No.740495

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第399話

2014-11-30 00:02:12 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1902   閲覧ユーザー数:1765

~シュバルツァー男爵邸~

 

「――――改めて自己紹介をさせて頂く。メンフィル王公領セルノ・バルジア統合領主”ファラ・サウリン公爵家”の当主夫妻の子息、エフラム・ファラ・サウリン・マーシルンだ。此の度はユミル防衛の部隊の指揮を取る者の一人として本国より派遣されてこちらに参上した。」

「エフラムの双子の妹、エイリーク・ファラ・サウリン・マーシルンと申します。どうぞお見知り置きを。」

「―――メンフィル王公領フレスラント領主”ナクラ公爵家”の子息、ヒーニアス・ナクラ・マーシルン。エフラム達と共にユミル防衛の部隊の指揮を取る一人として本国より派遣された。」

「同じくユミル防衛の為に本国より派遣されたヒーニアスお兄様の妹、ターナ・ナクラ・マーシルンです。以後お見知り置きをお願いします。」

応接間にはⅦ組や協力者の面々はそれぞれ壁を背に立った状態で席についているエフラム達やシュバルツァー男爵とルシア夫人、そしてエフラム達の背後にそれぞれ控えている相当の使い手である雰囲気をさらけ出している騎士達の様子を見守っていた。

 

「……ユミルの領主、テオ・シュバルツァーと申します。皇子殿下達がはるばる世界を越えていらっしゃったというのに満足な歓迎もできず、誠に申し訳ございません。」

「気遣いは不要だ。私達は”現在は”ユミルを含めたメンフィル帝国領を守護する為に本国より派遣されてきたのだからな。」

「今後郷の警備などは私達が務めますし、エレボニア帝国軍が現れたら私達が撃退しますので、シュバルツァー卿達は普段の生活をして頂いて結構です。ただ、シュバルツァー卿は狩りが趣味だと聞いておりますが……えっと、その…………」

シュバルツァー男爵の言葉にヒーニアスは冷静な表情で答え、ターナは説明を続けた後言い辛そうな表情をし

「シュバルツァー卿……いやユミルに住まう者達には申し訳ないがエレボニア帝国との外交問題が決着するまでは狩り等単独で山中に出る事は控えて貰う。山中にもメンフィル軍を展開している事もあるが、シュバルツァー卿達自身の身を俺達の警戒を潜り抜けてくるかもしれないエレボニア帝国の刺客から守る為でもある。」

言葉を濁しているターナの代わりにエフラムが答えた。

 

「……承知しました。殿下達の背後に控えている方々はもしかして殿下達の護衛ですか?」

シュバルツァー男爵は静かな表情で頷いた後エフラム達の背後に控えている騎士達に視線を向けた。

「そう言えばデュッセル達の自己紹介はまだだったな。―――デュッセル。まずはお前からだ。」

「御意。エフラム皇子殿下の親衛隊の隊長を務めるデュッセルと申す。殿下達と共にこの郷に災厄を持ち込む不届き者達は全て滅するゆえ、ご安心なされ。」

エフラムの背後に控えている騎士―――デュッセルは重々しい口調で自己紹介をしてシュバルツァー男爵たちに会釈をし

(クッ、滅茶苦茶渋いオジ様じゃない……!あのアルゼイド子爵とも並ぶんじゃないの!?)

(サラ、本音本音。)

(ったく、相変わらずお前の趣味は理解できねぇぜ……)

真剣な表情でデュッセルを見つめるサラ教官の言葉を聞いたフィーとトヴァルは呆れた。

 

「―――エイリーク様の親衛隊の隊長を務めるゼトと申します。以後お見知り置きをお願いします。」

エイリークの背後に控えている真面目そうな雰囲気を纏わせている青年の騎士―――ゼトはシュバルツァー男爵達を見つめて敬礼をした。

「ちなみにゼトはエイリークの婚約者でもある。」

「まあ……」

(ええっ!?)

(親衛隊の隊長が皇女と婚約しているだと!?)

(何でメンフィルの皇族って結婚相手の身分をそんなに気にしないんだ……?)

口元に笑みを浮かべたエフラムの説明を聞いたルシア夫人は目を丸くし、エリオットとユーシスは驚き、マキアスは疲れた表情をし

(一体どんな経緯があったのかしらね?)

(騎士と姫の婚約なのですから、もしかしたらサーガになるような内容かもしれませんわね♪)

(うふふ、レーヴェ様とプリネ様がお付き合いを認められた話より凄い内容かもしれませんわよ?)

(ふふっ、ちょっと気になりますね。)

アリサやセレーネ、シャロンとエマは興味ありげな表情でエイリークとゼトを見つめ

「あ、兄上!今はその話は関係ないでしょう!?」

「……エフラム様。不必要な情報の開示はするべきではないと思うのですが。」

周りから興味津々な様子で見つめられている視線や興味ありげな様子で小声の会話をしているアリサ達の声が聞こえていたエイリークは頬を赤らめて慌てた様子でエフラムを見つめ、ゼトは呆れた表情で指摘した。

 

「そうか?ゼトはモテるから、婚約者のお前の為にも今の内に言っておくべきだと思ったのだが。」

「そ、それとこれとは関係ありません!」

不思議そうな表情をしているエフラムの答えを聞いたエイリークは疲れた表情で指摘した。

「全く、貴様は一体何を考えている…………―――ジスト、次はお前だ。」

「あいよ。―――俺の名はジスト。ヒーニアス皇子の親衛隊の隊長を任されている。傭兵からの成り上がり者だが、皇子達と一緒にこの郷を全力で守るつもりだから安心してくれ。」

ヒーニアスに促された見た目は騎士に見えるデュッセル達と違い、傭兵が身に纏っているような服装で背中に巨大な大剣を背負っている者――ジストは軽く手を挙げて自己紹介をした。

 

(……メンフィルは実力主義とは聞いていましたが、まさか傭兵も親衛隊の隊長に成り上がる事もできるとは驚きましたね。)

(そっかな?オジサンなら平気でやりそうだと思うけど。)

真剣な表情でジストを見つめるクレア大尉の小声を聞いたミリアムは不思議そうな表情で指摘した。

「フフ、最後は私ですね。ターナ様の親衛隊の隊長を務めるシレーネと申します。シュバルツァー卿達が以前お会いした事のあるシグルーンとは同期の関係でもあります。」

ターナの背後に控えている女性騎士―――シレーネは柔らかな微笑みを浮かべて自己紹介をし

(シグルーン……”聖魔皇女”の親衛隊の副長を務めているあの騎士の事ね。)

(しかも親衛隊の隊長を務めているのだから、もしかしたらシグルーン中将よりも実力は上なのかもしれないわね……)

セリーヌの小声を聞いたエマは不安そうな表情でシレーネを見つめた。

 

 


 
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