No.786136

艦これ~岩川基地第00××鎮守府~ 第六話

ユウヤさん

響による戦闘回想。

短編のつもりがここまで走ってきている・・・目標は12話完結かなぁ?

それではどうぞ

2015-06-27 16:18:21 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2010   閲覧ユーザー数:1748

 

 

 

 艦隊コレクション岩川基地

          ~00××鎮守府~

 

 

 これは鎮守府の中でも性格に難があったり、性能が正規の者より大きく劣ったりと、難がある艦娘達の吹き溜まり・・・岩川基地00××鎮守府での一つの物語・・・

 

 

 

 

 

 語り―響

 

 

 岩川基地から迎撃命令が出ていたのだが、当初敵の正体がまったくの不明というのが腑に落ちない迎撃任務だった。

 

 金剛『にしても・・・きな臭い任務だね。』

 

 大和『金剛さん、海上でタバコはいけません。海が汚れます。』

 

 金剛『こうしないと考えがまとまらないんだよ。響はどう思う?』

 

 響『どうだろう・・・レーダーに掛かって此処にまっすぐって言う事かも?』

 

 金剛『だとしても・・・偵察機ぐらい出しても良いだろうに・・・』

 

 大和『結局会敵しないことには分からないのですから偵察機を出して様子を見たほうがいいのでは?』

 

 金剛『・・・そうだねぇ。赤城、貴重な艦載機だが頼めるかい?』

 

 赤城『了解しました。偵察に爆撃機発艦します。』

 

 正直な話、私達はすぐに撤退すべきだったのかもしれないね。そうすればあの惨劇だけは免れたと思うんだよね。いや、これは言い訳だな。もしそうしたらこの鎮守府は間違いなく無くなっていただろうしね。

 

 赤城『っ!?敵機確認!こ・・・これは・・・』

 

 金剛『どうした!』

 

 赤城『そ、そんな・・・球体型敵艦載機、数50・・・60・・・70・・・まだ増えます!』

 

 金剛『ま、まさか鬼種か!?』

 

 赤城『それでも多すぎます!これは大鳳ちゃんが居ないと対処しきれません!』

 

 大和『どうするんです?』

 

 金剛『・・・どのみち此処で迎撃しなきゃ私達は終わりだ。癪だが・・・命を掛ける時かもね。』

 

 ま、場所によっては旗艦は沈まないから気が楽だよねという部隊が居るだろうが、私達はそんな事を言う事はない。まして思う事も無いからね。頷くしかなかった。私自身も覚悟した。沈む事をね・・・

 

 赤城『・・・どうやら向こうは優秀なジャマーがあるようですね。私ですら通信リンクを張れません。鎮守府との通信途絶です。』

 

 金剛『はん。なら勝って改めて勝利の報告をすりゃあいい。いくよ・・・奇襲だろうがなんだろうが、私らの所属鎮守府に喧嘩売った事後悔させてやるよ!!』

 

 響『了解・・・響、高速戦闘に移行する。』

 

 自慢じゃないが、当時の私は島風なんか目じゃないほど足が速くてね。切り込み隊長を張ってたりしたんだよ。私が斬り込んで敵駆逐艦、軽巡、重巡を殲滅。航空戦力は赤城姉や大鳳が殲滅、戦艦は金剛の超長距離精密射撃で一撃必殺なんて事をやってたもんだからね。それが驕りになっていたのかもしれないね。すぐにそいつがやばい奴だと気が付かなかったんだ。

 

 赤城『駄目・・・これ以上は持たない!』

 

 金剛『く・・・主砲・・・ファイア!』

 

 響『金剛、これ以上は持たない。』

 

 大和『金剛さん、いったん引いて態勢を・・・』

 

 響『っ!?金剛!危ない!!』

 

 金剛『え?』

 

 まさか敵艦載機が特攻して来るなんて思いもよらなかった。その一機は金剛の体を貫いたんだ。一瞬の出来事だったよ。それが完全な隙になった。まるで爆撃されてる感覚だった。敵艦載機の雨が降ったんだ。

 

 大和『あぐぅ!?ぜ、全艦急速後退。殿は私がやります!!』

 

 敵の攻撃は敵艦載機だけじゃなかった。空から降り注ぐ敵の砲撃を掻い潜りながら私達は後退して行った。事前に確認していた合流ポイントに着いた私達だったが・・・大和は合流しなかったよ。

 

 大井『・・・ふぅ、今度は私達かな?北上。』

 

 北上『お、大井っち!?だ、駄目だよ、大井っちに何かあったら私は!』

 

 大井『駄目、これ以上鎮守府に近づけたら残ってるのは大鳳とゆーだけ。防衛は出来ない。出来るだけあいつのシールドの耐久を下げて討ち取らなきゃ。』

 

 響『・・・(ギリリ)』

 

 大井『響、頼むよ?金剛が・・・旗艦が沈むなんて異常事態に私達は虚を突かれた。でも・・・そうも言ってられなくなった。一番の古株で戦術眼に長けた響なら・・・やるべきことは分かるよね?』

 

 響『・・・わか・・・った。』

 

 大井『逝くよ、北上。此処で私らが踏ん張らなきゃ・・・私達を拾ってくれた提督に顔向けできない!』

 

 北上『・・・分かった・・・分かったよ!!私達の酸素魚雷の威力・・・見せつけてやるんだから!!!』

 

 二人はそのまま敵艦載機の雨の中に突っ込んで行ったよ。私は見てることしかできなかった。いくつかの爆音が響いた後に聞こえて来たのは敵艦の笑い声だった。すぐに沈んだと分かったよ。

 

 赤城『私の番ですね・・・行ってきます、響さん。』

 

 響『赤城姉・・・』

 

 赤城『そういえば・・・その呼び方も結局変えてもらえなかったですね?貴方の方が先輩なのに、貴方の方が優秀なのに・・・私を姉と慕ってくれる・・・ふふ、今思えばどれだけ救われたか分かりません。』

 

 響『も、もう艦載機も無いのに・・・』

 

 赤城『あと三機残ってますよ。いざとなったら体当たりで穴をあけてやります。』

 

 響『でも・・・でも!!』

 

 赤城『・・・お姉ちゃんらしい事してあげられなくて・・・ごめんなさいね。』

 

 響『赤城姉!』

 

 そのまま赤城姉は敵に向かって突っ込んで行ったんだ。私は・・・ただ見送ることしかできなかった。

 

 響『赤城姉・・・いやだ・・・お姉ちゃん!!』

 

 最後に見えたのは発着甲板の艤装で敵を殴る赤城姉さんの後姿だった。だがその瞬間・・・相手がひるんだ。僅かながらに相手のシールドに穴があいたのが見えたんだ。だから私はがむしゃらに突っ込んだ。もう・・・何も考えられなかった。ただがむしゃらに、ただ撃ち抜くために。ただ・・・それだけの為に私は動き出した。

 

 響『わああああああああああああああああ!!!!!!!!!沈めぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!』

 

 しばらくの攻防の末、私の放った最後の三発が相手のシールドの穴を捕らえ、敵深海棲艦の頭部を捕らえたんだ。それが思いのほか大ダメージだったんだろうな。相手はそのまま撤退の形を取ったんだ。私はそのままその場で気を失った。

 

 気が付くとそこにはいつもの海が広がっていたよ。よくあの状態で沈まなかったと思った物だ。その後私は無事帰投する事になった。此処までが七年前の真実だよ。

 

 

 語り終わり

 

 

 

 

 

 大鳳「そんときに見た深海棲艦ってのが、今まで見た事の無い鬼種。もしかしたら姫の類だったかもしれないと言うのが響の見解だ。」

 

 長門「その姿は確認したのか?」

 

 響「特徴は黒い球体型艦載機。そして他の鬼種や深海棲艦とは違い肌の色が褐色だ。むしろ私達艦娘に近い感じだったな。さらに言えば纏っている闘気が違う。僅かに白い物がゆらりと見えたが・・・性能は改フラグシップ級を超える物と考える。」

 

 長門「冗談じゃない、と言いたくなるな。」

 

 響「ああ・・・だが、だからこそやらねばならない。傷は与えたが討ち取った訳ではない。」

 

 長門「敵の事は分かった。私も配属された以上やり遂げて見せる。だが、それでもわからん。何故提督はああなったのだ?」

 

 響「それはだな。」

 

 北郷「そこは俺が話そうか。」

 

 全員「「「「「提督!?」」」」」

 

 北郷「敬礼はいい。ほら、今日の収穫だ。」

 

 そう言って彼が出したバケツには魚がフヨフヨ泳いでいた。

 

 響「明日の朝食は焼き魚定食で決定だ。」

 

 北郷「ふぅ、それで長門。俺がどうして釣りをのんびりしてるかだったな?」

 

 長門「・・・はい。」

 

 北郷「なら教えてやろう。それは響が帰還して数日たってからだった・・・」

 

 こうして彼は語りだす。自分がどうしてあのような行動を取っているのか・・・どうして待っているなんて状況になっているのかを。

 

 

 

 

 

 今回の登場人物

 

 

 元第一艦隊旗艦―金剛

 

 敵艦載機の特攻により轟沈。

 

 

 元第一艦隊戦艦―大和

 

 敵深海棲艦との主砲の撃ち合いに競り負け轟沈。

 

 

 元第一艦隊雷巡―大井

 

 敵深海棲艦との水雷戦に競り負け轟沈。

 

 

 元第一艦隊雷巡―北上

 

 敵深海棲艦との水雷戦に競り負け轟沈。

 

 

 元第一艦隊空母―赤城

 

 敵深海棲艦との航空戦に競り負け、最後の特攻をしかけ、敵深海棲艦のシールドに穴をあけて轟沈。

 

 

 元第一艦隊駆逐艦―響

 

 赤城の開けた穴に最後の最後に攻撃を通すことに成功し、大破で鎮守府に帰投した。

 

 

 第一艦隊旗艦―響

 

 第二艦隊旗艦―長門

 

 第二艦隊装甲空母―大鳳

 

 岩川基地第00××鎮守府提督―北郷一刀[北郷]

 

 

 

 

 岩川基地第00××鎮守府について

 

 七年前、新型と思われる深海棲艦の攻撃を受けそうになるが、元第一艦隊のメンバーの犠牲によりかろうじて鎮守府としての機能を残す。

 

 

 

 

 あとがき

 

 

 一刀「赤城ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

 イメージは『赤城「はあああああああああああああ!!!」』って感じで最後の一発をかます赤城さん・・・お姉ちゃんやってます。

 

 一刀「んで・・・次回は?」

 

 一刀、もとい北郷提督の語るその後ですね。

 

 一刀「響がああなったのも語られるのか?」

 

 勿論です。さて、今日のゲストをお呼びしましょう。今日のゲストさんです。

 

 八幡「なぜ呼ばれたのかを小一時間ほど問いただしたい。」

 

 雪乃さんからヒキガエル君を貸し出しますと言われましたが?

 

 八幡「なぜだろうな。その話を始めて聞いた上に、此処に来るように言われたのは妹からなんだが?」

 

 さあ・・・そこん所を俺に言われても。見境無しに呼んでるのでww

 

 一刀「wwじゃねえよ。最低だな。」

 

 褒め言葉ですが?

 

 八幡「こいつに何言っても無駄な気がしてきた。」

 

 おお!さすが八幡君。俺の事をすぐに理解するとはさすがボッチマスター!!

 

 八幡「ふふん、褒めても何も出んぞ?」

 

 じゃ、次回予告お願いします。

 

 八幡「スルーされるのも慣れている。次回は『二つの呂旗~現代史~ 同棲騒動Ⅶ』だ。ってまだ続くのか?これ・・・」

 

 そうだね・・・何処までが同棲騒動なのだろう?

 

 一刀「着地点をいまだに見つけられてないのか!?」

 

 そうだね・・・何処まで走りきろうか?

 

 八幡「42.195k地点でいいんじゃね?」

 

 そうだね・・・走らせようか、一刀に。

 

 八幡「異議なし。」

 

 一刀「あれ!?なんか俺に飛び火してる!?」

 

 二人「ではまた次回。」

 

 一刀「八幡まで俺をスルーする・・・だと?」

 


 
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