絡繰人間8号、9号、10号の襲撃を難なく回避した雪蓮達であったが、今度は何と連続的に襲撃を仕掛けられた
第二波の司令塔、絡繰人間11号は新たなるタイプ『融合進化型』という絡繰人間であり、破壊した絡繰人間の部品を取り込み
絡繰人間12号へと変貌したのであった……………
九節 〜炸裂!!!誘導追跡爆弾〜
絡繰人間12号「今のはほんの小手調べだ…………
初めて実践で融合したのでな……まだ、この身体に慣れていなくて力加減が難しい…………」
絡繰人間12号はニヤリと嗤いながら呼吸を整える
雪蓮「……………アイツ、今までとは桁違いだわ………
手を抜けば殺られるのはこっちね……」
流石の雪蓮も焦りの色が隠しきれていない
蓮華「全員で掛かるしかありません……………」
蓮華は覚悟を決めるが
小蓮「正直、それでも勝てるかな…………」
小蓮は思わず弱音を吐いてしまう
亜莎「勝たなければなりません………いえ、勝つしかないんです!!!」
亜莎は真剣な表情で『人解』を構える
祭「亜莎の言う通り………こ奴を倒さなければ、『龍天五獄隊』にも………未来を護る事すら出来ぬ………」
祭の発言に絡繰人間12号は
絡繰人間12号「貴様等のその程度の強さで『龍天五獄隊』と肩を並べられるとでも思っているのか?」
挑発しながらあざ笑う
雪蓮「決めるのはアンタじゃないわ
私達の誇りと…………私達の覚悟よ!!!」
ゴオッッ!!
雪蓮は言い切った瞬間、『龍走』をして突撃した
蓮華「姉様に続けーーーーーーっ!!!」
ゴオッッ!!
七乃「了解です〜〜っ!!!」
ゴオッッ!!
亜莎「行きますっ!!!」
ゴオッッ!!
小蓮「行っくよーーーーーーっ!!!」
ゴオッッ!!
祭「儂も行くぞっ!!!」
何故か弓兵である祭も血が騒いでいるのか皆と同様に『龍走』で突進した
絡繰人間12号「いいだろう………全員纏めてあの世に送ってやるっ!!!」
絡繰人間12号はファイティングポーズをとって襲撃に備えた
雪蓮「はぁっ!!!」
フォンッ!!!
蓮華「せやっ!!!」
フォンッ!!!
小蓮「ていっ!!!」
フォンッ!!!
孫三姉妹の3連撃が絡繰人間12号に襲いかかるも
絡繰人間12号「ふっ………おぉうりゃああぁぁぁっ!!!」
ブォンッ!!!
ガキンッ!!
絡繰人間12号は気を込めた渾身の右のアッパーを放ち、3連撃を同時に弾いた
雪蓮「っ!!!」
蓮華「くっ!!!何て…力…………っ!!!」
小蓮「うぬぬぬ………凄い衝撃………」
3人に鈍い痛みと衝撃による痺れが襲いかかる
絡繰人間12号「ふっふっふっ……んっ!!?」
絡繰人間12号は背後に感じる殺気により嗤いを止める
祭「はっ!!!」
フォンッ!!!
後ろにいた祭は先程よりも強力な矢を同時に2発放つ
絡繰人間12号「でえぇりやああぁぁっ!!!」
ブォンッ!!!
ガキンッ!!
だが、それにいち早く反応した絡繰人間12号は強烈な左拳を打ち下ろす
祭「何と…………それにまで反応するのか………」
だが
雪蓮「けど、祭のお陰で隙が出来たわ」
祭が作った僅かな隙を雪蓮は見逃さず、素早く懐に入り込み
絡繰人間12号「っ!!!」
雪蓮「受けてみよっ!!!我が渾身の斬撃をっ!!!」
フォンッ!!!
ザシュッ!!
絡繰人間12号「んごぉっ!!?」
強烈な横一文字の斬撃を喰らわせた
流石の絡繰人間12号もこれには反応出来ず、斬撃の痕から鮮血が吹き出る
絡繰人間12号「くぅ……………もらったぁっ!!!」
フォンッ!!!
ガツッ!!!
雪蓮「ぐっ!!?」
絡繰人間12号は一瞬、怯んだが何事もなかったかのようにして態勢を立て直し、隙だらけとなった雪蓮の首根っこを掴んだ
蓮華「姉様っ!!?」
絡繰人間12号「ふむ……『損傷率』1割8分3厘か…………
流石は孫策…………ここまでの傷を負わせるとはな」
絡繰人間12号は雪蓮を掴んでいる右手に力を込める
雪蓮「あぐ………っ!!!ぐぅっ!!?」
雪蓮は呼吸が困難となり悶え苦しむ
そこへ
七乃「雪蓮さんを離しなさ〜〜いっ!!!」
フォンッ!!!
ザシュッ!!
絡繰人間12号「んんっ!!?」
若干間の抜けた声を出しながら七乃は得物である鋼剣を振り回した
右手に直撃した為、右手から鮮血が吹き出る
その意外な衝撃により絡繰人間12号は思わず手を離す
蓮華「今だっ!!!七乃に続けーーーーーーっ!!!」
亜莎「たぁぁぁぁっ!!!」
小蓮「せりゃあっ!!!」
祭「でかしたぞ、七乃!!!」
シュンッ!!!
祭は『空走』で接近し、雪蓮を抱きかかえるとその場から離れる
筈だった
絡繰人間12号「ふっふっふっ…………掛かったなっ!!!
全員纏めて吹き飛べっ!!!『真爆源花』っ!!!」
ドッカアアァァァァンッ!!!!
絡繰人間12号は誰にもバレぬよう密かに溜め込んでいた気を解き放ち『真爆源花』を発動した
蓮華「きゃあっ!!!」
祭「ぬぐっ!!?」
小蓮「うわぁっ!!?」
全員成す術なく『真爆源花』に巻き込まれてしまった
爆発と煙と爆音がようやく晴れたのはそれから数分後…………
煙の中、佇んでいたのは1人
『真爆源花』を発動した張本人、絡繰人間12号
絡繰人間12号「………………」
絡繰人間12号は無言で辺りを見渡す
小蓮「うぅ…………うぐ……」
蓮華「くっ………ぬぅぅ…」
七乃「はぁ………っはあ………」
周辺には『真爆源花』により大ダメージを受けた皆が横たわっていた
絡繰人間12号「ふっふっふっ………所詮はこの程度………
確かに少しはやると思っていたが、俺には勝てん」
その中、立ち上がる者が1人いた
雪蓮「はぁ……はぁ……はぁ…………」
絡繰人間12号「ん?…………流石は孫策……まだ立ち上がるか」
呉の最後の砦、雪蓮だ
雪蓮「………ここまでなんてね……」
雪蓮はボロボロになりながら立ち、鼻で笑う
絡繰人間12号「まだ余裕がありそうだな…………
もう少しばかり痛みつけて殺してやる…………」
絡繰人間12号は嗤いながら雪蓮に歩み寄る
雪蓮「……………」
雪蓮はただ無言て立ち尽くす
そして、絡繰人間12号が雪蓮の前に立った
絡繰人間12号の背は雪蓮より頭一個分程高い
絡繰人間12号は雪蓮を見下す
絡繰人間12号「所詮、ただの人間…………
人界を超越した我等絡繰人間に敵うはずがないのだ」
絡繰人間12号はゆっくりと右の拳を上げる
雪蓮「………………」
絡繰人間12号「……………おぉうりゃああぁぁぁっ!!!」
絡繰人間12号は振り上げた拳を下ろしかけたその時、
雪蓮「…………今よ!!!明命っ!!!思春っ!!!」
雪蓮が大声を上げた
すると
シュンッ!!!
シュンッ!!!
絡繰人間12号「むぅっ!!?」ピピピッ
絡繰人間12号の両脇に明命と思春が突如、『空走』をして現れた
明命「喰らいなさいっ!!!」
思春「くたばれ……………っ!!!」
フォンッ!!!
フォンッ!!!
ザシュッ!!
ザシュッ!!
絡繰人間12号「うごぉおっ!!?」
思春と明命が得物である『鈴音』と『魂切』構えて大きく、素速く斬りかかった
それにより、絡繰人間12号から悲痛な叫びを発する
思春「(一刀、言葉を借りる………)
地獄の輪を潜れっ!!!」
フォンッ!!!
ドカッ!!!
絡繰人間12号「ぐわぁっ!!?」
思春は身体を捻らせて1回転し、見事なミドルキックを絡繰人間12号の右の脇腹に喰らわせた
絡繰人間12号はあまりの衝撃に吹き飛ばされ、付近の岩に衝突した
思春「雪蓮様っ!!!」
明命「雪蓮様、ご無事ですかっ!!?」
思春と明命は雪蓮に駆け寄る
雪蓮「えぇ………何とかね………」
雪蓮は無理な作り笑いをして答える
程なくして呉のメンバー+七乃が雪蓮の周りに集結する
蓮華「絡繰人間12号…………本当に……今までとは桁違いの強さ………」
七乃「一回態勢を整えませんかぁ?
もう私、ヘロヘロですよぉ〜」
七乃は力無さげに言うが
祭「いや、ここで退却したところで一刀達に接触させてしまう
それこそ本末転倒じゃ…………」
明命「ならば……………」
思春「ここで奴を仕留めるしかあるまい……………」
思春は『鈴音』を構える
と、その時
絡繰人間12号「はあぁぁぁぁぁっ!!!」
ドッカアアァァァァンッ!!!!
絡繰人間12号が岩から脱出する為に『真爆源花』を発動させた
辺りに爆音と爆風が襲う
雪蓮「くっ!!!休む暇も無さそうねっ!!!」
小蓮「ホント迷惑!!!」
小蓮は顔を引き攣らせて怒る
絡繰人間12号「ふっふっふっ………中々やるではないか………
だが、これこそ正に『飛んで火にいる夏の虫』というやつだな……甘寧、周泰
わざわざ呉の重鎮達が集まってくれたのだからな………」
絡繰人間12号は不敵に嗤う
思春「ふん…………貴様なんぞに抹殺されてたまるか……」
明命「大陸の未来は私達が護るのですっ!!!」
絡繰人間12号は明命の発言に対して
絡繰人間12号「何度も言っているであろう…………意味が分かっているのか?
貴様等のようなたかが人間に未来を護る事など出来やしない………
現に貴様等が束になって俺に闘いを挑んだとしても、その程度の強さでは俺を殺せんぞ…………?」
雪蓮「アンタこそ何度も言わせないで頂戴
決めるのはアンタじゃない、強さでもないわ
覚悟と誇りを持って闘った者が勝利を勝ち取れるのよ」
雪蓮は『南海覇王』を抜く
絡繰人間12号「………………仕方あるまい……」
ギュォォッ!!
絡繰人間12号は突如、自らの体内に溜まっている気を外部に開放し始めた
その気は赤黒く、濁りきっていた
絡繰人間12号「特別に見せてやろう………この俺の………新兵器をな!!!」
ギュォォッ!!
そうもしている間に気は流出していく
遂にそれは雪蓮達の周りにも霧のように取り巻く程
雪蓮「皆、構えて………何が来るか分かったもんじゃないわ……」
全員無言で頷く
絡繰人間12号は両手を大きく、限界まで広げる
すると
ギュォォッ!!
亜莎「っ!!?」
七乃「………………あれは?」
直径が指の先から反対の指の先までの巨大な気の塊が出来始めた
絡繰人間12号「喰らえぇぇぇぇぇっ!!!孫策ぅぅぅぅぅぅっっっ!!!」
絡繰人間12号は嗤いながら大きく叫んだ
絡繰人間12号「『誘導追跡爆弾(ゆうどうついせきばくだん)』っ!!!!!!」
絡繰人間12号は両手を前へ突き出す
すると
ゴォォォォォォォォォッ!!!
絡繰人間12号の新兵器である『誘導追跡爆弾』が、先程の倍以上の大きさとなって雪蓮達に向かって発射をされた
だが、
雪蓮「………………??」
七乃「…………………随分と遅くないですかぁ?」
七乃が言うように絡繰人間12号の『誘導追跡爆弾』は『気力破』より遥かに遅い速度で進行しているのだ
例えるのなら『気力破』は車の速度で約50km/h程
それに対して『誘導追跡爆弾』は、高校生が学校から自転車で帰宅する際に会話しながら走行している位の遅さ、約14㎞/h
凡そ3倍程の差がある
小蓮「こんなの簡単に躱せるじゃん」
小蓮は走って右側に移動する
雪蓮達も小蓮に続いて回避する
絡繰人間12号「(ふっふっふっ…………そんなもの、回避した内に入らんぞ………………)」
ここで亜莎が違和感に気づく
亜莎「………………妙ですね……」
明命「え?」
亜莎「『誘導追跡爆弾』が通り過ぎません……………」
亜莎は厳しい表情で首を傾げる
確かに亜莎達は真横に移動した為、発射された『誘導追跡爆弾』はその横を通過する筈
だが、『誘導追跡爆弾』は通過するどころか方向が変わっているようだ
雪蓮「……………まさか……名前の通り…………!!?」
絡繰人間12号「ふっふっふっ………はっはっはっ!!!
今更気づいたところでもう遅いわっ!!!」
ゴォォォォォォォォォッ!!!
『誘導追跡爆弾』は進行方向が変わり、雪蓮達に向かって迫ってきた
小蓮「うそっ!!?」
思春「…………文字通り追跡型の気弾か!!!」
絡繰人間12号「何処へ行ったところで逃げ場などないぞっ!!!」
絡繰人間12号は勝ち誇った表情で嗤う
雪蓮「くっ!!!まずいっ!!!」
雪蓮達は慌てて避難するも、『誘導追跡爆弾』はしつこく追い掛け回す
そして遂に、
全員「「「「「っ!!?」」」」」
ドッカアアァァァァンッ!!!!
『誘導追跡爆弾』が直撃し、大爆発が起こった………………
………………時間は遡り、第二波の絡繰人間の襲撃されて雪蓮達が出動する頃
一刀「ふうぅぅぅぅ…………っ!!!」
ギュォォッ!!
ここは一刀のいる『次元の狭間』
一刀は左慈より受けた鍛錬をハイスピードでこなし、最後の段階をしていた
左慈「…………………(絡繰人間が襲撃してきたと伝えてから一言も話してねぇ………
どうしちまったんだ?あいつ…………)」
左慈は眉間に皺を寄せて一刀の様子を伺ってた
一刀「はあぁぁぁぁぁっ!!!」
一刀が一際大きく、気を込めて力を入れた
その時だった……………
ギュォォッ!!
ゴォォォォォォォォォッ!!!
左慈「っ!!!な、なにっ!!?」
左慈は突如、一刀から放たれた閃光と爆風に身体が蹌踉めかされる
左慈「な、なんだ一体………………!!!」
態勢を立て直して左慈はこの風の原因である一刀の報告を見る
左慈は一刀を見て驚愕の表情となる
左慈「な、なにっ!!?ま、まさか…………あいつ………
『覚醒』しやがったのか!!?」
左慈は思わず言葉を失う
何故ならそこには
淡く神々しく輝く制服を纏った一刀が立っていたのだから……………
……終……
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新たなるタイプ『融合進化型』の絡繰人間、絡繰人間11号は他の絡繰人間の部品を取り込み、絡繰人間12号へと姿を変え雪蓮達に襲い掛かった
今までの絡繰人間とは比べ物にならない脅威的戦闘能力を兼ね備えた絡繰人間相手に、雪蓮達は本気モードで戦いに臨む
果たして、戦いの行方は………………?