艦隊コレクション岩川基地
~00××鎮守府~
これは鎮守府の中でも性格に難があったり、性能が正規の者より大きく劣ったりと、難がある艦娘達の吹き溜まり・・・岩川基地00××鎮守府での一つの物語・・・
語り―大鳳
私がこの鎮守府に来たのは8年前のことだ。当時の私は元気だけが取り柄だったな。
大鳳『失礼します。第00××鎮守府に新たに配属になりました、大鳳です。提督、よろしくお願いします!!』
北郷『ん?おおよろしくな~。じゃ、はいこれ。此処に居る艦娘達全員に渡してる物だから。』
大鳳『これは?』
北郷『お守りだよ。皆俺の大事な仲間だからね。ちょっとは御利益あると良いんだけどね?』
大鳳『・・・あ・・・ありがとうございます!』
北郷『ははは。そんな大層な物じゃないんだけどね。君の配置は第一艦隊だ。よろしく頼むよ。』
大鳳『はい!』
当時、この鎮守府はまだそこまで悪いイメージは無かったんだ。悪く言って欠陥艦の吹き溜り程度だった。正確に癖があり、他の鎮守府で受け入れられない者、性能に多大な問題が含まれた者を提督は何の苦も無く受け入れていたからな。
ゆー『君が新しく入った
大鳳『装甲空母、大鳳です。よろしくお願いします!』
ゆー『ん、たいほーね?よろしく~。』
元々私も性能に難有で此処に飛ばされた口でな。他のメンバーもそれは問題がある艦娘ばかりだったよ。
それでも此処は他の鎮守府に無い温かさがあった。旗艦は金剛型一番艦の金剛先輩だった。
金剛『ん?あんたが大鳳?私は金剛だ。よろしくな!』
正直、驚いたよ。他の鎮守府の金剛さんとは似ても似つかない性格に態度だった。さばさばしてると言うか・・・それとかなりのヘビースモーカーだったよ。
金剛『大鳳、まずはあんたの性能を見る。まずは演習にGO!だよ。』
大鳳『はい!』
私の問題点は艤装に有った。艦載機は飛ばせるんだが、高射砲などの装備が一切付けられなくてな・・・さらに爆撃機とのリンクも出来ないからそれは苦労したよ。似たような境遇の空母の先輩もいた。それが赤城さんだ。
赤城『大鳳さん、私も艦載機に難有なんですよ。私・・・艦載機が三種一ケタづつまでしか乗せられなくて・・・』
大鳳『え!?そ、それでどうやって戦闘をこなすんですか!?』
赤城『まあ、そこは提督の発案でね。全力管制戦闘をするように訓練したの。全艦載機とリンクを張って随時行動指示を出すの。結構疲れるけど・・・これでも此処ではエースを張ってるんだから。』
大鳳『す、すごい・・・』
私はそこで多くを学んだ。性能の差も、性格の問題も、此処では何の意味も無いのだ。提督は分け隔てなく私達に接してくれたし、私自身もそのおかげでかなり救われたよ。
北郷『大鳳、君はパイロット妖精達と親交を深めると良い。それと艦載機をちょっと無理して多く配置してみようか?君のスペックなら問題ないよ。』
大鳳『は、はい!』
北郷『ん~。まだ固いな~。ほら、肩の力抜いて。ね(ニコ)』
大鳳『は、はい。//////』
提督の笑顔はもう一種の兵器だったな。おそらく全艦娘はあれにすでにやられていたんだと思う。私もその時に轟沈したよ。
訓練に出撃、それの繰り返しだったが、非番の時は提督の釣りに付き合ったり、それは楽しい時間を過ごせてもらったよ。一年なんてあっという間だった。そして・・・あの事件の日が来たんだ。
私は被弾していたが、基地から迎撃命令が来ていたからな。提督も已む無く第二艦隊の大和先輩を組み込み第一艦隊を出撃させたんだ。
正直、私はその時ほど被弾していたことが悔やまれたよ。あの時私が居れば・・・いや、これは傲慢だな。響の話が本当なら私が居た所でどうにもならなかっただろう。
編成は旗艦金剛先輩を筆頭に空母赤城先輩、雷巡北上、大井、戦艦大和先輩、駆逐艦響の編成だった。
通信妖精『旗艦金剛、応答願います!金剛!金剛!!駄目です、金剛との通信途絶!!』
北郷『く・・・他の艦との通信は!』
通信妖精『赤城!応答願います!!・・・北上!大井!・・・大和!!・・・響!!!駄目です。どのチャンネルも応答なし。』
北郷『・・・うそ・・・だろ?』
数日間通信も何もできない状態が続いた。私もそれを聞いて自分の耳を疑ったよ。聞き間違いだ、そうに違いないと・・・響がボロボロになって帰って来た時は心底うれしかった。だが・・・帰還した響から聞かされたのは旗艦轟沈の知らせというとんでもない事実だった。
響『提督・・・ごめ・・・私・・・は・・・』
北郷『良いんだ響・・・よく・・・よく帰って来てくれた。』
響『うぅ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!』
その日からこの鎮守府は旗艦すら轟沈する、艦娘の墓場と呼ばれた。勿論艦隊が駆逐艦一隻残して轟沈したのも響いているんだと思う。
そこから数日はまともに鎮守府は機能しなかった。響の報告も要領を得ないものばかりだったからな。まずは落ち着くのを待つしか無かったよ・・・
語り終わり
長門「そんな事が・・・」
大鳳「それからしばらくして響も落ち着いてきてな。敵がどんなものか聞く事が出来たんだ。」
長門「・・・その敵とは?」
大鳳「それはな・・・」
響「そこからは私が話そう。」
大鳳「響!?」
響「まったく・・・仕事もしないで何をサボってるかと思えば・・・」
大鳳「サボって無いさ!?」
響「どうだかな。さて・・・話は聞いていた。話してやろう。あの出撃の時・・・何が有ったのか。どうして提督がああなったのか。どうして私がこうなったのかを・・・な。」
響はそこからポツリポツリと語り始めた。七年前のあの日、何が有ったのか。どうしてあんな事が起こってしまったのか。その全貌が、今語られる。
今回の登場人物
第一艦隊元旗艦―金剛
現在の大鳳の性格の元になった艦娘。正規の金剛みたいなラブをバーニングさせる性格じゃなく、英語もそんなに話さない。性能は正規の物より優秀でさらに酸素魚雷発射機能を外付けで付けることが出来る。
元第一艦隊空母―赤城
性格は真面目。性格に問題が無かったが、艦載機3種類9機づつという低スペックにより他の鎮守府から流れて来た。艦載機とのリンク機能が優れており、全力管制戦闘により他の空母よりも戦果を上げることに成功している。
元第二艦隊戦艦―大和
この鎮守府に居る艦娘にしては性格も性能も普通。ただ他の人の面倒見がいいのであだ名は女将だったりする。艦娘の寮で寮母的な事もしているのが響いていた。
元第一艦隊雷巡―北上
此処の北上さんは性格が逆。大井っち~と大井にすり寄る娘。
元第一艦隊雷巡―大井
此処の大井は性格が逆。きつい性格のに加え、超鈍感。北上の気持ちには全く気付いてなかった。
元第一艦隊駆逐艦―響
錬度が一番高い駆逐艦で。高速戦闘が得意。射撃精度も高く、命中率は8割。ただちょっと装甲が弱い。
第一艦隊旗艦―響
此処に来てかつての事件を語る響。金剛達を沈めた敵とはいったい・・・
第二艦隊旗艦―長門
過去の話を聞いて少しずつ心境を変化させる長門。提督に渡された“お守り”を握りしめ話を聞く。
第二艦隊装甲空母―大鳳
自身の出会いと深くかかわった金剛の事を語る大鳳。自分自身の不甲斐無さをいまだに責めてる節がある。
岩川基地第00××鎮守府について
過去の編成―第一艦隊、旗艦金剛、赤城、大鳳、北上、大井、響。第二艦隊、旗艦大和、ゆー。第二艦隊に関しては順次メンバーを揃える予定だった。
現在の編成―第一艦隊、旗艦響。第二艦隊、旗艦長門、大鳳、初春、叢雲、ゆー。第二艦隊のメンバー不足は鎮守府の風評も関係してメンバーがなかなか集まらない。
あとがき
一刀「なんだかなぁ・・・」
どした?
一刀「俺・・・要らない子じゃない?」
そうでもないぞ?一刀の機転で性能が悪い子達も戦果をあげれるようになってる。赤城と大鳳がいい例だ。
一刀「そ、そうか。じゃあ気を取り直して。今日のゲストは?」
今日のゲストは今期のアニメでとんでもない優秀な教師っぷりを発揮させた、平塚静先生だ。
静「ふふん、敬いたまえ。」
一刀「予告でその好感度をだだ下げした残念独身三十路教師だがな。」
静「色々すっ飛ばしたファイナルデスバレッド!!!」
一刀「グボア!!!!!!!!!」
静先生、空気読めない種馬はほっといて次回予告お願いします。
静「ああ、そうだな。次回は泣く子も吐きだす(砂糖を)甘甘ラブコメディ、『二つの呂旗~現代史~ 同棲騒動Ⅵ』だ。」
あの・・・甘甘とかハードル上げないで頂けますか?
静「私はお前が出来る奴だと信じている。そしてその信頼に応えるのがお前だと思っているのだよ。君ならやれるさ、大丈夫、私は何時でも君を信じて待っているよ。」
わ、分かりましたよ・・・頑張ればいいんでしょ頑張れば・・・
静「それで良い。さて、私はちょっとラーメンでも食べに行くかな。」
では皆さん、また次回。ノシ
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大鳳の語りで出会いが語られる、だけのお話。
いろいろとびとびなのは短編ゆえの端折りです。別にめんどいから省略したわけじゃないんだからね!
では本編どうぞ