No.75926

天の御遣い帰還する その3

ぴかさん

天の御遣い帰還するのその3です。

住宅問題と金銭問題を解決させるためある人物を登場させてますが、これが皆さんに受け入れられるか不安です・・・。

あと、展開が急すぎて楽しめる部分が少ないかもしれません。

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2009-05-27 22:00:50 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:12720   閲覧ユーザー数:10075

簡単なあらすじ・・・

 

 

武将が女の子ばかりという不思議な三国志の世界から戻ってきた北郷一刀。

落胆する彼の目の前に、彼の世界で天の御遣いの訪れを予言した管輅が現れる。

 

管輅が言うには、この世界は元々一刀が居た世界である。

だが、同時に一刀の望んだ世界でもあるのだという。

 

一刀の望み・・・それは別れてしまった彼女たちとの再会である。

その言葉通り、管輅と別れた彼は桃園の誓いをした桃香、愛紗、鈴々の3人と再会する。

さらには、朱里と雛里という蜀の軍師コンビ。

食事のために訪れたファミレスで星と出会う。

 

順調にみんなと再会していく一刀であったが、はてさて・・・。

 

 

ご主人様や主ではなく名前で呼ぶようお願いしてからもしばらくファミレスで涼んでいた。

だが、お昼に近づくにつれ店内は混み合い始め、もうそろそろ出ないといけないような雰囲気になってきた。

別に長居しても差し支えないような注文を(主に鈴々が)していたが、その雰囲気以上に他のみんなが心配というのもあり店を出ることにした。

お店に入る前は、一葉さん位は残ると思われた一刀の財布だったが、実際には英世さんが数枚にまで激減。

会計を終えた一刀は、orzな状態であった・・・。

 

 

外に出た一行を迎えたのは、太陽からの容赦ない日差しだった。

ファミレスの店内との寒暖の差は激しく、出た瞬間に足が止まってしまった。

そして、口々に暑さへの不満を漏らす中、雛里が話しかけてきた。

 

雛里「あの・・・一刀・・・さん。」

一刀「ん?雛里どうしたの?」

雛里「皆さんを捜すのはいいとして、私達はこれからどこに住めばいいのでしょう?」

一刀「あっ・・・。」

 

みんなを捜す事ばかりに気を取られて一番大事な事を失念していた。

桃香達の住居である。

一刀には男子寮がある。

その男子寮に住まわせるのは、広さ的にも教育的にも良くない。

とはいえ、ホテルに住まわせるほど金銭的な余裕もなく、野宿は慣れているかもしれないが、この世界は野宿には適さない。

なにより、女の子を野宿させるというのは一刀の信念に背く行為だった。

だが、いい方法が思い浮かばないのも事実である。

一刀が色々考えを巡らせていると話しかけてくる人物が居た。

 

 

??「あら、北郷君じゃない。」

一刀「寮母さん。」

 

そう、それは一刀が住む男子寮の寮母だった。

買い物帰りなんだろう、手にはスーパーのビニール袋を抱えていた。

早速桃香達に寮母を紹介する。

お返しとばかりに桃香達も自己紹介をする。

 

桃香「初めまして。私は姓を劉・・・。」

一刀「あっ、この子達は・・・。」

 

桃香達の自己紹介を一刀が遮った。

よく考えたらこの子達の本名は、太古の英雄の名前だ。

三国志の武将の名前と言ったら、日本人ならほとんどの者が知っているだろう。

そんな名前を紹介されたら混乱されるだけだ。

そう思い、自己紹介を遮ったわけだがとはいえいい紹介方法が思い浮かばない。

一刀が悩んでいると、答えは意外なところから来た。

 

寮母「知っているわよ。留学生さんでしょ?何でも三国志の英雄の子孫とか。凄いわねぇ。」

一刀「えっ!?」

寮母「あら?違うのかしら?」

 

意外な答えに驚く一刀であるが、ここは話を合わせておくのがいいだろう。

桃香達もその方がいいと思い、特に口を出さないようにした。

 

一刀「あっ、そうなんですよ。」

寮母「でも、聞いていた人数よりも少ない気がするけど?」

一刀「まだ到着していない人もいるので。」

寮母「そうなのね。でも、こんなところで立ち止まっていたら熱中症になっちゃうわ。女子寮に連れて行ってあげなきゃ。」

一刀「女子寮?」

寮母「理事長がおっしゃってたわよ。新しく留学生が来るから女子寮に部屋を確保するって。」

一刀「そうですか。」

寮母「北郷君。ちゃんと連れて行ってあげなさいよ。それじゃ、みなさん。またね。」

 

そう言うと手を振りその場を後にした。

 

寮母が見えなくなると、一刀ははぁっとため息をついた。

 

雛里「これで・・・住む場所は大丈夫そうですね。」

朱里「そうですね、一刀・・・さん。」

 

雛里の言葉に、ためらいがちに話す朱里。

愛紗と星はうんうんとうなずいているが、桃香と鈴々は首をひねるばかりだった。

 

桃香と鈴々はひとまず置いて一刀達は女子寮に向けて歩き出した。

蚊帳の外状態の桃香と鈴々は怒るが、女子寮へ向かっている間に一刀が状況を説明した。

 

桃香「じゃあ、これからはそのじょしりょう・・・とか言う場所に住むのね。そう言ってくれればわかったのに。」

鈴々「鈴々もなのだー!!」

 

一刀の説明では、納得は出来ても怒りは収まりそうにない。

一刀に愛紗と朱里の3人でようやく2人の怒りを収めタイミング良く女子寮の前に着いた。

 

 

その女子寮の入り口のガラスを拭く女性が居た。

桃香以上の胸の膨らみを持ち、大胆な切り込みの入ったチャイナドレスを着たその女性を見て驚いた。

そして、一刀はためらいがちに言う。

 

一刀「もしかして・・・紫苑?」

 

その言葉に女性が振り向いた。

それは紛れもない黄忠こと紫苑その人であった。

 

紫苑「ご主・・・一刀さん・・・。」

 

ガラスを拭いていたぞうきんを投げ捨て一刀に駆け寄り抱きしめる紫苑。

一刀も抱きしめたが、顔が胸に埋まるようになってしまい正直息苦しかった。

 

一刀「紫苑・・・苦しいよ・・・。」

紫苑「あっ、ごめんなさい。」

 

一刀の言葉に抱擁をやめる紫苑。

そして、他のみんなにも気付いた。

 

紫苑「皆さんもよく無事で・・・。」

桃香「紫苑さんも相変わらずみたいですね。」

 

普通に話す桃香だったが、そこには明らかに殺気が篭もっていた。

紫苑は、そんな桃香の発言を知ってか知らずかスルーした。

 

紫苑「一刀さん、どうしてここに?」

一刀「あ、それは・・・」

 

紫苑にこれまでの事を説明した。

そして、逆に聞いてみた。

 

一刀「紫苑はなぜここに?」

紫苑「それは・・・。」

 

紫苑の説明だとこういう事だ。

 

気が付くと璃々と2人、この女子寮のそばに佇んでいた。

途方に暮れていると、理事長と名乗る人物が現れ、紫苑を学園の保健医にしたいという事を言われた。

さらに、この世界の事を説明され紫苑も納得して引き受ける事にした。

ただ、学園は夏休み中なのでその間は女子寮の管理をして欲しいとの事だった。

 

一刀(なんだ、そりゃ。)

 

色々な事が怪しい。

多くの問題が解決しそうなので、一刀としては願ったり叶ったりではあるが、どうにも気持ちが悪い。

 

一刀(理事長って桃香達の正体を知ってるんじゃ?)

 

一刀は理事長の事を思い出した。

祖父の友人という事で何度か会った事があるが、普通の好々爺という風体だった。

うーんと腕を組み考えていると、袖が引っ張られた。

 

桃香「一刀さん、早く入ろうよ。」

一刀「そうだな・・・って、俺は無理だよ。」

桃香「なんで?」

一刀「だって女子寮だよ。」

 

女子寮と言えば男子禁制だ。

そんな事を説明する一刀であったが、桃香を始めみんな納得できている様子ではなかった。

と、ここで助け船が出た。

 

紫苑「入り口のエントランスっていうのかしら。そこまでなら男性でも入れますよ。」

一刀「えっ?」

 

初耳だった。

それもそのはず、一刀は女子寮に用事があった事が無くそう言った決まり事にも無頓着だった。

 

桃香「入れるって。行こう!!」

 

桃香に引っ張られるようにして女子寮に入った。

 

 

自動ドアを抜けると、そこはまるでホテルのフロントロビーを思わせる荘厳な造りになっていた。

所々にテーブルとソファーが置かれ、本棚やジュースの自動販売機も置いてあった。

あのオンボロ男子寮と雲泥の差だった。

 

桃香「うわあー、凄いねぇ。」

愛紗「光り輝いて見えます。」

鈴々「おー、壁に鈴々が映って見えるのだ。」

星「これからここに住むのか・・・。」

朱里「雛里ちゃん!!本がいっぱいあるよ。」

雛里「本当だ!!」

 

桃香と愛紗、星の3人はこの状況に驚き、鈴々は磨かれた壁に自分の姿が映っているのが面白いらしく色んなポーズを取っていた。

朱里と雛里は、本棚を見つけ本を取ろうと駆けだしていく。

 

一刀も外からは見た事があっても中を見るのは初めてで、そのギャップに唖然としていた。

 

紫苑「一刀さん・・・。」

 

紫苑の言葉に、我に返った一刀はみんなを呼び近くのソファーに腰掛けた。

そして、これからの事を改めて協議した。

まず、各人の部屋であるが準備がまだ出来ていないので、夕方までは入居は無理という事だった。

それについては準備が出来るまでこのエントランスにいれば問題ないという話になった。

さらに、他の仲間を捜す話だがそれは手分けをして行う事になった。

しかし、一刀以外この周辺の地理は詳しくない事がネックとなったが、それは周辺地図をコピーして目印を付けてみんなに渡す事で解決した。

手分けするメンバーは、桃香と星、愛紗と雛里、鈴々と朱里、そして一刀という4組に分かれる事にした。

この振り分けも一刀と一緒に行くと聞かない桃香を何とかなだめて実現した。

紫苑がメンバーにいないのは、現在女子寮の管理人という立場でおいそれと外出するわけにはいかなかった。

それに・・・

 

紫苑「璃々が寝ていますから・・・。」

 

そう言って管理人室を指さした。

寝ている璃々を置いていけないという事だろう。

一刀は時計の見方をみんなに教え、とりあえず2時間後にここに戻るというプランを立てた。

 

そして、探しに行こうとした時に紫苑に聞いた。

 

一刀「さっきから俺の事をご主人様じゃなくて一刀さんって呼んでいるけど何かわけがあるの?」

紫苑「それは・・・、その理事長って人に言われたんです。『ご主人様と呼ぶと困るだろう』って。」

一刀「・・・。」

 

ますます理事長が怪しく感じる一刀であった。

 

 

あとがき

 

現代に戻ってしまった天の御遣い北郷一刀君の物語その3です。

 

その1に続き、その2もたくさんの支援&感想ありがとうございました。

何とか頑張ってその3を書いてみました。

 

うーん・・・、色々と展開が無理矢理過ぎますね。

住居や金銭問題を一気に解決するため、理事長というフリーキャラを出しました。

一学生の一刀君では養えないのは目に見えてますのでご了承下さい。

 

とはいえ、こんな展開賛否両論が出そうでちょっとビクビクしてます(x_x)

 

紫苑に関しては、何となく学校の保健医が似合って居るんじゃないかなという事で

無理矢理こんな感じで登場させました。

 

ひとまず、ここで一区切りを付けたいと思います。

次からは、4組に分かれたメンバーが仲間捜しをするわけですがどんな感じになるか・・・。

色々検証してから書こうと思ってます。

 

ご覧いただきありがとうございました。


 
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