No.74691

恋姫無双 TV-Ver プロロ-グ

bridさん

恋姫無双を自分なりにアレンジしてみました。今回はプロロ-グという形で
PC版恋姫無双の、左慈との戦いがメインになりました。

2009-05-21 00:12:33 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3839   閲覧ユーザー数:3283

 

恋姫無双TV-Ver プロローグ

 

 

 

 

  ある冬の寒い夜、俺北郷一刀は、フランチェスカ学園敷地内にある歴史資料館に向かって歩い ている。

左手には愛刀神風(じんぷう)、背中には護身用の小太刀を仕込んで。

「制服て意外と大きめに出来てるから、いろいろ隠せるんだよな~♪」

一刀は制服の便利さを実感しながらも歩いていた。

何故こんな時間に物騒な物持って歩いてるかのか?

理由は6時間ほど前になる。

 

 

 俺は友人の及川と歴史資料館へ行った時のことだった、

「へぇ~~~~っ!また立派な資料館だな」

「さすがフランチェスカと言うこっちゃな。どんだけ金かけとんねん」

「何億って掛かってるんじゃね?」

「やろな 。そのくせ俺らの授業料はそこまで高くないし。

・・・裏で悪いことでもやってるんとちゃうか」

などと相変わらずの掛け合いをしながら適当にみて回った。

陳列されている古代の武具やら掛け軸を見ながら一刀は問いかける。

「これっていつの時代のモノなんだろな?」

「パンフレットには後漢後期とかってかいてるで」

「後漢後期っつーと・・・三国志の時代か。すげーな。

1800年前面意の遺物かよ」

「・・・・・・すげーな、かずピー」

「は?」

「三国志とか1800年前とか。よーそんな知識もっとったな、自分」

「なんで?こんなの常識じゃね?」

「そんなもんが常識でたまるかい!かずピーって

もしかして歴史マニアか?」

「マニア・・かもなぁ。田舎の爺ちゃんの家にその手の本が

めちゃくちゃたくさんあってさ、ガキの頃は休みのたびに遊びに行って、

修行の合間によみあさってたんだ」

「かずピーって田舎どこやっけ?」

「鹿児島。・・・っても、俺自身は生まれも育ちもこっちだけどな」

「ほー。・・・ってか、修行っなんのよ?」

「剣術だよ。俺の家系は昔から道場をやっててな。俺自身も

強制的にやらされてたんだ」

「・・・かずピー、ホンマに今の時代の人間か?修行とか剣術とか。なんかキモイは」

「言うに事欠いてキモイってなんだよボケ」

「いやいやマジで。現代の男子学生が修行とかって、マジでおかしいて」

「・・・よーグレへんかったな、かずピー」

「ま、剣術は好きだったし。辛くはあったけどイヤでは無かったからぁ」

「ほ-か。ま、がんばりんさい」

励ますように俺の肩をポンポンと叩いた及川が、

「おろっ?あいつさっきの奴ちゃうの?」

 

俺たちから少し離れた場所で展示物を見ている男子学生を指差す。

「お?ホントだ。あいつもここが目当てだったんだな」

ここに来る途中ぶつかった奴だ、当たった時の感触といい、身のこなしといい

感じの悪さも在り、印象深かったんで覚えていた。

「理事長の強権発動で全校生徒の宿題になってもーたからなぁ。・・・

けど、あんな奴、ウチの学校に居たっけ?」

「ん?・・・・そういやそうだな」

聖フランチェスカ学園は元女子高で、つい最近になって共学になったから男が極端にすくない。

一つのクラスに男子学生が一人って割りいいだから、学年が違わない限りかおみしりなんだが・・・。

「見たことないな。一個下か?」

「あの威圧感でおれらより一個下?・・・・末恐ろしいガキすぎやで、それ」

「まぁな~。・・・・それにしてもあいつ・・・」

「何よ?はっ!?やっぱりかずピーワウホッ!やったんやっ!?」

「違うって。・・・あいつ、すげーぞ?」

「サラッと流さんといてや・・・・。んで、すげーって何がすげーん?」

「なんつーか・・・隙が無いっていうのか。立ち姿からでも結構な使い手っていうのが分る」

「・・・・キミどこの剣豪?つか、なんでそんなの分るんねんっ!かずピーおかしいで!?」

「いや。武道をやってる人間なら、雰囲気とか立ち振る舞いとかで、

そういうことってある程度分るもんなんだよ」

「えー・・絶対ウソや」

「マジだって。・・・でも、あれだけの使い手なら、絶対に知ってるはずなんだけどなぁ」

「廊下ですれ違ったり、遠目に見たり。それだけでもある程度印象にのこるもんだし」

「あれぐらいイケメンやったら、おれも顔覚えてると思うねんけどなぁ。・・・呪うために」

ふふふっ、と気持ちの悪い笑みをうかべる及川に苦笑いしながら、

俺は男子生徒の方に注意を向ける。

「・・・・・ここから・・・じまる・・・いかねぇ・・」

ショ-ケ-スに展示されているものを食い入るように見つめながら、

なにやらブツブツと呟いているようだ。

「(何か・・・・気になるな)」

今にもガラスを蹴破って、展示されているものを鷲掴もうとするような・・・。

「かずピー他の所も見にいこうか?時間なくなってまうで」

「そうだな」

それから俺と及川は、歴史資料館を隅々まで見回った。

だけどその間ずっと心の何処かであいつの存在が気になっていた、

及川と別れてからも、あいつの事が頭から離れない・・

「(これは・・まさか恋!?・・んな訳あるか!)」

自分自身にツッツコミながらも・・気に掛かる、

今まで学校内で見たことがなかった少年。

 

 だが彼がフランチェスカの制服をきていたのは、紛れもない事実。

 

 だからフランチェスカの学生では無いと、そう言い切れない。

 

 だが気になる、展示物を見ていたあの目。そしてあの身のこなし。

 

 何か武道をやっている人間ならば、立ち姿や身のこなしを見ただけで

隙の無さが分っただろうし、彼の強さというのが透けて見えるはずだ。

 

 その強さというのを感じれば、学校の中ですれ違っただけでも記憶の中にはのこるはず。

 

 だけどその記憶が俺にはない。

 

 釈然としない思いが頭の中で微かに警鐘を鳴らす中、俺は暗くなり始めた道を寮へと急いだ。

 

「うう~~っ、さみぃ・・」

 耳が痛くなるほどの寒さの中、俺は愛刀と小太刀を持って寮を出た

軽く二、三度愛刀を振って握り具合を確かめながら。

「(思い過ごしなら良いんだけど・・・)」

 自分の中で仮にそうだとしたら、という想像が生まれてくる・・・

体が木刀ではなく愛刀を持ったことで俺自身も最悪なケ-スを想像してるのかもしれない・・

 正義の味方を気取るつもりはなんけど、一度思い立つと気になって仕方が無い。

「この厄介な性格・・・どうにかしないとなぁ」

 自分で自分に呆れもするが、もって生まれた性格なんだ。

そうそう変わるモノでもない。

「何も無い方が良いけど・・いくか」

俺は気合いを入れるために声を発して資料館へとむかった。

 

 

 

 

「こんな寒い中、何か気になるっていう曖昧な感覚に従って出歩くなんて、酔狂なやつだ、俺ってば」

願わくば何も無ければ良いんだけど・・・。

「・・・かと言って本当に何もなかったら、俺ってタダのバカってことだよなぁ・・・ん?」

気のせいか・・足音が・・

タッタッタッタッ

!!気のせいじゃない、何かがいや誰かが近ずいて来る・・資料館の方からだ!!

ちょ・・どうする

学校関係者なら特に問題はないけど、もし俺の考え通りだとしたら・・・。 

とにかく隠れるかよう!

俺は立ち並ぶ木々に身を隠した。

「(どうする・・?呼び止めて確認するしかないか・・)」

 足音はだんだんと近づいて来る。

「(よし、呼び止めて確認するか、)」

そう決めると自分の足元近くに愛刀を隠すように置いた。

こんな夜中に日本刀もって歩いていてたら、誰だって警察に通報するわなww

「こんばんわー」

隠れていた場所から出てあいさつすると、前方から走ってきた人影は止まった。

「・・・・」

立ち止まった少年は、資料館に展示されていた鏡のようなものを小脇に抱え、

声を掛けた俺を威圧するように睨み付ける。

「・・・・・」

どうやら予感は的中したようだ・・・

「どうしたんですか?こんな夜中に?」

引き続き声を掛ける一刀、

「誰だ貴様、俺に何のようだ?」

「何の用もなにも俺はただ夜の挨拶をしただけだよ、でも・・

どうやらそれだけでは、済そうに無いですね・・・その手の物はなんですか?」

「・・・・」

「どこから持って来たんですか?それにキミはこの学校の生徒ではありませんね。」

 男子学生はあっさりと答える

「だからどうした?」

「あのなぁ・・子供の頃言われなかったか?勝手に物を取ったら泥棒  {ブゥオン} 

ですと!」

言葉を遮るように、男子学生の蹴りが飛んできたが、上半身を反らして難なくかわして言葉を続けた。

「・・・・チッ」

「危ないですね・・人の話は最後まで・「聞く気は無い。死ね!!」

ブゥオン、ブゥオン、ブゥオン

右切上げ、左切上げ、唐竹、無造作に繰り出される蹴り。

その一つ一つが雑草を刈る鎌のような速さで、俺の急所を確実に狙ってくる、

が・・当たらない、当然だすべて回避してるから。

しかし俺の感は正しかったようだ・・・これほどの使い手そうそういるもんじゃない。

俺はバックステップを踏みながら、愛刀のあるところまで飛び退いた、

そして隠してあった愛刀神風を拾い上げる、どうやら素手で勝てる相手ではなさそうだ。

「チッ・・しつこいな」

「しつこいて・・・それよりお前は何者だ、どうして盗みなんかしてる!?」

「盗み?・・・ああ、これのことか、これはお前らには必要ないものだ。

必要ない物奪って何が悪い?」

男子学生は悪びれもなく言い放った。

「な・・・・」

「(こいつ・・自分が何をしているのか分っているのか・・・?あるいはそんな罪悪感そのものがないのか?

だとするなら手加減は無用、戦闘不能(リタイヤ)まで追い込むしか、止める術はなさそうだ・・)」

「それにこれは貴様には何の関係もないものだろう。死にたくなければ尻尾を巻いて失せろ。

そして今日起こったことをすべて忘れろ」

「なにを勝手なことを・・・盗人たけだけしいとはお前さんのためにある言葉みたいだな。」

「あくまで邪魔をするのか?ならば殺してやろう。・・突端をひらかせる鍵がなくなれば外史はうまれず、

このまま終わらせることができるのだからな」

聞きなれない単語が耳に入ってくる・・

「突端?・・外史?・・なんだそりゃ?」

「もう語る言葉は持たん。死ね・・・うらぁーーー!」

気合の入った言葉とともに、四方から蹴りが、風切り音と共に襲いかかってきた。

目を、眉間を、こめかみを、喉を・・・・・確実に急所を狙ってくる。

武器も持たず素手だと言うのに、一つ一つがまるで真剣のような鋭さをもっていた。

が・・一刀は何事も無くかわしていく・・刀を持ったため間合いが変わり、男子学生は狙いずらくなっている、

「・・・チッ、本気でしつこいなお前」

「しつこいと言うか・・・おまえのその行動がこの状況を作ってるだろうが・・いい加減に気づけ!」

気合の入った声とともに、正眼から、袈裟斬り、左薙、右薙へと斬撃を繰り出す。

「む・・・くっ!?・・・チッ」

予想外の反撃に男子学生は斬撃を捌きつつ後退する

「とりあえずどんな理由が有るかは知らないが、警察には行ってもらうぞ」

「・・やれるもんならやってみろ!!」

まー予想通りの反応だな・・仕方ない・・本気で行くか!!

刀に気合を乗せて・・男子学生に斬り込む!!

「鬼人斬!!」

 ブォン!!!

鞘に収まったままとはいえ、鉄製の鞘十分な威力があるが・・・空を切る

男子学生はあっさりとかわしていた、スピード差がどうしても出てしまう、

「ふんっ。それぐらい造作もないは。・・・しかし、このままではラチがあかんな。

おまえに付き合うのも飽きた。さっさと消えろ」

自信たっぷりいった感じで言葉を返されたれた、少年は苛立ちを隠せないようだ・・

男子学生は腰を落とし拳を構えた。その途端、雰囲気がガラリと変わった。

さっきまでも殺気はあったが、今のとは質が違う、研ぎ澄まされた真剣のような殺気だ。

次は本気で撃ち込んできそうだ、なら速さで対応するしかないか・・・一刀は片手に構えを変えた。

 獲物を狩る猛獣のように息を潜め、少年は俺の動きを観察していた。

「どうやら覚悟は決まったらしいな。・・・ならば苦しまないように殺してやる」

「やれるもんなら・・やってみな」

「いい度胸だだ。なら死ねよーーーーーーーーっ!」

叫ぶと同時に地面を蹴り一気の間合いを詰め、流れるようなコンビネーションで

放たれる蹴りに対応出来ないと確信した少年、だが次の瞬間!、一刀の姿が目の前から消えた!!

脚撃の全撃が空を切る、はずした!?そんな馬鹿な!

「終わりだ盗人くん」

後ろから声がした・・そんな馬鹿な!?後ろを向こうとしたその時!!腹部に激痛が走った、

訳が分らなかった、自分の攻撃は確かにかわされた、だが何故?目の前から消えたかの理由が分からなかった。

「鬼人一閃・・お前さんの蹴りが撃ち込まれる前に、俺がお前さんに斬撃を与えたのさ、

確かにお前さんの動き、それに蹴りは早い、ならよれよりも早くにお前さん以上の速さで斬り込むしかないと考えたのさ」

 

  男子学生が膝を着いた、と同時に懐の銅鏡がこぼれ落ちた。

「チィ!鏡が・・・っ!」

受け止めようとするが、間に合わず・・地面に叩きつけられた。

「しまった!」

硬質な破砕音を聞いて、少年の顔が焦り歪む。

「・・くそっ。余計な手間を増やしやがって」

さっきのダメ-ジのせいでまだ声は弱々しいが、勝手なことを言ってる・・

「あのね、元々キミが盗みなんか働かなければ、こんなことにはならなかったと思うけど。」

「・・・何も分って無い奴が、ペラペラと喋ってんじやねぇ!」

「お前が泥棒だってことぐらい分って・・・な、なんだ・・っ?割れた鏡が・・・・」

「・・チィ!もう始まりやがった!」

 少年の姿が、鏡から溢れ出した光の中にのみこまれていく、光は広がり続け一刀の体まで飲み込んでゆく。

「なんだこれっ!?何がどうなってるんだ!」

白くなってゆく視界・・まぶしくて目を閉じる、逃げようのも体が動かない!!

「無駄だ、」

奴の声だ!何処かから聞こえてくる。

「何がだよっ!?」

「・・もう戻れん。幕くは開いた」

「だから何がだってんだ!?」

「飲み込まれろ。それがお前に降る罰だよ」

「どういう意味だ!?」

「この世界の真実をその目で見るが良い!!」

意識が薄れてゆく・・あいつの言葉が、やけに耳に残っている・・俺の記憶はそこで途切れた・・

 

 

次回に続くといいな><

 

 
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