No.770040

【真・恋姫†無双if】~死を与えることなかれ~25話

南無さんさん

こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます
今回からナイスミドルな一刀さんと貂蝉の対話です。
悩みながら書いているので加筆修正するかも知れませんが
ご了承の程、宜しくお願い致します

2015-04-10 02:59:37 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:5528   閲覧ユーザー数:4555

『私との対面を望んだのは貴方かしらん』

 

『…ええ。北郷一刀と申します。先ずは、このような機会を与えて頂いた事、

 誠に、ありがとうございます』

 

『別に良いわよ。貴方みたいな激シブな男に会えたんだから。

 それだけで価値があるってもんだわ』

 

『激シブ…ですか?』

 

『そう、激シブ♪』

 

『お褒めに預かり恐悦至極でございます。しかし、時間も限られていますから、

 早速…』

 

『そうね。本題といきましょうかねん。私を呼んだ理由は何かしら?』

 

『…今から二十年前、かの有名な赤壁の大戦で我が孫呉劉備連合軍が勝利し、

 天下の覇権を制した。そして、時勢が味方し、ついには大陸史初、

 二カ国が対等の条件で世を治める事となった。

 私は、この結果を受けこの世界に来訪した時、ある種の疑念を感じていた事が、

 それが、確信であると至りました。この世界は並行世界であると』

 

『…聞かなくても分かるけど一応、尋ねましょうかねん。何故、そう思ったのかしら』

 

『有名武将が女人化している事、それと、決定的なのは赤壁の大戦のその後、

 三国志演義通り歴史が進んでいない、この二点から、確信いたしました』

 

『成る程、それで』

 

『そこから私は、三国志演義を正史とするならば、この世界は外史、そう捉え、

 不確定で、現実と同じ様に未来は決められていない、そう思いを巡らせました。

 ならば、雪蓮と冥琳を救えた筈だと、自分自身に失望し恥じた日々を過ごしていた。

 そして、五年が経過し、ある日の事、私は不思議な夢を見ました。

 その内容は、私の隣にウェディングドレスを身に纏った関羽将軍が、

 大輪の笑顔を幸せそうに咲かせ、名だたる将が祝福を挙げる中、悔しがりながらも私達を見守る

 貴女の姿があった。私は夢から覚め、何故あの様な夢をと顔を抑え思案いたした所、

 一つの過程に至ったのです。あの夢は恐らく、蜀に拾われた可能性であると。

 ならば外史と言う世界は私が居るこの外史だけではなく、無数に存在しているのではないか。

 その可能性を信じ私は、とある事を決意した。それは、鍵を握っているであろう

 夢の中で貂蝉と呼ばれた人物を見つけ出す事』

 

『鍵…ねえ』

 

『その為に私は、兵を派遣し貴女の探索の任を与えました。その間、私はありとあらゆる

 史書家に会いに行き、貴女に関わる情報がないかと何百の史書を読み漁っておりました。

 しかし、結果は奮わず、貴女の名すら浮かび上がってこない始末、各地に派遣した兵も

 切っ掛けすら掴めないでいた。私は悩みました。いくつもの並行外史があるのなら、

 必ず貂蝉は存在する筈だと。けれど、見つからない。だが、この結果を受け

 私は、一番可能性が高い仮説を閃いた。それは数多の外史が存在するのなら、

 その人物も無数に存在する、この根っこの部分は変わらない。例えば、どの外史でも

 雪蓮の情報を得たいのなら、一番に孫呉に赴けばいい。それは、数多の外史でも

 共通している役割を設けられているから、正史と同じ様に孫呉の長だったと言う役割が』

 

『そうねん。確かに孫策ちゃんの情報を得たいのなら、

 どの外史でも孫呉に行くのが手っ取り早いわね。でも、私は…』

 

『…見つからない筈ですよ。何せ貴女は渡り鳥。唯一無二の存在で

 並行世界に、もう一人の自分なんて居ないのですから』

 

『………』

 

『外史での貂蝉と言う役割、これが余りにも薄過ぎる。別に貂蝉など居なくとも

 この外史は成立する。何故なら、正史での役割が適用されない。

 呂布奉先が女性である限り美女連環の計など不必要』

 

『わからないわよ。美男連環の計の可能性だってあるじゃない』

 

『ふふ、そんな意地悪を申さなくても。乙女である事に矜持を感じている貴女が

 女性相手にそんな事、する訳ないじゃないですか』

 

『漢女』

 

『え?』

 

『乙女ではなく漢女よ。そこは間違えないで頂戴』

 

『そ、それは失礼致しました。話を続けさせて頂きます』

 

『どうぞん』

 

『では、貂蝉とは何者であるか。この外史を巨大な演劇で例えるならば三国志の将は

 演者、役割を明確に与えられている。では、居ても居なくても物語に支障が無い

 貴女は。そう、演者ではない貴女は枠組みの外から来た、私と同じ来訪者。

 故に異なる外史に一人しか存在しない』

 

『…待ちなさい。それでは矛盾が生じるわ。それは貴方、北郷一刀。その推理に

 基づくなら、私と同じく来訪者である貴方も無数の外史に存在しないと言う答えを

 自分自身で示しているわ』

 

『確かに、私も貴女と同じ来訪者であり異端者。しかし、私は貴女と決定的に違い、

 全ての外史に共通する人々の希望の象徴、その役割が約束されている。

 それは…』

 

 

―――――天の御使い―――――

 

 

 

 

 

 


 
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