No.755858

咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

ユウヤさん

ついに旗揚げに向けて動き出す一騎たち。
攻略戦はどんな内容になるのかな?
今回はその振り分けのお話。
では本編どうぞ

2015-02-03 23:20:52 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2047   閲覧ユーザー数:1683

 

 

 

 

 

 

 

 

 咎を受けし御使いの最後の旅~二人の御使いと二人の劉備~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大方針

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 村の修繕と、混乱を収めながら一騎は今村長の家で沁と村長と三人で今後の話をしていた。結論から言えばよろしく頼む。だそうだ。村長も歳で跡継ぎもおらず、今後を憂いていた故に有りがたい話だったそうな。

 

 その後は一騎、華琳、沁の三人を筆頭に“頭の良い面子”が集っていた。

 

 一騎の両隣りには紫苑と柊、華琳の両隣りは風と桂花、沁の両隣りは星と“美羽”だ。美羽が抜擢された瞬間春蘭はそんな馬鹿なみたいな顔をしたけど・・・春蘭が選ばれる事だけは無いとだけ言っておこう。

 

 一騎「それではこれより今後の大方針を決定したいと思う。国興しは決定事項だが、俺個人としては荊州と益州を同時に攻略したいと思う。」

 

 風「待ってくださいお兄さん。同時と言うからにはそれ相応の兵力があると言う事ですか?」

 

 一騎「いや、兵力と言う数値を示せば無い。だが、可能だと思っている。」

 

 沁「その根拠はなんだ?」

 

 一騎「俺達は反董卓連合でかなり名が売れたと言える。それも・・・かなりの悪名が・・・な。」

 

 星「つまり・・・主はその悪名を利用し、各諸侯を呑み込もうと?」

 

 一騎「恐怖に勝る兵力は無いな。それが命にかかわる恐怖なら尚の事。兵はまともに機能しないだろう。」

 

 桂花「あんたの考えは分かってるわ。私もただ、国を興すだけならそれでいいと思う。」

 

 華琳「でも、それじゃあ民は付いて来ないわ。そこは考えてるの?」

 

 一騎「そこは雇い入れる人材でうまく調節する。民に信頼される人物をうまく雇い入れ、そこに配置、人心掌握をする。俺達はあくまで及川対策の国興しだからな。言葉は悪いが・・・民は二の次だ。」

 

 紫苑「確かに表現は悪いですわね。ですが・・・一理あります。相手は人外の法を使う外道が相手です。」

 

 美羽「うむ、妾も主様に賛成じゃ。」

 

 華琳「まあ、桜楼村があるのが荊州である以上、後顧の憂いである益州は何れ取らなきゃならないわね。」

 

 一騎「と、言う事で方針は荊州、益州の攻略でいいな?異議が無ければ沈黙を持って示せ。」

 

 その場にシンとした空気が満ちたと同時に一騎が次の提案、何処に誰が配属させるかだ。

 

 一騎「まずは桜楼村の街化に伴いそれを指示できる人間と、防衛を出来る人間を置く。桂花、柊に街の区画整理と城建設を、凪には街の防衛を任せる」

 

 桂花「私?」

 

 一騎「ああ、桂花は虚空記録全録で検索すれば模索する手間は省けるだろう。」

 

 桂花「なるほどね。分かったわ。」

 

 一騎「で、益州攻略の大将は沁。頼む。」

 

 沁「俺か?分かった。メンツはどうする?」

 

 一騎「沁を筆頭に紫苑、星、朱里、美羽、春蘭、秋蘭・・・そして璃々ちゃんだ。」

 

 紫苑「璃々もですか!?」

 

 一騎「これは璃々ちゃんからの要請だ。自分も戦うと聞かなくてな・・・確かに12になったからな。戦場を知る時期に来てるんだろう。会った時から聡い子だと思っていたが、さすが紫苑の娘だよ。」

 

 紫苑「一騎さん・・・はい、ありがとうございます。」

 

 一騎「ま、条件として白狼、ヨルンを惜しみなく使うように言ってあるから存分に暴れさせてくれ。」

 

 沁「・・・惜しみなく暴れさせたら駄目だろう・・・ま、了解だ。」

 

 一騎「で、残りの人間で荊州統一だ。」

 

 華琳「ざっくりひとまとめね。」

 

 一騎「しかたないなぁ。俺を筆頭に風、華琳、霞、柳琳、雪蓮、斗詩だ。これで荊州を一気に飲み込む。帰還は最長で三月で終わらせる。」

 

 華琳「三月!?さすがにそれは無謀よ!」

 

 風「それが華琳様、下手をすると二月で終わってしまいそうなのですよ~。」

 

 華琳「どう言う事?」

 

 風「それだけお兄さん達が悪目立ちしていたって事ですかね~。桜楼村に戻る道中立ち寄った町や村では鄧艾と聞けば“死”そのものと言われるぐらい噂されてました~。」

 

 華琳「それでも噂でしょう?」

 

 風「ま、そこは風の腕の見せ所ですね~。」

 

 華琳「そう・・・それじゃあ風、お願いね。」

 

 風「お任せを~。」

 

 一騎「それじゃあこれで方針は決まったな。さて・・・華琳、春蘭の所に行こうか。」

 

 華琳「・・・ああ、説明に行くのね。確かに春蘭が一番騒ぎそうね・・・」

 

 一騎「そゆこと。」

 

 こうして一騎の一声で軍議は終了し、各々散らばって行った。

 

 

 

 桜楼村、一本桜前。そこに備え付けられたベンチに座ってゆっくりとお茶を楽しむ春蘭と秋蘭の姿があった。ふと、春蘭は秋蘭に気になっていた事を聞いた。

 

 春蘭「なあ秋蘭。」

 

 秋蘭「どうした姉者。」

 

 春蘭「この村・・・何処となく陳留を思い出すのだが、気の所為か?」

 

 秋蘭「気の所為では無いよ姉者。簡略的だが、区画整理が何処と無く似ている。北郷一刀が居た故だろう。」

 

 秋蘭は一刀と言う存在が町や村の運営をやればどうなるかなんて分かり切ったことだと言い切った。

 

 春蘭「そうか・・・あ奴は・・・私達の側に居るのだな。もう・・・離れる事は無いのだな・・・」

 

 秋蘭「ああ・・・ん?一騎、終わったのか?華琳様もお疲れ様です。」

 

 春蘭は改めて北郷一刀が傍に居る事を確認し、頬を緩めていた。秋蘭はそれを同じくほおをゆるめながら肯定する。そこに一騎と華琳が近づいて来た。

 

 華琳「お疲れ秋蘭。ちょっと話があるのだけどいいかしら?」

 

 秋蘭「話?なんでしょう。」

 

 華琳から話と聞けば聞かない訳にはいかない。もう主従関係は無い物だとしても長年の関係性はすぐには変えられないのがもどかしい所だ。

 

 一騎「実は大方針決定に伴い、二人には益州攻略の手伝いをしてもらいたい。」

 

 春蘭「おお!一騎に華琳様が居れば益州などすぐに叩き潰せるぞ!」

 

 華琳「春蘭、話は最後まで聞きなさい。」

 

 一騎から聞かされた自分たちのやるべきこと。それを聞いた春蘭は大いに喜ぶが、それを華琳は窘める。

 

 春蘭「うぅ、すみません華琳様。」

 

 秋蘭「で、それがどうしたのですか?華琳様。」

 

 一騎「俺と華琳は荊州攻略で別行動だ。」

 

 春蘭「・・・なんだとぉ!?」

 

 秋蘭「本当なのですか?華琳様。」

 

 一騎から聞かされる今後の作戦の為の配置に春蘭は当然ながら、さすがの秋蘭も眉間にしわを寄せながら聞き返す。

 

 華琳「ごめんなさい。私もさっきの軍議で一騎に聞かされたから詳しい理由は分からないわ。」

 

 華琳自身さっきの軍議で初めて知った別行動故に一騎に説明を求めるように視線を向けた。一騎は勿論説明すると言わんばかりに三人を据わるように促した。三人はそのままベンチに座り、その正面に一騎が立つと説明を始めた。

 

 一騎「二人を別行動させたのはいろいろ理由がある。まず一つ、これは璃々ちゃんが参戦するにあたって秋蘭を護衛兼弓術指南役で付けたいからだ。紫苑じゃ甘やかすからな。二つ目は突撃力を活かした戦力がほしいから春蘭を配置したって所だ。春蘭の突発的な爆発力は下手したら凪の氣弾に匹敵するからな。三つめ、俺は二人なら益州攻略を迅速に終わらせる為の大きな戦力になると信じて配置した。そしてこれこそが最も大きな理由だ。これじゃあ説明になって無いかな?」

 

 二人「「・・・・・/////////////////」」

 

 二人は一騎から理由を聞かされるや否や顔を赤くして俯いてしまった。さすがに理由が全面的な信頼から来るものだとは思ってなかった。何かしらの試験とか試練とか考えていたらしいから、まさに虚を突かれたと言う事だ。

 

 華琳「・・・で?私はどうして一騎の側なの?私は信用できない??」

 

 一騎「そこはほら・・・荊州は恐怖を刻まなきゃならないからな。覇王様の腕の見せ所、あ、ちょっと待った、そんな怖い顔で睨まないでくれよ・・・えっと・・・(チョイチョイ」

 

 一騎は頬を掻きながら華琳を手招きする。それに華琳は応え、一騎の側に寄る。一騎はそっと華琳の耳元で理由を囁くと、華琳も顔を真っ赤にして、それに加えて頬をだらしなくニヤケさせながら、引き締めようとしてヒク付かせ、それはもう形容しがたい表情となっていた。

 

 華琳(そ、傍に一番居たい女の子だからですって。ニヘヘ、いやいや、ニヘヘって何よ?ああ、一騎ったらもう・・・だめだめ、これが一騎の策なのよ!ああ、でも一番って・・・一番って言ってくれた・・・ニヘヘ・・・)

 

 一騎(・・・うん、華琳が壊れかけている。ま、いいか?可愛いし。)

 

 春蘭「と、とにかく話は分かった。その信頼に応えようではないか!」

 

 秋蘭「ああ、そうだな姉者。」

 

 一騎「ああ、よろしく頼む。」

 

 こうして、一番の暴れ馬の説得を終わらせた一騎はニヘニヘする華琳を引きずって今度は他の面子の元に歩いて行った。

 

 

 

 華琳「ニヘ・・・ニヘヘ・・・一番・・・ニヘニヘ」

 

 

 

 一騎「・・・ああ、華琳が壊れた・・・可愛いなぁ。」

 

 

 

 本当にもうこいつらはどうにもならない。そう思う。

 

 

 

 あとがき

 

 

 方針決定です。

 

 どんどん突っ走ります。

 

 次回は速攻終わらせるつもりで往きます。

 

 次回『荊州、益州攻略完了』

 

 え!?もう攻略完了させるの!?って言う方。ええ、終わらせますよ?

 

 荊州攻略の最終局面と、益州攻略の中ほど辺りを書きだすつもりです。

 

 なぜそうなるのかは次回の本編に書き出していますのでそれをご覧ください。

 

 ではではまた次回。

 


 
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