一刀の猛攻は留まることを知らず、絡繰人間12号はどんどんやられていく
だが、絡繰人間12号の異常なタフさにより戦闘は長引き、最終的には
『制限解除』により巨人化したのだった!!!
十四節 〜トリック講師〜
絡繰人間12号「うごおぉおぉおおぉおっ!!!」
一刀「でか過ぎ…………進○の巨人か?お前は…………」
一刀は山ほど巨大化した絡繰人間12号を見上げて愚痴る
一刀「しっかし相変わらず凄い技術力だな…………
追尾する『気弾』といい、巨大化といい……………」
一刀は顎に手を当てて考えていると
絡繰人間12号「でやあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
絡繰人間12号が地響きに近い唸り声を上げて両腕を振り上げた
明命「か、一刀様っ!!!」
思春「一刀っ!!!来るぞっ!!!」
思春や明命が一刀に注意を促す
一刀「分かってるよ、2人共………」
一刀は腰を低くして態勢を整える
そこへ
絡繰人間12号「でえぇりやああぁぁっ!!!!!!」
ブォンッ!!!
絡繰人間12号の巨大な流星のような両腕が一刀目掛けて直滑降に落ちてきた
一刀「…………………」
一刀は微動だにせずそのまま見上げている
そして遂に
ドッカアアァァァァンッ!!!!
両腕が地面に直撃し、天地がひっくり返る程の巨大な大爆発が巻き起こった
蓮華「きゃあぁぁあっ!!?」
雪蓮「くっ!!!一刀っ!!!」
被害は雪蓮達にまで及んでいた
絡繰人間12号を中心に地面が陥没し始め、半径200mの範囲内の地面に亀裂が入り、地面そのものが浮き上がり始めたのだ
小蓮「あわわわわっ!!?」
七乃「このままですと、幾ら一刀さんの『神域の結界』でもここも危険ですよぉ〜っ!!!」
七乃は地震が起こる中、必死に地面にしがみつきながら言った
絡繰人間12号「ふうぅぅぅぅっ!!!ふうぅぅぅぅっ!!!」
絡繰人間12号は呼吸を荒くして周りを見渡す
そして、『神域の結界』内にいる雪蓮達を発見し
絡繰人間12号「ふうぅぅぅぅっ!!!ふうぅぅぅぅっ!!!ふうぅぅぅぅっ!!!」
ズシンッ!!!
ズシンッ!!!
地震を起こしながら一歩ずつ雪蓮達に歩み寄り出した
亜莎「あわわわわっ!!?こ、こっちに来ましたっ!!!」
祭「くっ!!!」
祭は得物の大弓である『多幻双弓』を構えて矢を装填する
小蓮「てやぁあああぁっ!!!」
ゴオッッ!!
小蓮は先制攻撃とばかりに桃色の『気力破』を放つ
ドォンッ!!!
見事、絡繰人間12号に直撃するも
絡繰人間12号「ふうぅぅぅぅっ!!!うごおぉおぉおおぉおっ!!!」
怯むことなく前進して来る
小蓮「ま、全く歯が立たないよっ!!!」
小蓮は驚いて慌てだす
寧ろ、怯ませられると思っていたのだろうか?
すると今度は雪蓮が得物の『南海覇王』を構えて気を溜め込む
雪蓮「はあぁぁぁぁぁ………」
ギュォォッ!!
そして
雪蓮「はぁっ!!!」
フォンッ!!!
ゴオッッ!!
『南海覇王』を素早く真横に振り、斬撃を放った
ドォンッ!!!
絡繰人間12号「ふうぅぅぅぅっ!!!」
斬撃は絡繰人間12号の胸元に直撃する
だが
絡繰人間12号「うがあぁああぁぁぁああっ!!!」
止まる気配が一切なく歩み寄り続ける
雪蓮「……硬すぎるわ…………刃が通らない…………」
雪蓮は眉間に皺を寄せて舌打ちをする
そうこうしている間に絡繰人間12号は遂に雪蓮達の目の前に立った
絡繰人間12号「ふうぅぅぅぅっ!!!死ねえぇぇぇぇっ!!!」
ブォンッ!!!
絡繰人間12号は右の拳を振り上げ、素早く振り下ろした
七乃「ひぃいぃいいぃいっ!!!」
思春「くっ!!!」
だが
ドォンッ!!!
絡繰人間12号「んんっ!!?」
亜莎「っ!!?」
祭「なんと………………」
一刀が作り出した『神域の結界』はかなり頑丈のようで、罅一つ入っていなかった
明命「た、助かりましたぁ………」
思春「それもどうか分からんぞ………!!!」
思春は目を鋭くして言い放つ
絡繰人間12号「うおぉおぉおぉおおおぉっ!!!!!!」
ブォンッ!!!
ブォンッ!!!
ドォンッ!!!
ドォンッ!!!
絡繰人間12号は何度も両腕を振り上げては叩きつけるを繰り返す
雪蓮「………流石に保たないわよ………」
雪蓮は下唇を噛み締めて言う
そう言った時だった
ビキビキビキッ!!!
七乃「いぃいっ!!?」
蓮華「罅がっ!!?」
絡繰人間12号の鈍重な攻撃を無造作に喰らっていた『神域の結界』の耐久性に限界がきたのか、罅が入ってしまった
小蓮「あわわわわっ!!?まずいよっ!!!」
そうしている間にも絡繰人間12号は攻撃し続けている
『神域の結界』が壊れるのも時間の問題であった
そうなれば雪蓮達は必然的に叩き潰されてしまう
かといって脱出してしまえば、もう二度と『神域の結界』には入れない
決断が迫られていた
絡繰人間12号「でやあぁぁぁぁぁぁっ!!!」
絡繰人間12号が一際大きく両腕を振り上げた
その時、
一刀「でえぇりやああぁぁっ!!!」
ゴオッッ!!
ドカッ!!!
絡繰人間12号「うごおぉおあぁぁぁぁっ!!?」
絡繰人間12号の後ろから一刀は『龍走』をしたまま飛び蹴りを放った
飛び蹴りは絡繰人間12号の右脇腹に直撃し、絡繰人間12号は蹌踉めいて地面に膝をついた
一刀は雪蓮達の側に着地する
一刀「ごめん、雪蓮!!!回避してからの立ち直しが遅くなったっ!!!」
何でも絡繰人間12号の攻撃を回避したまでは良かったが、その後の爆風で吹き飛ばされてしまったらしい
小蓮「一刀っ!!!冗談も程々にしてっ!!!」
小蓮は頬を膨らませて怒る
一刀「ごめんごめん…………」
一刀は只管に謝っていた
絡繰人間12号「くぅううぅうううぅっ!!!」
一刀「ん?」
一刀が皆に謝っていると、絡繰人間12号は静かに立ち上がった
絡繰人間12号「ふうぅぅぅぅっ!!!おのれぇ、北郷一刀っ!!!!!!」
一刀「おっと?ようやくまともに喋ったな………絡繰人間」
一刀は絡繰人間12号が叫び声や唸りだけではなく、一刀の名前の口にしたことに驚いていた
絡繰人間12号「貴様のその弱々しい蹴りで目が覚めたぞ………っ!!!」
絡繰人間12号は一刀を見下しながら不気味な笑みを浮かべる
一刀「その割には蹌踉めいたけどな………」
一刀は腕を組んで皮肉を言う
絡繰人間12号「ふっふっふっ………
だが、もうお遊びもこれまでだっ!!!」
ギュォォッ!!
絡繰人間12号は両手を広げて赤黒い気を球状に固め出す
雪蓮「っ!!!」
明命「……………『誘導追跡爆弾』っ!!!」
七乃「しかも、絡繰人間が巨大化していますからあの爆弾も特大ですぅっ!!!」
『制限解除』をする前とは『誘導追跡爆弾』のサイズは10倍以上違う超特大サイズ
絡繰人間12号「これで貴様等も粉々だっ!!!」
絡繰人間12号は勝ち誇った笑みを浮かべる
一刀「……………あ?そうだ、その事なんだけどさ………」
一刀は突然、思い出したように声を出す
絡繰人間12号「んんっ!!?」
一刀「お前のその『誘導追跡爆弾』の構造、分かったぜ?」
一刀はニヤリと笑って言う
絡繰人間12号「なにっ!!?」
雪蓮「構造?」
亜莎「どういう事ですか?」
全員が疑問符を浮かべる
一刀「仕組みって言えばいいのかな?
『誘導追跡爆弾』が持つ特性、標的への追跡とそれまでによる巨大化がね………」
七乃「それが分かったのですかぁ?」
絡繰人間12号「ふんっ!!!そんな戯言でこの俺様が怯むとでも思ったかぁっ!!!」
絡繰人間12号は一刀の発言をハッタリと思い、『誘導追跡爆弾』の創造をし続ける
一刀「戯言かどうか、試してみるか?」
一刀は敢えて絡繰人間12号を挑発する
絡繰人間12号「無論だっ!!!散れっ!!!『誘導追跡爆弾』発射っ!!!!!!」
ゴォォォォォォォォォッ!!!
絡繰人間12号は両腕を突き出して巨大化した『誘導追跡爆弾』を発射した
一刀「……………よっと」
ゴオッッ!!
一刀は発射された『誘導追跡爆弾』を確認すると、後ろに飛び上がり『龍走』をして空高く舞い上がった
絡繰人間12号「はっはっはっ!!!!!!逃げるつもりかっ!!?」
一刀「んな訳ねぇだろ………?」
一刀は苦笑いをして迫りくる『誘導追跡爆弾』の動きを見る
ゴォォォォォォォォォッ!!!
『誘導追跡爆弾』は寸分狂わず一刀に直進してくる
そして、距離がかなり近くなり約50m程まで来た時
一刀「今かな?よっ!!!」
ゴオッッ!!
一刀は脚に大量の気を送り込んだ後、空中を蹴って通常の『龍走』よりも速い『龍走』をして一気に絡繰人間12号の背後に接近する
絡繰人間12号「んんっ!!?」
絡繰人間12号は一刀がまるで消えたかのように錯覚した為、慌てて背後にいる一刀に振り向く
ゴォォォォォォォォォッ!!!
『誘導追跡爆弾』は緩やかなカーブを描き、一刀に向かって進み出す
一刀は絡繰人間12号の丹田に手を添える
一刀「いくぞ奥義っ!!!『掌撃波・成・金成(なり・こんせい)』っ!!!」
ドォンッ!!!
絡繰人間12号「ぐぉおぉおおぉおおぉっ!!?」
絡繰人間12号は突然の強力な衝撃波により態勢を崩して両腕両膝を地面についてしまう
一刀はそれを確認した後、絡繰人間12号から遠ざかり
一刀「ふうぅぅぅぅ………『真爆源花』っ!!!」
ドッカアアァァァァンッ!!!!
一刀は何故か離れたところで本場の『真爆源花』を発動させた
強力な爆風が辺りを襲う
雪蓮「っ!!!」
思春「一刀………何故っ!!?」
明命「何故離れたところでっ!!?」
皆、一刀の行ったことが理解出来ていないようだ
だが、一刀は
一刀「…………よし、よっと」
シュンッ!!!
今度は『真爆源花』を数秒もしないで中断させて、『空走』をして移動する
移動先は
一刀「さて!皆に問題ですっ!!!」
明命「はぅわっ!!?」
雪蓮達のいるところだった
雪蓮「か、一刀っ!!?」
祭「な、何故今此処におるっ!!?」
皆の質問を流し、一刀は淡々と進める
一刀「皆が厄介と感じている絡繰人間12号が放つ『誘導追跡爆弾』
威力が高いうえ、挙句の果てには追跡までしてくる………確かに厄介この上ない」
七乃「わわ、わ、分かっていますよぉ」
七乃はまだ動揺が隠しきれていない
何時『誘導追跡爆弾』が一刀に襲い掛かり、自分達も巻き添えになるか分かったもんじゃないからだ
それでも一刀は核心を投げかける
一刀「じゃあ、『この状況』で『誘導追跡爆弾』が直撃するのは俺か絡繰人間か、どちらでしょうか♪」
一刀はまるでクイズ番組の司会をやっているかのように笑顔で聞く
現状としては絡繰人間12号は未だに蹲ってること
一刀が移動したこと以外、何もない
雪蓮「そんなの一刀に決まって…………」
雪蓮は『誘導追跡爆弾』の動きを見ながら言い切ろうとしたのだが
雪蓮「…………………あれ?」
雪蓮は『誘導追跡爆弾』の動きを見て違和感を感じ取る
ゴォォォォォォォォォッ!!!
『誘導追跡爆弾』は一刀に向かわず、先程までいた現在絡繰人間12号が蹲ってる場所へと直進しているのだ
小蓮「なんで?なんで『誘導追跡爆弾』がこっちに来ないのっ!!?」
小蓮は疑問を大声で言う
一刀は振り返って笑顔で言う
一刀「これを踏まえてもう一度聞くよ………?
『誘導追跡爆弾』が直撃するのは俺か絡繰人間か…………さて、どっちっ!!?」
ゴォォォォォォォォォッ!!!
『誘導追跡爆弾』は絡繰人間12号の目の前にまで来ていた
絡繰人間12号「ぐぉおぉおおぉおおぉ………………ぐっ!!?ぬぉっ!!?」ピピピッ
絡繰人間12号は蹲ってる状態で『万能鏡眼』に反応が生じた為、顔を上げると目の前に自らが放った『誘導追跡爆弾』が来ていた
だが、痛みによりその場から動く事が出来ない
皆はその状況を見て笑顔で叫ぶ
全員「「「「「絡繰人間っ!!!」」」」」
その瞬間
ドッカアアァァァァンッ!!!!
『誘導追跡爆弾』が絡繰人間12号に直撃し、巨大な爆発を生み出した
絡繰人間12号「ぐぉおぉおおぉおおぉあぁぁぁぁあぁぁぁぁっ!!?」
爆発の中から絡繰人間12号の悲痛な叫びが聞こえる
一刀「全員正解!!!」
一刀はニヤリと笑って言った
絡繰人間12号「ぐぬぅぅうぅ…………」
絡繰人間12号はボロボロの状態で蹌踉めき、再び両腕両膝をつく
明命「ですが、一体何故?」
明命の疑問はご最もである
『誘導追跡爆弾』がただ直進して絡繰人間12号に直撃して自爆する
絶対に有り得ないことだ
一刀は頬を掻きながら説明する
一刀「理由は簡単なことさ
『誘導追跡爆弾』は名前の通り、絡繰人間12号自身が遠隔操作していたのさ」
蓮華「絡繰人間12号自身が?」
蓮華は首を傾げる
一刀「そう
あいつは『誘導追跡爆弾』を発射している時、何かにぶつかって爆発するまで両腕を突き出しているんだ」
一刀の言葉に雪蓮は戦闘を思い返す
雪蓮「……………そういえばそうね
その通りだわ……」
一刀「だけど、1つ疑問が生じるんだ
『誘導追跡爆弾』の誘導及び追跡方法は分かったけど、徐々に巨大化する謎は解けていない」
思春「確かにそうだな…………」
思春は顎に手を添えて頷く
一刀「実はその謎を解く鍵が絡繰人間12号の赤黒い気さ」
明命「へ???」
明命は頭の上に疑問符を3つ浮かべる
小蓮「赤黒い気って………あいつがチカラを込める度に無駄に放出してやつ?」
一刀「そう、それ
だけどあれはただ放出してた訳じゃなく、綿密に練られた作戦だったのさ…………」
一刀は振り返って絡繰人間12号を見る
絡繰人間12号「ぐぅ…………っ!!!」
絡繰人間12号は図星なのか、声を発せられていない
一刀「恐らく特殊な気なんだろうな
いや、気というよりは超微小で細かい霧のようなものなんだろう
更に言えばそれが皆の衣服や肌に接触して付着、それを読み取って誘導追跡をしていたんだ」
雪蓮「え?服?」
雪蓮は半信半疑で衣服をバタつかせると、薄っすらと赤黒い埃のような物が浮遊しだす
皆も慌ててバタつかせる
一刀は苦笑いをしながら進める
一刀「まぁ、呉の皆は紅蓮色の衣服が中心となっていてるからね……
ある意味気付くのは目を皿のようにしないと駄目かもね
その点、俺の制服は基本白だから……変化には直ぐ気付いたよ」
蓮華「なる程…………その浮遊していた気を直進する事で少しずつ取り込み、巨大化していく………
後は自らの眼で、私達に付いていた赤黒い気を探知して直撃させる…………」
一刀は蓮華の説明に頷く
一刀「本当は合理的に考えられた技なのさ
さっき俺はまず、絡繰人間を怯ませて誘導追跡を無効化させる……なるべく長時間無効化させるよう強力にね
その次に『真爆源花』の爆風を利用して赤黒い気を吹き飛ばす
それにより完全に舵を失った『誘導追跡爆弾』はただの暴走する気弾となる
後はご想像通りさ」
一刀は絡繰人間12号に向かってニンマリと笑う
絡繰人間12号「ぐっ!!!ぐぉおぉおおぉおおぉっ!!!」
絡繰人間12号は悔しさを噛み締める
一刀「さて、このままお前を倒すのもいいけど……………」
ギュォォッ!!
一刀は突然、一気に気を高める
一刀「俺の『本当の修行の成果』を試させてもらおうとするかなっ!!!」
……終……
Tweet |
|
|
5
|
0
|
追加するフォルダを選択
『制限解除』を最終段階にまで発動した絡繰人間12号は巨人をも震撼させる程にまで巨大化した
半暴走状態に陷った絡繰人間12号は一刀達に襲いかかる
一刀はどう切り抜けるのか?