No.782903

恋姫英雄譚 Neptune Spear

羅馬からの帰還者。長安にて武を振るう。

2015-06-11 00:26:28 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:990   閲覧ユーザー数:906

Mission30: Roman soldier with the name of the bird of prey

 

 

 

李傕と郭汜が立て籠もる長安での戦が開始されて1刻が経過した。長安の2つの城壁からは弓矢が降り注ぎ、城壁の外では俺たち西州連合と官軍の連合軍と叛乱軍による戦いが繰り広げられていた。

 

 

「おらおらぁあっ‼︎あたい等の前に立ち塞がる阿保共はぶっ殺されっぞ‼︎死にたくなきゃあ尻尾巻いて逃げ出しな‼︎」

 

 

少し離れた場所では姉御が十文槍‘‘煉獄爆龍槍”を手に近づく敵兵を次々と吹き飛ばしていく。姉御は性格により董卓軍では特攻隊長も任されてる程の戦好きで、時々だが詠の策を忘れて暴走してしまう。

 

だが月達を妹みたいに大事にしたり、暴走しても必ず何かしらの戦果を出す。武人で本当に凄く感じる姉御だよ……。

羅馬軍時代から使っているスパタで向かって来る敵兵を薙ぎ払いながら前進すると、斬馬刀"斬破・断巌刀"で敵を薙ぎはらう迅が駆け寄って来た。

 

 

「よう鷹‼︎」

 

「そっちはどうだ?」

 

「安牌‼︎……と言いたいけど流石に数が厄介だぜ」

 

「全くだ。雑兵でも数や城壁に頼られたら流石にきついったらありゃしねぇ」

 

「リアンが合図を送るまでなんとか持ち堪える必要があんだけど、このままじゃジリ貧だ」

 

「あいつも月や詠を護る戦士だ。必ずやってくれる筈さ」

 

「そりゃそうだけど……うわっ⁉︎」

 

 

 

 

背後から仕掛けて来た敵兵を斬り伏せた瞬間、長安内部から爆発が発生して、ここからでも分かる位に燃えて辺りを照らしていた。いきなりの爆発だったので李傕・郭汜軍は混乱していたが俺らは落ち着いていた。

間違い無くリアンの合図であり、施設の一画を爆破したんだろうけど、後で怒られそうだよな……。

 

 

「やっとリアンの合図が来たか……待ちかねたぜ‼︎」

 

「敵は混乱している‼︎このまま一気に第1城壁を突破する‼︎燕‼︎」

 

「はい‼︎」

 

「マニプルスだ‼︎」

 

「御意‼︎」

 

 

燕に指示をすると彼女を中心に第2大隊の面々が4列になって整列すり。

マニプルスとは俺が羅馬軍から学んだ歩兵戦術で、こっちに戻ってから燕と一緒に改良した戦術だ。

 

まず第1に投槍を3本に鉄刀、盾を持った若い一般兵が槍を投げて、後方に展開している弓兵隊の援護を受けて突撃。

 

第2に大盾を構えた重装歩兵が軽歩兵が開けた穴に突撃して更に突破口を広げていく。

 

最後に実戦経験が豊富な羅馬軍から一緒について来た当時の部下と古参兵が畳み掛けた。

 

ファランクスっていう戦術が使えない場合で有効なマニプルス。纏まっている敵兵には不利だけど、叛乱軍みたいな烏合の勢になら効果は絶大だ。

混乱している上にまともな連携が出来ない叛乱軍は見たこともないマニプルスにより次々と倒され、第1城壁までの道が切り拓かれた。

 

 

「よし‼︎曹操軍の前進を援護するぞ‼︎城門を破壊して一気に長安内部に突入‼︎リアンに合わせて帝様を馬鹿者共から救い出すぞ‼︎」

 

『応っ‼︎勝利の全てを我等が董卓様の為に‼︎』

 

「Secondo battaglione!!È a prima‼︎(第2大隊‼︎前へ‼︎)」

 

 

羅馬語で指示すると部下達が得物を高々と掲げ、突貫する俺の後に続いた。

 

城外での戦いは暫くしてから決着が付いた。混乱した状態で突撃を食らった叛乱軍は次々と壊滅していき、城壁も曹操軍の衝車により突破。

長安の市街地に突入した俺たちは民間人を保護しつつ、宮城へと向かった……………。


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択