「集い導かれし問題児たち」
俺の名前はユウザ、ふつーを宿命づけられた警備員だ。
不思議なメールに導かれ、ディスペルっていうスーツを手に入れた俺は、突然降りかかって来たモンスターをバッタバッタと叩き潰したんだけど……
「…………」
あらぬ疑いをかけられ牢屋に入ってしまった。
上は俺のデータを抹消して、『警備員に憧れてるただのコスプレイヤー』扱いする事で難を逃れたらしい。
……案外ブラックだな、あそこも。「もーお天道様は見れないかな」と悲観に浸っていたその時、隣の壁が爆発した……そう、爆発した、砕け散った。
勿論驚きましたよ?いきなり吹っ飛んだし。ただ……リアクションを取る余裕が無かった。
「やーやーアレを使って生きてるってマジ希少な人材だよー♪」
そして壁にあいた穴の先にいたのは……アサルトライフルを背負っている青年だった。……どっかで見覚えがあるよーな……
驚いて硬直している間にその青年に手を引かれ、どこかへと連れてかれた……
「僕チータって言うんだ☆君は?」
「ユウザ……って言います。」
チータと名乗る青年のノリに流されながら脱獄した(と言うかさせられた)俺は、何処へ行くのかを聞いた。
するとチータは「盗られた物を取り返しに行く」との事。
俺の……と言うか俺の持つあのスーツの力が必要らしい。
「って言うかあのスーツ持ってないんだけど」
「大丈夫、持ってるから♪」
「(軽く言ってのけるなこの人……)そー言えば、あのメールってアンタが出したのか?」
「違うよー?けどそいつは間違いなく真犯人さ、君に僕の逸品を着せ、濡れ衣を着せ、一体何を考えているのやら」
どーやらあのスーツはチータが造った物らしく、国に無理やり奪われてしまったらしい。
……ってえ?もしかしてこの人、そしてあのスーツはまさか……いやいやまさかそんな。
そんなこんなで連れられた所は、さっきあのスーツを手に入れた所だ。
始めて行った時と同じ寂びれた所だった……門前に妙なアーマーを付けている集団がいる事を除けば
「やはり貴方が絡んでいたか、チータ!」
「この先のユニットを奪われるわけにはいかん!」
「やだなー僕は自分の物を取り返しに来ただけだよ?」
「あのような
アーマー付けてる集団は銃剣を取り出して構えた、このまま撃つつもりだな?
「あ、これ持って『セットアップ』って叫んで☆」
「……!
「え、あ、セットアッピ!」
「あ、噛んだ」
チータからディスクらしきものを手渡され、言われるがままに叫んで、噛んで、ディスクが光って……
気が付けばまたあのスーツを着ていて、目の前には水晶の様なクリスタルのような、紫色の透き通った壁が出来て弾を弾いていた。
「これは……?」
「
「えっと……」
「よーするに、エネルギーを剣のよーにしたり盾のよーにしたり出来るって事だよ、その壁のよーにね」
俺は再び水晶のような壁を見る。これがこのスーツの……ディスペルの力……!
(※ディスペアです)
「怯むな!第一班はそのまま撃ち続けろ!第二班は横に回り込め!第三班は……」
「こっから先は君の想像力次第だ、大抵自在に形を変えられるから頑張りたまえよ?」
「ちょっ!丸投げ!?武器は!?」
聞こうとしたらいつの間にかいねーし!何処行ったあの人!想像力?大抵自在?取説ぐれーは読ませてよ!
とか思ってたら別の部隊が横に回り込んで来た!こーなったら……
「基は女神様のもんだし飛べるよなっ!!」
上に跳んだ、銃口が一斉に上を向く。それを見て更に高くと思うと、身体が引っ張られるように一気に上昇する
「空を飛ぶ」なんて事、初めてすぎて全然慣れないが、同時に楽しくもあった。今のテンションならやれる気がする……そう思えた。
そのまま俺は急降下し、集団目掛けて真下に突っ込んだ、頭の中でイメージしながら。
先ず装甲兵たちの銃弾を左右に動いてかわしつつ、両腕にカタールのような刃を形成する。
そして真下の旋回しながら突っ込んで真下の敵を切り裂きながら方向転換し、前にいる残りの部隊目掛けて旋回突進し、過ぎ去り様に切り裂いた……正直目が回った。
……とはいえ、正直言って致命傷には至れなかったろう、恐らくは向こうもユニットを装着済みだし。
俺は振り向かず、あの場所へ飛んで行った。
棺のあるあの部屋に行った俺がまず最初に見たのは、開封済みの棺三つと……
「チータ!貴様を捕えてみせる!」
「ほんっと君って僕の行くとこ阻んで来るよねー……いい加減マジ
棺の中身を装着済みの二人の激闘だった。
一人はチータ、射撃向けのユニットを装着し、ミサイル、レーザー、グレネードをこれでもかという位に撃っている。
もう一人は鎧らしきユニットを装着し、盾と剣を持って応戦しているけど……あれってまさか精鋭でも随一の実力者、デバッカ……なのか?
会話からしてあの二人、浅からぬ因縁がありそうだけども……
「くっ……やはりあと二~三人はここに配置するよう粘れば良かった。そうすれば……!」
「恨むなら無能な上司かそれを説得できなかった自分を恨むんだね」
うん、あの二人の間にはとても入れそーにない。そんな訳で、俺は身を潜めようとしたその時
「やーっとお揃いだわ……ま、間に合ったから良かった良かった。」
「「「!?」」」
俺達三人とは違う声がした、二人が周りを見回す中、俺は上を向いていた。
するとそこには、マントを羽織った金髪黒目の少女が空に浮いていた……と言うか空を地面の様に踏み立ってるようだった。
「さて、積もる話もあるでしょうけど、先ずは彼に登場してもらおーかしら?巻かないと間に合わないんよねー」
少女が指を鳴らすと、何もない筈の空間が割れ、剣を背負っている胸当て付きの青年が現れた
次回:「事の始まり俺の
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