No.742916

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第423話

2014-12-11 14:45:16 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1916   閲覧ユーザー数:1727

~カレイジャス・ブリーフィングルーム~

 

「―――リィンさん。」

「は、はい。何でしょうか、殿下。」

「突然で申し訳ありませんが今この場でわたくしをリィンさんの妻の一人として娶って頂けませんか……?」

「そ、それは…………」

「ふえええええっ!?」

「な、ななななななっ!?」

「ま、まさか本当にこの場で……」

「だ、大胆ですわね、アルフィン皇女……」

「!!!!!!!!????」

(私が発案したとはいえ、目の前で兄様へのプロポーズをされると、色々と複雑ね……)

アルフィン皇女の告白にリィンは大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、その様子を見ていたトワとアリサは慌て、ジョルジュとセレーネは表情を引き攣らせ、エリスは目を見開いて混乱し、エリゼは疲れた表情をし

「勿論わたくしはリィンさんが今後わたくし以外の他の女性と何人結婚しても受け入れますし、正妻や側室にするのも嫌なら愛人でも構いませんわ!」

「ちょ、ちょっと待ってください!?殿下をそのような扱いにする等殿下―――いえ、エレボニア皇族の方達に失礼すぎます!」

真剣な表情で言ったアルフィン皇女の言葉を聞き、慌て始め

「フッ、ならアルフィンを正妻にしてくれるのかな♪」

「で、殿下!?」

からかいの表情をしたオリヴァルト皇子の言葉を聞くと表情を引き攣らせた。

「リ・ィ・ン~~~~~~??」

「に・い・さ・ま~~~~~??」

「お兄様…………わたくし達を正妻にはしてくれないのでしょうか……?」

「……………………」

「う”…………」

「ハア…………自業自得ですよ……」

更に膨大な威圧を纏って微笑むアリサやエリス、不安そうな表情をしているセレーネ、無言でいながらも膨大な威圧を纏って自分を見つめるエリゼに見つめられたリィンは表情を青褪めさせて身体を震わせ、クレア大尉は呆れた表情で溜息を吐き、その様子を見ていたその場にいる全員は大量の冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

 

 

「―――お取り込み中悪いけど、忠告を一つしてもいいかしら?」

「え…………」

するとその時呆れた表情をしたレンが制止し、レンの制止の声を聞いたアルフィン皇女は呆けた表情でレンを見つめた。

「救済条約の発案者はレン達―――メンフィルだから、この場でアルフィン皇女とリィンお兄さんが結婚しても文句は言わないし祝福もするけど、もしそれをしてしまったら、これから”第3の風”としてエレボニア東部を廻って活動を始めようとする”Ⅶ組”の”後ろ盾”になれないわよ?」

「ぼ、僕達の”後ろ盾”になれないって……」

「一体どういう事だ……?」

レンの指摘を聞いたエリオットとマキアスは不思議そうな表情をした。

 

「…………―――!なるほどな。そういう事か。」

「確かに今この場でアルフィン殿下がリィンに降嫁した場合、アルフィン殿下が持つ我ら”Ⅶ組”の”後ろ盾”の権限もなくなってしまうな……」

「ええ……そうなってしまいますわね……」

一方ある事に気付いたユーシスは真剣な表情で呟き、ラウラとセレーネは複雑そうな表情で呟き

「どういう事?」

「ボク達にもわかるように説明してよ~。」

フィーは不思議そうな表情で尋ね、ミリアムはラウラ達に答えを求めた。

 

「”降嫁”とは即ち皇族の身分を捨てる事に値する為、今この場でアルフィン殿下がリィンに降嫁してしまえば、その時点で”皇族でなくなってしまう”為、Ⅶ組の”後ろ盾”になれる権限もなくなってしまうからだ。」

「あ……!」

「やれやれ……それじゃあ話が結局振り出しに戻ってしまうじゃないか。私達が何をすれば、この場は勘弁してくれるんだい?」

アルゼイド子爵の説明を聞いたアリサは声を上げ、オリヴァルト皇子は疲れた表情をした後真剣な表情でレンを見つめた。

 

「うふふ、予めそうなる事を見越して、”妥協案”を考えておいたわ。エリゼお姉さん、ユーシスお兄さんとアルフィン皇女には例の”誓約書”を渡してあげて。」

「――かしこまりました。」

そしてエリゼはアルフィン皇女とユーシスにそれぞれ新たな書類を配った。

 

「これは…………”戦争回避条約”の”第6項”を必ず実行する事を約束させる”誓約書”か。―――今年度限りでトールズ士官学院を退学して、1年間帝都ミルスで領主の仕事に必要な最低限の知識を学んだ後クロイツェン州の臨時統括領主を務めるプリネ達の元でケルディックの”次期領主”として学び、プリネ達に合格をもらえれば、その時点からケルディックの領主を務めさせるとの内容だ。」

「わたくしは”戦争回避条約”の”第7項”と”救済条約”を必ず実行する事を約束させる内容の”誓約書”ですわ。内容はユーシスさんと同じで、今年度限りで女学院を退学し、メンフィル帝国領で過ごす事を誓約させる内容で、リィンさんに降嫁する時期は今から10年以内という指定がされていますわ。」

「なっ!?」

「そ、そんな……それじゃあユーシスが……」

「………………」

ユーシスとアルフィン皇女の話を聞いたリィンは驚き、エリオットは悲痛そうな表情をし、マキアスは辛そうな表情でユーシスを見つめた。

 

「レン姫、どうしてもこの案を呑まなければいけないのですか?トールズ士官学院は2年で卒業です。せめて後1年待つ事はできないのでしょうか?それにアルフィン殿下も一生をメンフィル帝国領で過ごすのですから、せめて卒業まで待って頂けないのでしょうか?」

その時ラウラが真剣な表情でレンを見つめて尋ねた。

「あのねぇ……”戦争回避条約”で求められている現時点での実行をそこまで”妥協”してあげたのに、まだ妥協しろっていうのは図々しすぎよ。ユーシスお兄さんはその誓約書にサインを、アルフィン皇女はオリヴァルト皇子と同じ戦争回避条約と救済条約の契約書にサインした後、ユーシスお兄さんの件同様アルフィン皇女に渡された自分自身の誓約書にサインをすれば、この場はそれで勘弁してあげるのよ?」

「……………………」

「……確かに現状を考えると、それしかねぇな……」

「そんな……ユーシス君まで……」

「”Ⅶ組”のほぼ半分が今年度で去ってしまう事にもなるな……」

「…………ッ!」

呆れた表情になったレンの指摘を聞いたラウラは反論できず黙り込み、トヴァルは複雑そうな表情をし、トワとジョルジュは辛そうな表情をし、サラ教官は唇を噛みしめてレンを睨み

「それと3人がそれぞれの書類にサインをすれば、メンフィル帝国領内に”カレイジャス”が停泊する事を許可する上メンフィル帝国領内での転移魔法陣を使った移動も許可するし、正規軍のメンフィル帝国領の通過の許可も降りる事になっているわ。」

「そうなると……帝都に進撃する際どうしてもメンフィル帝国領の通過が必要な第三機甲師団や第四機甲師団の通過も認めると言う事ですか?」

レンの説明を聞いたクレア大尉は真剣な表情で尋ねた。

 

「ええ、更にメンフィル帝国領内での補給も許可するわ。後シグルーンお姉さんをしばらくの間、”Ⅶ組”に同行させてもらうわよ。」

「え…………」

「わたし達に同行するって……」

「もしかしてボク達と一緒に戦ってくれるの!?」

レンの話を聞いたリィンは呆け、フィーは目を丸くし、ミリアムは目を丸くしてシグルーンを見つめた。

 

「はい。期間以内は皆様の”協力者”として、助力致しますわ。」

「…………”監視役”の間違いじゃないのかしら?」

「か、”監視役”って……」

目を細めるサラ教官の言葉を聞いたエリオットは不安そうな表情をし

「まあ、それもあるわね。わかっているとは思うけど、メンフィル帝国のエレボニア帝国に対する信頼度は”0”どころか、マイナス100%よ。」

「ま、まさかわたくし達がメンフィル帝国に対して、貴族連合がやったような事をすると思っているのでしょうか……?」

「つまりはオレ達も疑っているのか……」

レンの説明を聞いたセレーネは信じられない表情でレンを見つめ、ガイウスは真剣な表情でレンを見つめた。

 

「シグルーンお姉さんにⅦ組を監視させるのはあくまで”念の為”よ。」

「”念の為”って……!」

「我らは決して貴族連合が行ったような卑劣な真似は絶対にしませんし、我が国に全面的な非があるというのにメンフィルが推測しているような”人として”恥知らずな真似は絶対にしません!」

レンの答えを聞いたアリサとラウラは厳しい表情をし

「うふふ、逆に考えてみてよ。貴方達がメンフィル帝国に対する敵対行動をするつもりが全くないのならば、シグルーンお姉さんは貴方達にとって強力な戦力になるわよ?シグルーンお姉さんはメンフィル軍のペガサスナイトの中でも一、二を争う実力を持つ優秀なペガサスナイトである事や地上戦でも槍と剣を使える事に加えて治癒魔術と神聖魔術も扱えるし、シグルーンお姉さんの実力の一端はその目で見たわよね?」

「ま、魔術まで扱えるのですか!?」

「そう言えば結社の”使徒”との戦いの時に使っていたね。しかも治癒魔術も使えるって事は回復もできるのか……臨機応変な戦いができるから、戦力としてはありがたい存在だね。しかも実力もサラより確実に上だし。」

「……そうね。その騎士の実力があたしよりも上なのは確かね。」

「た、確かにシグルーン中将閣下の実力が凄まじいのは事実ですね……」

「あのヴィータ相手に終始圧していたものね。」

「――正直な所、シグルーン様の実力はあのレーヴェ様より上と思われますから、レン姫の仰っている事も強ち間違ってはいないかと。」

レンの問いかけを聞いたマキアスは驚き、フィーの分析を聞いたサラ教官は複雑そうな表情で頷き、エマが複雑そうな表情をしている中セリーヌは静かな表情で呟き、シャロンは真剣な表情でシグルーンを見つめた。

 

「というか何でその”監視役”が”聖魔皇女”の親衛隊の副長なの?プリネ達やレーヴェじゃダメなの?」

その時フィーが不思議そうな表情で尋ねた。

「クラスメイトとして貴女達と親しい間柄であるプリネお姉様やツーヤの性格を考えると”監視役”としての役目を果たせない可能性が高いでしょうし、そもそも臨時領主としてケルディックを護るプリネお姉様や、お姉様の護衛であるツーヤやレーヴェを長期間貴女達に同行させるなんて論外よ。エヴリーヌお姉様の場合は定期報告とか、そういうのは無理でしょうし。その点シグルーンお姉さんはメンフィルとリフィアお姉様に忠誠を誓っているし、Ⅶ組とも面識があるからちょうどいいでしょう?」

「それだったら、”守護の剣聖”はダメなの~?」

レンの答えを聞いたミリアムは興味ありげな表情でエリゼを見つめた。

 

「―――前にも説明したと思いますが、私は”特殊任務”がある為不可能です。」

「”特殊任務”……前にも言っていたが、今度はその内容を話してくれるんだよな?次に会った時に説明するみたいな事を言ってたし。」

エリゼの答えを聞いたリィンは真剣な表情でエリゼに尋ねた。

 

 

 


 
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