ドイツ料理店フローエ・ツァイト。
「へぇー、エリシアたちバンドやってるんだ?」
アンネ・フライベルクが料理を運んできたテーブルには、結成間もないガールズバンド・Emceeのメンバーが座っていた。
「まぁまだ始めたばっかであれなんだけどねw」
「そうそう、日々精進ってヤツ」
「難しい日本語知ってるねミュアったらw」
「「「あははw」」」
目の前のイェーガー・シュニッツェルを頬張りながら談笑するエリシア・グレイ、ミュア・ブリーズ、キャメロン・ベルの三人。
それにつられて思わずアンネも笑う。
すると隣のボックス席から、マオ・スペアとパム・エルル、長岡シラセの声が響いた。
彼女たちもまたEmceeと同じ学校に通っているのである。
「すごいなあ。エリシアたちバンドやってるの?」
「かっこいいな~」
「えへへへ、まあねw」
「ねえねえ、今できる?」
シラセが目を輝かせながら食いついてくる。
「ちょ、ちょっとシラセやめなよ!いきなりなんてそんな…」
静止しようとするマオ。
だが、エリシアは一言。
「うーん…じゃあ楽器も持ってきてるしやってみようか?」
「あたしは別にいいけどキャムは?」
「あー、あたしの知り合いの運送屋がいるんだけどすでに持ってきてもらってますw」
「速いなあwでもこの店ってステージあったっけ?」
すると、この店の看板娘にしてアンネの母であるルイーゼ・フライベルクがこんな事を言い出した。
「大丈夫よ。セッティングは完了してるからw」
「「「早ーーー!?」」」
勢いよくずっこけるEmcee一同だったが、すぐに体勢を立て直すと、エリシアがまず一言。
「よし、じゃあルイーゼさんがせっかく用意してくれたし!いっちょやってみますかねw」
すると客席という客席から拍手が飛び交う。
「すごーい!あたしEmceeの歌聴くの初めてだな~」
パムはすっかりニコニコ顔だ。
「シラセのムチャ振りをあっさり受けるなんて…恐ろしい奴ら…」
「ママの根回しのよさにもビックリしたけどね…」
冷や汗を滝のように流しているマオとアンネ。
「ひゅーひゅー!待ってたぜーぃ!!」
興奮のあまり裏モードに入ってしまったシラセ。
そんなムードをよそに、準備が整ったEmcee。
「では即興ですが始めたいと思います!曲は『合言葉はGood!』です!One,Two,Three...」
そして演奏が始まった。
普段はどこか静かな雰囲気のフローエ・ツァイトが、この日はEmceeの即興ライブ会場となり、熱狂の渦に包まれた。
ガールズバンド・Emcee。
次はどこで人々を笑顔にするのだろうか?がんばれエリシア、ミュア、キャム、がんばれEmcee!
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バンド名が決まってからの初ライブ。
■出演
エリシア(Gt/Vo):http://www.tinami.com/view/774824
ミュア(Bs/Vo):http://www.tinami.com/view/775189
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