No.780824

独立国家ヤマト戦記~異世界チートは鉄の味~

海平?さん

やっとこさ書き上がりました・・・一年近く放置しててすいませんでした

2015-05-31 18:50:12 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:1038   閲覧ユーザー数:1031

 

 

 

第五話 サンドリア王国 お姫様の事情と作戦発動

 

 

 

※New!特典が追加されました。

 

※New!注釈が追加されました。

 

名前:森岡亮輔

 

種族:人間

 

装備品

 

 

頭:88式鉄帽+個人用暗視装置JGVS-V8

胴:迷彩服3型+防弾チョッキ2型

腕:なし

手:絶縁性防水手袋

足:迷彩服3型

履物:マジックテープ式戦車靴

 

 

個人用兵装(New!):RPG-7D-3×1(予備弾薬10発)、AK-74M×1(30発バナナマガジン×12個)、ベレッタM1951×1(8発入り弾倉×5個)、RGD-5手榴弾6個

 

特殊能力:希望特典並びに神特典による特殊能力は以下の通りです

 

1、 現代兵器の無制限召喚とそれを扱う知識(整備能力含む)

 

2、 現代兵器並びに兵士と増産・維持・管理・改造・保管を行う施設の無制限召喚(兵士の年代や国籍、性別選択可能)

 

3、 現代兵器の知識と独自改造・増産能力

 

4、 兵士と兵器の絶対忠誠心の初期からの付与と永続

 

5、 設備の整った初期拠点(メガフロート×1)

 

6、 術の達人

 

7、 神罰の地上代行者

 

8、 絆の力Lv.1

 

9、 収奪者――New!

 

① パワースラッシュLv.1(うはwwwwTP1000%wwww100000000%wwwwパぅワ~wwwスラッシュゥ~~!!!wwww)(斬撃威力+15)

 

② 野獣の咆哮Lv.1(特殊効果:威圧(弱))

 

※このうち、1~4は強力すぎる能力なため、現在“無制限”の項目を一部制限されています。詳細は後述。

 

※このうち、6~9は神々からの特典による能力です。あなたはそれだけ多くの神に注目されているということを念頭に置いておいてください。

 

※このうち、6~9は神々からの特典による能力です。今後、あなたに注目する神が増えれば、それに応じて特典が追加されます。逆もまた然りです。どんどん派手に活躍して、彼らの気を引きましょう。(※注意:特典を与えるのは神だけとは限りません。下手な特典は逆にマイナスに作用するものもあるので気をつけてください)

 

※丸囲み数字(①、②)は『収奪者』によって収奪した能力です。収奪数に制限はありませんが、レベル制のものは初期レベルからスタートします。注意してください。

 

 

召喚制限:レベル24

 

現在以下のものが召喚可能です。

 

兵器年代:ベトナム戦争期に開発されたものまで全て(~1975年4月30日)

 

兵種別数量:歩兵⇒5個軍(野戦軍)(300,000名)(アメリカ陸軍基準に従う) 小火器⇒無制限 重火器(火砲)⇒120,000 車輌⇒60,000 艦艇⇒610 航空機⇒1000

 

これらはレベルの上昇によって制限を解除していくことが可能です。

 

なお、重火器、車両、航空機、艦艇の運用人員については歩兵とは別枠扱いとし、各々必要に応じて召喚されます。

 

また、自分自身に関しては一部の制限が無効化されています。詳細は自分でお試しの上、確認してく

ださい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にありがとうございました。お陰様でこうして生還できたこと、心より御礼申し上げます」

 

「いえいえ。当然のことをしたまでですよ。どうかお気になさらないでください」

 

三体のブレイドクーガーを倒したあと、亮輔達に護衛されながら少女は野営地へ戻ってきていた。

 

祈りを捧げた亮輔は、合流を果たした星田少佐達と共に三体の母子魔獣を埋葬(周囲に少数だが色とりどりの花が咲いていたので、それを二~三輪程摘んで一緒に埋めた)したあと、小さな墓モドキを作ってもう一度、今度は全員で手を合わせた。

 

そして一行は、地の匂いに釣られて他の魔獣達が寄って来ないうちに足早にその場を後にし、今に至るわけである。

 

 

 

 

「それにしても凄いです!まさか上級冒険者チームでも苦戦する程の存在であるはずのブレイドクーガーをあんなにあっさり倒してしまわれるなんて!」

 

 

「え、あれそんなに凄い奴らだったの?」

 

 

「そうですよ。ブレイドクーガーは、単体でもBランクを付けられるくらいに強力な魔獣なんです。まして親子連れともなれば、チームランクA-を下回ることはありえません。しかも、それでも討伐には半日近い時間を掛けるのが普通です。それを一人で、しかもほぼ瞬殺するだなんて、見たことも聞いたこともありません!」

 

 

「そ、そうなんだ・・・」

 

 

 興奮気味にまくし立てる少女に対し、引き攣った声で答えながら、内心で焦りまくる亮輔であった。

 

 ただ爪が長いだけの虎だと思っていたあの魔獣が、この世界ではよもやそれほどまでに強力な存在だったなどと思いもよらなかったのである。

 

 

(マジィ・・・これは本格的に口止めしとかないと後々面倒事に巻き込まれちまいそうだ)

 

 もうすでに充分巻き込まれる要因を作っている自覚もなしに、無意味な焦りに身を焦がす亮輔であった。

 

 

 

 

 彼らが無事に本隊との合流を果たすまでにそう時間はかからなかった。

 

 

「姫様!ご無事でしたか!!?」

 

 

「シルフ!」

 

 開口一番、シルヴィアがそう言って亮輔達に駆け寄って来た。それに応えて、亮輔達に囲まれていた少女が飛び出す。様子を見るに、両者はかなり親密な関係なのだろうことが伺えた。

 

 だが、その光景の中に見逃し難い点があった。

 

 

「・・・ん?姫様?」

 

 

「「ッッ!!?」」

 

 何気なく亮輔が呟いた一言に、たった今まで再会に湧いていたサンドリア側の空気が一瞬にして凍りついた。

 

 

「あ、あの・・・姫様、とは?」

 

 

「ん?今自分で言ったじゃないか。『姫様!』って」

 

 

「い、いえ。記憶にありませんが?」

 

 

「いや、記憶にない訳無いだろ。たった今のことなんだから」

 

 必死にすっとぼけようと試みる王国騎士側だが、残念ながらヤマトの面々は、少なくとも10人前後が彼女たちのやり取りを既に記憶していたために言い逃れは出来ようはずもなかった。

 

 それでもなおシラを切り通そうとする騎士団は、とうとう開き直って証拠を出せとまで騒ぎ出し、それに対してヤマト側は念のためと隠し持っていた旧式のボイスレコーダーを“複数機”持ち出して(一機だけだと破壊され証拠隠滅されるかもと警戒した。科学技術の産物といっても理解できないだろうから、魔道具の一種であると説明したが)、そこに記録された騎士団側の一連の遣り取りを繰り返し(最初の1、2回は屁理屈こねて信じようとしなかったため)聞かせて、ようやく王国側はこれを認め、観念して事情を話すことになったのであった。

 

 

 

「はぁ、まさか会話を記録できる魔道具なんてものが存在していたとは。俄かに信じがたいが・・・」

 

「まぁ、傭兵という職業柄、色々と策や厄介事に巻き込まれるなんて茶飯事ですからね」

 

 嘆息するシルヴィアに、亮輔は飄々とした笑みを浮かべつつ答える。まさか魔法技術が主流なこの世界で、魔法を一切使わない技術が、しかもまだ魔法技術では実現できていないような高度な技術が存在するなどと不用意に吹聴すればどんな厄介事に発展するかわかったものではない。表面上は平静を保ちつつも、内心ではバレないかどうか冷や汗を垂れ流す亮輔たちであった。

 

 

 

 

 

 

 そして、シルヴィア達によって、彼女たちサンドリア王国騎士団の目的と、姫様と呼ばれた少女の正体が明らかにされた。

 

 まず、シルヴィアたちサンドリア王立騎士団が護衛していたのは、同国の第三王女、アルト・エレーヌ・サンドリア殿下であること。

 

 歴代王族の中でも屈指の魔力量を誇り、優れた魔法の担い手であると同時に、様々な新魔法理論の提唱によって魔法学会からも数々の表彰を得るほどの秀才であること。

 

 彼女をこのような辺境までお連れしたのは、現在行われている戦争に勝利するため、近日中にこの近辺に出現すると予言された“漂流者”に協力を求めるための贄とするためだったこと。

 

 アルト殿下はこのオルマ大陸では不吉と不幸の象徴とされる“イビルアイ”と呼ばれる、左右の瞳の色が異なる、いわゆる忌み子であったことから、供物として丁度良いと判断されたこと。

 

 要約すれば以上の四点である。

 

 

 

「漂流者?それに贄って・・・生贄のことですか?なんでまた・・・」

 

 

「その・・・実に言いにくいことなのだが・・・」

 

 疑問を呈する亮輔に、歯切れの悪い調子でシルヴィアは続けた。

 

 

「今、我がサンドリアは国境を接するクラード王国とマーブ首長国と戦争を行っているのだが、近頃クラードとマーブが一時的な同盟を締結したらしくてな。我が国単独で、ほぼ国力が同程度のあの二国と戦っては押し込まれるのは自明の理というものだったのだ。しかもそれとほぼ時を同じくして、この邪霊地帯を中心として魔物の異常繁殖が発生しているという報告があってな。既に国土の三割が奴らの手中に落ち、ただでさえ国力が大きく削がれているこの状況下で異常繁殖した魔獣達が一斉に南下してくれば、瞬く間にサンドリアという国は地図上から消えてしまう。それを恐れた王侯貴族たちが、宮廷占星術師に命じて占いを行い、漂流者が近日中に我がサンドリア国内に出現することを掴んだのだ」

 

 彼女の話によれば、漂流者と呼ばれる異世界からの流入者は、総じて優れた能力や技術の持ち主であり、一人でもいれば世界のパワーバランスを覆すことが出来る程の存在である場合が多いらしい。そして宮廷占星術師レバスによれば、漂流者の出現する場所として予言されたのは魔物の異常繁殖が起こっているのと同じサンドリア王国北岸にある邪霊地帯、つまりは亮輔達ヤマトが上陸した海岸付近であり、彼女たちサンドリア王国騎士団はその漂流者を保護・確保するために派遣された部隊だったのだという。

 

 

「そして、こちらにおられるお方こそ、我がサンドリア王国第三王女であり、私たち一般民衆にとって正に希望の象徴とも言うべきお方であらせられる、アルト・エレーヌ・サンドリア王女殿下なのだ」

 

 

「なるほど。それならば確かに、強力な魔獣の群れから生還した時にあれほど喜んだのも頷ける」

シルヴィアから一通りの説明を受けた亮輔は、そう答えながら素早く考えを巡らせてゆく。

 

 

「(漂流者・・・と言うのが恐らく転生者のことを指しているものと見て多分間違いないだろう。しかし何故、そのような危険な任務にわざわざ王家の姫なんて高位の存在を出張らせる?しかも民衆にとって希望の象徴とまで言わしめるほどの存在を。単に騎士達の戦意高揚を図るだけにしては投入された戦力が少なすぎるし・・・いやまて。民衆にとって“は”だと?ならまさか、この姫さんを善く思わない対立派閥の連中が厄介者処理のために敢えてやらせたとか?ダメだ、情報が少なすぎる。もう少し何とかして聞き出してみるか)」

 

 

「しかし解せないのは、何故そのような危険な任務に、騎士団のみならず一国の王族などという、やんごとなきお方まで出張らせられたので?差し支えなければお教え願いたいのだが・・・」

 

 

「・・・まぁ、あなた方も一応当事者だ。事情は知っておいて頂いたほうがいいだろう」

 

 そう言って苦虫を噛み潰したような顔で、シルヴィアは告げた。

 

 

「先程、私達はこの邪霊地帯に出現したと予想された漂流者達を保護・確保するために派遣されたと言ったな」

 

 

「えぇ。まさか、あれは嘘だったとでも?」

 

 

「そうではない。任務自体は事実だ。ただ・・・」

 

 

「ひょっとして、お国の上層部の方でなにかあったとか?」

 

 

「・・・鋭いな。その通りだ。アルト殿下は民衆の希望ではあるのだが、一方で貴族、特に王家と剃りの合わない宰相が率いる『貴族派』と呼ばれる者達にとっては目の上の瘤とも称すべき存在なのだ。だから今回の事態にかこつけて、あわよくばアルト殿下を始末しようという腹積もりだったのだろう」

 

 

「しかしお国は王政でありましょう?国王様は貴族のそのような横暴をお許しになられているので?」

 

 

「・・・自国の醜聞を晒すようで歯痒いのだが、正直言って国王派よりも貴族派の方が倍近く多いのだ。それゆえに、如何な陛下と言えども迂闊に貴族派の機嫌を損ねるのは得策とは言えない状況でな」

 

 

「成程・・・ん?では、もし漂流者と遭遇できなかったら如何なされるおつもりだったので?」

 

 亮輔がそう訪ねた途端、シルヴィアや他の騎士達の顔つきが見るに堪えないほど歪みに歪み、歯を食いしばりながら息を漏らすように告げた。

 

 

「・・・奴らは、貴族派の連中は、漂流者が見つけられなければ、代替案として、姫様の持つ強大な魔力を用いた戦略級広域殲滅魔法の発動を行うことを考えているんだ・・・」

 

 

「なるほど・・・なんか名前からして随分と凄そうなものだってのはわかった。でも、何が問題なんだ?」

 

 

「何がって・・・あのな、『戦略級』なんて呼ばれるほどの大規模儀式魔法だぞ!!そんなもの一人で発動したら命に関わるなんて普通に考えてもわかるだろう!?」

 

 

「一人って・・・はぁ?冗談だろう?」

 

 悲痛な怒声で告げられた内容に、さすがの亮輔も呆気にとられた。

 

 これでも彼、前世ではミリヲタであったが、幼少の頃に友人の影響でファンタジーなRPGなどもいくつかプレイしたことがあった。その影響で、魔法というものにも多少は理解がある。そしてそういったゲームでは、魔力の使い過ぎで命を落としていく魔法使い達と言う描写がいくつもあったことを彼は覚えていたのである。

 

 普通の魔法でさえそういった危険があったのだ。もしもこの世界の魔法が彼の知る魔法と同質のものならば、戦略級などと名がつくほど大層な魔法を個人で、しかも広域殲滅なんていう大規模なものを発動しようものなら、確かに命を失うのは避けられないだろう。とてもではないが、サンドリア王国と言う国の上層部の考えが理解出来ない。いかに国家の現体制に不満を持っていたとしても、まさか自国の王族を、しかもまだ未成年のか弱い少女を軽々に犠牲にするような発想がなんの抵抗もなく実行されるとは(亮輔らの主観から言えば)普通ではない。亮輔はこれから向かう国の内情について、少なからざる不安を感じずにはいられなかった。

 

 

「(・・・一応、こっちの方で手は打っておくとするかな。こっちにとっても得になるし)」

 

 そして、そんな少女の未来のため、そして自身の経験値のため、亮輔は彼女達から聞き出した邪霊地帯の魔獣の異常発生地域に対し手を打つことを決め、秘密裏に薩摩島へ、とある命令を伝えさせたのであった。

 

 

 

 

 

 薩摩島。

 

 サツマイモに似た形をしているという、ただそれだけの理由でこう名付けられたヤマトの前進基地では、独立国家ヤマト総統の地位にある亮輔からの緊急命令を受け、出撃準備が急ピッチで進められていた。

 

 

「2000lb弾あるだけ持って来い!絨毯爆撃するんならしこたま弾がいるのは分かってんだろうが!!」

 

 

「ミサイルだ!ハープーンをくれ!多少燃費が落ちてでも、積めるもんは積めるだけ積み込むんだ!!」

 

 

「おい!A-10の機銃弾は23㎜じゃなくて30㎜だっつったろうが!何を聞いてやがったんだぁ!!?」

 

 空軍基地では、邪霊地帯空爆のための攻撃機部隊が着々と準備を整えていく。

 

 A-10が、B-52が、F-4が、F-15が、そしてAC-130が、およそ考えつく爆装可能なあらゆる機種が翼を連ね、南の空へ向けて一斉に飛び立つ時を今か今かと待ち構えている。この世界に降り立って初の本格的長距離空対地空襲作戦の発動とあって、パイロット達の士気は鰻登りである。整備兵達も喧々諤々怒号を飛ばし合いながら、常より気合を入れて作業に精を出しているように見える。

 

 

「いよいよ出撃・・・か」

 

 そんな光景を見遣りながら、本作戦における総指揮官を務める壮年の男性――ジョン・マッケンジー少将は、乗機であるE-3Aの指揮官席に腰掛けてそう呟いた。

 

 

 E-3A。

 

 大規模な航空団を指揮・統率する『空飛ぶ司令部』としての機能を有する大型機。元々は米国ボーイング社が開発した旅客機、ボーイング707型機を改造したEC-137d空中早期警戒に高い関心を持っていた米軍において、空軍作戦機の指揮・統制を行う機能を統合させることを目的に開発されたもので、1975年2月にE-3Aセントリー一号機が初飛行している。そのせいか知らないが、何故かこのE-3シリーズは現状A型のみなら完成状態で召喚できるようになっており、今回彼はそのようにして配備に至ったこの『空中司令部』に搭乗し空襲作戦部隊の指揮を執っていたのである。

 

 

「司令。あと20分ほどで、全機出撃準備が完了するとのことです」

 

 

「わかった。ミスの無いよう、万全を期してくれと伝えてくれたまえ」

 

 

「はっ!」

 

 そう言って副官に指示を下すと、マッケンジーはふと思ったことを彼に聞いてみた。

 

 

「ところで、今回の出撃、どうやら我らが総統閣下が一目惚れした異国の姫君を救うために急遽決定されたものらしいと聞いたが、君はどう思うかね?」

 

 

「ありえんでしょう」

 

 一瞬の間も置かず、副官はそう断言した。

 

「ほう?なぜそう思うのかね?」

 

 マッケンジーは、彼がなんの迷いもなくそう言い切った理由を訪ねた。彼としては、亮輔も男であり、そういった色恋沙汰を起こしても仕方のないことだと考えてはいたのだが。

 

 

「総統閣下は非常に鈍感であられます」

 

 間髪を入れず彼は言った。

 

 

「星田少佐以下、我が軍の女性軍人達――まぁ一部男も含まれとりますが――から向けられる好意に全くと言っていいほど気づいておられないあたり、そもそも色恋沙汰に興味をお持ちなのかどうかすら危うい感があります。その総統閣下が、まさか一目惚れなどと言う夢のあるイベントに出くわすなどまずありえないかと思われます」

 

 

「ふむ。だが、そも好いた惚れたは人の自由というではないか。しかも、一目惚れとは誰に何時どのような条件で生じるかわかったものではない。何故そこまでそう言い切れるのかね?」

 

 

「それは簡単であります。もし仮に、総統閣下がその異国の姫君とやらに一目惚れしたと言うのが真実ならば、お側付きの星田少佐殿が黙っておるはずがありません。しかし現在、星田少佐は常と変わらず、総統閣下のお側に静かに控えておられることから見て、総統閣下には、その異国の姫君とやらに友情は感じていても、恋愛感情は抱いていないと判断してよかろうかと思われます」

 

 

「なるほど」

 

 そう言ってさらに何事か口にしようとしたとき、部下の一人が全作戦機の出撃準備が完了した旨を報告してきたため、問答はそこで中断された。

 

 かくして、異世界における独立国家ヤマト初の、大規模空襲作戦は、投入可能な空海軍作戦機1000機中770機が投入されると言う途方もない規模の大作戦として、発動されることとなったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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