No.779614

扶桑姉妹を活躍させたいシリーズ第七回「乾作戦(前半)」

夏乃雨さん

『艦これRPGぼっちプレイ 空はあんなに青いのに』(富士見書房)に収録されている机上演習シナリオ「暇だったはずなのに」(pp.238-258)のリプレイです。

今回は鎮守府フェイズが長いので二話に分割しています。

2015-05-25 20:29:24 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:522   閲覧ユーザー数:522

chapter:扶桑姉さまのコスプレ大会!?

(シーンプレイヤー・扶桑改)

 0900。

 定刻になった。私たち4人で、作戦会議をはじめる。

 

千歳航:昔から、「敵を知り己を知れば、百戦殆からず」といいます。まず、敵の情報から確認しましょう。

扶桑改:潮ちゃんの話を総合すると、敵には強力な航空戦艦がいるってことでいいかしら。

千歳航:そうですね。航空戦がある以上、私も出撃できればいいんですけど、こんな情勢じゃここを離れるわけにもいかないし……。

扶桑改:私たちの練度も少しはマシになってきたけど、まだまだだから。

吹雪:最精鋭部隊を壊滅させたくらいですから……。私たちで何とかなるんでしょうか。

扶桑改:とりあえずは合唱団跡地に残っている艦娘たちの救援からね。万が一、その航空戦艦に遭遇したら……。

千歳航:全速で退避してください。

扶桑改:そうね。今は、戦闘よりも最上たちの救出を優先すべきよね。

 

 ずっと何か考えていた山城が、顔を見上げて発言する。

 

山城:……そうだ!

吹雪:山城さん?

山城:姉さまの魅力で敵旗艦をおびき寄せればいいのよ!

扶桑改:へ!?

山城:姉さまの魅力には、きっと敵艦隊もメロメロになるはず! そこに待ち伏せしておいた私たちが背後から奇襲すれば、勝機も十分に!

扶桑改:はぁ……(お目目パチクリ)

山城:姉さまの衣装も色々と用意してます! これとかこれとか……

 

 どこから持ち出してきたのか、いろいろな服が私の目の前に。ゴスロリにメイドさん、フロントジッパー付き競泳水着、あのアニメの女神さまの紐付き服とかとか。こ、これ、私が着るの!?

 

吹雪:あの~、深海棲艦に色香って通じるんですか……?

山城:姉さまの魅力なら問題ないはずよ!(ドヤ顔)

扶桑改:えーっと、山城……。気持ちはうれしいけど、これじゃ、戦えないわ。この作戦が終わったら、着てあげるから……。

山城:本当ですか!?

千歳航:結局、着るんですね……。

吹雪:ある意味、山城さんの作戦、成功だったかもしれませんね。

扶桑改:こほん。それじゃあ、合唱団付近の航路とかも確認しましょう。

千歳航:これが、合唱団近海です。潮ちゃんの話や偵察機の写真によれば、建物のほとんどは水没してしまっています。

千歳航:最強青春帝国への航路をチェックポイント101とします。皆さんはチェックポイント102・ファッションセンター跡地から合唱団海域に進攻。最上さん達を捜索してください。

扶桑改:チェックポイントの順に回らないといけないの?

千歳航:いえ。どこから捜索するのかはおまかせします。

扶桑改:わかったわ。それじゃあ……

 

 ということで、作戦会議は1030まで続いた。千歳さんの航空機が偵察していてくれたおかげで、敵の配置の予想も随分立てやすくなった。

 山城は会議中ずっと、キラキラしていた。ちょっと安易な約束をしちゃったかしら?

 そして。出撃時刻五分前になった。出撃用ドックに私たちは集合する。

 

潮:みなさん、合唱団の仲間のこと、よろしくお願いします!(ペコリ)

山城:潮ちゃん、心配しないで。みんなは私たちがきっと助けるから!

提督:それでは、諸君! 抜錨! 出撃せよ!

扶桑改:はいっ! 銀河蜜柑船団! 出撃!

 

(出撃後)

足柄:千歳さん、最強青春帝国の援護に来たわよ! さぁ! 何から始めるの!

羽黒:よ、よろしくおねがします!(ペコリ)

千歳航:足柄さん、羽黒さん、有難うございます。早速ですが、扶桑さんたちのお店の方、よろしくお願いします。

足柄:……はい!?

千歳航:ですから、お店のお手伝いです。私も経理とかはやりますけど、フロアの人手が足りなくて。あ、もちろん、偵察機や電探も稼働させていますから、いざというときは出撃します。

足柄:はぁ(脱力)

chapter:海上のファッションショー

(チェックポイント102イベント:挑戦PC・吹雪)

 泊地から合唱団跡地まで巡航速度で1日ほどで着きました。

 はじめての長距離航海で少し疲れましたけど、そろそろ敵地です。気を引き締めないと!

 そう思っていたら、扶桑さんの艦橋型髪飾りが高く澄んだ音を奏でました。何か発見したみたいです。

 

扶桑改:偵察機より入電。前方に建物跡らしきものを発見したわ。

山城:いよいよ合唱団跡地ね……。

吹雪:私が先行偵察しましょうか。

扶桑改:吹雪ちゃん、お願い。

吹雪:はいっ! 両舷全速!

 

 私が斥候として向かったのは、チェックポイント102。千歳さんが用意してくれた海図だと、ファッションセンターの跡地のようです。

 でも、ほとんどの建物は水没しています。深海棲艦は陸地を海に変える力があるらしいですけど……これは……。額に嫌な汗が流れてきました。

 っと。いけない、いけない。偵察しなきゃ。完全に水没していない建物の中に誰かいるかもしれません。

 唯一、上部だけが海面の上に出ているビルがありますね。ちょっと中に入ってみることに。……合唱団のメンバーも深海棲艦もいない、かな。

 

吹雪:(無線)扶桑さん。建物の中を見てみましたけど、誰もいないようです。

扶桑改:(無線)そう……。吹雪ちゃんはそこでしばらく待機していて。その建物でお昼と小休止しましょう。

吹雪:(無線)了解ですっ!

 

 そういえば、ここって、ファッションセンターだったんですよね。可愛いお洋服がいっぱいあるなぁ。完全に沈んでいなかったのが奇跡です。……扶桑さんたちがここにくるまでもうしばらく時間がありそう。ちょっとだけ、試着してみようかな。

 あ、このワンピース、かわいい! この帽子とよく似合いそう! 帽子をかぶって、ワンピースを着て……。

 えへへ。いつものセーラー服もいいんですけど、イメチェンです。折角だから、モデルさんみたいに歩いてみたりして。

 ふんふんふんふんふーん♪

 

扶桑改:やっぱり、吹雪ちゃんはいろんな服が似合うわね。

山城:やっぱり、基がいいですから。

 

 ゑ!? 振り向くと扶桑さんたちが! ひゃあああああ!

 

扶桑改:恥ずかしがらなくてもいいのに……。

山城:そうよ。時間があれば、もっと吹雪ちゃんのファッションショー、見たいわ。

吹雪:そ、そうです……か?(赤面)

山城:時間があまりないのがもったいないわよね。

吹雪:も、最上さんたちが待っていますから、早く先に行きましょう!

扶桑改:そうね。でも、また機会があったら、吹雪ちゃんのファッションショーやりたいわ。

吹雪:(もじもじ……)

山城:作戦が終わったら、姉さまと吹雪ちゃんの合同ファッションショーも……。えへへへ……。

吹雪:や、山城さん、目が怖いです……。

chapter:山城の笑顔

(シーンプレイヤー・山城)

 ファッションセンター跡地で少し休憩。吹雪ちゃんの服、良く似合っていたなぁ。姉さまには少しだけ及ばないけど、ね。

 ……

 はじめての長距離遠征……か。最強青春帝国からずいぶん遠くまで来たわ。借金はいっぱいあるし、艦娘の仕事よりもファーストフードの仕事の方が圧倒的に多かったけど、いざ、離れてみると寂しいものね。

 昔の詩人が「故郷は遠くにありて想うもの」といったのが、今は何となくわかる。たった一日、離れただけなのに……。

 

扶桑改:山城……? どうしたの?

山城:い、いえなんでもありません。

吹雪:私たち、結構遠くまで来ましたね……。

 

 なんだかしんみりしてきたわ。

 

扶桑改:この一ヶ月ちかく、色々なことがあったわね。

吹雪:司令官と千歳さんが着任したり、足柄さんがいらっしゃったり、ここ数年出現していなかった深海棲艦が立て続けに2度も来たり。

山城:そして、今よね。こんな作戦に出られるとは思っていなかったわ……。

扶桑改:山城。泊地を離れて、ちょっと寂しくなった?

山城:え!

扶桑改:うふふ。山城の考えていることは大体わかるわよ。顔に出易いしね。

山城:私、そんなに顔に出易いですか。

扶桑改:自覚していなかったのかしら。

 

 姉さまがちょっとイタズラっ子みたいな、お茶目な顔で笑う。

 

吹雪:そうですよね。三人でババ抜きとかすると、山城さん、どれがジョーカーなのかがよくわかりますしね。

山城:吹雪ちゃんまで!

吹雪:千歳さんが用意してくれたお弁当に山城さんの好きなえび天が入っていましたけど、それを食べているときの山城さん、とっても幸せそうな顔でしたよ。

山城:ええええ!?

扶桑改:ふふっ……。

吹雪:くすくす……。

山城:う~……。

 

 恥ずかしいやら何やらで、私はぷいっと横を向く。でも、姉さまと吹雪ちゃんの楽しそうな笑いに、つい、私もつられて笑ってしまった。

 

扶桑改:山城、貴女は笑っている顔が一番素敵よ。

吹雪:ええ! やっぱり、山城さんは笑顔がよく似合いますっ!

山城:もう、二人ともからかわないでください……(赤面)。

吹雪:えへへ。さっきのお返しですっ。でも、山城さんの笑顔がステキなのは本当です!

扶桑改:二人してウソを言うわけがないわ(ニッコリ)。

 

 姉さまと吹雪ちゃんとこうしてとりとめのない話をしていると、泊地を離れた寂しさはいつしか薄らいでいった。

 

山城:(小声)姉さま、吹雪ちゃん、有難う……。

扶桑改:さ、そろそろ次のポイントに移動しましょう。みんなが待っているわ。

chapter:夜中の物音

(シーンプレイヤー兼チェックポイント103イベント:挑戦PC・吹雪)

 

吹雪:ここは、工廠だったみたいですね。

 

 また、私が斥候として建物の中に。ここはチェックポイント103。クレーンとかの工作機械がたくさん並んでいますね。ここ、もう少し整備すれば、捜索の拠点にもなりそうです。合唱団のみんなもいないか色々と見ていると……。

 つるっ!

 

吹雪:きゃっ!?

山城:(背中から吹雪を支える)吹雪ちゃん、大丈夫?

吹雪:は、はい。山城さん、助かりました。

扶桑改:スパナとかが転がっているわ。足元に注意しないと……。

吹雪:そうですね……すみません。あ、扶桑さん、これは!

 

 私が見つけたのは水上爆撃機・瑞雲でした。まだ使えそうです。

 

山城:これ、姉さまが装備すれば百人力じゃない!

吹雪:この中で装備できるのは扶桑さんだけですからね。

扶桑改:そうね。それじゃ、有り難く使わせてもらうわ。

山城:吹雪ちゃん、お手柄だったわね。

吹雪:えへへ……。

扶桑改:ここを捜索の拠点にできるように、少し片づけておきましょうか。

 

 というわけで、少しお片付けです。おしゃべりしながらですけどね。

 

山城:そういえば、千歳さんが用意してくれたお弁当、みんなの好物が一つずつ入っていたわね。

扶桑改:あのお弁当、美味しかったわ。

吹雪:きっと、初めての遠征で疲れないように気を配ってくれたんですよ。

扶桑改:そうなのかしら?

吹雪:ええ。

 本当の理由を私は知っているんです。あれは出撃前夜のことでした。扶桑さんの艤装の改造もほぼ終わって、私もそろそろ寝ようとした時でした。厨房の所からガタガタという音が!

 山城さんは一足先にお休みでしたし、扶桑さんに千歳さん、司令官もまだ工廠の方にいたはず……。潮ちゃんはまだドックで休んでいましたから、誰もいないのに。

 もしかして、泥棒!? それとも深海棲艦のスパイ!?

 私は主砲を取り出して、厨房のドアをばんっ、と開けました。

 

吹雪:だ、だれですかっ!(12.7cm連装砲を構える)

???:ひゃあ!

吹雪:え!? ち、千歳さん!?

千歳航:ふ、吹雪ちゃん!?

 

 そこには一升瓶とおつまみを抱えた千歳さんが!

 

吹雪:あれっ? 千歳さん、まだ工廠にいたんじゃ……。

千歳航:あのあとすぐに、後は妖精さんに任せて解散したのよ。

吹雪:そうだったんですか。って、千歳さん、それって銀蝿ですよね。

千歳航:ちょっと、今月分のお酒、切らしちゃったから。あははは……。

吹雪:だからって、それはダメですよ。

千歳航:うっ。ね、ねぇ。一応、後で私のお金で買ったことにするし、ね? 見逃してくれない?

吹雪:でも、規則が。

千歳航:見逃してくれたら、明日のお弁当、私が用意するわ。それに、みんなの好きなものも入れるから……。

吹雪:ダメなものは、ダメですよ……。

千歳航:みんなの借金の方もちゃんと何とかなるようにするから……。

 

 ……借金のことを言われたら何も言えないです。うー。

 

吹雪:し、仕方ないですね。でも、ちゃんと、自費で購入したことにしてくださいね。

千歳航:あ、ありがと。もちろんよ。私、約束はちゃんと守るから!

吹雪:それと、あまり呑みすぎないでくださいね。作戦会議に二日酔いで出たらみっともないですし。

千歳航:あははは……(汗)。

 

 千歳さん、しっかりしているけど、こういうところもあるんですね。

chapter:五月雨を集めてはやし……

(チェックポイント106イベント:鎮守府フェイズ内艦隊戦)

 索敵と捜索のために、また瑞雲を発射させる、はずだったのだけど。

 

扶桑改:っと……あら? カタパルトの調子が……。

山城:あ、あれ? 私もカタパルトが……

吹雪:お二人とも、それ、利根さんの台詞です。

山城:吹雪ちゃん、メタいわよ。

扶桑改:えっと、これをこうして……きゃあ!

 

 ぼん!

 

山城:姉さま!

扶桑改:げほっ! ごほっ! ず、瑞雲はちゃんと飛んでいったわ。

山城:うー。私の方はカタパルトが、まだ。

扶桑改:私の瑞雲だけでも大丈夫よ……。

山城:姉さま、すみません……(シュン)。

 

 しばらくすると、私の艦橋型髪飾りがしゃりんと音を立てる。瑞雲が敵艦隊を発見したようね。それに、誰か艦娘を見つけたみたい。救助のためには、戦うしかない……ってことかしら。

 

扶桑改:瑞雲が敵艦隊を発見。全艦、第一種戦闘準備!!

山城・吹雪:はい!

 

 相手はこの前とよく似た水雷戦隊。この前の、嫌な記憶が蘇る。それに周りには中途半端に沈んでいる建物が多い。私たち戦艦だと、小回りが利かないからぶつかりそうで厄介ね。……そんなことを思っていたら山城が建物にぶつかる。痛そう……。

 ……

 予想通り、かなり苦戦した。敵艦隊の撃退には成功したけど、いつの間にか私と山城の装甲巫女服はボロボロ。これは、一旦、戻らないとダメかしら。ついでにファッションセンター跡によって服を借りてこなきゃ……。

 改めて周りの建物群の中を捜索すると……いた。最上ね。彼女も私たちを見つけると、駆け寄ってきた。

 

最上:ごめんよ。ボクのために……。

 

 艤装は大破していたけど、無事ね。よかった。

 

山城:ううん。気にしなくてもいいわ。

扶桑改:ええ。困ったときはお互い様よ。

吹雪:最上さんが無事でよかったです。それが一番大事です。

最上:そう? ありがと、みんな。

扶桑改:ところで、時雨ちゃんと曙ちゃんは?

最上:二人ともはぐれちゃって。ボクの艤装もかなりダメージを受けてしまったから、あまり航行できなかったし。あ、でも、二人と最後に分かれたときはここから北西の方に向かっていたような。

吹雪:ここから北西だと、チェックポイント104でしょうか。

山城:ファッションセンターにいなかったから、その可能性は高いわね。

扶桑改:でも、一旦、状況報告と入渠しに最強青春帝国に戻りましょう。私たちも最上もかなりのダメージを受けているし。

最上:たぶん、なんだけど時雨も曙も無事だと思うんだ。深海棲艦は建物の中には入れないようだし、そこでやり過ごしていると思うよ。ボクみたいにね。

扶桑改:私もそう思うわ。でも、なるたけ早く戻って、捜索を再開しましょう。

chapter:リプレイパート

※いつもの筆者代理・ご隠居提督と香取の会話形式です。

 

ご隠居:さて。今回は海域マップを使用するんだね。

香取:ええ。海域マップは、シーンイベントを扱ってから次のポイントに移動していくようになっています。原作と違って、「魔海」でなければ自由に動けますし、そこに止まることもできますよ。

ご隠居:スタートは101か。まずは姉さまから。カードは……作戦シーン。(サイコロ、コロコロ)イベントは「12.知彼知己者、百戦不殆」。彼を知り己を知る者、百戦殆うからず、か。

香取:成功すると敵の回避が-1されます。敵の判定妨害を少し下げられますよ。

ご隠居:逆に失敗すると火力が1点アップか。ふむ。ま、やってみますか。

 

 《面倒見》で代用。目標値は8。2D6で7。妖怪1足りないが出た。行動力を3点消費して、振り直すと、今度は9が出て成功。

 

香取:キーワードは「ゴスロリ」ですね。

ご隠居:姉さまはゴスロリも似合うと思うんだ。

香取:確かに、扶桑さんのゴスロリイラストもpixivにありましたね。

ご隠居:あれは、イイものだった(しみじみ)。っと、次の102に移動しよう。

香取:102に艦隊が着きました。ここでは、シーンの前にイベントがあります。失敗してもデメリットはなさそうですが……。

ご隠居:でも、感情値が上がるのは大きいよ。それに、吹雪ちゃんならこの前のセッションでとった《海図》なら目標値は8だし、声援を飛ばせば、何とかなりそうな成功率だし。

香取:では、挑戦するのは吹雪さんですね。ダイスをどうぞ。

 

 吹雪が《海図》で代用して挑戦。目標値は8。2D6は10。声援無しで成功。幸先がいい。

 

ご隠居:じゃ、続けて山城ちゃんのシーンを……航海か。任務を達成するためにもぜひ成功させたいが。

香取:二回目以降だとかぶり修正がついてしまいますから。吹雪さんなら行動力もありますし、固有アビリティ「がんばります!」で修正を無効にできますが。

ご隠居:上手く吹雪ちゃんのターンにかぶりが出るとは限らないしね。シーンは(ころころ)「7.ホームシック」。成功すると、全員の行動力が2点回復、失敗すると暴走判定か。

香取:先ほど扶桑さんが行動力を使いましたから、成功したいところですね。

 

 《支援》を目標にした方が有利と判断し、挑戦。目標値は《待機》からなので、8。2D6も8で成功。扶桑の行動力が2点回復する。さらにアイテム・思い出の品として「えび天」もゲット。

 

ご隠居:よし、成功。これで任務「流れ着いた資材」達成だね。リプレイSS的にはつじつま合わせのために順序を逆にしたけどね。

香取:鋼材が沈まずに海岸に流れ着くっていうのもすごい話ですね。物理法則、どこに行ったんでしょう。

ご隠居:まぁ、そこはそれ、ということで。

香取:ところで、キーワード「えび天」ってなんですか?

ご隠居:セッション中にやってたテレビで出ていたから。

香取:もしかして、さっきの「ゴスロリ」も……?

ご隠居:そうだよ。

香取:よくセッション中にテレビ見ながらできますね(呆れ)

ご隠居:肩の力が程よく抜けていいんだよ。多分。

香取:はぁ……。それでは、提督。次はどこに行きましょうか。

ご隠居:三方向か……。103から先に行こう。ここのイベントを済ませると次のセッションで103を起点にできるぞ。

香取:では、103ですね。ここのイベントは「沈んだ工房」ですか。

ご隠居:成功すると、瑞雲が手に入るね。姉さまがいよいよ航空戦艦として活躍できるし、水偵が二つになると心強い。ここは絶対に成功させよう。

香取:と、なるとやっぱり吹雪さんですか。

 

 目標値は8。しかし、今回はダイスが味方をしてくれなかった。達成値の2D6で6が出る。目標値に2足りない。声援を飛ばせば成功するが……。

 

ご隠居:むむむむむ。振り直すか、それとも声援でなんとかするか……?

香取:山城さんの思い出の品「えび天」を吹雪さんに渡して使えば声援のチェックを外せますよ。

ご隠居:あ、そっか。よし。山城から吹雪ちゃんへ声援だ。

 

 声援で+3され、成功。瑞雲の獲得に成功する。早速、瑞雲を姉さまに搭載。持っていた偵察機は山城が載せることに。続けて「えび天」を吹雪が使用し、山城からの声援のチェックを外すことに。

 

香取:では、続けて次のシーンですね。扶桑さんも山城さんも行動済みなので、ここで挑戦できるのは吹雪さんだけですね。

ご隠居:残ったシーンは「日常」か。出たのは……「8.銀蝿」か。指定個性は《規律》だな。

香取:成功すると行動力の上限が+2された上に行動力が全快します。

ご隠居:こいつは有り難いねぇ。といっても、吹雪ちゃんの個性ではどれも遠いな。発見で《規律》を取るか。

 

 行動力消費は5で、《規律》が長所に。そのまま続けて、行為判定。2D6は余裕の8。成功させて最大行動力は19となり、全快する。

 

香取:それでは、次の106に移動ですか。

ご隠居:ここに止まってもしょうがないしね。今のうちに艦隊戦を済ませておくことにするよ。

香取:それでは、鎮守府フェイズ内艦隊戦です!

◆戦闘詳報

〈航行序列〉

【銀河蜜柑船団】

航行序列6・3・1:特殊地形「島」

航行序列5:扶桑改

航行序列2:山城・吹雪

【深海棲艦】

航行序列5:軽巡ト級elite(旗艦)

航行序列2:駆逐二級elite A・駆逐二級elite B

 

 戦端の判定に成功して、交戦形態でT字有利をとる。しかし、そのあとは、出目に恵まれず、大苦戦する。

 扶桑改の瑞雲による偵察は成功するが、《索敵》が弱点だったため、アクシデント表を使用。結果は6。続けて6が出たせいで、行動力が6も減らされる。索敵は成功したので、軽巡ト級eliteを航行序列5に先行配置。戦術アビリティ「見敵必殺」の効果もつく。さらに山城が駆逐二級elite Aへの偵察を試みるも、判定はファンブル。アクシデントは1で何も起こらなかったのが不幸中の幸いか。

 さらに、この戦闘では航行序列1・3・6に配置された特殊地形「島」に悩まされる。「島」のある航行序列には駆逐艦・潜水艦以外は進入できない。それ以外の艦が「島」に配置されると損傷を1受ける。案の定、山城が航行序列1を引いてしまい、小破する。その後、振り直して航行序列2に。

 気を取り直して艦隊戦にはいるも、出目の不調は続く。扶桑改・山城の砲撃でもト級・小破、ニ級A・中破に止まる。反対にト級の砲撃で扶桑改、中破。短距離砲フェイズで吹雪によるおまちかねの「白兵戦闘」を仕掛けるも、判定は痛恨のファンブル。何も起こらなかったものの、「白兵戦闘」は失敗するとこちらに損傷が1つく。そのせいで、吹雪小破。

 二級Aの反撃で、山城が回避失敗。ついに中破させられるも「迎撃」で再反撃し、二級Aを大破させる。次の二級Bの攻撃でも山城が狙われるが、こちらは何とか回避。

 二巡目。扶桑改の命中判定はなんと、スペシャル(大成功・6のゾロ目)。しかし、行動力の回復は2にとどまったうえ、運をここで使い切ったのか、ダメージは26で、撃沈するには微妙に足りず。そこで、山城からの声援を飛ばし、ダメージを10追加することに成功。なんとかト級eliteを轟沈させる。続く、山城も大破した二級Aに対して攻撃。こちらも成功させ、轟沈。続く吹雪は「白兵戦闘」をあきらめ、普通に砲撃。連続攻撃も決めたおかげで残る駆逐二級Bを中破に。駆逐二級Bの攻撃では吹雪が狙われる。一度は回避判定に失敗するが、行動力を1点消費して振り直した後は見事に成功。

 雷撃戦フェイズ。吹雪が参加するも、またもやファンブル。猫にまとわりつかれて達成値が-1されるように。駆逐二級Bの雷撃は山城に向かう。そして、山城は12のダメージをもらい、遂に大破してしまう。

 

香取:夜戦、どうします。

ご隠居:やめとくわ……。山城ちゃん大破しているし。

 

 というわけで戦闘終了。大破・轟沈比は1:2で何とか勝利。最上の救出に成功する。

 

香取:かなり苦戦しましたね……。

ご隠居:うーん。この前の編成と大体同じだったんだけどなぁ。

香取:ここは決戦フェイズではありませんでしたから、声援を使いにくかったのもありますね。

ご隠居:声援ってやっぱり強力だよな。

香取:戦果は、elite二隻を沈めているので、戦果表を4回使えます。それだけは幸いでしたね。

 

 戦果表の結果は弾薬+9、鉄+4、感情値アップ、好きな資材(燃料を選択)+7。感情値が上がるんだったら、声援をもっと飛ばしたかった……。

 そして、実はこの戦闘、あるミスをしているのだが、それは次回の決戦フェイズ後の反省部分で。

 

ご隠居:こりゃ、このまま決戦フェイズに行くとまずいな。ここのシーンが終わったら一旦、起点101に戻ることにしよう。

香取:それがいいですね。


 
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