No.753588 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2015-01-25 12:10:10 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1864 閲覧ユーザー数:1696 |
~カレル離宮・式典の間~
「アリアンロード……何故”結社”を……”盟主(マスター)”を裏切ってメンフィルに寝返ったのよ!?」
「―――今の私はかつてリウイ陛下達と共にあり、リフィアの祖母でもあるシルフィア・ルーハンスの生まれ変わり。よって、”影の国”で陛下達に約束した通りアリアンロードとしての”義理”を果たした後、陛下達の許に参上し、再び忠誠を誓ったからです。」
「何よそれ…………意味不明よ…………そんな訳のわからない理由で”盟主”を裏切るなんて、見損なったわ!」
自分の問いかけに答えたリアンヌの答えを聞いたクロチルダは肩を落とした後怒りの表情でリアンヌを睨んだ。
「うふふ、気持ちはわからなくはないけど、自分達の状況がわからないのかしら?”蛇の使徒”は貴女とメンフィルに寝返った”鋼の聖女”を除いて”全員死んだわよ”?」
するとその時レンがリウイ達の背後から現れ、凶悪な笑みを浮かべてクロチルダに問いかけた。
「!?どういう事よ、それは!?」
「―――リアンヌ殿より他の”蛇の使徒”達の目的や現在の居場所の情報の提供がされ、我らメンフィルは二大国侵攻の際の混乱に乗じてその者達全員も討ち取った。なお、”道化師”カンパネルラも”神殺し”セリカ殿達によって”月の僧院”にて討ち取られている。」
クロチルダの問いかけに対してゼルギウスは静かな表情で答え
「!!そ、そんな……………」
「クソッ…………ん?おい、ヴィータとそこの”槍の聖女”に似ている”蛇の使徒”以外の”蛇の使徒”は全員死んだって言ったよな?まさかオルディーネの修理をしているあの爺さんまで……!」
ゼルギウスの答えを聞いたクロチルダは絶望した表情をし、唇を噛みしめたクロウはある事に気付いて血相を変えて尋ねた。
「ああ、”蒼の騎神”?あれならクロスベル解放時にレンに殺されそうになったノバルティスが自分の身を守る為にその場に呼び寄せて自動操縦でも動けるように改造した事が原因で暴走した”蒼の騎神”に殺された後、レンやパテル=マテル、そしてロイドお兄さん達が協力して破壊してあげたわよ♪」
「…………ぇ………………」
「馬鹿なっ!?」
「何ですって!?あ、あの男……!あれ程”蒼の騎神(オルディーネ)”には何もするなって念を押したのに、やっぱり約束を違えていたのね!?」
心底おかしそうな様子で話すレンの説明を聞いたクロウは呆然とし、カイエン公爵は信じられない表情で声をあげ、クロチルダは怒りの表情で身体を震わせながら声を上げた。
「クッ……!来い―――オルディーネ!」
すると呆然としていたクロウは天井を見上げて自身の相棒の名を叫んだが何も起こらなかった。
「オルディーネ!俺の声が聞こえねぇのか!?オルディーネ!オルディーネ!オルディーネ――――ッ!!」
「……哀れですね。」
「奴の悲しみは互いを信頼し合う”魔導功殻”と”メルキア四元帥”……そのどちらかが失われた時と同じくらいの悲しみかもしれんな……」
「だっさ。あんな鉄屑を失っただけでそんなに取り乱すなんて、馬鹿じゃないの?」
必死に何度もオルディーネの名を叫ぶクロウの様子をアルは憐みの目で見つめ、ヴァイスは静かな表情で呟き、エヴリーヌは呆れた表情でクロウを見つめ
「リィンには悪い事をしたが……―――これは”戦争”だ。学生とテロリストの約束如きの為に国の決定は翻せんし、状況を聞く限りあの時あの場で破壊せねばクロスベルに甚大な被害が出ていた可能性が高かったそうだからな。民達の命には代えられん。」
「そうね……(兄様…………)」
リフィアは重々しい様子を纏って呟き、リフィアの言葉に頷いたエリゼは複雑そうな表情でリィンを思い浮かべていた。
「うふふ、そんなに会いたいのなら会わせてあげるわ♪―――はい♪」
するとその時レンが指を鳴らして異空間から現れたオルディーネの頭の部分の残骸をクロウの目の前に着地させた。
「………ぁ………………」
「ば、馬鹿な…………一体どうやって”騎神”を破壊したというのだ……?」
「ごめんなさい、クロウ…………あの男にオルディーネを貸さなければこんな事には……っ!」
オルディーネの成れの果てを見たクロウやカイエン公爵は呆然とし、クロチルダは身体を震わせて悔しそうな表情で肩を落としていた。
「さて……一応聞いておくがまだやるつもりなのか?”パンダグリュエル”での俺の言葉を忘れたとは言わせないぞ。―――”3度目はない”という言葉を。これ以上”無駄な抵抗”をするつもりなら命はないと思え。」
「――――るせぇ!俺とリィン達の”約束”に土足で踏み込んで台無しにした連中の言う事なんか誰が聞くか!俺は絶対に諦めねぇぇぇぇぇっ!!」
そしてリウイに問いかけられたクロウは怒りの表情で声を上げてダブルセイバーを構え
「……馬鹿じゃないの?クロウ一人でリウイお兄ちゃんたちに勝てる訳ないし。」
クロウの行動を見たエヴリーヌは呆れた表情で呟いた。
「―――リウイ陛下、もしよろしければ私に”C”の制圧許可をお願いします。兄様達を裏切った卑劣な愚か者とはいえ、かつては兄様達のクラスメイトであり、兄様達を支えていた方。せめてもの情けに”C”と”騎神”同士による決戦を”約束”していた兄様の妹である私がこの手で決着をつけたいのです。」
「……わかった。好きにしろ。」
するとその時リウイの許可を貰ったエリゼが太刀を鞘から抜いてクロウと対峙した!
「止めなさい、クロウ!貴方一人で”守護の剣聖”に挑むなんて勝率が限りなく低いし、例え”守護の剣聖”に勝てたとしても貴方一人で”鋼の聖女”や”英雄王”達には絶対に勝てないわ!」
「るせぇ!俺はあいつらとの約束を絶対に破る訳にはいかないんだよ―――――ッ!!」
完全に頭に血が昇っているクロウはクロチルダの制止の声を無視してエリゼに襲い掛かったが
「兄様達を裏切り、多くの人々を苦しめた貴族連合に加担した報い、今こそ受けなさい!荒ぶる心、無風なる水面(みなも)の如く、鎮まれ――――」
「あ―――――」
一気に詰め寄って神速の連続斬撃を解き放ったエリゼの攻撃によってダブルセイバーは真っ二つに折れ
「六の型――――無想神烈閃!斬!!」
「グアアアアアアッ!?」
クロウの背後へと駆け抜けたエリゼが太刀を一振りすると居合い斬りがクロウの背中に刻み込まれ、クロウは背中から大量の血を噴出しながら地面に倒れた!
「――――勝負あったな。”C”を拘束しろ!」
「ハッ!」
「畜生……畜生―――――――ッ!!」
そしてゼルギウスの指示によって兵士達は悔し涙を流しながら喚き続けるクロウを拘束し
「お前もまだ足掻くつもりか、”蒼の深淵”?」
「……『幻焔計画』どころか『盟主(マスター)』が崩御して『結社』が崩壊した以上……もうどうでもいいわ…………煮るなり焼くなり好きにしなさい…………」
リウイに問いかけられたクロチルダもリウイ達の足元に杖を捨てて無気力な様子で地面に崩れ落ちて肩を落とした状態で抵抗する事なく兵士達に拘束された!
と言う訳である程度予想していたと思いますがクロウを制圧したのはエリゼです(汗)リウイ達に瞬殺されるくらいならエリゼに瞬殺された方がまだマシでしょう?なお、エリゼとクロウのバトルシーンの時はワイスマンに操られたヨシュアと戦うエステルのように操作キャラがクロウで、敵キャラがエリゼの状態になって、ヨシュアの時のように戦闘開始早々に放たれるエリゼのSクラフトによって受けるダメージ値は閃Ⅰの絶対に勝てない相手から受けるダメージと同じ49999だと思って下さい(ガタガタブルブル)
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外伝~果たせぬ約束~中篇