「おーっす月詠~詠が会議場に来てくれって・・・・・」
威勢のいい声と共に開け放たれた扉の向こうでは柔かであった霞の表情が一瞬にして固まる
「何時か扉が壊れそうなので、もう少し静かに開けてくれるか霞」
連絡する時間は伝えてなかったので、まだ早いこの時間になら寝顔でも拝見してからかおうとしてたんやけど、既に身だしなみ揃えて
茶ぁ飲んどる。ここまでは別にいいねん、ウチが固まる理由なんか無いんやから。
でもなでもな、なんで月詠はなんもないかの様に振舞ってんの。すっごいウチは気になるねんけど
あの寝台の膨らみが、しかもよくよく見てみれば上下にゆっくりと動いてるやん。しかもちょっと髪見えとる
絶対誰かおるやん、気になるやん。でもあの仕合い後には時間も遅かったし街になんか行ってへんはずやけど
まさか侍女にでも手つけたんかいな、別につけるんはいいんやけど手が早すぎひんか
でもあれかなりの小柄っぽいな、まさか。まさかのまさかやで実はアレ詠なんとちゃ
「霞、俺がそこまで手の早い人間に見えるのか」
なんでウチの考えてる事わかんねん、しかもまだ途中やのに遮ってまで
「霞の目線が寝台に固定され尚且その寝台には明らかに人間が寝ている、それを問い詰めたくて仕方のない表情をしていた」
「ちぇっ、バレてもうたなら別にええけど実際寝てるんは誰なんや」
「・・・・知り合いだ」
「へぇ~、まぁええよ。どうせウチにだけ紹介しても後で色んな人間に紹介しないとアカンねんやろうから。後でええ」
「ありがとう、霞。俺はアレを連れて会議場に行くから、先に行っていてくれ」
「あいよ、遅くならんようにな」
よーし、月詠はあの寝台の主を連れてくる言うたし、どんな子が来るんか楽しみや。
可愛いとええなぁ、金髪の似合う子であってほしいわぁ
「で、先日アンタの武は見せてもらったし霞や華雄が認めたから疑う所は無いわ。なので今日は智を図らせてもらおうと思ってはいたんだけどね、まず誰しもが思ってる事を言わせてもらうわ。誰かしらね、その金髪の女性は元々連れが居たなんて話は聞いてないわよ」
会議場に着いた途端にそうまくし立てるように話てくる詠の後ろでは月が俯き加減でこちらを横目でちらちら確認している
その横には顔を赤くした華雄、声を我慢しているのだろう肩を震わせた霞が控えている
あぁ、霞がある事無い事を吹き込んだのか
詠の言葉自体はこちらを叱責する雰囲気は出ていないが、言動と表情が全くもって一致していない、額に青筋を出しながら穏やかに責めるのとは
とても器用だ
だが確かに詠の態度と発言自体は尤もである事なので、流石に無視する事は出来ないのだが
元はと言えばこの女が悪いのだが、それを言った所で、「でも貴方の管轄よね」と一蹴されるのも目に見えているので渋々説明しようにもなんと説明すればいいものか
「話せば長い」
「長くても話しなさい」
取り付く島もない
「分かったからそう睨むな、詠は怒ってる顔は似合わない」
「ほう」
「へぅ~」
「やるなぁ」
「・・・・・・そういう事を言って欲しいんじゃないわよ。ふざけてないでさっさと説明しなさいよ」
「照れてるな」
「照れてるね詠ちゃん」
「照れとるなぁ」
回りが同調してくれたのも有難いが、なんとかなだめることには成功したようだ。こちらへの精神的負担はあるが
「さて、この女だが」
「私は真名しかない身故に奏とお呼びください、そして無礼を先にお詫び申し上げます。我が身我が心を捧げる主は兄様のみにございます。故に董卓様の部下としてでなく兄様の部下としてお仕えさせていただきたく」
会議場に入るまでに決めていた流れを無視して話しだした管路の転生者、奏はこの後に来る俺への皺寄せを見て楽しむつもりなのだろうか
そうに違いない、この世界はとても残酷だ
「奏さん、私の事は月とお呼びください。私が間違えそうになった時は叱ってください。間違えた時は叩いてください。貴方に、仲間に私はそれを望みます」
「おっけー月ちゃんね、可愛いよねぇ。持って帰りたいよぉ。あ、でもでも兄様と一緒に月ちゃんもって帰るのもいいよね~」
「へっ・・・・・」
回りにいる詠や霞達も月と同じような声を上げたのだろう、確実に
俺自身も不意に声を上げそうになった。
詠の信じられない何この生き物って顔で俺に助けを求めるのはやめてくれ詠。
俺も信じられないよこの生き物
「真面目という言葉を知らないのか」
「知ってるけどー、疲れちゃうじゃないですか」
駄目だ、転生してもあくまで性格自体は管路だという事を改めて思い知らされる。真面目な話をする時は真面目なのにすぐに巫山戯た雰囲気になるのは何とかして欲しいものだ
「ちょっとアンタ、月ちゃんって何よ月ちゃんって。これでも太守なのよ月は」
これでも太守・・・・今は詠にも余裕がないのだろう。周りをまったく見れていない
「詠ちゃん・・・」
「ちょっ、違うのよ月。これは言葉の綾っていうかなんというか」
「あーあ詠が月っち泣かせよったー」
「賈駆、覚悟はできているだろうな」
「賈駆さん駄目じゃないですかー月ちゃん泣かせたら」
「詠ちゃんの・・・馬鹿ぁぁぁぁ」
そう言い残して会議場を出て行ってしまった月の背中を見つめる詠の肩は下がってしまっていてさきほどまでの覇気が失われている
「・・・・・詠って呼びなさい私の事は。覚えときなさいよね奏」
そう言い残し詠も会議場を出ていってしまった
「やっばー・・・・・ちょっとやりすぎた・・・・かな」
「やるなー奏っち、ウチの事も霞でええよ。詠をいじれる仲間が増えてよかったわー。あぁ詠も月も可愛いわ」
「月は演技派だな、だがやりすぎだ奏。後で話がある」
「・・・・・はい」
怒られた飼い犬のようになっていても許すものか、確実に詠はこの事を忘れる事がないだろうから
やっべー・・・・・あかん日常会話的なもん挟みだしたら終わりどころが見つからなくなった。
霞の関西弁ってこれでいいのかなぁあああああああああああああ私が使っているような言葉遣いなんだけど構わないよね!?
構わないって言ってくれよぉぉぉぉぉおぉ。
執筆していると原作やりたくなってきたので、インスコしようとディスクを入れた所"容量が足りません"
oh・・・・
ゲーム何個も消しましたとも・・・・そしていざ、プレイ。
何か話の流れが思いつくかな。なんて思っていた自分もいました。
お も し れ え
ダメですね、原作やるとコッチなんかの事よりもプレイする事しか見えなくなりますわorz
そうそう、管路の名前ですが。奏(そう)とかじゃなくて普通に奏(かなで)って呼んでください。
設定的には金髪で一刀よりちょっと身長低いくらいかなー。で
で、基本的におふざけ口調。にいさまじゃなくてあにさまっていう呼び方してる
くらいですかね。ぬっぽりしっぽりの予定はまだ全然決めてません
アデュー( ゚Д゚)ノシ
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第十一話 月に捧げ詠う奏者