム………」
リィンの話を聞いたその場にいる全員がリィンに注目している中、パントは試すような視線でリィンを見つめていた。
「わたくしも同じ気持ちですわ。トールズ士官学院は大帝が設立した皇立学校……できれば士官学院の皆さんの力で決着をつけるべきでしょう。」
「――殿下の仰る通りさ。……最後の最後まで人任せというのはどうにも示しがつかないね。」
「アンゼリカさん、他のみんなも……」
「フフ、想いは同じなようだ。」
「アルフィン……皆さん……―――パント卿、大変厚かましいと思いますが彼らの力だけでトリスタを奪還する方法を考えて頂けないでしょうか?お願いします……!」
それぞれが自分達の力でトリスタを奪還する事を決意している様子を見たセドリック皇太子はパントを見つめて頭を下げた。
「頭をお上げ下さい、セドリック殿下。第一私はまだ”もう一つの方法”を提示していないのですから、まずはそれを聞いてから判断してください。」
「あ……!そ、そう言えばもう一つの方法があるって言ってましたよね……!?」
「ちなみにその方法はどんな方法なの?」
パントの説明を聞いたトワは声をあげ、フィーは真剣な表情で尋ねた。
「もう一つの方法は君達が望む方法―――君達自身の手で士官学院を奪還する方法だ。」
「ほ、本当ですか!?」
「一体どんな方法なのよ?さすがにその子達だけじゃ、トリスタの防衛部隊を相手にするなんて無謀だと思うのだけど。」
パントの話を聞いて仲間達と共に血相を変えたリィンが明るい表情で声をあげている中、セリーヌは不思議そうな表情で尋ねた。
「いや、正確に言えばトリスタの防衛部隊を相手にするのは彼らと”契約”している異種族達だ。そして君達は彼らが陽動部隊として防衛部隊を引きつけている間にトリスタやトールズ士官学院を守護する守備兵達を撃破してトリスタを奪還する。―――それがもう一つの方法だ。」
そしてパントはリィン達にとって驚愕の方法を口にした。
今更な設定ですがセレーネが入っている部活はフィーと同じ園芸部です(今更!?)そして既にお気づきと思いますがパントの提案した方法でベルフェゴール達が陽動部隊とありましたが……むしろ”本隊”と言ってもおかしくありませんねwwだってリィン達が契約している異種族全員総動員したら、間違いなく貴族連合軍を殲滅できますしww後、薄々感づいているとは思いますがこのルートではリィン達はパトリック達―――”騎士団”とは戦いません。(だって、”騎士団”のメンバーの一部が……(冷や汗))まあ、パトリック達との戦闘は一応予定しています(汗)また、先の話をするとこのルート限定でリィンはラストダンジョンで使い魔を手に入れる予定になっています(まだ増えるんかい!?)なおその使い魔はオリジナルキャラではなく、”一応”原作キャラです。勿論性別は女性で、しかも巨乳です…………(激怒)
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第60話