No.768142

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

外伝~援軍の鼓動~前篇

2015-04-01 00:16:05 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1842   閲覧ユーザー数:1702

~レウィニア神権国・王都プレイア・王城~

 

「―――久しいですね、セリカ。異なる世界にて滞在し、しばらく留守にしていたようですが……異なる世界での貴方の役目も終わったのですか?」

「……ゼムリアの存在も既にお前の耳に届いていたか。」

(まあ、お前や嬢ちゃんたちと親しい間柄であるレヴィア嬢ちゃんはゼムリアの存在を知っていたからな。大方レヴィア嬢ちゃんが報告したのじゃろう。)

水の巫女が既にゼムリア大陸の存在に気付いている事にセリカは呆れ、ハイシェラは自身の推測をセリカに伝えた。

 

「――まあいい。水の巫女、双界の破壊を防ぐ為に今は戦力がいる。一部でもいいからレウィニア軍をゼムリアに派遣する事は不可能か?」

「貴方が私に軍の派遣を頼む日が来るとは……少し見ない内に変わりましたね。貴方の”第一使徒”が貴方の元から去った時期の前後あたりに妙な水の流れを感じましたが…………――――それで異なる世界で何があったのですか?」

そしてセリカは水の巫女に事情を説明した。

 

「……………………なるほど。――――――いいでしょう。貴方の要望通り異なる世界で起こる決戦にレウィニア軍も派遣するようにしましょう。」

「……俺が言うのも何だがそんな簡単に決めていいのか?」

(あまりにもあっさりと決めると、逆に妖しいだの。)

水の巫女の口から出た予想外の答えにセリカは目を丸くし、ハイシェラは真剣な表情で呟き

「―――ですが一つ条件があります。」

(そら来た。一体どんな無茶要望を突きつけるつもりだの。)

次に出た水の巫女の言葉を聞いたハイシェラは呆れた表情をしていた。

 

「何だ?」

「異なる世界にレウィニア軍を派遣するにしても異なる世界の転移門を管理しているのはメンフィル。セリカ、貴方がレウィニアの外交官の代わりを務め、”闇王”達に異なる世界―――ゼムリア大陸へのレウィニア軍の派遣ができるように説得してください。」

「何……?俺がリウイ達を説得しろだと?」

(セリカが外交官を務められる訳がないのに、何を考えておるだの。)

水の巫女の口から出た予想外の条件にセリカは眉を顰め、ハイシェラは呆れた表情をしていた。

 

「彼らと”絆”を結んだ貴方にしかできない事です。―――なお貴方の補佐にレヴィアを付けるように手配しますので、レウィニア軍の派遣の件は貴方に託します。」

セリカに伝え終えた水の巫女はただの石像へと戻り

「………これは”借り”だからな………」

それを見たセリカは静かに呟いた後その場から去って行った。そして数時間後水の巫女の”神格者”の一人であり、レウィニアの将軍の一人でもあるレヴィア・ローグライアとセリカの屋敷を訪れていた。

 

~数時間後・セリカの屋敷・セリカの私室~

 

「セリカ!ようやく戻ってきたと思ったら、巫女様に何を言ったんだ!?お前が外交官等務まる訳がないだろうが!?しかも相手国はよりにもよってあのエディカーヌとも盟友の関係であると疑われているメンフィルだと!?一体今まで何をしていた!?」

金髪の麗人騎士――――水の巫女の”神格者”の一人にして名門”ローグライア家”の当主であるレウィニア神権国第十一軍『白地龍騎士団(ルフィド・ヴァシーン)』を率いる騎士団長――――レヴィア・ローグライアは憤慨した様子でセリカの私室の扉を勢いよく開けて入って来た。

「何だ、もう来たのか。―――行くぞ。」

レヴィアの訪問にセリカは驚く事無く自身の荷物を持ってレヴィアに近づいた。

 

「お、お前という奴は………!―――それで行くと言ったがどこに行くつもりだ。」

セリカのマイペースさに顔に青筋を立てて身体を震わせていたレヴィアだったが、長年の経験から怒鳴っても無駄とすぐにわかっていた為気を取り直して尋ねた。

「メンフィルの帝都―――”ミルス”だ。」

「な―――――」

そして自分の答えに絶句しているレヴィアに近づいたセリカは”帰還の耳飾り”を使い、ミルスへと転移した!

 

~聖魔の帝都ミルス~

 

「なっ!?転移魔術……いや、魔道具か。セリカ、一体どこに転移した?」

突然の出来事に驚いたレヴィアだったがすぐに落ち着き、真剣な表情でセリカに尋ねた。

「……先程ミルスに行くと言ったが。」

「何だと!?ではここがメンフィル帝国の帝都―――”ミルス”なのか!?」

セリカの口から出た信じられない答えを聞いたレヴィアは信じられない表情で叫んだ。

 

「―――行くぞ。」

「おい!?今度はどこに行くつもりだ!」

歩き出したセリカの突然の行動に驚いたレヴィアは慌ててセリカを追いかけて尋ねた。

「城だが?」

「帝城だと!?まさか面会の約束も無しに行くつもりか!?おい待て、セリカ!というかそれ以前にまず私に詳細な説明をしろ!私はまだ何も聞かされていないのだぞ!?」

そしてレヴィアはセリカに説教をしながらセリカと共にマルーダ城へと向かい始めた。

 

~30分後・マルーダ城・客室~

 

「―――では”風の女神(リィ・バナルシア)”教もゼムリア大陸の決戦に加勢するという事で構わないか?」

30分後シルヴァンはリウイと共に客室で天使と対面していた。

「―――はい。ですがその代わり……」

「――わかっている。”風の女神(リィ・バナルシア)”教がゼムリア大陸でも布教ができるようにメンフィルが最大限に協力する。それで問題ないのだな?」

天使―――”風の女神(リィ・バナルシア)”に仕えている天使モナルカの言葉の続きをリウイは答えた後真剣な表情で尋ねた。

 

「ええ。では私はゼムリア大陸での決戦に参戦する騎士達の編成がありますので本日はこれで失礼しますわ。」

「……その口ぶりだとモナルカ殿も此度の決戦に参戦するのか?」

モナルカの言葉を聞いてある事を察したリウイは尋ねた。

「はい。メンフィルと何度か面識のある私が適任との事なので。―――それでは今度こそ失礼しますわ。」

リウイの質問に答えたモナルカは客室から出て行った。

 

「リウイ様、シルヴァン陛下。少々よろしいですか?」

モナルカが退室して少しすると扉がノックされ、ペテレーネの声が聞こえて来た。

「ペテレーネか?ああ、別に構わん。入れ。」

「―――失礼します。リウイ様、シルヴァン陛下。その……セリカ様がレウィニアの”使者”としてお二人を尋ねてきたのですが如何なさいますか?」

入室したペテレーネは戸惑いの表情でリウイとシルヴァンにとって青天の霹靂ともいえる出来事を口にした。

 

 

 

と言う訳で今回の話でわかったかと思いますがレウィニア軍とモナルカの参戦が決定しましたwwなお参戦するレウィニア軍のキャラは当然レヴィアとレフィンは確定していますwwひょっとしたらレクシュミも参戦するかもしれません(汗)この小説では初登場なのに、早速セリカのマイペースに振り回されるレヴィアはマジでドンマイですねwwちなみに今回の話は前篇ですから、当然後篇もあるという事……つまりエウシュリー陣営の援軍は他にまだいるという事です(ニヤリ)


 
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