No.75101

真・恋姫無双外伝~覇王の願い~星詠偏3

真恋姫無双(魏)のアフター。
そして、今回よりタイトル変更。
ストーリーがあまりにも前作から続きそうなので、

~この想いを星降る夜に~

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2009-05-23 11:54:14 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11901   閲覧ユーザー数:9995

【覇王の願い・星詠編】

第3話『鼓動』――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜の宮廷。

いつもなら、皆が寝静まる頃。

一刀の部屋からは今日も女の声が響いていいた。

 

しかし―――

 

【華琳】「・・・・・・・・・・・っちが先に突進してきたんでしょ。それを適当にヘラヘラ・・・・・」

 

色気は皆無だった。

はぁ・・・・

 

【一刀】「うん」

 

【華琳】「そもそも、この街にいて私の顔を知らないってのはどういうこと?」

 

【一刀】「うん」

 

こんなカンジで・・・

 

【華琳】「しかも、言うに事欠いて私の・・・・私の・・・・・が・・・・・なんて」

 

もうそろそろ2時間です。

 

【華琳】「たしかにあの子のは少し・・・いやかなり・・・・・だからといって大きければ良いというものではないでしょう。」

 

まさか、華琳がここまで愚痴をはくとは。。。。

 

【華琳】「一刀、話きいてるの?」

 

【一刀】「あ、ああ。もちろん」

 

夕方の薫とのことを言っている。

薫の事は華琳にはまだ話していないから、何故ああなっていたのか疑問だったが・・・・・・

 

 

【華琳】「そういえば、一刀。例の貴方の学校から1人こちらに配属させる件はどうなったの?」

 

【一刀】「ん?ああ、それならかなり上手く行ってる。というか、上手く行き過ぎて少し予定が狂ってきてるくらいだ」

 

どうやら、気は済んだらしい。

 

【華琳】「そう。なら期待してるわ」

 

【一刀】「ああ」

 

【華琳】「ところで、一刀・・・・」

 

【一刀】「ん?」

 

華琳が顔を紅潮させながら近づいてくる。

 

【華琳】「ん・・・・・ちゅ・・・んぅ・・・」

 

【一刀】「かり・・・ん・・・ちゅ・・・ぴちゅ・・・・」

 

そして、唇を重ねてくる。

 

【華琳】「んちゅ・・・・ちゅぱ・・・ん・・・ちゅる・・・・・」

 

【一刀】「ちゅ・・・・さっきはあんなに拒否ってたくせに・・・・んちゅ・・・」

 

【華琳】「・・・・うるはいわね・・・気が・・・・ちゅぷ・・・かわったのよ・・・ん・・・」

 

徐々に舌を絡め始める。

 

【華琳】「それとも・・・んちゅ・・・嫌・・・なの?」

 

【一刀】「・・・まさか」

 

【華琳】「らったら、だまっ・・・んむ・・・ちゅる・・」

 

今度は俺から。

 

そのまま、唾液を交換し、寝台へと倒れこむ。

 

【華琳】「・・・・エロバカ」

 

【一刀】「・・・スケベ」

 

【華琳】「種馬」

 

【一刀】「・・・・・・・・可愛い」

 

【華琳】「・・・・・・・・・・・・・・・バカ」

 

 

 

そして、体を重ねていく・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、許昌住宅地

 

こちらでもやはり女の声が響いていた。

 

 

【薫】「だーーー!もう!なんだっつうの!」

 

だがやはり、色気はなかった。

 

 

【薫】「なに!このムカツキは!ありえないんだけど!」

 

昼間のあいつもそうだたけど、それとは別格にイライラする。

 

【薫】「あああ、もう!うっさい!」

 

バンッと持っていた書を壁へ投げ飛ばす。

あれから何時間とたっているというのに、未だに興奮がおさまらない。

 

―私、まだ女にもなっていない子供と張り合うつもりはないわ―

 

【薫】「処女でわるかったなーーーーーー!!!!」

 

ドゴォォ!!

 

さっきまで座っていた椅子に逆回転のソバット―超高速の後ろ回し蹴りを叩き込む。

 

【薫】「はぁ・・・・」

 

細かく分解されたその椅子だったものを見下ろして、ため息。

 

【薫】「田舎のお母様、7人の妹達・・・・・どうせ引っ越すんだから出世してやろうと頑張ってきましたが・・・・・都会は厳しいです(いろんな意味で)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【薫】「ふぅ・・・・」

 

気を紛らわせようと、外にでた。

かなり遅い時間のために空は完全に黒に染まっていて、

その上に星が煌く。

 

【薫】「へぇ~~」

 

そういえば、今までちゃんと空なんて見たことなかった。

綺麗・・・・

それはもう自分の知っている空というものではなく

ひとつの作品を見ているよう

あまりにも大きくて

優しい

見続けていれば吸い込まれるような錯覚に陥る。

自分が内側が広がっていくような感覚。

 

【薫】「・・・すぅ・・・・・」

 

目を閉じて息を吸えば、世界の一部になったように思える。

気持ち良い・・・・

夜の風が冷たくて

上はあんなに綺麗で

自分がそれらの一部になれたことに陶酔する。

 

 

 

 

――ドクン

 

 

 

【薫】「・・・っ・・・」

 

 

――ドクン

 

 

【薫】「なに・・・これ・・・」

 

 

心臓が急に脈動する。

体中の血液が一気にほとばしる。

熱い。

 

 

【薫】「はぁ・・はぁ・・・」

 

 

血管全てに液状の鉄を流し込まれたような熱さ。

やがて血が脳へ達すると同時に、何かが流れ込む。

 

 

―”・・・・嫌”―

 

 

【薫】「・・・うっ・・・・つ・・・・」

 

 

心臓が痛くなるほどの強い鼓動。

早すぎる脈に体がついていかない。

 

 

―さよなら・・・・寂しがりやの女の子―

 

 

声が聞こえた。

 

 

―”行かないで!傍にいて!”―

 

 

また・・・・声。

 

 

―愛していたよ・・・・華琳―

 

 

誰の・・・・声?

 

 

―”一刀!”―

 

 

・・・・誰?

 

 

何かが流れ込んでくる

 

悲しい

 

哀しい

 

・・・・・・寂しい。

 

【薫】「だめ・・・・お願い・・・・」

 

 

これは・・・誰の気持ち?

 

 

―嫌―

 

 

【薫】「嫌・・・・・・こないで・・・・」

 

 

―嫌ぁ・・・・―

 

 

【薫】「嫌ぁ・・・・・っ!」

 

 

自分が

 

染められていく・・・・・・

 

 

 

―――ドクン!!!

 

 

 

【薫】「いやあああああああああああああああ!!!」

 

 

そして今までで最も大きな鼓動。

 

 

一気に広がる情景。

 

先ほどの星空ではなく、青白い月夜。

 

そこに見知った二人。

 

1人は今まさに・・・消えようとしている。

 

何かを話しているが声が聞こえず、ただ感情だけが溢れてくる。

 

【薫】「・・・ぅ・・・っ・・・」

 

やがて感情の奔流に耐え切れず、意識を閉ざす・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【薫】「行かないで・・・・・・一刀・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずいぶん重い闇。

そう感じた。

体を起こすことが出来ず、目を開けることも出来ない。

意識が少しずつ浮かび上がる中で、体が覚醒する過程を全て目の当たりにできるほど、

ゆっくりと浮き上がる。

 

【薫】「ん・・・・・・・・」

 

ズキ

 

【薫】「・・・・・っ」

 

頭痛がすごい。

 

【一刀】「大丈夫か?」

 

声が聞こえた。

いつも聞いてる、優しい声。

 

【薫】「あれ・・・・先生?」

 

【一刀】「ああ。」

 

意識がはっきりしたところで周りを見る。

 

【薫】「・・・私の部屋・・・・」

 

【一刀】「昨日、倒れてるお前を見つけた人が俺に連絡をくれたんだよ。」

 

【薫】「・・・・そうなんだ」

 

昨日、外に出てから・・・

 

【薫】「星を・・・」

 

【一刀】「ん?」

 

【薫】「星を・・・・みてたの」

 

【一刀】「星を?」

 

【薫】「・・・・うん。そしたら・・・」

 

言いかけて、いえなかった。

 

それから・・・・・覚えていないのだ。

 

【薫】「・・・・倒れてた」

 

【一刀】「わけわからん・・・疲れたのか?」

 

【薫】「そう、なのかな・・・」

 

【一刀】「まぁ、いいさ。今日はやすんでおけ。授業にはでなくていい」

 

【薫】「ほんとに!!?」

 

【一刀】「そんなに嬉しそうにするなよ・・・。ちょっとへこむぞ」

 

【薫】「あはは。ごめん」

 

【一刀】「じゃあ、ほんとにやすんでろよ」

 

【薫】「はぁ~い」

 

 

 

 

・・・・・・。

 

昨日何があったかは覚えていない。

 

だけど、

 

すごく哀しくて、

 

すごく寂しくて・・・・

 

そして今は、なぜだか

 

嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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