No.783742

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

soranoさん

第38話(第2部開始 題名~真の強者達の”力”~)

2015-06-15 00:09:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1170   閲覧ユーザー数:1093

その後仲間達と共にエレボニア東部各地を回って活動していたリィンは自由行動の際、リウイ達によって討ち取られた”貴族連合”の”裏の協力者”達の墓参りに行った際にユミルの墓地にて出会い、最上位に位置する亡霊と対峙していた亡霊と化した”貴族連合”の”裏の協力者”―――アルティナ・オライオンと一時共闘した。その後倒した亡霊の力を無意識に取りこんだ影響で魂の消滅の危機に瀕していた彼女を救う為に”性魔術”をし……その結果アルティナを救う事はでき、更に”契約”もして自らの使い魔にした。

 

そして各地を回って依頼の消化や学院生との合流を果たしていたリィン達はトワから来た連絡―――行方がわからなかったⅦ組の家族の所在がわかった為、それを聞く為にカレイジャスに一端戻った。

 

 

 

~カレイジャス・ブリッジ~

 

 

 

リィン達がブリッジに現れると待機メンバーも集まっていた。

「あ、リィン君達……!」

「戻って来られたのですね……」

「……お帰りなさい、皆さん。」

リィン達をトワとセドリック皇太子、アルフィン皇女は暗い表情で迎えた。

 

「ただいま、戻りました。」

「みんな、どうしたんだ?浮かない顔をしているようだが……」

「えっと……その……」

ガイウスの疑問にセレーネは答えを濁し

「……………………」

「その、実は……行方がわかったのはフィオナ・クレイグさんなの。」

エリオットが暗い表情で黙り込んでいる中、トワが代わりに答えた。

 

「エリオットの姉上か……!」

トワの答えを聞いたラウラは帝都で出会ったフィオナを思い出し

「連絡が取れなくなっていたと聞きましたが……一体どちらに?」

「うん、バリアハートのプリネちゃん達から入って来た情報なんだけど……昨日、帝都から”双龍橋”に列車で移動したみたいなの。それも……無理矢理連れてこられる形で。」

リィンの質問にトワは暗い表情で答えた。

 

「まさか―――!?」

「人質というわけか……!?」

「まー、間違いないだろうねー。たぶんガレリア要塞方面にいる”第四機甲師団”を牽制するためにさらってきたんじゃないかな。」

「…………姉さん……」

トワの話を聞いてフィオナが人質にされた事にそれぞれが血相を変えている中、ミリアムの推測を聞いたエリオットは心配そうな表情で呟いた。

 

「家族を人質にとるとは……さすがに卑劣すぎるだろう。」

「貴族連合はどこまで卑劣になれば気がすむのでしょうか?」

ガイウスとエリスは厳しい表情をし

「……そうでしょうか?”灰の騎神”の操縦者であるリィンさんを貴族連合に引き入れる為にエリスさんとアルフィン皇女を誘拐し、更には再びユミルを襲撃してユミルに手を出さない代わりにパンダグリュエルに来るように脅迫して誘導したのですから、”今更”かと思いますが。」

「……確かにその通りね。でも一つ疑問があるわ。クロイツェン州の首都であるバリアハートがメンフィルに占領され、クロイツェン領邦軍にとっての”主”にあたるアルバレア公爵が拘束された以上、クロイツェン領邦軍に正規軍と戦う理由なんてあるのかしら?」

静かな表情で呟いたシグルーンの言葉をサラ教官は頷いた後考え込んだ。

 

「……その事についてだが。恐らくは補給どころか援軍も期待できない上、更にケルディックがメンフィル領であるから結果的に籠城する事になった為、彼らは最後の”賭け”に出たのだろうね。」

「”賭け”ですか……?」

パントの話を聞いたジョルジュは不思議そうな表情で首を傾げ

「―――”第四機甲師団”を撃破、もしくは降伏させたという”手柄”をたてて、”貴族連合”に救援を求める為だと思われますわ。」

「クロイツェン州の統括領主であったアルバレア公爵がメンフィルに拘束され、更に首都であるバリアハートが抑えられた事によって、クロイツェン領邦軍は補給や兵達の指揮系統等様々な面で混乱しているとの事ですが……特に”双龍橋”はメンフィル領と正規軍の陣地に挟まれる事となった為、実質孤立無援の状態になっているとの事です。」

「あ…………」

(……理解不能です。例えできたとしても、今の状況で貴族連合が援軍に来るとは思えません。)

「諦めの悪い愚か者共が…………自分達の敗北を悟っているのならばメンフィルか正規軍、素直にどちらかに降伏すればいいものを……」

シグルーンとルイーズの推測を聞いたリィンは辛そうな表情をし、アルティナは呆れた表情をし、ユーシスは厳しい表情をした。

 

「ユーシス……」

ユーシスの様子をガイウスは心配そうな表情で見つめ

「で、でも……姉さんを人質にしても父さんは絶対に降伏しないと思う。どんなに辛くても、絶対に……軍人としての決断をするはず……このままじゃ……」

エリオットは不安そうな表情で推測した。

 

「ああ……フィオナさんの身が危ない。―――みんな。俺達で何とかしてみよう。」

「え……」

「ええ……そうね。」

「はい……いくら戦争とはいえ、このようなことは許されません。」

「相手に勝つために民間人にまで危害を加えるなんて間違っていますわ……!」

リィンの言葉にエリオットが呆けている中、アリサやエマ、セレーネは頷き

「クロイツェン領邦軍の主であった”アルバレア公爵家”の者として……奴等の愚行を何としても止めてみせよう。」

ユーシスは決意の表情で言った。

 

「で、でも……」

「―――それじゃあ君達はこの一件に介入するのね?”正規軍と貴族連合の争い”に。」

「………………」

サラ教官の問いかけに続くようにシグルーンは静かな表情でリィン達を見回した。

「いえ――――あくまでエリオットのお姉さんを助け出すだけです。」

「必要以上に攻撃せず、正規軍と連携しなければ……」

「一応、大義名分は立つ筈。」

「ノルドの監視塔の妨害装置を止めた時と同じだねー。」

「まあ、かなり苦しいのは承知ですが……」

「私も”協力者”として、皆さんのお役に立てるように全力で協力致します……!」

「みんな……」

仲間達の答えを聞いたエリオットは目を丸くして仲間達を見回した

 

「フフ、それがわかってるならあたしも反対しないわ。フィオナさんはあたしの友達でもあるし……そもそも遊撃士協会には”規約”ってのがあってね。その第一項である”民間人の安全を守る”ためにはどんな無茶もOKなのよね~。」

「そ、それは凄いですね……」

「ハハ、私達の世界からしたら考えられない常識だな。」

「フフ、そうですね。」

「まったく、焚き付ける気マンマンじゃない。」

サラ教官の話を聞いたエマは驚き、パントの言葉にルイーズは微笑みながら頷き、セリーヌは呆れた。

 

「ふふっ……それじゃあ―――決まりだね!」

「君達がその気なら僕達も肚を括るだけさ。」

「わたくしも……皆さんの行動の正当性を保証させていただきますわ!」

「勿論僕もです!何としても今回の救出作戦……絶対に成功させましょう!」

「ありがとうございます!」

「みんな……本当にありがとう……!……姉さん……絶対に助けてみせるから……!」

心強い仲間達に感謝したエリオットは決意の表情で姉を必ず助ける決意をした。

 

その後、会議室に集まったリィン達はフィオナの救出作戦の案を練った。その結果―――”双龍橋”の西側から騎神をもって裏側の守りを突破し……混乱の隙を突いて突入部隊が砦に潜入するという段取りとなった。

 

 

そして翌日―――――

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
3
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択