絡繰人間12号の渾身の一撃でもある『誘導追跡爆弾』はフルパワーで放たれるも、
一刀に難なく退けられ、挙げ句の果てには自爆までするという状況に陥られる
そして、一刀は
本当の修行の成果を見せつけるっ!!!
十五節 ~伝説解放
その名は『限界突破』~
一刀「はあぁあぁああぁっ!!!」
ギュオォオオッ!!!
一刀は今までと比較にならない気を溜め込み出す
雪蓮「っ!!!す、凄い厚みの気………」
蓮華「一刀…………貴方、私達の知らない所でどれだけ強くなっていたの…………っ!!?」
雪蓮や蓮華などの『神域の結界』内にいる皆は唖然としていた
明命や亞莎などは身体が震えだし、その場にへたりこんでしまう
明命「か、一刀様………………」
亞莎「す、凄い…………凄すぎます…………!!!」
一刀の気を肌で感じているのは雪蓮経ちだけではない
絡繰人間12号「くっ!!!な、何という奴だ……………
気が………溢れている………っ!!?」
絡繰人間12号もあまりの一刀の気の多さに鳥肌が立っていた
一刀「まだまだ……………こっからだぜ………っ!!!」
ギュオォオオッ!!!
一刀は皆の驚きを他所にまだ気を溜め続ける
七乃「い、一体何時まで溜めるんですかぁ?」
七乃は一刀の行動を理解出来ていなく、不安の表情となる
だが、一刀の表情はそれとは逆に嬉々とした表情だ
一刀「………………よし、いくぞっ!!!はあぁあぁああぁっ!!!」
ギュオォオオッ!!!
一刀は一際大きく気を溜め込み出した
その時
ゴォォォォォォォォッ!!!
ドォォォォンッ!!!
一刀の周辺の岩や地面が土埃と化し、大きく巻き上げられた
そして、一刀自体が淡く発光し始めた
小蓮「わわわっ!!?」
思春「くっ!!!何だ一体っ!!?」
思春は発する眩しい光に思わず腕で回避する
絡繰人間12号「ぐっ!!!」
絡繰人間12号も思わず目を覆い隠す
………………
…………………………
明命「……………光が止みました………」
光が止んだと同時に皆は覆っていた腕や手をその場から退かす
そして一刀を見て唖然とした表情となる
雪蓮「………………へ?」
蓮華「か、一刀………………?」
その先にいた一刀は
一刀「…………ふぅ……」
淡く輝いた制服を着て、普段と違和感のある一刀だった
一刀「よし、成功っ!!!」
一刀は喜びながら自分の身体を見渡す
絡繰人間12号「い、一体何が起こったと…………っ!!?」ピピピッ
絡繰人間12号は『万能鏡眼』に強い反応を示した為、慌てて反応の原因を確認する
絡繰人間12号「な、何っ!!?」
絡繰人間12号は思わず大声を上げる
何故なら
絡繰人間12号「せ、戦闘能力値がとんでもない速度で上がっていく………!!!」
数値が桁を通り越して1000辺りから上昇し始めているのだ
数値は留まることなく上がり続ける
絡繰人間12号「あ、あり得んっ!!!こ、こんな数値が出るなど…………」
すると
ガシャンッ!!!
絡繰人間12号「ぐぉっ!!?」
一刀「ん?」
『万能鏡眼』が突如、煙を上げて破裂したのだ
絡繰人間12号「い、異常数値による故障…………数値、測定不能………………だとっ!!?」
どうやら値が高すぎて機械がショートしてしまったようだ
一刀「数値なんかあてにするなよ
己が感じた強さでいいんだよ………戦闘能力値なんか、無意味だぞ?」
一刀は苦笑いをして話しかける
雪蓮「…………な、なんか一刀の雰囲気が変わった…………?」
蓮華「は、はい…………間違いなく、変わりました………」
思春「頬や腕、首にも何か描かれています……」
今の一刀の姿を整理すると、まず髪が伸びている
長さは肩より少し下
だが、普段の一刀から比較すればかなりの違いがある
2つ目に思春が言ったように一刀の右頬に黒の文字での刺青のようなものが浮き上がっていた
その文字は今では一刀の紋章となっている『十』
更に首や捲った腕にはまるで恋の肌に描かれているものと同じような刺青が施されていた
他にも一刀の服である聖フランチェスカ学園の制服が輝きを増して輝いていること
しかも、上だけではなく下のズボンもだ
そして、何よりも違うのが一刀の瞳の色
一刀の瞳の色は黒とブラウンの色合い
だが、今の一刀の瞳は反対色とも言える水色と白となっていた
一刀「『これ』を発動すると色んな変化が起こるんだ」
一刀は腕を組んで話し出す
一刀「まず、髪が伸びる……俺の長さて言えば肩より少し下位にまでね
2つ目に頬に紋章の刺青が浮き上がる
3つ目に肌が露出している部分にこれまた刺青が浮き上がる…………確かに恋の模様を思い出させるような感じだ」
一刀は淡々と進めていく
一刀「4つ目に服が淡く輝き出す………俺の場合だと分かりやすいね
5つ目に目の色が反対色になるんだ………俺の場合ならこの色かな」
一刀は目を見開いて色を見せる
雪蓮「そんなに変化するの……………?」
七乃「………一刀さん」
七乃は一刀を呼び
一刀「ん?」
七乃「それで……その………その変幻は何なのですかぁ?」
核心に触れる
一刀「これかい?これは、左慈との修行により会得できた『管理者界伝説の妖術変幻』……………」
一刀は一呼吸おいて笑顔で話した
一刀「その名も『限界突破(げんかいとっぱ)』……………
自らの体内に眠り続けている戦闘能力値を最大限にまで引き出すものさ」
蓮華「『限界突破』…………」
蓮華は鸚鵡返しの如く『限界突破』の名を口にする
一刀「しかも、基本的に無制限に発動可能
副作用もなしなんだ」
一刀はニヤリと嗤うと
一刀「これを発動した以上、絡繰人間……………お前にもう、勝ち目はないぞ……………?」
『限界突破』により変幻した瞳を絡繰人間12号に向ける
絡繰人間12号「ぐっ!!!」
絡繰人間12号は一刀に見られて狼狽える
一刀「『限界突破』を解放すると戦闘能力値が通常の20倍以上に跳ね上がるんだ
ただでさえ、押されていたお前だ………もう、勝てない」
絡繰人間12号「だ、だ、黙れっ!!!」
絡繰人間12号は狼狽えながらも声を絞り出して叫ぶ
絡繰人間12号「貴様なんぞに殺られる絡繰人間ではないわっ!!!
この第四段階にまで重ねた『制限解除』を発動したこの俺様に敵う筈がないのだあぁあぁあああぁっ!!!」
絡繰人間12号はあてにするな走り出し、地震を起こしながら一刀に接近し始めた
一刀「やれやれ……………」
一刀は肩を竦めて呆れる
絡繰人間12号「死ねえぇええぇええぇっ!!!」
ブォンッ!!!
絡繰人間12号は素早く巨大な腕を降り下ろした
一刀「もう、見飽きたよ………」
一刀は苦笑いをして右手をゆっくりと振り上げる
ドォォォォンッ!!!
その瞬間、絡繰人間12号の腕が地面に到達した
しかし
絡繰人間12号「なっ!!?」
雪蓮「へ!!?」
明命「はぅわっ!!?」
思春「なにっ!!?」
全員は一刀を見て驚愕の表情となる
何故なら一刀は絡繰人間12号の強烈な一撃を右手の人差し指一本で受け止めていたのだから
一刀「だから言ったのに…………」
絡繰人間12号「ば、ば、馬鹿なっ!!!」
絡繰人間12号はあまりの衝撃に動けなくなる
一刀「言っただろ?もう、お前じゃ勝てないってな………」
絡繰人間12号「ぐっ!!!なら、これでどうだあぁあぁあああぁっ!!!」
ギュオォオオッ!!!
絡繰人間12号は懲りずに気を溜め込み始めた
一刀「『誘導追跡爆弾』ももう読めたって…………」
絡繰人間12号は再び『誘導追跡爆弾』を放つつもりのようだ
絡繰人間12号「おぉおぅりゃああぁあぁああぁぁっ!!!!!!」
ゴォォォォォォォォッ!!!
絡繰人間12号は間髪入れずに『誘導追跡爆弾』を発射した
一刀「仕方ない…………丁度いい機会だ
『限界突破』バージョンの『幻龍破』を試させてもらうとするか…………っ!!!」
ギュオォオオッ!!!
一刀は『幻龍破』の構えをして更に気を高める
絡繰人間12号「うおぉおおぉおぉおおぉぉっ!!!!!!」
一刀「喰らえっ!!!『限界突破版・幻龍破』っ!!!」
ゴォォォォォォォォッ!!!
一刀は絡繰人間12号が放った『誘導追跡爆弾』に向かって『幻龍破』を放った
これより2つの巨大なエネルギー体の撃ち合いが始まる
筈だった
ゴォォォォォォォォッ!!!
ドッカアァァァァァァンッ!!!!!!
一刀「あれ?」
絡繰人間12号「な、な、な何っ!!?」
一刀の『幻龍破』は絡繰人間12号の『誘導追跡爆弾』に接触した瞬間、いとも容易く木っ端微塵に粉砕してしまった
しかも、それで終わりではない
絡繰人間12号「うごぉおぉっ!!?ぐわああぁぁあぁあぁあぁあぁあぁあああぁっ!!!!!!」
『幻龍破』は留まることなく、そのまま爆発を貫通して絡繰人間12号に一直線に進行し、絡繰人間12号に直撃したのだ
一刀「あちゃあ………力を入れすぎたかな…………?」
一刀は思わず苦笑いをして頭を掻く
絡繰人間12号「う、うぅ………」
絡繰人間12号は口から煙を吐きながらユラユラと揺れ
ドォォォォンッ!!!
うつ伏せの状態となってその場に倒れ込んだ
一刀「ちょっとやり過ぎちまったな…………」
一刀は『空立』をやめて地上に降り立つ
蓮華「嘘…………でしょ?」
小蓮「た、たった一発で…………あの巨大化した絡繰人間を…………」
皆、開いた口が塞がらなくなる
一刀「どうせなら『空走』や『龍走』を試したかったんだけどな………
世の中甘くはないな」
一刀は頬を掻きながら呟く
だが、ここで終わらないのが絡繰人間
絡繰人間12号「ぐっ!!!ぐおおぉぉおおおおぉおおっ!!!!!!」
亞莎「た、立ち上がりましたっ!!!」
明命「中々の根性ですね…………それに加えての身体の頑丈さ……」
思春「絡繰人間でも群を抜いている」
思春は目付きを鋭くして絡繰人間12号を見る
一刀「そう来なくっちゃな♪」
一刀は嬉々とした表情をして身構える
絡繰人間12号「き、貴様なんぞに………殺られる俺様では……ないわ………」
絡繰人間12号はボロボロになりながら一歩踏み出した
その時
機器音声「危険確認!!!危険確認!!!
『損傷率』が著しく低下、『損傷率』の急低下を確認。現在『総合計損傷率』8割7歩9厘。
このまま『制限解除』を持続すれば生命体に異常を及ぼす可能性あり。それにより『制限解除』の持続を困難と断定。
よって第四段階にまで発動している『制限解除』を解除をし、初期化致します。
尚、生命体の存亡に大きく関わる為、再起動は不可と致します。『損傷率』の回復に専念し、『癒療再生装置』を最大限にまで稼働して下さい。」
機器音声の警告が発令された
絡繰人間12号「な、何っ!!?」
絡繰人間12号の驚きの声と同時に
絡繰人間12号「ま、待てっ!!!俺様はそんなこと許可していな……いっ!!?」
メキメキメキッ!!
雪蓮「あぁっ!!?」
祭「絡繰人間が……………!!?」
蓮華「縮んでいく……………?」
上記の3人が言ったように絡繰人間12号の巨大化した身体が少しずつ縮み始めたのだ
一刀「…………無茶をし過ぎたんだな………」
一刀は腕を組み、哀れみを感じる目で絡繰人間12号を見ていた
一刀「ただでさえ『制限解除』は現代語でいうリミッター解除………
身体が強化される分、肉体への負荷も当然大きい………」
絡繰人間12号「うごぉおぉ…………っ!!?」
メキメキメキッ!!
そう言っている間にも絡繰人間12号の縮小化は止まらない
一刀「絡繰人間は身体へ負荷をなるべく軽減して造られているのだろうけど……………流石に絡繰人間といえど長時間の発動には無理がある」
絡繰人間12号「ぬぅっ!!!ぐぉおぉぉおおおおぉおおっ!!!」
メキメキメキッ!!
絡繰人間12号は既に巨大化していた時のか半分にまで縮小されていた
一刀「しかもこいつはそれを無視してあろうことか四段階にまで重ねたんだ
リミッター解除でもそこまでの過負荷には対応出来ない…………
自分の許容範囲を完全に逸脱してしまったんだ」
蓮華「…………それにより遂に限界がきてしまい、強制的に解除を求められた……」
いつの間にか真横にいた蓮華が一刀の言葉を繋げる
蓮華だけではなく、全員が『神域の結界』から出て一刀の周りに佇んでいた
一刀も危険はもうないだろうと高をくくって静かに頷く
一刀「そう言うこと………自分の力の過信の恐ろしいところだよ………
自らの許容範囲すら把握出来ていなかった為に起こったことだ………」
一刀が話している間に、遂に
絡繰人間12号「うごぉおぉ…………っ!!?」
メキメキメキッ!!
絡繰人間12号は『制限解除』をする前の一回り大きな状態へと戻ってしまった
一刀「振り出しに戻る…………ってやつか………形勢逆転だな、絡繰人間」
絡繰人間12号「ぐっ!!!くっそおぉぉおおおおぉおおっ!!!」
ギュオォオオッ!!!
絡繰人間12号は気を放出して叫ぶ
一刀「だがな、お前ら絡繰人間『血光軍』だけは勘弁してやる訳にはいかねぇんだ…………!!!」
一刀は静かな怒りを持ち、静かに歩み出した
絡繰人間12号「(ぐっ!!!くそっ!!!どうするっ!!?
『制限解除』しても奴に攻撃すら当たらないのに、初期化されてしまっては勝つ確率は殆んど0だ!!!)」
絡繰人間12号は心の中で葛藤を繰り返す
絡繰人間12号「(奴の『限界突破』とやらの力は本物だ!!!
だが、あんな力………未来では確認されていないっ!!!
これをどうにか斬魔様に………龍天様にご報告しなくては我々の計画が………!!!)」
一刀「覚悟してもらおうか…………」
パキッ!!!
ポキッ!!!
一刀は指の骨を鳴らしながら絡繰人間12号に接近していく
絡繰人間12号「ぐっ!!!(く、くそっ!!!どうするっ!!?)」
絡繰人間12号は必死に思考回路をフル回転させ
絡繰人間12号「(っ!!!そうだっ!!!この手があった!!!)」
『1つの策』を思い付く
絡繰人間12号「ふっふっふっ…………(北郷一刀………覚悟しておけ………
今に吠え面をかかせてやるぞ………!!!)」
絡繰人間12号は心の中で不気味にほくそ笑んでいた…………
一気に形勢逆転へと覆した一刀……
だが、絡繰人間12号はまだ諦めてはいなかった…………
次回、絡繰人間12号の不気味な策が忍び寄る……………!!!
……終……
Tweet |
|
|
3
|
2
|
追加するフォルダを選択
修行により強化された一刀は巨大化した絡繰人間12号をいとも容易く怯ませ、攻撃していく
挙げ句の果てには絡繰人間12号の秘密兵器である『誘導追跡爆弾』すら読まれてしまう
そして、一刀は遂に『本当の修行の成果』を披露する!!!
続きを表示