No.778002

エブリデイ えーゆー譚! ~恋姫達とのドタバタ生活!~ 五話

XXXさん

XXX「すごく眠い」
一刀「お前意外と早く寝るよな」
XXX「夜行性じゃ無いんだよ。今回はたぶんシリアスです。『五話:母の中に別の母』どうぞ」

2015-05-17 23:35:31 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1150   閲覧ユーザー数:1060

前回のあらすじ

XXX「玄関の扉ぶっ飛んだ。以上」

一刀「ざっくりし過ぎ!?」

 

 

 

 

扉を真っ正面から壊した人物を見ようとリトは玄関まで歩いていく。

その他にも、家主の祭と何かを悟った感じの雪蓮達、さらにタロウズも着いていく。

そして玄関に居たのは…三人の女性だった。

 

粋怜「炎蓮、だから言ったじゃない!押しドアじゃなくて引きドアだって!」

炎蓮「しゃあねぇだろうが!古くなっててどっちも開きにくかったんだし」

雷火「修理費と謝罪費を含めると…、はぁ。大将、計算だと酒は当分禁止ですぞ」

炎蓮「おう、どうにかしろ!」

粋雷「「無茶言うな!」」

 

なんだか揉めてるようだ。

三人の容姿だが、一人はキャリアウーマンのような雰囲気と服装をした女性、さらにもう一人は子供用の服を大人っぽく改造した少女…と言うには何故か違和感がある女性。

最後は蹴り飛ばしたのであろう扉の後始末を他二人に押し付ける雪蓮に似た女性。

雪蓮に似た女性はどこかで見たような感じはするが、リトは呟く。

 

リト「…あの人達誰?」

雪蓮「あー…母さんとその部下」

リト「母さん…ってあの人が?海蓮さんは…?」

蓮華「いる事には居るんだけど…」

 

蓮華の発言に首をかしげるリト。

そんな事をしているうちに、雪蓮似の女性はまるで同僚と飲みに行った帰りのリーマンの如くアパートに入ってきた。

 

炎蓮「おう、帰ったぞ」

祭「…人のアパートを自分の家みたいにするでない。それより、お主誰じゃ?」

炎蓮「女なのに爺くせぇしゃべり方するな、オメェ。俺は呉 炎蓮。そこの三人娘の母親で他三人含めた奴等の保護者だ」

粋怜「すみません。あの扉の弁償はしますので…」

祭「あ、いや…常識人いるだけでけっこうなんじゃが」

 

やったね、常識人がいたよ!…まぁそれはともかく、祭達の対応を見ていると、ふとリトと炎蓮の目が合う。

 

炎蓮「…お」

リト「ん?」

炎蓮「ちょうどいい、お前こっち来い」←襟元掴みずるずる

リト「は!?ちょ…何!?」

祭「平沢!?」

炎蓮「ちょっと部屋借りるぞ」

 

なんともまぁ強引にリトを連れて勉強部屋に行ってしまった。

周りはいきなりの事に言葉が出ないでいる。

 

祭「…なんじゃ今のは」

雷火「すまんな。大将は色々と強引なんだ」

雪蓮「て言うか、一応祭の事も分かる筈なんだけどね」

祭「…?」

キンタロス「ちゅうか、なんやこのガキ。大人っぽい服着よって…迷子か?」

雷火「迷子言うな!私はお前より年上だぞ!」 

モモタロス「へっ!随分と生意気じゃねぇか、チビガキ。嘘ならカメ公みてぇにうまい嘘つくこったな」

キンタロス「せやせや。嘘つきは泥棒の始まりっちゅー言葉、知っとるか?」

雷火(ピキッ!)

 

あ、この二人死んだな。

 

 

一方、リトと炎蓮は部屋の中にいた。

炎蓮は軽く周りを見ると小声(のつもり)で一言。

 

炎蓮「…狭い部屋だな」

リト「四人部屋だからな。…で、俺に何の用?」

炎蓮「なぁに…ウチの妹が気に入ってる男の事が知りてぇだけだ」

リト「妹…?」

炎蓮「海蓮…この名前に聞き覚えあるだろ?」

リト「……ああ」

炎蓮「俺の妹だ」

 

包み隠さずストレートに言う炎蓮。

確かに顔も似ているし、何より血縁であると言うことはわかっていた。

ただ、それがどういう関係か…年の離れた姉妹なのか、双子なのかは知らなかったが。

やっぱりそうだったのか、と思ったのか…リトは動揺せず、一つ質問する。

 

リト「なるほどね…。薄々分かってたけど……で、海蓮さんはどこにいる?」

炎蓮「何でそれを聞く?」

リト「雪蓮達がここに住む、って聞いて何でその必要があるか疑問に思ってたんだよ」

炎蓮「ほぉ?」

リト「で、考えたのが、今までいた土地を離れなければならなかった…が濃厚だな。じゃなきゃ、国境越えてここまで来ないだろ」

炎蓮「そうか。で、海蓮はどこにいると思う?」

リト「ここには居ない…でも、ここ数日は連絡は取ってた筈だ。なにせ、あんたは俺を知ってたらしいからな」

炎蓮「根拠は?」

リト「勘…とは言わない。さっき俺の顔を見てここに連れてきた。それでさっき気に入ってる男と言った。ただ…」

炎蓮「ただ?なんだ、勿体ぶって」

リト「なんで顔を見て分かった?聞かれただけなら顔まで知らない筈…。写真を見せられた…訳でも無さそうだな。手に入れられる訳ないし」

 

それもそうだ。さっき炎蓮はリトの顔を見てすぐにこの部屋連れてきた。

蓮華達に聞いたと言う線もあるのだが、それでもあんなに早く分かるものなのか?

まるで実際に見たことがあるかのように…

 

炎蓮「…そうだな」

リト「それともう一つ…あんた、マフィアだな?」

炎蓮「……証拠は?」

リト「太股に隠してある拳銃。それとあんたの姓…たしか、チャイニーズマフィア『呉虎会』のボスは呉の性だったはず。…あんたそのボスだろ?」

炎蓮「よく知ってるな。名推理だな、坊主。たしかに俺は呉虎会のボス…だった」

リト「だった…?」

炎蓮「…数日前、反乱が起きてな」

 

そう言って卓袱台の上に腰かける。

炎蓮は憤怒と、それから悲しさが混じった顔をして話始めた。

 

炎蓮「反乱の首謀者は呉虎会に仕えていた古参の奴でな。次期のボスを雪蓮にする時を狙って反乱を起こしやがった」

リト「雪蓮を次期ボスにか?」

炎蓮「ああ。ま、あんなお粗末野郎はすぐに片付いたんだがな、ファミリーは壊滅して潰れた。問題はな…来たんだよ、奴等が」

リト「まさか、復讐者(ヴィンディチェ)か?」

炎蓮「…坊主、お前マフィア関係者か?」

リト「まあな。少しはわかんだよ」

炎蓮「そうかよ。…たしか、初代ボスが定めた掟を破ったとか言ってたっけな」

リト「掟…?」

炎蓮「『統率者たるもの、反乱を起こすべからず』…簡単に言えば反乱起こさせないボスになれって事だ。俺は破っちまったがな」

リト「……待て、じゃあ…まさか…」

炎蓮「…俺の代わりに海蓮が連れて行かれちまった。でもよ、意識だけは俺と繋がってんだよ」

 

 

リト「そうか…。でもなんで意識だけ?」

炎蓮「そこが分かれば苦労しないんだがよ。姉妹だから…ってのもおかしいし」

リト「なんでもいい。とにかく海蓮さんは無事なんだな?」

炎蓮「まあな。デカイ水槽の中に入ってる以外」

リト「じゃあ話は早いな。時間は掛かるが、助ける準備しないと」

炎蓮「何…?あいつらの牢獄は鉄壁だぞ?復讐者を知ってるならそれくらい…」

リト「だけど取引次第ではなんとか出来る。話ができない相手じゃない」

 

リトの言う通り、交渉次第では釈放も有り得る。

かつて、リトの友z「知人だ」…知人と同じケースなのでできるはずだ。

ただ、その交渉には莫大な取引金が必要となるため、どうすればいいかはまだ決めてはいないのだ。

 

炎蓮「そうかも知んないがな……それにお前、何で海蓮を助けようとする?赤の他人だろ?」

リト「赤の他人じゃねぇよ。前の世界じゃ世話になったんだ…海蓮さんから話されてるんだったら知ってるよな?」

炎蓮「………」

リト「その礼ってのもあるし、実際に会わなきゃいけない。それに、あっちじゃ雪蓮達の親なんだ。絶対助けるよ」

 

 

ただ純粋に、見返りも何も関係なく言う。

まだ助けられる命だからか、それともただの恩返しなのか…それは分からない。

そもそも助けられるか分からないのに、リトは助けると言い切ったのだ。

その事に少し目を見開いたが、すぐに炎蓮は妹に…海蓮に話しかける。

 

炎蓮(…オメェが惚れるのも分かる気がするな)

海蓮(そうだろう?いい男になるよ、リトは)

炎蓮(いい男でもアレが勃たなきゃ意味無ぇだろ)

海蓮(そうだねぇ…リトのモノはとびきりいいと思うんだけどねぇ?)

炎蓮(ほう…?じゃあ、今夜でも味見すっかな?)

海蓮(止めときな。ガードが固いからねぇ)

リト「何ボーッとしてんの?」

 

会話する二人に気付かず、リトは部屋を出る。

炎蓮もはいよ、と軽く返事をして立ち上がり、部屋を出る。

そういや外どうなってっかなー、とか思いながら見ていると…

 

 

 

モモタロス「  」←テーブルに頭突っ込んでる

キンタロス「ぐぉぉぉ…!」←股間押さえて踞ってる

リュウタロス「くまちゃん大丈夫ー?」

ウラタロス「リュウタ、一応センパイの心配もしとこうよ」

デネブ「えっとー…救急箱どこに置いたっけ?」

ジーク「ふぁぁ…」←なんか眠くなってきた

雷火「なんだこの胸の袋は!?要らんだろう!?私に寄越せ!?」

祭「やれたら苦労せんわ。あー、肩こる」

雷火「殺す!」

 

 

なーんじゃーこりゃー…とか言いたい気分だが、状況確認が必要だ。

ポケモン達に聞いてみようとするも、メッタンをバリケードにしてるからパス。

雪蓮達は遠くで被害が無いようにしてるからダメ。

で、残りは侑斗のみ。

 

リト「…侑斗。説明」

侑斗「馬鹿モモとアホキンがあのちっこい人にロリババアって言った」

リト「大体分かった」

雷火「―――誰がロリババアだ!?」←ヒール発射

侑斗「  」←ヒール額に刺さった

リデネ「「侑斗ぉぉぉぉぉぉ!?」」

 

ヒールが刺さり、そのまま後ろに倒れる侑斗。

ああ、どうなるんだろうな…ここでの生活……

リトはそれを頭の片隅に置き、侑斗をデネブと共に介抱しだした。

 

 


 
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