No.749091 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2015-01-05 16:24:49 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1683 閲覧ユーザー数:1522 |
~ケルディック市~
「うわあああああっ!?」
「キャアアアアアッ!?」
「な、何で猟兵達がケルディックを襲うんだっ!?」
「みな、落ち着くのじゃ!メンフィル兵や遊撃士の方達の避難誘導に従って、避難するのじゃ!」
あちこちから火の手が上がる町の中で悲鳴を上げて逃げ惑う市民達にオットーは指示をして避難誘導を手伝っていた。
「元締め!元締めもそろそろ避難してください!」
オットーが市民達の避難誘導をしていてしばらくするとオットーの部下の一人がオットーに声をかけた。
「市民達や難民達が全員避難すれば、儂も逃げるから心配――――」
「ほう?まだ残っている者達がいるとは。しかも元締めがいるとは都合がいい。」
オットーが部下に答えかけたその時、猟兵達が二人の目の前に現れた。
「りょ、猟兵……!」
「……儂らに何の用じゃ。何故このケルディックを襲撃した!?」
猟兵達を見た部下は表情を青褪めさせ、オットーは怒りの表情で猟兵達を睨んだ。
「アルバレア公の依頼だ。クロイツェン州の民達でありながらメンフィルによって支配された今の状況を受け入れている貴様らや、ケルディックを奪い取った所か帝都襲撃等数々の卑劣な行いを働いたメンフィルに対する”見せしめ”として襲撃しろとな。」
「そ、そんな……!?」
「メンフィルにそのような事をされる原因を先に作ったのはそちらじゃろうが!?どこまで愚かになれば気がすむのじゃ、アルバレア公爵は……!」
猟兵の話を聞いた部下は信じられない表情をし、オットーは怒りの表情で声を上げた。
「フン、”北の猟兵”である我々からすれば”追加料金”を貰い、故郷に仕送りができるのだからありがたい話だ。」
「”北の猟兵”……―――ノーザンブリアの猟兵どもか!お主らはこのような卑劣な事をする事に何とも思わんのか!?”北の猟兵”は元々国を護る兵士達だったと聞いておるぞ!?」
猟兵の正体を知ったオットーは怒りの表情で声を上げた。
「我々は故郷の民達を餓えさせない為に猟兵になると決めた時から”人の心”は捨てた。このような栄えた町で育った貴様らが自給自足すらもできない我らの気持ちがわかるまい!アルバレア公からは何度も逆らい、メンフィルの言いなりになった元締め―――貴様の始末も言い渡されている。ここで女神の許へと向かってもらうぞ……!」
「クッ……!お主だけでも逃げるのじゃ!」
「そんなっ!?元締め!貴方こそ逃げてください!」
猟兵の言葉を聞いたオットー達が絶対絶命の状態に陥ったその時!
「ケッ、故郷を護る為に”何をやって”も許されると思っているテメェらのふざけた考えなんざ、わかってたまるかよ。」
青年の声が聞こえて来た!
「何っ!?」
そして声を聞いた猟兵が驚いて後ろへと振り向いたその時
「らあああああああっ!!」
「ぐあっ!?」
「ががっ!?」
「ぎゃっ!?」
猟兵達の背後にいたアガットが跳躍して炎の闘気を纏った強烈な一撃――――フレイムスマッシュを猟兵達に叩きつけ、それを受けた猟兵達は吹っ飛ばされた!
「そ、その赤毛に”重剣”……!貴様、”重剣”のアガットか……!」
仲間達がアガットの一撃によって気絶している中、唯一意識が残っている猟兵は唇を噛みしめてアガットを睨み
「テメェら……舐めたことをしてくれやがったな!”焼き討ち”は俺にとって一番忌々しい出来事なんだよっ!!」
「へぶッ!?…………」
アガットは怒りの表情で拳を振るって猟兵の顔を思い切り殴りつけ、殴りつけられた猟兵は口から殴りつけられた際に折れた数本の歯を吐くと共に殴られた事によって折れた鼻から血を出しながら瓦礫にぶつかり、そのまま気絶した。
「た、助かった……!」
「お主は確かリベールから来てくれた遊撃士の……!」
アガットの登場と猟兵達の戦闘不能に部下は安堵の表情をし、オットーは驚きの表情でアガットを見つめたその時
「兄貴!……って、うわ!?りょ、猟兵!?兄貴が一人で3人も無力化したんすか!?」
深緑の髪の遊撃士と思われる青年がアガットに走って近づいた後周囲に倒れている猟兵達に気付いて驚いた。
「遅ぇぞ、ディン!5分以内に逃げ遅れた奴がいねぇか見て回ってこいって言っただろうが!?」
「す、すみません!猟兵共が放った魔獣や人形兵器に邪魔されちまって……で、でもその時俺の許に駆け付けてくれて一瞬で魔獣達を倒した銀髪の軍人が良い事を教えてくれました!」
「銀髪の軍人……あの野郎か。それで野郎は何をお前に教えたんだ!?」
青年の話を聞いて一瞬でレーヴェの顔を思い浮かべたアガットは眉を顰めた後真剣な表情で尋ねた。
「はい!市民や難民達の避難誘導は終わって、手の空いている兵士達は猟兵達の制圧や放火された建物の消火に向かった話を教えてくれました!」
「市民達の被害はどうなっている!?」
「それが……重傷を負った市民達がいて、中には意識不明の重体の市民もいるとの事です……ただ、死傷者は今の所出ていないらしいっす!」
「クソッ!だが死傷者が出なかっただけ、まだマシか……――――ディン、お前はその二人を避難場所まで護衛して、その後はメンフィル兵達による消火活動を手伝え!」
青年の話を聞き、襲撃によって市民達が重傷を負った事に悔しさを感じて悔しそうな表情で声を上げたアガットはすぐに気を取り直して青年に指示をし
「はいっ!兄貴はどうするんですか?」
「フン、こんな舐めた事をしてくれたクソ野郎どもに落とし前をつけさせる為に決まってるだろうがっ!!」
「あ、兄貴ッ!?」
そして重剣を構えてどこかへと走り去った!
~難民キャンプ地点~
「よし、町全体を粗方破壊できたし、撤退するぞ。」
「隊長、まだ戻ってきていない者達もいますが……」
「……恐らくメンフィル兵か遊撃士共に制圧されたんだろう。奴等の事は諦めて撤退する。我々は仲間を見捨てて、一人でも生き延びて故郷に仕送りをしなければならん。」
「了解(ヤー)。」
猟兵は隊長の言葉に答えて撤退を開始しようとしたが
「――――残念ながらそれは無理な話だな。」
「なっ……!?」
「馬鹿なっ!?何故ケルディック要塞の防衛をしている”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”の護衛をしている貴様がこの場にいる!?”執行者”No.2――――”剣帝”レオンハルト!!」
レーヴェが猟兵達の撤退を阻むかのように猟兵達の撤退先から現れた!
「フッ、”結社”で猟兵達を鍛えていた俺がアルバレア公に雇われている貴様らの行動を読めないとでも思ったのか?」
猟兵の隊長の言葉を聞いたレーヴェは不敵な笑みを浮かべ
「クッ……!我らの行動が読まれていたというのか!?後退して別方向から撤退するぞ!」
「了解(ヤー)!」
隊長は唇を噛みしめた後猟兵達に指示をして後退しようとしたが
「ケッ、逃げられると思っているのか?」
「!!」
「赤毛に”重剣”……!ランクB”重剣”のアガット・クロスナー……!」
アガットが猟兵達の後退先を阻むような位置で重剣を構えていた!
「フッ、正しくはランクAだ。”リベールの異変”の事件の後、Aに昇格したと聞いている。」
「ヘッ、そういう所も相変わらずだな。あのお姫さんの傍にいなくていいのかよ?」
レーヴェの言葉を聞いたアガットは鼻を鳴らした後不敵な笑みを浮かべて問いかけた。
「今のカリンの周囲には以前と違い、カリンの身を任せられる者達がいる。それにカリン自身、腕が立つ故心配は無用だ。相手は強者と戦った事のない雑魚共……そんな連中に後れを取る訳があるまい。」
「ヘッ、確かに”執行者”とも渡り合えるあのお姫さんが領邦軍の屑共相手に後れを取る訳がねぇな。さてと……―――覚悟はできたか、テメェら?」
「懲りずにメンフィル領に手を出した挙句、12年前にそれぞれの故郷で起こった”光景”を見て来た俺達が貴様らの所業を見逃すと思っているのか……?」
アガットは全身に”竜”の顔を形どった闘気を纏い、レーヴェは全身に”獅子”の顔を形どった闘気を纏って猟兵達を睨み、更に二人がさらけ出す膨大な闘気によって空気が震え、大地が小規模な揺れを起こした!
「う……あ……っ!?」
「クソッ、化物共が……!」
「グルルル……!?」
二人の闘気に圧された猟兵達や猟兵達が連れている軍用魔獣はそれぞれ身体を震わせながらも武器を構えて迎撃態勢を取っていた。
「アガット・クロスナー。お前の舎弟のように後れを取って、俺の手を煩わせるなよ。」
「それはこっちのセリフだ!行くぜっ!らあああぁぁぁっ!!」
「ハアアァァァァ!!」
そしてレーヴェとアガットはそれぞれが持つARCUSで戦術リンクを結ぶと同時に戦闘を開始した!
今ここに!”竜”と”獅子”の”逆鱗”に触れた愚か者達が蹂躙される戦いが始まった……!
と言う訳で原作では死んだオットー元締めは何とアガットが助けました!そして!次回はまさかのレーヴェとのドリームコンビによる蹂躙戦ですwwなお次回の戦闘BGMは”Drgon Dive~アガットのアは赤毛のア~”、”銀の意志”シリーズのどれか、碧の”Inevitable Struggule”のどれかだと思って下さい♪
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外伝~ケルディック焼き討ち~後篇