~一刀視点~
「さあ、準決勝第一試合に行くで~
先ずは王妃四人、側妾四人(紫苑も側妾になっている)
建国してからこれだけ女捕まえてたら種馬皇帝って言われてもしょうがないやろ 北郷一刀
対するは嫉妬は燃やすが、告白しない、
諦めるか告白するかのどっちかにせんかい 関羽」
(種馬皇帝以外のうたい文句は無いのか)
(う~、何も言い返せない)
「では、試合はじめ!」
「でや~!」
愛紗が鋭く、重い一撃を仕掛けて来る
それを受け流して反撃の斬撃を放つが、愛紗に受け止められる
俺の攻撃を受け止めた愛紗は、今度は連続攻撃を仕掛けてくるが、それも防ぐ
此方も同様の攻撃を放つが止められる
完全に力が拮抗している為、試合が動かない
試合を動かしにかかったのは愛紗だった
鈴々の試合の時のような体重を乗せた斬撃を仕掛けて来た
だが、単調になりがちなので俺が何撃も受け流していると、突如変化をつけて来た
振り下ろした斬撃を、武舞台にぶつかる反動を利用して振り上げて来た
単調な攻撃を繰り返した後の変化技なら俺に通じる可能性が有ると考えたのだろう
俺は刀でその攻撃を受け止めるながら、その威力を利用して跳躍する
その衝撃で刀を手放してしまうが、そのまま前方回転して踵落としを放つ
愛紗は肩口にその攻撃を喰らって、その場に膝を付く
俺は着地すると直ぐに愛紗の背後に回り、片羽締めを極め、後方に倒れ込み足で胴締めも極める
程無くして愛紗は落ちた
「勝者、北郷一刀!」
俺の決勝進出が決まった
~鞘華視点~
「さあ、準決勝第二試合に行くで~
先ずは種馬皇帝の肌馬 北郷鞘華
対するは戦いと酒と政務をさぼるのが栄養分 孫策」
(肌馬って、一刀のせいよ こんな呼ばれ方するのは!)
「まあ、反論は辞めておくわ」
「では、試合はじめ!」
雪蓮が始めから狂戦士状態になっている
その状態になるのには時間が掛かる物じゃなかったの?
でも一刀はこの状態の雪蓮に勝ったのよね
私も負けられない
そう思って反撃に移る
速さと手数で何とか五分に持ち込めた
だが、決定打が足りない
そう考えてたら
「こんな楽しい”仕合”は久しぶりよ~!」
そう叫びながら突っ込んで来た
だが、それはこの試合始めて雪蓮が見せた私の勝機だった
その”大振りの攻撃”を踏み込んで防ぐと、雪蓮の袖をつかんで柔道の袖つり込みを使う
始めてみる投げ技に雪蓮は対応できずに武舞台に叩きつけられる
そして、倒れた雪蓮に刀を突きつける
「勝者、北郷鞘華!」
いくらかの休息の後、
「決勝戦や うたい文句は無し
北郷一刀対北郷鞘華」
「では、試合はじめ!」
一刀はいきなり蜻蛉の構えに似た構えを取る
私達がこの世界に来る時の仕合の続きから始めようという意思表示ね
私は抜刀術の構えを取る
ジリジリと間合いを詰めて行き同時に攻撃を放つ
力で負けた分を速さで相殺できた
だが、痺れて手に力が入らない だから刀を納めて素手で構えを取る
一刀も同じ様に素手で構えを取る
素手の攻防も速さで私が勝るが一刀が力で勝り、互角の攻防が続く
一刀が勝負に出た
私の拳撃を躱して懐に潜り込むと、寸勁を放って来た
だが、その瞬間 私は僅かに下がり寸勁を無効化する
寸勁は結局は打撃技 だから打点をずらされれば威力は(ほとんど)無くなる
尤も、その瞬間を見切るのが困難極まるのだが
動きが止まった一刀の襟を取り背負い投げ
一刀は身を翻して着地するが、その懐に潜り込んで私が寸勁を放つ
よろめきながら後ろに倒れた一刀に刀を抜いて突きつける
「優勝者、北郷鞘華!」
こうして天下一品武道大会は終わった
なお、この翌日から真桜の姿が1月ほど見えなくなった
そして、一刀に対する私の願いは敢えて伏せておく
ただ、この夜一刀の部屋から私の嬌声が遅くまで漏れていた
天下一品武道大会から3ヶ月後、私の妊娠が判明した
その時の一刀は驚きと、嬉しさが混ざった表情をしていた
皆も国の人達の多くも喜んでくれた
「それだけの事を一刀様と鞘華様はしてきたのです」
それから約半年後、私は女の子を出産した
一刀はその子に「命(みこと)」と命名した 真名は成人(元服)の時に付ける物らしい
「鞘華、これからもよろしくな」
「はい、こちらこそよろしくね」
~これより1800年後~
ある歴史学者の論文より抜粋
「こうして国内を大和朝廷は統一した
2代目皇帝となった北郷命も聡明な人物で父 北郷一刀の後継者の任を見事に果たした
そして大和朝廷はその後400年間平和と発展を続けた
だが、その大和朝廷初代皇帝 北郷一刀の出自は明らかになっていない
彼が本当にその当時噂になっていた『天の御遣い』なのか
それを確かめる術は無い
追記
一部で「種馬皇帝」と言われた北郷一刀だが肌馬・・・もとい王妃は五人にとどまった
しかし側妾は十人を超した 但し正確な数は分かっていない
12、3人と言う研究者もいれば50人を超えると言う研究者もいる
これに関しては彼の出自同様、確かめる術は今は無い
~あとがき~
一気に最終回になりました
エピローグとして一話書くつもりでしたが、短くなりそうなので纏めました
この「雌雄の御遣い」は前作の「舞い降りし剣姫」で書けなかった話を書きたい、と云う考えで始めました
一騎駆け、赤壁の戦い、等です
調子に乗って天下一品武道大会まで書きました
やはり反省の余地の多い作品ですが楽しく書けました
読んで下さった方、支援を下さった方、コメントを下さった方、皆様にお礼を申し上げます
そして、また恋姫の二次小説を考えています
新作はゆっくりになるかもしれませんが始めるつもりです
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天下一品武道大会最終日、そして・・・