No.744059 IS×SEEDDESTINY~運命の少女と白き騎士の少年アインハルトさん 2014-12-17 01:49:56 投稿 / 全4ページ 総閲覧数:2112 閲覧ユーザー数:2060 |
さかのぼることカオス、アビス、そしてガイアが動き出す数十分前のことだ。
「はぁ……ルナたちったら、どこに行っちゃったのさ」
シンは周囲の人波にもまれながら軍事工廠から離れているショッピングモールで同僚であるルナマリアやヨウラン・ケントらの買い物に付き合わされていた。
あれからまた一年。シンはアカデミーを赤服で卒業し、そのままアーモリーワンの新造艦“ミネルバ“に配備されると同時に最新鋭機のパイロットに任命された。正直に言うと自分よりも同じミネルバに配備されるレイの方が良かったのではないのか?と疑問符を浮かべることさえあったが、レイからは否定的な言葉しか返ってこなかった。
自分の願いを叶える第一歩として手に入れたこの“力“を使いこなしてみせると意気込んで訓練はかかさないどころかアカデミーにいたころの倍の時間を費やした。その努力が報われるかどうかはまだわからないが、少なくともまだ慢心するつもりはない。
(そういえば、街に出るのは久しぶりかも?)
アカデミーにいた時も今も、今回みたいにルナマリアが無理矢理引っ張り出してこない限りは訓練か勉強の二択だけだったし、それはアカデミーを卒業して軍に正式入隊してからも変わらない。
ふいに、ショーウィンドウに映る自分の姿に目を留めた。鮮やかな紅の瞳に短く切りそろえた黒い髪の、人形のような少女が大きなガラスの中から見返してくる。滑らかな光沢のあるキャミソールに、布が何重にも重なったピンクのスカート、同じくピンクのショール。どれも柔らかく淡い風合いで、まるで丁寧にラッピングされた砂糖菓 子を見ているようだった。
もちろんこれはシンの買ったものでも、当然彼女自身の選んだ服でもない。これらはすべてルナマリアがシンに合わせて購入し、無理矢理着せたものだ。はっきり言うと迷惑でしかない。スカートなんて履いたこともないから中に入る風がくすぐったいし、肩から先まで露出した腕も慣れないせいか抵抗を感じる。
「おまけにさっきから変な視線を受けている気がするし……」
本人はきちんと自覚はしていないのだが、彼女が通り過ぎるとしばらくしないうちに男女ともに振り向いてはシンの幻想的な姿に見惚れてしまうのだ。そのことに気付いていない彼女にはただただ不愉快でしかなく、次々とお店を回り続けるルナマリアを見つけたら制裁してやると強く近いながら周囲を見渡した。
視界全域に広がる人だかりを呆然と眺めていると、改めて明日の式典が行われることの壮大さを実感する。今頃は工廠で式典の準備なんかで大わらわだろうが、非番の自分には関係のない話だ。ひとまずルナマリアたち全員にメールを送ったのでよほど熱中させえしていなければ 誰か一人気付くはずだろうとたかをくくってからシンはもしもの時のためにと持参してきた音楽プレイヤーを取り出す。
プラントに上がってからは娯楽が極端に疎くなってしまったシンが唯一楽しんでいる娯楽だ。ジャンルは大抵女性アーティストによる静かな曲を好むが、T.M.Revolutionだけは全曲を収集していおり、特にイグナイテッドは名曲だと本人は思っている。
笑顔に満ちあふれた人だかりを眺めながら好きな曲を聞く。こんな時間の使い方も悪くはないと思いながら、シンは紅の瞳を優しく閉じた。
━━━そんな風に。
狙ってやったわけではないのだけれども、こう、誰もが見惚れるような美少女が目を閉じて音楽を聞きながら歩くなんていうアニメーション的描写を体現してしまったのが失態だったのだろう。
というよりも、こんな大勢の人がひしめき合っている街道の中を音楽を聞くだけならまだしも調子に乗って目を閉じたこと事態が間違いだったのだろう。
━━━結論を述べよう。
シンは建物の影から現れた男性に衝突してしまった。
数日前まで地球のとある地域で仕事の依頼をこなしていた一夏は、情報屋を営む“鼠のアルゴ“からプラントからの依頼が送られてきたことで連れの少女二人とともにプラントのアーモリーワンに足を踏み入れていた。
明日の軍艦進水式式典が目的で本国から訪れるセレブやVIPで溢れかえる軍事工廠を抱えるコロニーは、活気に満ちあふれており、誰もが瞳に期待の色を灯している。
「まったく、あの人っていうのは……なんだってこんな時に呼び出すのやら」
ぶつぶつと文句を垂れながら人混みをかき分けていく。実のところ、アルゴでさえ知らないことだが今回の依頼主は一夏と親しい間柄にある人物だ。彼にはいろいろとお世話になったし、恩返しはいつかしてやりたいと思っていたのは事実だ。
たが逆に考えてみれば、彼はこんな時期なら普段の倍忙しいはず、なのに傭兵として依頼を持ち掛けてきたということは、よほど重要なことだと言うことなのだろう。
━━━にしても、と一夏は周囲から突き刺さる視線の雨に苦笑いを浮かべた。
それもそのはず。ここにいるのが式典のために集まったセレブばかりなのを考えれば誰もが高級なドレスに身を包んでいるのが当たり前だろう。
が、あいにく一夏にはそのようなものを持ち合わせられる金も、必要性もなかった。なので愛用のボロマントとターバン姿の一夏はここではひどく浮いた存在となってしまうのであった。
「それに加えて、なあ……」
次に一夏が向けたのは目の前を歩く連れてきた二人の少女だ。
どちらも旅の途中で出会ったとある旅する洋服屋が一晩で作成してくれたドレスを身にまとい、その無垢な笑顔をまき散らしていた。
二人は双子だった。先日一夏を強引に起こしてくれたのが現在青と黒のドレスを着ている姉の夏音といい、妹の夏恋はそれと対をなすように朱と白に染め抜かれたドレスを身に纏っている。さしずめ美少女と共に歩く田舎者という図で見られているであろう視線は見惚れあるいは嫉妬の感情がこもっていた。
「目立つのは勘弁してほしいんだけどなぁ」
職業病、というのもあるが、過去に遭遇した出来事の関係上もあって一夏は視線にさらされることには慣れてしまっていたが、そうなると返って余計に職場以外での視線を避けたくなる衝動にかられてしまうのだ。
「あぁ、パリのアブサンが恋しい……」
それは未成年の求める飲み物ではないというツッコミは内心一夏のつぶやきを聞いた誰もが思ったことだろうが、名士としてのプライドが許さなかったのか、結局声を上げる者は一人たりともいなかった。
ふいに一夏の視線が頭上に向けられる。コロニーの中には地球に存在する太陽なんて呼ばれるものは当然無い。あるとすれば太陽光ミラーを使って宇宙外から太陽光を反射させてそのエネルギーをコロニーの中央に集めた人工太陽だけだ。
この人工太陽というものを見るのも、およそ一年ぶりになるが、いつ見ても地球の太陽と大差ないというのは、やはりすごいと思わざるを得ない。
━━━そんな風に。
人でにぎわっている街道を避けて建物と建物の隙間を通り抜けていたとはいえ、頭上ばかり見上げて歩いていたことが災いしていたのだろう。
━━━結論から述べよう。
一夏は建物の影から出たところで、偶然にも建物の死角から現れた少女と衝突してしまった。
「うおっ!?」
「きゃっ!?」
街中で同時に響き渡る奇声。
次の瞬間にはドサッ!と何かが倒れた音が響き渡り、周囲の人々に注目されてしまっていた。
さて、ここからはその周囲の人々からの視点で話を進めていこう。
大事なことなので何度でも言うが、彼らは今回ザフトの新造艦ミネルバの進水式式典に呼ばれて本国から訪れたセレブたちだ。金持ちともなれば頭の中の常識は一般のものと比べてややからかなりと幅はあれども一般人とは違っていると断言してもいいだろう。
━━━だが、しかしだ。
さすがの彼らだって目の前で起きている光景を人生に一度は有り得るだろうなんて常識的に考える人間はいないだろう。もちろん、一般人からしてもそのはずだ。そしてそのうちの一人はこう語る。
※プライバシー保護のため、映像と音声は加工してあります。
『彼らのことについて話す前に言っておく。私は今たまたま彼らの遭遇する瞬間をほんのちょっぴりだが目撃した。い、いや……目撃したというよりはまったく理解を超えていたのだが……あ、ありのまま今起こった事を話すよ』
そう━━━
『彼らがそれぞれ建物の死角から現れて衝突して倒れたと思ったら少女が青年のナニを握っていて、青年が少女の服の下から手を突っ込んで胸を揉んでいたんだ。な、何を言っているのかわからないと思うが私も何が起こったのかわからなかった……頭がどうにかなりそうだった……ラッキースケベスキルの同時発動だとか作者補正だとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてない。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったよ……』
こんなエロゲでも滅多に、というか起きたことなど無いであろう(エロゲプレイ経験無しの作者が言うから信憑性は無い)展開がリアルに起きるはずが無かったのだ。━━━この時までは……
「ええっと……」
さて、織斑一夏は当然のことながら混乱していた。
当然のことだろう。確かに彼は昔からラッキースケベスキルを保有していたし、IS学園時代も思い出したくはないがそれを無自覚にふるっていた。
だがこちらの世界に来て様々な出来事を経てあらゆることを学んでいくうちに自然とラッキースケベスキル発動の阻止と防止を行えるようにできていたのだ。そんなわけだからもう同じ過ちは繰り返さないと決意を固めていたのだが━━━
「ふあっ……!?」
むにゅ。という、柔らかな感触が、一夏の手のひらに伝わった。
少女━━━シンは十代の女子の中では小柄な方だと思われるが、その割にはしっかりと主張する大きさの胸を揉まれ、シンの細い身体が、一夏の腕の中でびくっと震える。
「っ━━━くぁwせdrftgyふじこlp!!??」
そうなると必然的に彼女の息子を握る手が強くなるわけで……ようするに片方が過剰に反応するともう片方も過剰になってしまうシーソーゲームが勃発する図が完成してしまうのである。
(こ、これは不味い!いろいろと、主に俺が!)
ちなみに妹たちは一夏たちが何をしているのかまるで理解しておらず、遠目から頭上にハテナマークを浮かべているだけで接触は一切無い。支援もないと考えて良いだろう。
━━━考えろ、考えるんだ織斑一夏。この状況を打破する手段がきっとあるはずだ!!
一瞬手を引っこ抜くことも考えたが、少女の身体が密着してしまっている以上動かしてしまえばこすれてしまうのは必然。とすればここはやはり彼女にどいてもらう他に手は無いだろう。
「…………………………い」
「えっ?」
願い事よりも先にきょとんとした声が口から出てしまう。かすれ気味の少女の声に一夏が聞き返したのだ。
「いつまで…………!」
あとで思い返せば、織斑一夏は柔らかい感触を堪能せずにさっさと手を離すべきだったのだろうと後悔するだろうが、どちらにせよすでに彼は詰んでいた。
こんな人気の多すぎる場所で女性が恥辱を受けられているのだ。少し考えれば鈍感な彼にもわかっていただろうに……。
「いつまで触ってる気なの。この、変態っ!!!」
「━━━━あっ」
そこでようやく、一夏は己の失態に気付いた。気付いてしまった。選択肢を決定したところで、彼はすでにタイムアップしていたのだ。
バシィィィィィィィィィン!!
振り抜かれた少女の細い腕。頬に走る痛みが自覚されるまでのコンマ数秒間、 一夏が思ったことはただ一つ。
━━━神様っているのかな。いたらちょっと理不尽すぎやしないか?
それが君のラッキースケベスキルなんだからしょうがないよbyプロローグに出てたあの人
何?遅かった割には短いだって?
二週間前にはテスト期間に入って先週テスト返却と今日までバイト続きで小説書く時間がとれなかったんですごめんなさいでしたぁ!!!
さて、気を取り直して後書き的なのをやりますか。
今回は一夏と女体シンの出会い的なのを書きました。最初はガンダムらしく戦場でと考えてたんですが一夏は成長してもラッキースケベだと伝えるべきだ。そして女体シンもまたラッキースケベであると伝えるべき何だとこの作品を応援してくれてる親友に強く押された結果がこれです。シンステを真似るのも考えたのですが建物の影から衝突~だけを借りました。なるべくオリジナルにしようと思ったので。
ところで作者、まだエロゲ買ったことないし、プレイ動画を見たことないからわからんのですがこう両方がラキスケするのってよくあることなんでしょうか?深夜アニメのイメージだと男性が女性に、が普通だと学んだのですがそこら辺誰かご教授を。
ところで次回はどうしよう。IS組との再会はもう少し先の予定だし、戦闘回に行くとして……ステラはどうしよう?ここはあえてデストロイまで助けないって手もありなのだろうか?皆さんはどう思いますか?
まあとりあえず戦闘シーンは一夏無双させます。あとシンの戦闘はお預けです。
それと次はSEED委託リメイクなのでまた間があくと思いますが今年度中にはもう一度書けたら書きたいと思います。
最後にシンの平手打ちですが理不尽だとは思わないでください。次回一夏のを握っていたことについて羞恥責めいたしますので(ゲス顔)
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PHASE-02 出会いは衝撃的で超過激的
かなり遅くなったけどそれでも感想が欲しいんです!!