No.787327

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

soranoさん

第51話

2015-07-04 00:19:41 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1326   閲覧ユーザー数:1203

~オルキスタワー・屋上~

 

「な――――」

「!!」

「……ッ……!」

「エ、エリゼさん!?どうしてこんな事を……!?」

エリゼの突然の行動にダドリーは絶句し、ロイドは目を見開き、ティオは辛そうな表情で目を瞑り、エリィは信じられない表情でエリゼに問いかけた。

 

「驚かせてしまって申し訳ございません。実は私の任務は皆さんの協力だけでなく、可能であればクロスベルにいる結社の”蛇の使徒”を討伐せよとの命令も降っていた為、それを実行したのです。」

「なっ!?」

「何だと!?」

「ったく、メイドに暗殺者の真似事までさせるとか、何考えていやがるんだよ、”英雄王”達は。」

刃に付着したノバルティスの血を一振りで払い落とした後太刀を鞘に収めたエリゼの説明を聞いたロイドとダドリーは信じられない表情で声をあげ、ランディは厳しい表情で呟いた。

 

「ま、何にせよまずは奴の処刑が先だな。」

「フン、そうだな。」

するとその時ヴァイスとギュランドロスはそれぞれの鞘から剣を抜いてディーター大統領を睨み

「ま、まさか君達は本当にこの私を…………!き、君達は警察と警備隊だろうが!?そんな事をして許されると思っているのか!?」

二人の行動を見たディーター大統領は信じられない表情をした後怒鳴った。

 

「違うな。俺達は”王”だ。」

「”王”の裁きは合法だぜぇ?」

ヴァイスとギュランドロスはそれぞれ不敵な笑みを浮かべて答え

「!!局長!司令!」

「処刑するにしてもせめて逮捕して、処刑の判決を出してからにするべきです!」

「「……………っ………」」

「………………………」

「や、やめて下さい…………!おじさまもベル達に騙された被害者なんですよ!?」

その時ロイドとダドリーは声を上げ、キーアとティオは目を瞑って黙り込み、ランディは目を伏せ、エリィは悲痛そうな表情で叫んだ。

 

「例え騙されたとしても今回の件を実行したのはこの男の上”D∴G教団”の黒幕の一人でもある……………この男には被害を受けた者達の為にも責任を取らせる必要がある。―――――この男自身の命と引き換えにな。」

「テメェのくだらねぇ野望のせいで死んで行った警備隊員や市民達、”D∴G教団”の贄となったガキ共にあの世で詫びなあっ!!」

そしてヴァイスとギュランドロスはそれぞれディーター大統領に近づいて突きの構えをしたが

「!この気配は……!」

「二人とも下がって下さい!」

「「!!」」

何かに気付いたロカとルフィナの警告を聞いて後ろに跳躍して、ロイド達の元に戻った。すると二人がいた場所に暗黒の爆発が起こった!

 

「ええっ!?」

「魔術による攻撃を確認!し、しかし今の魔術の使い手は”彼”を除けばわたしとレンさんだけのはずですが……!?」

「オイオイオイ……!あの野郎は確かエレボニアにいるんじゃなかったのかよ!?」

突然の出来事にエリィは驚き、見覚えのある魔術にティオが困惑している中、ランディは信じられない表情をし

「―――あんたが亡霊と化してこの世に留まり続けているのはもうわかっている。大人しく出て来い、”D∴G教団”司祭―――ヨアヒム・ギュンター!!」

「ヨアヒム・ギュンターだと!?」

ロイドは周囲を見回して厳しい表情で声を上げ、ロイドの言葉を聞いたダドリーは信じられない表情で声を上げた。

 

フフ……せっかく驚かせようと思っていたのに、既に僕の事を知っていたとは逆に僕が驚かされたね。

 

するその時ヨアヒムがディーター大統領の背後に現れた!

「な――――」

「貴方がかの”教団”の……!」

「……………………」

ヨアヒムの登場にダドリーは絶句し、ルフィナは厳しい表情をし、キーアは複雑そうな表情で黙り込んでいた。

 

「フフ、久しぶりだね、”特務支援課”の諸君。また会えて何よりだよ。」

「ハッ、こっちは2度とテメェの面なんざ見たくなかったぜ!」

「全くですね。成仏せずに亡霊になってまでこの世に留まり続けているとか、しつこすぎです。」

ヨアヒムの言葉を聞いたランディは鼻を鳴らしてヨアヒムを睨み、ランディの言葉にティオはジト目で頷いた。

 

「やれやれ、久しぶりの再会だというのに随分と冷たいものだ。それにしても……フフ、そちらのイーリュンの司祭殿は随分とキーア様に似ておられるが、まさかキーア様の母君か姉君なのかな?」

「……………」

「テメェ……!」

「キーアちゃんもその女性にも絶対に手を出させないわよ……!」

ヨアヒムに視線を向けられたキーアが真剣な表情で黙り込んでいる中、ランディとエリィはキーアを庇うかのようにキーアの前に出て武器を構え

(ヨアヒムはまだ”彼女”の正体に気付いていないみたいですね。”太陽の砦”の時のようにわたし達の記憶を読み取って”彼女”の正体が悟られる前に話を逸らせた方がいいと思います。)

「(ああ……!)―――ヨアヒム・ギュンター。亡霊になったあんたはエレボニアで貴族連合を手駒にする為に暗躍していると聞いていたが、何故今クロスベルにいる!?」

ティオの助言に頷いたロイドはヨアヒムを睨んで問いかけた。

 

「ああ、貴族連合なら先日僕の協力をカイエン公が受け入れたから、着々と僕の計画は進行中だよ?」

「何だと!?」

「まさか”ルバーチェ”の時のように”貴族連合”の兵士達に”グノーシス”を投与したのか!?」

ヨアヒムの説明を聞いたダドリーは驚き、ロイドは厳しい表情で問いかけた。

「フフ、貴族連合の敵対勢力―――”紅き翼”や正規軍の活躍、後はメンフィルの予想以上の迎撃態勢によって貴族連合はかなり追い詰められた状況でね……”グノーシス”の事をカイエン公に話したら、あっさり僕の協力を受け入れてくれたよ!貴族連合軍全体に”グノーシス”が投与されるのも時間の問題さ!」

「愚かな……カイエン公も貴様に頼った”ルバーチェ”の末路を知っているだろうに何故貴様の協力を受け入れたのか、理解に苦しむな。」

「フン、追い詰められた三下にとっては藁にも縋る思いだったんじゃねぇのか?」

「追い詰められたその者はもはやまともな判断力すらも失っているのかもしれないわね……」

(兄様……エリス……)

ヨアヒムの説明を聞いたヴァイスとギュランドロス、ロカはそれぞれ厳しい表情をし、エリゼは心配そうな表情をした。

 

「それで君達の前に現れた理由だけど、二つあってね。一つは君達への”宣戦布告”さ。」

「”宣戦布告”だと!?」

「……一体何の”宣戦布告”なんですか。」

ヨアヒムの話を聞いたランディは厳しい表情で声をあげ、ティオは真剣な表情でヨアヒムを睨んで問いかけた。

「フフ、決まっているじゃないか!―――キーア様を僕に返してもらう”宣戦布告”だよ!」

「!!」

「………………」

「チッ、結局はそれか……!」

「そんな事、絶対にさせないわよ!」

ヨアヒムの答えを聞いたロイドは目を見開き、キーアは複雑そうな表情で黙り込み、ランディとエリィは厳しい表情でヨアヒムを睨んだ。

 

「というかそのキーアは貴方達”教団”の”スポンサー”に誘拐されているのにわたし達に宣戦布告をするとか意味不明です。」

「フフ、どうせ君達の事だからキーア様を奪還するのだろう?僕はそれを信じて、宣戦布告をしたのだよ!」

「テメェ……!俺達がキー坊を取り戻した後、マリアベルお嬢さん達との戦いで疲弊している俺達の隙を狙ってキー坊を横から掠め取るつもりか!?」

ティオの疑問に答えたヨアヒムの話を聞いてある事を推測したランディはヨアヒムを睨み

「……一つ聞きたい。マリアベルさん達に協力する事は考えなかったのか?マリアベルさん―――”クロイス家”はあんた達”D∴G教団”にとって”スポンサー”だ。エリゼさん達の話では確かあんたはマリアベルさん達の協力者になる為に貴族連合を手駒にして暗躍していると聞いている。」

「ああ、最初はそのつもりだったけど、気が変わったんだよ。よくよく考えたら僕達を隠れ蓑にして、横から全てをかっさらった卑怯者達の下で働くなんて、まっぴらごめんだよ。ちなみに二つ目の理由だけど、その”スポンサー”に”お礼”をするつもりでこの場に現れたのさ。」

ロイドの問いかけに答えたヨアヒムは醜悪な笑みを浮かべてディーター大統領を見つめた。

 

「なっ!?私に何をするつもりだ……!?」

ヨアヒムに見つめられたディーター大統領は恐怖の表情でヨアヒムを見つめ

「フフ、怖がる必要はないよ?何せ僕は今まで僕達”D∴G教団”に出資してくれたお礼に命に危機に陥っている貴方に力を貸す為に現れたのだから。」

ヨアヒムは醜悪な笑みを浮かべながら赤紫色の液体が入った注射器を取りだした。

「赤紫色の液体が入った注射器……?”グノーシス”は確か青と赤だと聞いていますが……」

「!!まさか……新型の”グノーシス”か!?」

注射器を見たエリゼが不思議そうな表情をしている中、ある事に気付いたロイドは血相を変え

「新型の”グノーシス”だと!?」

「!いけない!大統領に投与するつもりよ!」

「おじさま――――!」

ロイドの推測を聞いたダドリーは厳しい表情で声をあげ、ある事に気付いたルフィナがボウガンを構え、エリィが悲鳴を上げたその時ヨアヒムはディーター大統領の首筋に注射した!

 

「うっ!?な、何だ……!?か、体が熱く…………!?」

「しまった……!」

「!―――気を付けてください!ディーターさんから凄まじい霊圧を感じます!」

注射器に刺されたディーター大統領が身体を震わせるとロイドは唇を噛みしめ、ある事に気付いたティオが警告をしたその時!

「う……ああぁぁぁぁぁぁあああ――――――ッ!?」

ディーター大統領は悲鳴を上げながら巨大化した魔人へと変わり果てた!

 

 

 

 

と言う訳でここでヨアヒムが登場し、まさかの展開ですwwそしてキーアが目の前にいるのに気付かないお馬鹿なヨアヒムでしたww


 
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