No.774371 超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス2015-04-30 18:06:31 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:653 閲覧ユーザー数:643 |
それは既に終わった世界、女神という存在を誰もが忘れ、人間が人間の上に立ち生活をするそれは、別の次元軸が向けた新しい時代を迎えたゲイムギョウ界の終焉であり始まり。
生まれた新しい女神。
失ったのは古き女神。
ただ一つの世界を支配した小さな女神。
ただ一人、家族も親友も仲間もいない孤独の中で懸命に前に進んだ。
女神の使命はモンスターの排除、世界を守護することであった。
剣を取り、女神は戦った。たった一人で長い長い間、この選択が正しいと証明するように、犯罪神の散り際の言葉を否定し続けるように。
修羅の如き活躍に誰もが、流石女神だと称えたが、流れる時間の中でその声はいつしか消えなくなり、逆に少しでも被害が出ると直ぐに女神の批判の声が上がるようになる世間へと変わっていく。
女神は何も言わなかった。それが自身の間違いだったことだけと思うしかなかった。人間は悪くない、それが女神の根源に刻まれた呪いのような本能が、人間に否定的な考えを持つことを否定する。
いつしか、女神はモンスターの殺戮マシンとなっていた。感情を殺し、体を自分と相手の鮮血で染め上げ、モンスターを葬るその姿に人は恐怖した。
ーーーもし、女神が人間に牙を向いたら?
そんな場違いな恐怖心が、シェアは急速に低下して女神は女神化できないほどまでに弱体化してしまった。国中で女神に対する排他的運動が活発化、それをネタにして出世の為に利用する思想家。女神のありがたみを忘れてしまった愚かな人種は女神の加護の意味を忘却してしまいモンスターの侵入を簡単に許し、国中を巻き込む大災害へと発展してしまった。女神と人々は懸命に戦い、最悪の被害は防いだが、シェアの低下によって弱体化した女神は既に使命を全うできる体ではない。女神の守護の中でぬくぬくとぬるま湯に浸かっていた人間は遂に憑かれた様に兵器を作り始め、所詮一人でしかない女神の活躍は過去の栄光と成り果てていた。それ故に女神の追放はそう遅くはなかった。
女神は今まで培ってきた全てを無慈悲に奪われたが、それでもそれが正しいことならと受け入れ、傷ついた体を引きずりながら人々の前から姿を消した。ただ、人間の温かい未来を信じて。
『……私、もう消えるのかな』
誰も立ち入らない森林の奥。ひっそりと空いた洞窟の闇の中に森の物で作り出したベットの中で既にシェアの底が尽きた女神は既に五感が麻痺している状態の中で微風で消えそうな声で呟いた。
『お姉ちゃん……私、正しかったんだよね……』
人の為に全てを奉げた。
未来の為に全てを奉げた。
その結果、守るべきものに裏切られても、後悔はなかった。
ただ、ここで一人で消えるのが恐怖だった。傍で闇を照らす唯一の小さな蝋燭が燃え尽きたら、そう思うと恐怖が体を蝕む。
『……助けて、助けてよぅ……』
既に涙は枯れてしまった瞳からは何も流れない。
光をなんとか認識できるほどの瞳は既に使い物にならない。
いつも誰かが傍にいた時がまるで宝石のように輝いて、今がとても胸に空いた穴の痛みを強くする。
どうしてこうなった?と思い浮かんだ時に浮かんだのは家族との、親友との、仲間との思い出。
『ーーーこれは罰なんだ』
自分の手を鮮血に染めて、幸せを求める事、そのものが罪なんだ。
「ごめんね」
え?と残った聴覚が女性のような高い声を拾った。
体が持ち上げられ、懐かしい温かみが顔に押し付けられた、もう数千年は味わった事がない懐かしい感覚。次に我が子を慰めるように抱き締めながら頭を優しく撫でられる。
『あ、あぁ……!』
既に枯れたはずの瞳から流星のように煌めく涙が落ちる。
感覚があるか曖昧の腕に力が入り、必死にそれを逃がさないと服を掴んだ。その力は彼女の想いに反してとても弱弱しかった。
「ここまで良く頑張ったね。ありがとう」
人々の希望の大きさのあまりに、感情を殺してモンスターを殺戮するマシンと化してしまった女神。当たり前の事をし続け、いつしか感謝の言葉すら聞こえなくなったその耳に響いたのは、ずっと欲しかった言葉。
『わ、私は……』
「うん」
『お姉ちゃんのような、立派な女神になれたかな……』
「うん、ネプテューヌも自信を持って自慢できる最高の女神になれたよ」
『そっか……良かった』
頑張って掴んでいた腕が落ちた。いよいよ最後の瞬間が来たようだ。明かりが徐々に暗くなるにつれて抱き締められている感覚もなくなっていくが先ほどの一人で死を迎える恐怖は無かった。女神として心の底から感謝してくれている誰かが傍にいることが彼女にとってこれ以上にない幸福だったのだから。
『ありがとう』
見た目の年相応の満点の笑顔で最後の言葉を口にした彼女は砕けたガラスの様に粉々の粒子へとなり、消滅していく。真っ暗闇の中で薄く輝いたのは、女神が唯一その手から離すことは無かった旧き世界を破壊した原因とも呼べる神を喰らいその力を宿す魔剣。
ーーーそれが最も新しい
◇
「ネプギア!!」
気の強い呼び声が聴覚を刺激し、重たく閉じていた瞳が薄らと光る。体中に鎖で繋がれた鉄球のような重さが襲ってくる。まるで幽体離脱でもしたかのような脱力感だった。
「あいちゃん!ギアちゃんが目を覚ましたです!」
「本当!?」
ドタバタドタバタと埃が舞い上がるような高い音と共にネプギアの瞳に三人の影が映った。
安堵の表情を見せるコンパ。
胸に手を当て安心した様にため息を吐くアイエフ。
そして今にでも零れそうなほど涙が溢れた赤い瞳で手を握っていたユニ。
「……私…、生きてる……?」
死を感じる時間が刹那だったことなのは覚えていた。空が知り合いらしき反応を見せた人の形をした『何か』が、『何か』をして空の頭が弾けた。あまりの出来事に硬直していたら、首にこの世の物とは思えない冷たい手が首を掴み。そしてーーー死神を連想させる鎌が急所を貫いた。
「空が大きなシェアクリスタルを持っていたの。それを渡されて、私達は貴方を蘇生したの」
「そう、だったんですか」
確かにあの人なら持っていそうだと思いながら、体を起こそうとするが力が入らなく、起き上がることさえ無理だった。無理に体を持ち上げようとすると、隣にいるコンパが毛布を掴んでネプギアの肩まで伸ばした。
「すい、ません…」
「無茶をしないでください……本当に、本当にぎあちゃんが蘇ってよかったです」
「今は何も考えず落としなく寝ていなさい。後の事は私達がなんとかするから」
「……はい」
こんな体だと支えがないと真面動くことすらも出来ないと判断し、諦めて、首を少しだけ動かして袖で涙を拭いているユニに微笑んだ。
「ありがとう、ユニちゃん」
「べ、別にお礼されるようなことしてないわよ!」
「目の下、黒いよ?ずっと心配してくれたんだね」
「こ、これは、違うわよ!ちょっと寝不足なだけよ」
慌てて赤くなった顔を隠すように下がるユニ。良く見れば三人とも怪我がないようだと分かると安堵のため息を吐いて、もう一度瞼を落した。
違うネプギア私の夢がずっと喉に詰まっているように引っ掛かり、もう一度見たいと静かな願いが叶ったのか、ネプギアは直ぐに安定した呼吸音で眠りについた。仲間である三人に見守れながらゆっくりと意識が黒一色に染まった。
◇
なんて、なんて凄まじい力なんだ。
微かに感じ取った魔力だけでも、ネプテューヌ達四女神と自分と合わせても塵にもならないほどの冗談な方な圧倒的力。一般人には強烈すぎて知覚できないかもしれないが、水面を走る様に空全体に走る波動に触れたしまえば肉体と魂共々一瞬にして溶解させる。
『あの二人が会ってしまった…!』
「二人……一人は空だろうがもう一人は?」
『始次元概念体ーーーティシフォネ』
恐怖に染まったデペアが震える声。
『あの破壊神でも【本体】を召喚して時間稼ぎできるレベル……!でも【本体】が世界に顕現したら世界が死ぬ……ッ!』
「【本体】?始次元概念体?なんだよそれ」
破壊神ーーー空がいつも力をセーブしているのは知っている。デペアの生成する神殺しの毒をブラッディハード両方を使って、かなり弱体化して相手はこちらを殺す気ではなかった、そして情緒不安定だったことも重なって、漸く倒せた空。その本当の実力も見た事はないのに【本体】ということは、あいつには大本が居たという事。
『……人によって生み出され、人によって狂わされ、人によって人に憎悪し殺戮する兵器となった。人の可能性の負の極地、狂気と殺戮の忌み子、邪神皇唯一の化身。それが夜天 空の本当の姿なんだ』
「あいつ、人に造られた物なのか?」
『デウスエクスマキナプロジェクトっていう欲望に正気をなくし、性質の悪い至上主義者共よって生まれた神を超越した者……本人達にとってはこの上ない不幸だったそうけどね』
毛嫌いしているように見えてデペアは本当は空の事を色々気にかけている。聞いた話では翼を引き千切られて酷い目に合ったという事だが、人に知恵の実を食べさせたと言われているこいつからすれば、人の知恵で狂った空に複雑な思いがあるのだろうか。
『次に始次元概念体だけどね。言ってしまえば全ての元、全能なる母と言ったらいいのかな。原初の混沌、世界という概念が存在していなった太古の流転の中で合った闇、その一部が具現化した存在。その特性上世界に起きる全ての現象の上位互換であり、特殊能力とかそういうのは一切を無効どころか反射して、、しかもある程度の反発できる力がないと、君や女神達の場合だと神であった現象すら改ざんして下手すれば歴史から抹消され、存在を消滅させることもできる』
なにそれこわい。
『例で言えば自意識を持った超性質が悪い自然現象。あいつ殺すなら全世界破壊尽くすしかないだよなぁ……』
「一に見えて、全の存在であるのか」
『キャプテンと唯一肩を並べることが出来る従者だね「』
キャプテン---デペアがそう呼ぶ人物は本当の本物と呼べる霊崎 紅夜。
数万年生きて冒涜的で荒唐無稽の存在である恐るべき邪神の力を手駒にする魔人。
深くは知らないが、空と激闘を繰り広げた結果精神を破壊され、修復する間にこの体を扱う為に俺という人格を生み出した存在。最も越えなければならない壁。
「…………」
『……僕はいまから二人の戦いの様子を探知するから暫く休んでいて』
それからデペアが黙り、俺はあの道化のように口調と冷笑するニャル男と呼ばれた邪神と空から教わった世界の事を含めて『罪遺物』の事を思い出していた。
生きる者には、なんらかの核となる生きる為の器官がある。それは世界にも同じことであらゆる可能性の原点である『
ゲイムギョウ界の管理者である空だけではないが、幾多の別次元にある世界の管理者にとって『
「…………」
そして、この体こそが
当たり前に過ぎる今一瞬の未来を神すら怯む程の憎悪を宿した人間である零崎 紅夜と呼ばれる前の存在は手当たり次第に生きる者全てを殺戮し続け、その力を邪神が作り出した『
その強烈すぎる力から世界に存在していい存在ではないと生物としてカテゴリーを超越し、森羅万象から縛られることない最悪で真の自由者を『円環外れ』と呼ぶようになった。
「……この力が使える様になれば」
『無理だよ』
はっきりと無理な夢を吐き捨てる様にデペアはそう言った。
『それは長年の時を使ってキャプテンだからこそ到達した頂だ。確かに円環外れの中でもキャプテンは最上位クラスで十六の
女神に殺されることこそが俺の運命。それは確かに強烈すぎる力だが、それが必要になるかもしれない。
空に別次元に送ってもらい自爆目的で使用するかもしれない。
『女神の為に死ぬつもりか?』
「それが、俺の全てだ……っで、空とティシフォネって奴……!?」
突然口が動かなくなる。
それだけじゃない。
全身が形容しがたい激痛が走る。
『くうちゃんが力を使って、この世界を守った……?』
「ご、がはっ!」
口から血の塊を吐いた。それだけに留まらず体中が膨れた風船を裂いたように血が噴水のように上がり、感覚がまるで炎の海に放り投げられたように滅茶苦茶になる。
『破壊神が【私】を一瞬召喚してティシフォネを自身の異次元に放り込んだ…か。相棒巻き込まれた形になってるけど頑張って』
「ぃ、あぐっ、がああああああああッ!!!!」
気絶することすら許さない傷に塩を擦りつけられたような痛みに身に覚えがあった。
デペアの神殺しの猛毒を纏った。あの激痛に似ていて、これはその上を言っている。
血だらけのベットから転げ落ち、血だらけの俺はデペアの言葉を理解すら出来ず、肉体より先にもがき苦しみ精神がズタズタに引き裂かれそうになった瞬間、痛みが消えた。
『……生きてる?』
「デ、ペア……さっきの、は」
がぐっと、俺を中心に出来た血池に頭を落とし意識がなくなる。
「見舞いを買ってきたよ!どう?元気に………え?」
「日本一今すぐに医者を呼んでくるのですの!」
「え、あ、ええ……っと」
「速く!!!」
「りょ、了解!!!」
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新次元のラスボス微妙だったなぁ。
それより四女神戦がヤバかった……