続々アナハイム社派遣社員日記
0088 04.07 トリトン基地第3MSハンガー
……ガヤガヤガヤガヤガヤ……
今日がヘイズルカスタムの試験初日ということも有ってか、ハンガーの内や外から眺める基地職員達が大勢いる様だ。
騒がしいなぁ…と、思いながら私は、パソコンに表示されるコンディションをチェックしながらパイロットのエイガー大尉に声を掛ける。
『大尉!本日は基本性能と標準装備される予定のビームライフルとビームサーベルのDATA取りです!よろしくお願いします!』
先程から周囲で発生している騒音に負けない様に大きい声でエイガー大尉に説明する
『了解、よろしく頼む。』
エイガー大尉の了承を聞き起動シークエンスを開始する。
重機特有の重低音を響かせ、世に初めてガンダムと呼ばれたMSと同じカラーリングを施した私達のガンダムが初めて大地に立った。
同日午後 ユウナ私室
結果は中々上々だった、元々が宙間戦闘機だったが大気圏内でもかなり動ける事が今回証明され、上司に報告しようとしたが不在だった為、同じ職場の先輩に報告した。
その際、
『………ふん…ふんふん…了解だよ〜、どう其方は?もう慣れた?』
先輩が心配してくれたのか質問してくる。
『はい、此方の部隊の方々も良い方ばかりなので私も気が楽です、もう同年代の娘と友達に成りましたし。』
私は素直に先輩に感想を述べる、事実フェイとは友達と言っても差し支えないだろう。
『ほーー、ユーちゃんにねぇ〜たった数日で友達ィ……へぇー、あの人見知りだったユーちゃんがねぇ…』
先輩が何か言っているがとりあえず聞こえないふりをする。
『………あっそうだ!近直私達も其方にお邪魔しに行くからその時は宜しくね。』
ん?何故こっちに?と質問すると、
『んふふ〜な〜いしょ!その時は良い物持ってってあげるからね〜じゃね〜』ープッー
先輩は自分の言いたいことを言って通信を切ってしまった。
何だ?何しに来るんだ?あの破天荒女子は?
まぁ先輩が此方に来ると言っても納期が間に合わなかった他のパーツを運んで来るだけだろうなぁと思いながら残りの報告書を打っている。
報告書を作製していると不意に眠気が襲って来た。
なんだかんだであの、明るく騒がしい先輩の顔を見てホッとしたのか、急にまぶたが重くなってきた……あぁ報告し…ょ……書………ゃ……Zzzz………zz
同時刻
アナハイム社月面第49ハンガー
『ふふ、ふふふ…あのユーちゃんがねぇ…』
通信を切った先輩と呼ばれていた女は、始めてあった頃の彼女の様子を思い出して笑っていた。
数年前
『ユ、ユー、…ユウナ・クローウェルと申しましゅ……ううっ噛んじゃった……』
あの娘は初めはこんなだったな〜と初対面の時を思い出していた。
???『おい、セレス!準備できたのか?そろそろ出発だぞ。』
思い出し笑いをして居ると初老期に入ったと思われる男性が声を掛ける。
『あれ?もうそんな時間ですか?了解です、準備は出来てますので参りましょうか。………ふふっ、ユーちゃん驚くだろうな〜……』
セレスと呼ばれた女性は男性に対して返事を返し、男性と共にハンガーを後にした、去り際に横目で自ら準備したMSを確認して男性に聞こえない位小さい声で呟いていた。
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続きました、気が向いたらご覧くださいな。