「
「どういうことなの……イヴォワールの反応が焼失した!?」
そこはかつてプラネテューヌと呼ばれた大陸、今は魔王の根城となっております。
どうやら力を与えた眷属が消えてしまったようで困惑しているようです。
「あの『圧する力』に対抗できるモノがこの世界にいるわけがない……だとしたら何故……まさか突然現れたあの青い炎に関係が!?」
どうやら多少頭が回るようですね……そうです、その通りです。彼が目覚めました。
この世界があらぬ方向に導かれた時、あるべき方向に導くための修正システムが発動したのです。
それは不当な情報を消去し、新たに世界の書き換えを行うための下準備をする為のシステム……
「まさか……いや、そんな……あの坊やにあんな能力があるわけが……」
……そうです、彼の力はこの時の為にあるのです。さて、そろそろこの
「なっ……!街が……私の国が……蒼く燃えている!?」
では、私は世界の改変するまでの流れを眺める事にしましょう。魔王は勇者によって倒される……一先ず己の役職の本懐を遂げて下さいな。
「……貴様は!!」
わざわざ玄関から入って来るなんて……とはいえあの顔、怒りや悲しみが表面に出ている顔、やはり感情の急激な変化が引き起こすようですね
しかし炎の放出量が少ないですね……ここに来る間に無駄に燃やした影響でしょう……何て非効率な
「今更出て来た所で元の居場所なんてないぞ、私を倒したところで元にも戻ることは無いぞ!」
「……」
今の彼に何を言っても無駄ですよ?特に彼の居場所を奪ったあなたが言っても逆効果です
「私には他に居場所がないのに……アンタは他に居場所が出来る分マシなのよ!」
「…………それが」
防がれましたか、「拒む力」で……ですが無駄です、彼はもう炎を出せません、ですが……
「それがどーしたぁああああああああああ!!!!!」
その身と同化する事は容易なんですよ?
「拒絶の力が……!」
彼は生まれながらにして異能者なんですよ?貴方のように私から奪い取ったわけでも無し、予め私が組み込んだモノなのですから
……貴方が反逆するずっと前に。
「もう、たくさんだ……」
拒絶の力を集中してこの世から追放するつもりですね?ですが知ってますが……?
「かわされた……!?」
対人戦の場合、初っ端から決めようとするのは素人のやる事ですよ?
「こんな世界、もうたくさんだああああああああああああ!!!」
「女神だった」あなたならそんな事分かき切ってる筈なのに、戦ってないからなまったんですね?
「…………ぁ」
まあだからあっけなく見切られかわされ、挙句斬られて倒れたんでしょうけど
「……」
終わったようですね……では私も私の仕事をしますか。
彼女をナイフ逆手持ちで右回転逆袈裟斬りで決めた彼は、鎖で縛られた
「……っ」
きょとんとした表情でユウザは「誰……?」と尋ねました……「炎」と同化した手を向け乍ら。
そんな事をされたらいくら私でも危ないのですが……仕方有りませんね、彼は出会った人達が皆死んでいく、いなくなっていく所を何度も見たわけですから。
そうなったら誰彼疑ってもさもありなん、最早話を聞ける様子じゃないでしょう。
では様式美として、お決まりの台詞を言って幕を閉じましょう。
「貴方はこれまでよく頑張りました。私をあの魔王から救ってくれた事に感謝します。さあ、再びあるべき流れに導かれ、穏やかなる営みを……」
そう言うと、ユウザが光に包まれていきました。これはさっきの乱暴なモノとは違う、正しい書き換えを行っている証です。
彼もまどろみ眠りにつき、地も、水も、空も、世の全ては須らく光となって、眩く輝いていきました。
こうして彼は新たな人生を
「ここは……」
私は目覚めた、街外れの森林で
また世界は書き換えられたようだ、アイツによって。
だがそのお陰で……全てを思いだした。
私はゲイムギョウ界の女神ではない事を、かつて私が世界を治めていたことそのものが偽りだったこと、そして……
この世界と私、そしてあのユウザの正体を……ならやる事は一つだ。
私は歩を進めた、己の本当の願いを成し遂げるために。
Revenge:end→Next to Recall
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