No.774047

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第632話

2015-04-29 00:04:57 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2022   閲覧ユーザー数:1856

 

~第三学生寮・シャロンの私室~

 

「え………何故でしょうか?」

リィンの性格からして受けると思っていた申し出をリィンが否定した事にシャロンは呆けた後すぐに立ち直って静かな表情で問いかけた。

「シャロンさんの過去に興味があると言えば嘘になりますが……だからと言ってシャロンさんを家族同然に思っているアリサ達――――”ラインフォルト家”を差し置いてシャロンさんの過去を聞くなんて不躾な事はできません。それにそんな不吉な事を言わないで下さい。俺達が取り戻そうとしている”かけがえのない毎日”の中にはシャロンさんも当然いるのですからオズボーン元宰相に勝つだけじゃなく、みんなが生きて帰って来る……それは絶対に必要な事です。」

「リィン様………………フフ、そうですわね。リィン様達が目指している目標が叶えられない可能性がある事を思ってしまう等、第三学生寮の管理人として失格ですわね。―――わたくしにまで激励の言葉を送って頂きありがとうございます、リィン様。」

リィンの答えを聞いたシャロンは驚いた後苦笑し、リィンに会釈をした。

 

「ハハ、そんな大した事はしていませんよ。……シャロンさん、オズボーン元宰相との決戦が終わったらアリサにシャロンさんの過去を話してあげてくれませんか。」

「え…………」

「アリサは口には出していませんけど、シャロンさんの過去を知りたがっていると思っています。――――シャロンさんの”家族”として。」

「!!……………レーヴェ様やヨシュア様と違うわたくしにはそのような”資格”は………それにわたくしの過去を知れば、お嬢様もきっとわたくしの事を恐れ、嫌うでしょうし……」

リィンの指摘で目を見開いたシャロンは辛そうな表情でリィンから視線を逸らしていたが

「そうでしょうか?シャロンさんが”結社”の”執行者”だと知ってもアリサは何も変わりませんでした。それに……家族を大切にし、誰よりも頑張り屋で優しいアリサがシャロンさんの過去が例えどのような壮絶な過去と言えど、”その程度”でシャロンさんを恐れたり嫌いになったりするとはとても思えません。」

「…………あ………………フフ、かしこまりました。全てが終わって状況が落ち着けばリィン様のご希望通り、お嬢様にわたくしの過去をお話しますわ。―――ありがとうございます、リィン様。リィン様のお蔭でお嬢様にわたくしの過去をお話する覚悟ができましたわ。」

リィンの言葉に呆けたシャロンは微笑みながらリィンを見つめて会釈をした。

 

「ハハ、シャロンさんにはいつもお世話になっているのですからお役に立てて幸いです。」

「リィン様…………フフ、どうしましょう……最初は”お礼”代わりのつもりでしたが、今は”一人の女性として”リィン様に尽くしたいという気持ちでいっぱいですわ……お嬢様のメイドとして失格ですわね……」

「シャロンさん……?」

困った表情で呟くシャロンをリィンは不思議そうな表情で見つめ

(ふふふ、私達の期待通りの展開に持って行くとはさすがはご主人様です。)

(これで今夜の被害者は二人目ですね。)

(リィン様…………どうなっても知りませんよ……?)

(フフ、アリサは間違いなく怒るでしょうね。)

(うふふ、もうこの後の展開はわかったようなものだから、結界を展開しないとね♪)

その様子をリザイラは静かな笑みを浮かべて見守り、アルティナとメサイアはそれぞれ呆れた表情をし、アイドスは苦笑し、からかいの表情をしているベルフェゴールは結界を展開した。

 

「こ、これは……!?(ベルフェゴール!?何でここで結界を展開するんだ!?)」

結界に気付いたリィンは表情を引き攣らせた後ベルフェゴールの念話を送ったがベルフェゴールは何も答えず

「あら………―――わたくしの為にここまでして頂きありがとうございます、ベルフェゴール様♪」

リィンと同じように結界に気付いたシャロンはリィンを見つめて微笑んだ。

「へ。――――!?ちょ、ちょっとシャロンさん!?一体何を……!?」

シャロンの言葉に呆けたリィンだったが、突然メイド服を脱ぎだしたシャロンの行動に焦り始め

「フフ、リィン様。そろそろ身体がお辛くなってきたのではありませんか?」

自身の髪の色と同じパープル色の下着姿になったシャロンはリィンに問いかけた。

 

「え……――――っ!?な、何でいきなり……っ!シャ、シャロンさん、まさかさっきの紅茶に………!」

シャロンに指摘された後自分の身体が凄まじい興奮をしている事に気付いたリィンは自身の体調の変化がシャロンが用意した紅茶である事を察し

「フフッ、実はリィン様が帰って来る前にクロチルダ様に媚薬の調合を依頼しまして。効果はエリゼ様が以前お使いになられた媚薬ほどではありませんが効果は抜群との事ですし、精力の増強効果もあるとの事ですのでご安心ください♪」

「あ、あの……一体どこに安心すればいいのでしょうか……?うっ……!?」

「あらあらまあまあ……我慢は身体に毒ですわよ?今楽にして差し上げますから、ベッドに参りましょうか、リィン様♪」

その後リィンはシャロンに奉仕をされた後そのまま流されるかのようにシャロンと愛し合い始めた。

 

~同時刻・アリサの自室~

 

「アリサ、少しいいかしら?」

「へ……ク、クロチルダさん!?え、ええ。ちょっと待ってくださいね。」

一方その頃アリサは自分を訪ねて来た予想外の訪問者に驚いて扉を開けた。

「えっと……クロチルダさん。私に何の用ですか?」

「”死線”が私に変わった依頼をしたから、”死線”の主である貴女に教えておこうと思ってね。」

「へ……シャ、シャロンがクロチルダさんに”依頼”、ですか?一体何の依頼をしたのですか?」

クロチルダの話を聞いたアリサは目を丸くした後戸惑いの表情で尋ねた。

 

「媚薬の調合の依頼よ♪」

「び、媚薬!?どうしてシャロンがそんなものを……!?」

「フフ、私が聞いた時『企業秘密です♪』って言って答えを誤魔化して、ちょっと気になっていてね……それでグリアノスに”死線”の私室を見張らせていたら”死線”がリィン君を部屋に招いたのよ♪」

「なっ!?ま、まさか……!」

クロチルダの話を聞いてすぐにシャロンの意図を理解したアリサは身体を震わせた後その場から走り去り

「それでしばらく見張っていたら面白い事に――――あら。今行っても、結界が展開されていて部屋に入れないのだけどね♪」

説明を続けていたクロチルダはアリサがいなくなった事に気付き、からかいの表情をしていた。

 

 

と言う訳で予想通り貴重なメイド属性であるシャロンも美味しく頂きました、リィン……(遠い目)いつも通りシルフェニアも更新しておきました。しかし既にお気づきと思いますがクロチルダの余計な気遣い(?)によって即アリサにバレてますwwというかエリゼといい、シャロンといい、なんだかこの小説のメイドは好きな相手と濡れ場展開になる為に薬を盛ってばかりいますね(汗)


 
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