北城珈琲店、店舗裏の雅行の自室。
「毎回思うけど、雅行おじいちゃんの部屋って整然としてるわねお母さん」
「ホントね。キチンとしてるわw」
「紳士たるもの、整理整頓は基本だからね。使いたいものを使いやすい位置にしまうのがコツなんだ」
「へぇーっ」
「たとえば私が使っているコーヒーセットだけれど、よく使うから一番手の届きやすい場所においてあるだろう?それが整理整頓ということさ」
「しっかりしてるわねえ」
「あたしたちも見習いたいものだけどね~…」
「そういえば雅行おじいちゃんってチエ子おばあちゃんとの思い出の写真とか…」
「ああ、アルバムはこの一番下の棚にしまってあるんだよ。あった、これだ」
「わぁ!お姫様抱っこだぁ!」
「チエ子とは同じ高校で知り合ったんだけどね。学内でもかなりの美少女だったんだ」
「で、その美少女のおばあちゃんが美男子のおじいちゃんと知り合って…」
「結婚して、君のお父さんを産んだんだよ」
「ふーん…あ、ねえねえ!お姫様抱っこって今でもできる?」
「ちょっと唯ったら!」
「ははは、いいんだよ愛ちゃん」
「すみませんお義父さん…」
「そうだ。せっかくだからやってみようかな?」
数分後。
「あら、雅行さん話ってなあに?」
「チエ子、久しぶりにあれをやろうと思うんだ。ぜひ孫に見せてあげたいからね」
「ええ、そういうことだったら喜んで」
「わーい!おじいちゃんがおばあちゃんをお姫様抱っこする瞬間よ!」
「やめなさい唯!すみません、お義母さんまで…」
「いいのよ愛ちゃん。せっかくの機会だからじっくり見せてあげましょう雅行さん」
「そうだね。じゃ、行くよ」
雅行は慣れた手つきでチエ子をゆっくりと抱き上げる。
「うわー!すごーい!」
「改めて目の前で見せられると感動するわね…でもお義父さん、大丈夫なんですか?」
「なに、チエ子を抱いたままこの店の端から端を歩き回るぐらいはワケないよw」
「やだわぁ、雅行さんったらw」
その夜。
「それにしても、まさかこの歳になってあなたに抱き上げられるなんて思っても見なかったわw」
「何を言ってるんだいチエ子。いくら歳をとったところで、君を抱きかかえるぐらいたやすいことだよ」
「雅行さん…///」
「チエ子…///」
二人は改めてお互いの愛を確かめ合うと、肩を寄せ合いそっとキスを交わした。
その日の夜は、満天の星空であった…。
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「愛があれば年齢なんて関係ない」を地で行ってるこの二人w
■出演
唯:http://www.tinami.com/view/742179
愛:http://www.tinami.com/view/744298
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