今回は俺もロックビークルを使わずに馬での行軍だ。………俺としてはバイクのほうが楽なんだが、馬に合わせると気を使うので、仕方無く馬に乗っている。
「緋霧、随分と乗り慣れているようだが……お前のいたところではあの『ばいく』とかいう鉄の馬を使っているのではないのか?」
「大半の奴はな。だが馬に乗るやつが全くいないって訳でもないんだよ」
秋蘭の疑問に答える。水月は知らんが、一刀は間違いなく乗ったことがないはずだ。この時代にはまだ鞍なんてないから大変だろう。あいつのことだから案出して作ってそうだけど………この遠征が終わったら華琳に案を出しとくべきだな。裸の馬に乗るよりも楽だし。
「ふん!随分と間の抜けた顔してるわね。全く……本当に戦力になるの?あんた」
頭の中で鞍について考えてたら横から荀彧に声をかけられる。
「さあ?実際に戦場に出るのはこっち
・・・
では初めてだからな、あっけなく死ぬことはないが…集団戦だとどうなるかわからん」
今まで闘ったのが春蘭だけだし、それも一騎打ち形式だからなぁ……正直なところ、必殺技使ったら味方巻き込みそうで怖い。特にイチゴとキウイが。
そのことを伝えると、荀彧はあからさまに溜息をつく。
「あんたねぇ……味方を巻き込むような奴を戦場でどう使えっていうのよ」
「簡単だろ?敵陣のド真ん中に突撃させればいいんだよ。幸い俺は馬よりも速い足があるしな」
「………緋霧。それは本気で言っているのか?」
「当然。鎧武に変身した状態なら大半の奴の攻撃は通らん。通るとすれば、それこそ春蘭級の武将の攻撃くらいだ。賊程度なんざ無傷で全滅出来るだろうな」
これは驕りでも何でもない。只の客観的事実だ。春蘭と戦ったとき、基本形のオレンジアームズで互角だった。ならば、強化形態のジンバーアームズ、超強化形態のカチドキアームズなら?間違いなく圧倒出来るだろう。現時点で考え得る『唯一人を除いては』な。
「だから荀彧、この戦………いや、これからにおいても囮を使うようなことがあれば、俺を使うといい。もし万一が有ったとしても、お前が嫌いな男が一人、消えるだけだからな」
そう言い残して、前方の春蘭の部隊に合流するため、馬の速度をあげた。
Side 秋蘭
「何なの?あいつ……まるで自分の事なんかどうなってもいいとでも思っているような言い草ね」
桂花が愚痴を零す。確かに今の言い方ではそう思う者のほうが多いだろう。私も初対面なら恐らくはそう思っていたに違いない。
「確かにな。だが緋霧が姉者に勝るとも劣らない腕を持っていることは確かだ。……そう心配することもあるまい」
「私としてはあいつが居なくなってくれた方が嬉しいのだけれど」
「………桂花、貴様」
緋霧を蔑ろにしたような発言をした桂花を睨む。……因みに桂花の事を真名で呼んでいるのは、華琳様が桂花の事を真名で呼ぶよう命じた為だ。だが、緋霧のみそれを拒否して、荀彧と呼んでいる。緋霧曰く、
『真名とは本来自分が許した者のみに預けるものなのだろう?ならば呼ぶことを荀彧本人から許されなければ俺がその名を呼ぶことはないな』とのことだ。
「分かってるわよ。みすみす死に急がせるような事はしないわ。あいつの言っていることが真実ならこれほど優れた人材は希少なんだから」
桂花は肩を竦めながら、答える。桂花の言う通り、緋霧の力は希少だ。だが、だからと言って緋霧一人に負担を押し付けるのは論外だ。………しかし、何故あいつは自分を犠牲にするような行動をとるのだ?まだ出会ってから数日しか経ってはおらんが、そのような人物には見えなかったのだが……まだ私が緋霧のことを理解していないだけかもしれんが。
Side 緋霧
秋蘭達がいた集団から離れ、春蘭が指揮する先頭集団に合流しようとした矢先、前方から春蘭が近づいてくるのが見えた。………なんかあったのか?
春蘭がこちらに近づいてきているのが見えたのか、後ろから秋蘭達も近づいて来ていた。
「おお、ここに居たか。呼びに行く手間が省けたな」
「何かあったのか?姉者」
「おう。前方に何やら大人数の集団がいるらしくてな。華琳様がお呼びだ。すぐに来い」
「分かったわ!」
「うむ」
「了解」
春蘭に返事を返し、ついて行く。………はてさて、何が出てくるのやら。
Side 零児
「……遅くなりました」
「ちょうど偵察が帰ってきた所よ。報告を」
「はっ!行軍中前方集団は、数十人程。旗がないため所属は不明ですが格好がまちまちな所から山賊か野盗の類かと思われます」
その言葉に華琳が考え込む。
「……様子を見るべきかしら?」
「もう一度偵察隊を出しましょう。夏侯惇、緋霧、曹純。貴方達が指揮をとって頂戴」
すかさず、荀彧が指示を出す。……やはりこの頭の回転の良さは流石英傑と言った方が良いのかな?荀彧は『この程度出来て当然よ』とか言いそうだが。
「おう」
「畏まりました」
「了解っと」
すかさず返事を返すが……三人は多くないか?
「……どうした?緋霧」
「あ?いや……偵察に将が三人は多すぎないか?」
俺が考え込んでいるのに気づいたのか、秋蘭が声をかけてくる。
「普通ならね。でも……そのうちの一人は夏侯惇なの。どちらか一人は抑え役になって頂戴」
「………なるほど。確かに必要だな」
「おい!なぜ納得している!それではまるで、わたしが敵と見ればすぐ突撃するようではないか!」
春蘭が声を荒げ、抗議するが
「違うの?」「違うのか?」「違わないでしょう?」
「うう、華琳様までぇ〜……」
荀彧、俺、華琳が一斉に返事を返した為、いじけてしまった。
「柳琳の代わりに私が行っても良いのだが、そうなるとこちらが少々手薄になってしまうしな。それにもし戦闘になっても、姉者と緋霧がいれば問題はない。……そういう判断だな、桂花」
「そうよ。……あんたは信用して無いけどね」
秋蘭の推測に返事を返す桂花。その中にさえ俺への毒を混ぜてくるのだから、よっぽど男が嫌いなんだな。
「行ってくれるでしょう?零児。春蘭、柳琳」
「はっ!承知いたしましたー!」
「お姉様のご命令とあれば」
「当然」
三者三様の返事を返す。
「よろしい。では零児、柳琳、春蘭。すぐに出撃なさい」
――――――――――――――――――――――
春蘭の隊を半分、柳琳の隊を半分づつ偵察部隊に割り振り、俺達は本隊を離れ、先行して移動を始めていた。
「まったく。先行部隊の指揮などわたし一人で十分だというのに……」
「あらあら……春蘭たらそんなこと言って。この間作戦を無視して突っ込んだのを忘れたのかしら……?」
「おいおい……そりゃ抑え役が必要になるわけだ」
「う、うるさい!!見ていろ!完璧に偵察をこなしてやる!」
そう言っていきり立つ春蘭。……嫌な予感しかしない。
そんなこと考えていると、前方から兵が近づいてくる。
「夏侯惇さま!見えました!」
「ご苦労!」
「あれだな。………行軍してるようには見えんな」
向こうの集団は一箇所に留まって、何やら騒いでいるようだ。
「何かと戦っているように見えますね……」
柳琳が呟くと同時になんかが飛んだ。大きな塊に棒のようなものが四本と、小さな塊がひとつくっついている………
「……ありゃ人だな」
「ですね〜」
しかしよく飛んでるな〜。推定五メートルぐらい?
「前方で何が起こっている!」
「誰かが戦っているようです!その数……二人!どちらも子供の様子!」
「はぁ!?」「何だと!?」
その報告を聞くが早いか、春蘭は馬に鞭を振り、一気に加速させていく。
「おい待て!!春蘭っ!……クソっ!聞こえちゃいねぇ!」
慌てて、春蘭に呼びかけるが、春蘭は聞こえた素振りも見せずに突っ走って行ってしまった。
「仕方ねぇか……!柳琳!お前の隊の連中を連れて、華琳に報告しに行ってくれ!」
「それはよろしいですが……零児さんは?」
「春蘭を追う!あいつなら大丈夫だとは思うが、何かあってからじゃ遅いからな!」
「解りました。……お気を付けて」
「応。心配してくれてありがとな」
「いえいえいえ……曹純隊!これより本隊と合流します!」
柳琳は後ろに振り向き、部隊に指示を出す。
「夏侯惇隊!今この時だけでいい!俺の指示に従ってくれ!俺達はこれより、先行した夏侯惇と合流する!今あそこにはお前らの上官である夏侯惇だけではない!!年端もいかぬ少女達が戦っている!それを助けるために、お前たちの力を貸して欲しい!!」
「「「「御意!!!」」」」
「っ!すまん!いくぞ!お前ら!!」
夏侯惇隊の先頭に立ち、馬を走らせる。その最中に戦極ドライバーを装着する。……無茶だけはしないでいてほしんだが……!
Side Outsider
騒ぎの元となっている集団の中心部分。そこで、少女が一人奮戦していた。
「でえええええいっ!」
「ぐはぁっ!」
「…………そりゃっ」
「がはっ……っ!」
少女が手に持つ巨大な鉄球が振るわれる度に人が吹き飛ぶ。
その傍らでもう一方の少女が大斧を振り回し、野盗を斬り裂いていく。
「チッ、テメェらガキ二人に何を手こずっていやがる!!数使って押しつぶせ!!」
そんな周りの醜態に痺れを切らしたのか、集団のトップらしき人物が激を飛ばす。
「「「おおぉぉ!」」」
「はぁ……はぁ……はぁ………。もぅ、こんなにたくさん……多すぎるよぅ……!」
「………………疲れたよぅ」
いくら少女達が人並み外れた膂力を持っていようが、その体は未だ子供のものだ。少女達を取り囲んでいる、男達に比べれば、その体力は少ない。更に、数十人近くをたった二人で相手取っていたのだ。精神的疲労も凄まじいものだろう。
このままでは、そう長くないうちに、少女達は力尽きてしまうだろう。だが……
「ぐふぅっ!?」
「……え?」「…ふぇ?」
少女達を囲んでいた男のうちの一人が倒れ伏す。
「だらぁぁぁぁっ!」
春蘭が手に持つ大剣《七星餓狼
しちせいがろう
》を振り下ろす。
「げふぅっ!?」
「大丈夫か!勇敢な少女達よ!」
あっという間に二人を斬り伏せた春蘭は少女へ声をかける。
「え……?あ…………はいっ!」「………だいじょーぶ」
「貴様らぁっ!子供二人によってたかって……卑怯というにも生温いわ!てやああああああっ!」
少女を嬲るように攻め立てていた野盗に腹を立てたのか、烈火のような勢いで野盗たちに突っ込んでいく。
「うわぁ………っ!た、退却!退却ーーー!」
そんな春蘭の気迫に気圧されたのか、野盗の集団は退却を始める。
「逃がすかぁっ!全員叩き斬ってくれる!!」
「待て!春蘭!!あまり先走るな!!」
少女達がその声が聞こえた方を見ると、そこには軍勢を引き連れた零児が少女達の方へと近づいて来ていた。
Side 零児
ようやく追いついた……!ったく先走り過ぎなんだよ。
「緋霧!なぜ止める!!」
「何故も何も俺達の本来の目的はあくまで偵察だ。さっきの賊を殲滅しちまったら奴らの本拠地が分からなくなるだろう?既に数人そいつ等の後を追わせてある。それに……」
「何だ!?」
「この子達をここに放置して行く気だったのか?」
目線で少女達の方を示す。そこには唖然とした表情を浮かべる桃色の髪の少女とぽけーっとした表情を浮かべる薄紫の髪の少女がいる。
「おお、それもそうだな。怪我はないか?お主ら」
「はいっ。ありがとうございます!おかげで助かりました!」
「……ありがとー…ございます」
「それは何よりだ。しかし、なぜこんなところでたった二人で戦っていたのだ?」
「はい、それはですね……」
桃色の髪の少女がそんな話をしようとすると、向こうから本隊がやって来た。
「もう本隊が来たのか。流石柳琳、仕事が早いな」
「…………っ!」
本隊が合流したのと同時に桃色の髪の少女の雰囲気が変わった。………ひと騒動ありそうだな、こりゃ。
「零児。謎の集団とやらは?戦闘があったという報告は聞いたけれど……」
「春蘭の気迫に負けて逃げ出した。何人か尾行してもらってるから本拠地はすぐ見つかるだろ」
「あら。気が利くわね」
「重要な情報が得られる機会を逃す訳にはいかないからな」
「あ、あなた……!」
「……きーちゃん?どーしたのー?」
「ん?この子達は?」
その声にようやく少女達に気付いたのか華琳が少女の方を向く。
「お姉さん達、もしかして、国の軍隊……っ!?」
「まあ、そうなるが……っ!?」
「華琳っ!!」「華琳様っ!!」
<メロン!>
突如、桃色の髪の少女は華琳に向かって手に持っていた巨大な鉄球を振り下ろす。秋蘭の手により、間一髪
回避できたが、少女は既に追撃の体勢を整えている。とはいえ、俺も念の為に用意しておいたメロンロックシードを解錠し、ドライバーに装着してカッティングブレードを倒す。
<ソイヤッ!!メロンアームズ!天下・御免!!>
「てやああああああっ!!」
少女の追撃が放たれると同時、華琳の前に立ち、メロンアームズのアームズウェポン《メロンディフェンダー》で鉄球を防ぐ。………てか重っ!!こんなもん振り回すってあのちっちゃい体の何処から力出てんだ?!
「き、貴様、何をっ!」
「きーちゃん!?」
「国の軍隊なんか信用出来るか!ボク達を守ってもくれないクセに税金ばっかり持っていって!」
「だからたった二人で戦ってたのか!」
「そうだよ!ボクらが村で一番強いから、みんなを守らなきゃいけないんだっ!盗人からも、お前たち……役人からもっ!!」
少女の慟哭とともに鉄球が襲い掛かる。彼女を傷付ける訳にはいかないので、それをメロンディフェンダーで受け流し、やり過ごす。
「………」
「華琳さま」
後ろで先程から一言も発しない華琳に秋蘭が声をかける。
「でえええええいっ!!」
「ちっ!なかなかやるっ……!」
先程から何度も鉄球を受けたせいで、多少手が痺れてきた。まだ持つが、何かの拍子で通しかねないぞ……!
「二人とも、そこまでよ!」
「え………っ?」
「剣を引きなさい!そこの娘も、春蘭も!」
………今気づいたが、春蘭の奴、戦闘態勢じゃねぇか。
「は……はいっ!」
俺の後方から歩いてくる華琳の気迫にあてられて、少女は軽々と振り回していた鉄球をその場に取り落とした。
「…………oh、まじか」
地面陥没したよ。そんな重いのどうやって振り回してたんだ?
「……春蘭。この子達の名は?」
「え、あ……」
「き……許緒と言います」
「……徐晃…公明」
こういう威圧感のある相手を前にするのは初めてなんだろうな。
許緒と名乗った少女(桃色の髪の少女)は完全に華琳の空気に呑まれてしまっている。徐晃と名乗った少女は相変わらずぽけーっとしてるが。………にしても、こんな少女があの許緒と徐晃とは……ホント、俺の知ってる歴史からしたら滅茶苦茶もいいとこだな。
「そう……許緒、徐晃、ごめんなさい」
「……え?」「……ほえ?」
華琳は許緒と徐晃に頭を下げた。
「華琳、さま……?」
「何と……」
「………成程、ね」
「あ、あの……っ!」
「名乗るのが遅れたわね。私は曹操、山向こうの陳留の街で、刺史をしている者よ」
「山向こうの……?あ……それじゃっ!?ご、ごめんなさいっ!」
華琳が身分を明かした途端、許緒は華琳に謝り始めた。もう戦闘になりそうもないので、変身を解除する。
「ふぇ……?きーちゃんどーしたの〜?」
「な……?」
あまりの態度の変わりように春蘭が間抜けな顔を晒している。……徐晃はなんにも分かってなさそうだが。
「山向こうの街の噂は聞いてます。向こうの刺史さまはすごく立派な人で、悪いことはしないし、税金も安くなったし、盗賊もすごく少なくなったって!そんな人に、ボクは………!」
「構わないわ。今の国が腐敗しているのは、刺史の私が一番よく知っているもの。官と聞いて許緒が憤るのも、当たり前の話だわ」
「で、でも……」
「だから許緒、徐晃。あなた達の勇気と力、この曹操に貸してもらえないかしら?」
「え……?ボクの、力を……?」
「………なんで…ですか〜?」
許緒と徐晃は何故華琳がそんなことを言い出したか、理解が及んでいないようで、唖然としている。
「私はいずれこの大陸の王となる。けれど、今の私にはまだその力がないわ。だから……村の皆を守るために振るったあなた達の力、たった二人で賊に立ち向かう勇気。それをこの私に貸して欲しい」
「曹操さまが、王に……?」
「……おおー」
華琳が堂々と、これからの目的を許緒と徐晃に告げる。……普通に考えれば、国に対して、大々的に反乱すると言っているようなものだ。だが、許緒達の知っている役人は私腹を肥やすために税を上げるような外道だったらしい。なら、今の華琳は彼女たちにとって、自分達を救ってくれる救世主に見えているのではないだろうか?
「………………まるで詐欺師だな」
「ん?緋霧、何か言ったか?」
「いや?何も言ってねぇよ」
思わず口に出してしまった言葉が聞こえたのか、春蘭がこちらを向く。……即座に誤魔化したが、あながち間違ってもないだろう。この時代において、漢王朝はもうほとんど力がない。だからこそ、三国時代を生きた武将は漢王朝を廃し、自らが頂点に立とうとしているのだろう。
「華琳さま、偵察の兵が戻りました!盗賊団の拠点はすぐそこです!」
「判ったわ。……ねぇ、許緒、徐晃」
「は、はいっ!」
「……なんですか〜……?」
そんな風に熟考中していると、偵察の兵が戻ってきたのが、荀彧から伝えられる。
その報告を受けて、華琳は改めて、許緒達に問いかける。
「まず、あなた達の村を脅かす盗賊団を根絶やしにするわ。まずそこだけでいい、あなた達の力を貸してくれるかしら?」
「はいっ!それならいくらでも!!」
「……わたしも、頑張る〜……」
二人とも、華琳に協力することに決めたようだ。
例え、このとき限りになるとしても、頼もしい存在だ。
「ふふっ、ありがとう……。春蘭、秋蘭。許緒、徐晃はひとまず、あなた達の下に付ける。分からないことは教えてあげて」
「はっ」
「了解です!」
春蘭、秋蘭が華琳に返事を返す中、許緒の方から視線を感じる。
「………どうかしたか?許緒」
「あ、あの……スイマセン!さっきは、あんなことをしてしまって……」
「あ?………なんかしたか?」
「えっ!?だ、だってボク……曹操様に……!」
「それについては華琳がなにも言っていない以上、不問に付すということだ。……つまり、君は気にすることは何も無い」
「で、でもっ……!」
「どうしても気になるっていうなら、華琳に力を貸してやってくれ。それで充分だ」
「………はいっ!わかりました!!」
俺の言葉に許緒は元気良く答える。
「……では総員、行軍を再開するわ!騎乗!」
「総員!騎乗!騎乗!」
秋蘭の声に全部隊が動き出す。………さあ、この世界
・・・・
では初めての殺し合いだ……気合を入れ直すとするか。
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零児 少女達と出会う