No.756955

真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第五十八回 第四章:潼関攻防編①・波乱の予兆

stsさん

みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

約1時間の遅刻となってしまいましたが、今回から新章突入です!

潼関といえば、ついにあの娘たちの登場です!

続きを表示

2015-02-08 01:17:53 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:4105   閲覧ユーザー数:3492

 

【益州、成都】

 

 

陳宮「―――というわけなので、官渡で袁紹を撃破した曹操は、河北四州をも手中に収め、中原も含め、圧倒的な大勢力と

 

なっているのです。加えて帝を庇護しているという立場もあり、大陸統一に最も近い勢力と言えるのです」

 

 

 

夏の暑さが集中力を削いでいく嫌な時節、成都城ではまだ涼しいうちの朝早くから朝議が行われていた。

 

 

 

北郷「うーん、ということは、曹操軍にとっての目の上の瘤は、江東の孫策軍、荊州の劉表軍、涼州の馬騰軍ってとこか」

 

 

厳顔「甘いなお館様。先の合肥での霞の戦いぶりは間違いなく曹操軍の目に留まっております。出過ぎた杭は打たれるのが

 

乱世の慣わし。我が軍も曹操軍にとって瘤となっておりましょう」

 

 

 

厳顔の言う通り、合肥での張遼の暴れ様は曹操に限らず大陸中に広まっており、

 

江東では張遼の名を出しただけで、泣いている子供が恐怖から泣き止むとまで言われていた。

 

 

 

魏延「しかし桔梗様、むしろ曹操軍にとっては強力な戦力を得たと思うところではないのですか?ほら、なんと言いますか、

 

お館は使いやすいというか」

 

 

北郷「ははは、サラッとひどいこと言うなぁ」

 

呂布「・・・・・・一刀は優しい」

 

 

 

北郷にとって耳の痛い、ストレートな魏延の見解に、呂布がただ一人フォローを入れた。

 

 

 

陳宮「確かに焔耶の言うことも一理あるのですが、我らが心の底から曹操に忠誠を誓っているわけではないことを、曹操は

 

知っているはずなのです。となると、やはり手に負えなくなる前に潰すというのが一番考えられるのです。ねね達が曹操軍

 

に従うのも、かつて下邳で見逃してもらったという借りがあったからに過ぎないですし、それも合肥で借りは返したとでも

 

主張してしまえばそれまでなのです」

 

 

 

北郷軍にとって曹操に従うのは借りがあるから。

 

つまり、陳宮の言うような言い分が通用するのなら、もはや北郷軍は曹操軍に従う理由はないのである。

 

そして、この考えは当然曹操軍にとっても容易に想像がつくことであり、

 

曹操軍が北郷軍を完全に敵視する可能性は十分考えられることであった。

 

 

 

鳳統「私も桔梗さんやねねちゃんと同じ意見です。恐らく、次は南下して曹操軍の次に巨大な勢力である江東一帯を手中に

 

収める孫策軍を潰しに行くか、或いは西へ進み、馬騰軍を中心とする涼州の群雄や私達益州を押さえて体制を盤石にするか、

 

のどちらかだと思われます。荊州の劉表軍については表立った態度は示していませんが、明らかに曹操軍に対して従順気味

 

ですし、恐らく曹操軍が南下するに当たっても、荊州を通ったところで何も言わないでしょうから」

 

 

高順「相変わらずここは情報が入りにくいですから、なかなか曹操軍の動きを把握しずらいのが辛いところですね・・・」

 

 

 

益州地方に大陸中央の情報が入りにくいのは北郷たちが益州に入る前からある問題であり、

 

北郷たちも各地に間者を放つなどして情報を集めてはいるが、

 

それでもやはり大陸中央から離れているということもあり、

 

情報面に関しては後れを取るということがしばし起きており、現在益州の抱える問題の一つであった。

 

 

 

張遼「ほんなら、いっそのこと馬騰と同盟組んだらええんちゃう?ウチらと涼州が組んだら勢力もそこそこになるやろし、

 

曹操も簡単には手ぇ出せへんくなるやろ?」

 

 

厳顔「確かに、涼州の馬騰殿は劉璋様の母君でかつての成都領主、劉焉様とは親しい間柄だったが、劉焉様が亡くなられて

 

からは疎遠になっておるぞ?」

 

 

魏延「あのアホガキが変に意地を張って、領主就任以後馬騰の手を借りるのを拒んでいたのも大きいだろうな。それに、元々

 

涼州の奴らは外交に関しては排他的な傾向だからな」

 

 

 

劉璋の領主就任の頃は、諸々の事情によって劉璋がグレていた時期であり、

 

そのせいもあって劉璋の領主就任以来数年間、成都と馬騰軍は一切のかかわりを持っていなかった。

 

また、特に馬騰は異民族である羌族の血を引くと言われ、そのせいか漢民族に対して排他的な傾向があった。

 

 

 

陳宮「ですが、実は同盟も一つの案としてあるのですよ」

 

北郷「どういうことだ?」

 

鳳統「それは、恋さんの前の主君、董卓さんが涼州出身だということに関係があります」

 

 

 

北郷の質問に答えたのは、鳳統であった。

 

 

 

呂布「・・・・・・恋?」

 

 

 

突然自身の名前が話に出て、呂布は不思議そうにキョトンとした表情をしていた。

 

 

 

鳳統「はい、世間では董卓さんの評判はあまり良くありませんでしたが、一方涼州では地元一の出世頭として評判が良いと

 

聞いています。恐らく、そんな董卓さんの一の将だった恋さんがいるとなると、同盟の話も上手く進む可能性が高いという

 

ことです」

 

 

 

たとえ世間的な評判が悪かったとしても、地元の者が権力者として成功することは、

 

地元民にとって嬉しく、そして誇らしいものである。

 

 

 

高順「つまりこれまで通り他と交わらない選択を貫くような頭の堅い人物か、それとも世論を尊重するような柔軟な人物か、

 

ということですか」

 

 

北郷「なるほど、だったら同盟を組んだらいいんじゃないかな?別に馬騰さんって悪い人じゃないんだろ?」

 

 

陳宮「それが分かればもっと早くに同盟の話が議題に挙がっているのですよ。焔耶も言ってたように、涼州は排他的ですし、

 

そもそも涼州は複数の群雄の集まりといった特殊な地域。当然、馬騰も近隣の群雄達との折り合いもあるでしょうし、中々

 

一筋縄ではいかないと思われるのです」

 

 

鳳統「何とか馬騰さんの関係者と会うことができればいいのですが・・・」

 

 

 

鳳統のつぶやきから、しばしの間沈黙がこの場を支配していたが、やがて、その沈黙を陳宮が破った。

 

 

 

陳宮「―――このまま黙っていてもどうにもならないです。ひとまず、今回は皆の涼州軍との同盟に関しての感触だけでも

 

確かめられたので御の字とするですよ。この件については、南蛮対策、江油・剣閣・漢中の防衛力強化と並ぶ軍略上最重要

 

事項とすることとし、踏み込んだ内容については次の機会に預けるということでよろしいですな?」

 

 

北郷「ああ、そうしてくれ」

 

 

 

止まりかけていた朝議であったが、進行の役目をきちんと果たした陳宮によって再び動き出した。

 

 

 

陳宮「では、最後の議題ですが・・・一刀殿の旗ので、でざ・・・朝議前に聞こうと思っていたのですが、なんなのですか、

 

これは?」

 

 

北郷「待ってましたっ!」

 

 

 

すると、陳宮の眉根を寄せた表情と疑問の声、そしていったい何事かという周囲の空気など、

 

我関せずと言わんばかりのテンションの高さで、北郷は椅子の後ろに隠してあった何かを取り出した。

 

 

 

北郷「ジャジャジャジャーン!!」

 

 

 

そして、謎の効果音を口にしながら取り出したのは、碧緑色の大きな布であった。

 

中央には大きな丸に“十”の一字が描かれている。

 

 

 

陳宮「・・・なるほど、この『北郷の旗の‘出坐印’について』とは旗の意匠についてでしたか」

 

北郷「どうかなっ!?」

 

 

 

さらに、陳宮のやや不満げな表情をよそに、北郷は満面のドヤ顔で是非について問うた。

 

 

 

高順「どうか、と聞かれましても・・・」

 

 

北郷「ほら、今まで使っていた本陣の軍旗って劉の一文字だっただろ?でも、劉璋本人が不在なのに劉旗を掲げるのも変な

 

話だってずっと思っていたんだ。だから、劉旗は劉璋が戻ってくるまで大事にしまっておくとして、それまではオレの旗を

 

掲げたいわけなんだよ。別に劉璋が戻ってきた後でも、オレがそのまま使えばいいわけだしな」

 

 

張遼「けど、なんで真ん中の字が“十”やねん。一刀やったら“北”やろ?・・・ん?“北郷”か?」

 

 

 

北郷が長々と自身の旗製作を思い立った経緯について語ったところ、

 

張遼は恐らくこの場の誰もがツッコみたいであろうことを代表してツッコんだ。

 

 

 

北郷「ふっふっふっ、よくぞツッコんでくれた霞君。だが、それについてはちゃんと理由があるのだよ」

 

 

 

しかし、張遼のツッコミに対して北郷は予定通りと言わんばかりに、

 

北郷がこの世界に降り立って以来の、指折りのウザさで切り返した。

 

 

 

北郷「くっくっく、オレの世界では、それぞれの一族に家紋っていう紋があってだな、オレの場合は、この丸に十の紋なの

 

だよ。これを世にいう北郷十字というっ!」

 

 

 

そして再びキメのドヤ顔。

 

朝議場の温度が急激に冷めていくのが誰の目から見ても明らかであった。

 

 

 

鳳統「・・・て、敵が見ても、誰かわからないでかもです・・・」

 

張遼「スベッてるで」

 

魏延「分かりにくい」

 

高順「ないです」

 

陳宮「馬鹿なのです」

 

 

 

そして、皆の口から出た言葉は迷いないNoの言葉か、あるいはそれに類する罵倒であった。

 

 

 

厳顔「・・・・・・評判は最悪のようですな、お館様」

 

北郷「ひどいよみんなっ!せっかく作ったのにっ!」

 

 

 

北郷は皆の容赦ない却下に言葉に涙目になりながら憤慨している。

 

 

 

呂布「・・・恋はかっこいいと思う」

 

北郷「ありがとう、恋!オレの味方は恋だけだよ!」

 

 

 

そのように、またもや唯一の味方となった呂布に対して感涙する北郷であったが、

 

その後もやいのやいのと北郷の旗印について不毛な議論が交わされる中、兵士が朝議場の中に駆け足で入ってきた。

 

 

 

兵士「朝議中失礼します!城門前にて御遣い様のお会いしたいと申しているものが来ております!」

 

北郷「オレ?まさか直談判ってやつか・・・やっぱ目安箱の設置も早いことしないといけないな・・・いったい誰だ?」

 

兵士「その者は―――――――――!」

 

一同「―――――――――ッ!!??」

 

 

 

しかし、兵士の口から飛び出て来た名前は、この場の誰もが想像だにしない名のある人物であった。

 

後に、北郷軍誕生以来の、長きにわたる、そして最も過酷な波乱の幕開けになるのだが、

 

この時はまだ誰も知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

【司隷、長安城】

 

 

時は少しさかのぼり、曹操軍が官渡の地にて袁紹軍を破り、一方合肥の地にて孫策軍を破るなど、

 

曹操軍の急進撃に大陸中が色めきだっていた頃から早数年。

 

大陸では厳しい冬を終え、ようやく春が訪れようとしていたが、ここ司隷長安では、

 

春になると辺り一面に漂っていた香しい花の香りとは縁遠い、血生臭い空気が漂っていた。

 

 

 

張済「・・・樊ちゃん・・・まだ、生きてるよね?」

 

樊稠「・・・当然・・・ですわ・・・」

 

 

 

長安城下の片隅で身を潜めている手負いの女性たちは、かつては郭汜、李傕と並び、

 

董卓軍の古参四人衆と呼ばれた猛将であり、現在は曹操軍に敗れ、降将の身である張済と樊稠である。

 

 

 

張済「アイツのせいだ・・・あの鼻血軍師が余計なことを言うから・・・涼州の奴らを突き過ぎたんだ・・・」

 

 

 

手にした槍を肩に預け、荒い息を吐きながらそのような恨みごとをつぶやいた張済は、

 

全身を白金の鎧で覆い、兜に紫色の羽根飾りを閃かせた、歴戦の武将然とした出で立ちであり、

 

かつての仲間であり、あこがれでもあった徐栄そのものであった。

 

胸部の心許なさも相まって、その可愛らしい顔立ちを見なければ、

 

外見は男武将そのものであるが、彼女は紛うことなき女性である。

 

 

 

樊稠「・・・『信頼を取り戻したくば、涼州の地を曹操様に献上せよ』でしたわね・・・今考えれば、わたくしたちの力では

 

到底なしえないことですわ・・・」

 

 

 

一方、巨大な戦斧に腰かけながらそのように嘆いた樊稠は、長いウェーブのかかった黒髪を後ろで一つに束ね、

 

白の装束に赤の袴といった、まるで巫女のような装束に身を包んでいた。

 

彼女たちは元董卓軍ということもあり、不本意ながらも曹操軍に降ったとはいえ、

 

良く思っておらず、曹操軍に目をつけられるような行いばかり起こしていた。

 

そのため、曹操軍での居場所を失いかけていたその時、曹操軍の軍師である郭嘉から、

 

信頼を取り戻したければ涼州の地を奪ってみせよと言われたのであった。

 

曹操軍にいるのも不本意だが、曹操軍での居場所を失うことは望ましくなかった二人にとって、

 

この郭嘉の助言は受け入れるほかなく、結果、涼州へと攻め込んだのであったが、

 

そのせいで涼州の群雄達の怒りを買い、逆に涼州勢に攻め込まれ、窮地に立たされてるのであった。

 

 

 

張済「・・・どうせ私達は元董卓軍・・・今回も運が良ければくらいにしか思われてなかったんだよ・・・曹操にとって、

 

私達は捨て駒に過ぎないんだか――――――」

 

 

??「なら、捨て駒らしくさっさとあたしの白銀の槍の錆になりやがれ、このやろー!」

 

 

 

しかし、張済が泣き言を言い終える前に、一騎の騎兵が張済の前に突然躍り出たかと思うと、

 

手にした十文字槍で一突きに張済の喉元を突き刺した。

 

 

 

張済「―――っ!?」

 

樊稠「張済さん!!!」

 

 

 

そして、騎兵が槍を引き抜くと、大量の鮮血が辺り一面に飛び散り、張済は声にならない叫びと共にその場に崩れ落ちた。

 

樊稠の仲間の名を叫ぶ声だけがその場に木霊した。

 

 

 

張済「(・・・樊ちゃん・・・向こうで・・・董卓様や・・・徐栄様に・・・会える・・・かな・・・・・・)」

 

 

 

張済は樊稠に抱き起されるが、樊稠の腕の中で無意味に口をパクパクさせるだけで、言葉は声として現れない。

 

 

 

樊稠「・・・・・・ええ、必ず会えますわ・・・」

 

 

 

しかし、樊稠は答えた。

 

長年共にこの乱世を生き抜いてきたからこそなし得た以心伝心。

 

樊稠もまさかそれが友の遺言になろうとは夢にも思わなかっただろう。

 

 

 

張済「(・・・そう・・・だよね・・・きっと・・・・・・・・・)」

 

 

 

そこで、張済の口は動かなくなった。

 

樊稠はゆっくりと動かなくなった仲間を地に横たえると、改めて仲間の命を刈り取った騎兵を睨み付けた。

 

十文字槍を肩に担いだその騎兵は女性であった。

 

緑翠色を基調にした衣装に身を包み、長い茶色の髪をポニーテイルに結い、緋色の瞳は勝気に満ち溢れている。

 

更に朱色の鉢巻きに凛々しい眉も相まって、全体的に凛とした面持ちである。

 

 

 

樊稠「おのれ錦馬超・・・よくも・・・あぁああああああああっ!!!」

 

 

 

樊稠は巨大な戦斧を無造作につかむと、涼州の群雄馬騰の娘であり、

 

涼州一の猛将と謳われる馬超に向かって戦斧を振り上げた。

 

しかしその時、樊稠と馬超の間に一人の男が割って入った。

 

 

 

??「もはやお主らの負けぞ。お主も、そやつが背を預けた仲間なら、あの世で迷わぬよう、すぐに後を追わぬか」

 

 

 

そして、その男は手にした幅広の斬馬刀をその大きさに見合わない速さで振り上げ、そして振り下ろした。

 

樊稠よりも後に動いたにもかかわらず、その男の攻撃は、いち早く樊稠を袈裟斬りにしてみせた。

 

 

 

樊稠「―――がはっ!?・・・かん・・・すい・・・!?」

 

 

 

樊稠の前に立ちはだかったその男は、鎧兜に緑翠色のマントを羽織り、

 

首や腕、足といった要所要所に毛皮をあしらっている。

 

そして一際特徴的なのが、三日月形の立派な鼻下の髭である。

 

彼の名前は韓遂。

 

馬騰の盟友であり、涼州を代表する群雄である。

 

 

 

樊稠「・・・華雄・・・さま・・・」

 

 

 

そして、樊稠もまたゆっくりと張済同様自身の血の海へと沈むのであった。

 

 

 

馬超「韓遂さん、別に手を出してもらわなくてもあたし一人で十分だったのに」

 

 

韓遂「なに、この樊稠という娘、実は私と同郷の者でな。どの道ここで命を落とすのなら、せめて私の手でと思ったまでの

 

ことぞ」

 

 

 

そう告げると、韓遂は手にした斬馬刀を地面に突き刺し、数秒間黙とうした。

 

 

 

馬超「・・・そっか」

 

 

 

韓遂の様子から、馬超はそれ以上言いたいことは言わず、黙って槍に付いた血を切り払った。

 

 

 

韓遂「むむむ、しかし、成行きとはいえ、長安を落としてしまったぞ・・・これで曹操軍と全面的に事を構えることになら

 

なければ良いが・・・」

 

 

 

黙とうを終え、地面から斬馬刀を引き抜いた韓遂は、

 

長安城に次々となだれ込む涼州の騎馬軍を眺めながら、そのようなことをつぶやいた。

 

 

 

馬超「何がむむむだよ!最初にあたしらの領地に攻め入ってきたのはアイツらじゃないか!曹操軍と全面戦争?上等だぜ!

 

あたしら涼州の地を踏み荒そうって言うんなら、返り討ちにするまでさ!」

 

 

 

対して、韓遂の言葉に少々不機嫌そうに反論した馬超は、遥か東にある曹操の本拠、許がある方向を睨み、

 

太陽に向かって槍を高々と突き上げて自信満々に宣言した。

 

 

 

【第五十八回 第四章:潼関攻防編①・波乱の予兆 終】

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第五十八回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

さて、今回から始まりました第四章その名も『潼関攻防編』

 

潼関といえば涼州軍と曹操軍の戦いが有名ですが、果たして北郷軍がどう絡むのか。

 

そして、本文中でも長きにわたる波乱云々と言ってましたが、本章から次章まで拠点を挟まず連続してお送りする予定です。

 

御遣い伝説というお話の前半のクライマックスとなる予定なので、

 

厳しい話が続く予感ですがどうかお付き合いくださいませ。(一応四章と五章の間に息抜き回は入れるつもりですが)

 

 

それでは例によってオリキャラ紹介をば。

 

樊稠・張済については虎牢関編でチラっと紹介しましたが、

 

読んでいない方も多いかと思いますし、史実と少し違っているので改めて紹介しておきます。

 

(といってもお二方とも退場確定なわけですが、、、汗)

 

 

樊稠:ハンチュウ。涼州出身で、韓遂とは同郷の知人。長いウェーブのかかった黒髪を後ろで一つに束ね、白の装束に赤の袴といった、まるで巫女のような装束に身を包んだ女性。お嬢様口調。華雄信者で、武器も華雄同様巨大な戦斧。また、巫女服を他人に着せるのも自分が着るのも好き。華雄が着たら鼻血もの。元董卓古参四人衆の一人で、虎牢関の戦い後、長安にて恋と袂を分かち、張済と長安に留まったが、その後曹操軍に攻められ降伏。曹操軍の傘下となっていた。最後は韓遂に斬り殺された。

 

張済:チョウサイ。全身を白金の鎧で覆い、兜に紫色の羽根飾りを閃かせた、歴戦の武将然とした出で立ちの女性。ジジコンの噂もあるが徐栄一筋。出で立ちから武器の槍すべて徐栄のコピー、とうよりコスプレ。胸部は薄い。元董卓軍古参四人衆の一人で、虎牢関以後は樊稠と共に行動。最後は馬超に槍で喉を一突きにされ絶命。

 

 

韓遂についてはネタバレ防止のため第四章の最後に紹介しますので悪しからず。

 

 

それではまた次回お会いしましょう!

 

 

 

董卓軍の人たちもっと活躍させたいけど過去編作る余裕がなぁ、、、汗

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
18
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択