No.757865

世界に一つだけの花

さん

過去捏造系です。
原作のイメージを損なう場合があります、苦手な方は閲覧をご遠慮ください。
タイトル元ネタはスマップ(或いは槇原敬之)

2015-02-11 23:19:40 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:920   閲覧ユーザー数:895

「ねえプロデューサー、ちょっと訊いても良い?」

「はい」

 凛とした雰囲気の女子高校生、渋谷凜がスーツの男性に話しかける。

 話しかけられた男性、武内は高身長、三白眼で無表情、貫録を感じさせる重低音な声音と、近寄り難い雰囲気だ。

 場所は老舗芸能事務所346プロの新築ビル、その30階に特設されたシンデレラプロジェクトルーム。

 二人は新人アイドルとプロデューサーと云う関係だ。

「もしかして前に会った事ある?」

「はい」

「ええっ!? そうなんですか!?」

 驚いたのは凜ではなく、凜と同じくシンデレラプロジェクトの新人アイドル、島村卯月。

 クールな凜とは対照的に、表情豊かな少女。

「それならそうと言ってよね」

「すいません……」

 呆れ顔の凜と、表情を変えず、首に触れる武内。

 

 とある日の夕方。

 武内は職場の事務員の女性に買い物を頼まれていた。

 花屋の前に立ち竦む武内、首に触れている。

 店内から凜が顔を出す。

「何かお探しでしょうか?」

 笑顔で尋ねる少女に、武内は内心ハッとする。

 少女の笑顔が花の様だと思った武内だったが、口下手な彼は伝える事が出来なかった。

「何を買えば良いのか、わからなくて」

「色々あって迷いますよね、どれも皆綺麗ですから」

 

「あ! なんだかあの歌みたいですね!」

 卯月が朗らかに発言し、回想を遮る。

「卯月……、いや、私もそんなに覚えてなかったんだけどね」

「すみません、私も。それより」

「ん?」

「聴かせていただけませんか、歌を」

「えっ」

 首に手を当てながら要求する武内に、凜は困惑する。

「私も聴きたいです!」

「うう、わかったから……」

 目を輝かせながら要望する卯月に、凜はたじろぐ。

 そして歌い出す凜。

 たどたどしくも透き通った声で。

 百人百様の花の歌を。 

 訊き惚れる卯月と、無表情ながらも聞き入っている武内。

 そこへ未央が現れる。

「えっ? 何々? 何してるとこ?」

 半目で未央を見返す凜と卯月、首に手を当てる武内。

 三人を見て未央は首を傾げる。


 
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