Spirit World -07-
「カタリナ…生きてたのか…!」
目の前にいる小さな体に白髪の少女はすぐに俺の頬から手を放し
後ろに居る彼女、高薙セナに殺気を掛けていた。
「カナタ、話は後じゃ。こやつは…なぜおぬしと居るのじゃ。」
「え、いや、道で偶然。」
すると、セナはクスクスと笑い始める。
「え、どうしたのセナさん…?」
この展開…なぜかわかってきた気がする。
あれだよね。あのー、悪い人っていう。
「あははっ!だって、すぐハマっていくんだもん!?私の策略にさ!?それにしても、偶然だったなぁ?」
「おぬし、あのブラズの血力がすこしばかりそなたから感じ取れるのじゃ。まさかとは思うが…」
その言葉を遮り、セナは問う。
「もんだーい。私とブラズはどういう関係でしょうか!正解はぴんぽーん。同じ組織です☆」
いやいや、答えられる時間すらなかったよ!?
でも、待てよ。ということは…
その思考を考えている間に彼女は拳で俺の腹筋を一瞬で貫き
カタリナの頬を、左拳で殴る。
飛ばされたカタリナは、また飛んできた右拳を左拳ではじき
右拳でカウンターを行う。
その小さな拳は彼女の頬にヒットし、セナはタンスに吹き飛ばされる。
「カナタ!大丈夫か!」
あれぇ。俺弱いなぁ…
簡単に貫かれちゃったよ…
この腹。柔らかいなぁ。
プリンか。豆腐なのか。
はぁ…今度こそ死んだなぁ…
――リミットブレイク。
またこの声か。
幻聴かな。
――リミットブレイクしろ。
この声…あのときも確か頭の中に響いて。
「おぬしは、おぬしたちは私たちの邪魔をして何がしたいのじゃ!」
拳と拳がぶつかり合い空間の歪みがカナタの傷まで届く。
「もちろん、それは帝王ガルタスの復活阻止!私たちはあいつに苦しめられた!あいつのせいで!家族や大切な人たち!みんなすべて全て全て全て全て!!!!」
「それでも、光が生まれれば影ができる、福なところもできれば貧も生まれる仕方ないのじゃ!それをおぬしはネチネチと!!」
「お前ら、うるせえ!!俺は傷が痛いんだよ!!少しは心配しやがれ!!」
すると、二人はその手を止めてカナタの腹へ目を向ける。
二人はそれをみて、同じことを感じたであろう。
『治っている。』
Spirit World -07-
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話がごちゃごちゃしてきました。
悪い癖だ。
後々解説なども加えていきたいと思います