「先生の口癖は、『だいじょうぶ。』でした。どんなことでも、『大丈夫、大丈夫。』と言って、嫌な顔一つせずにやっていました。そんな先生が僕は大好きでした。でも一つ、先生に言いたいことがあります。先生は病気のことも『大丈夫だ。』と言ってたのに、全然大丈夫じゃなかったじゃないですか。」
僕らの中で生き続けているということは、絶対にない。
いつかは絶対に、全て忘れてしまう。
薄情なようだけれども仕方がないと思う。
何かを忘れないと、人は生きられない。
忘れない奴は馬鹿だし、無駄に不幸だ。
死んだ人間のことをとやかく言っても仕方がないじゃないか。
その仕方がないことをやっても無駄なだけだ。
その無駄なことをやって楽しいですか。
そんなことするぐらいなら、勉強していた方がましじゃないですか。
暗い話は嫌いなんです、僕は。
けれどもこれで、この人のために泣くのは最後だ。
そう感じたら、涙が一粒落ちてきた。
それだけだ。
それで最後だ。
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五分小説です。
読みやすいように書いております。
読んでくださったらうれしいです。
とりあえずお悔みです。