No.739718 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-11-26 17:24:33 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:2147 閲覧ユーザー数:1924 |
~温泉郷ユミル~
「フフ、少しは楽しませてもらったが……まだまだ諸君には精進が必要なようだな?」
アリサ達との戦闘に勝利したルーファスは不敵な笑みを浮かべてアリサ達を見つめた。
「くっ……!」
「……つ、強い……」
「わ、わたくし達全員を相手に……」
「こ、ここまでなんて…………」
ユーシスは唇を噛みしめ、アリサやセレーネ、エリオットは信じられない表情をし
「もしかしてサラと互角以上じゃ……?」
フィーは不安そうな表情でルーファスを見つめた。
「みんな―――!?」
仲間達の敗北に気付いたヴァリマールはアリサ達に視線を向けた。
「オラ、人の心配をしている場合か?こっちも行くぜ―――肚を括れや、リィン!!」
「っ……望むところだ!!行くぞ―――クロウ!!」
そしてすぐにオルディーネとの戦闘を開始したヴァリマールだったが、オルディーネの圧倒的な戦闘力により、為す術もなく敗北した。
「―――これで終いだな。」
オルディーネはヴァリマールに刃をつきつけ、勝利宣言をした。
「ぐうっ……!!……まさか……あの”奥の手”すら出さずに……」
「チッ、やっぱりこの間は完全に手を抜いてたワケね……!?」
トリスタでの戦いを思い出したリィンは悔しそうな表情をし、セリーヌは舌打ちをした。
「クク……全力を出す必要もなかったからな。―――これが現時点での明確な”力の差”ってヤツだ。半端な修羅場をいくら潜ろうが簡単には埋まらないくらいのな。」
「っ……!」
クロウの言葉にリィンが唇を噛みしめていると浮遊するクロチルダがグリアノスと共に飛行して来た。
「どうやらそちらもカタがついたみたいね?」
「ヴィータか。」
「フフ、予想通りすぎてちょっと詰まらないわね。さすがは私の自慢の”蒼の騎士”と言う所かしら?」
「だれがアンタのだ、誰が。上の方はどうなんだ?」
「あちらも決着はつきそうだけど……あまり郷に迷惑はかけたくないし、この一帯が”おかしなこと”になっていて、ちょっと嫌な予感がするからこのくらいにしておきましょう。」
「”おかしなこと”だと?」
「ええ……転移の魔術が何故か発動しないのよね。――まあ、いいわ。Fenestram phantasma(幻想の小窓よ).」
クロチルダが杖を掲げると何とカイエン公爵の顔がユミル上空に現れた!
「高いところから失礼するよ、”有角の若獅子”諸君。私はラマール州の統括者にして”貴族連合”の総主宰を務める者だ。」
「あ、あの人はレグラムで出会った……!」
「カイエン公……!!」
「貴族連合のトップがお出ましってわけか……!」
「……………………」
カイエン公爵の顔が現れるとセレーネとラウラは驚き、トヴァルは真剣な表情をし、クレア大尉は唇を噛みしめてカイエン公爵を睨んだ。
「フフ、聞いていた以上に奇妙な面々が揃っているようだな。ユーシス君とラウラ嬢は以前、レグラムで会って以来か。親元を離れて胡乱なる面々と行動を共にしているようだが……まあ、それに関しては”若さゆえ”と言ったところか。アルバレア公は激怒していたが社会勉強もたまにはいいだろう。」
「………っ………」
「くっ……わかったようなことを……」
「……そんなことを告げにわざわざいらしたのですか!?」
カイエン公爵の言葉を聞いたユーシスとマキアスは怒りの表情をし、ラウラはカイエン公爵を睨んで叫んだ。
「フフ、もちろん違うとも。リィン・シュバルツァー。今回は君に用があってね。突然だがこのような場を用意させてもらった次第だ。」
「……俺に……!?」
「フフ、直截に言おう。”灰の騎士”殿―――君を我が艦に”招待”したい。」
「っ……!?どういうことだ!?」
「フフ、帝国各地での華々しい活躍は耳にしている。それで、一度君とじっくり話し合ってみたいと思ったのだよ。これまでのこと……そしてこれからの事も含めてな。」
「それは……」
「ま、まさか……リィンを貴族連合に!?」
「そ、そんな……」
カイエン公爵の言葉を聞いてある事を察したガイウスは呆け、エリオットとセレーネは表情を青褪めさせた。
「招待に応じてくれればこのままユミルから引き上げる。それ所か、内戦が終わるまで一切の干渉をしないと約束しよう。……それでどうかな?」
「戯言を!ユミルはメンフィル帝国領です!カイエン公爵!貴方のしている事はメンフィル帝国に対する領地不法侵入並びに脅迫、誘拐、そして侵略行為です!これ以上エレボニア帝国がメンフィル帝国に対する”罪”を重ねれば、メンフィル帝国がエレボニア帝国に戦争を仕掛けた際兵士達だけでなく、民達までも虐殺される可能性もあります!貴方はそれすらもわからないのですか!?」
カイエン公爵の言葉を聞いたクレア大尉はカイエン公爵を睨んで叫び
「黙れ!下賤の輩には聞いていない!」
クレア大尉の反論に対し、カイエン公爵は聞く耳を持っていなかった。
「……………………――わかりました。そちらの申し出に応えさせていただきます。」
するとその時ヴァリマールからアリサ達にとって予想外の返事が返ってきた。
「ど、どういうつもり!?わざわざ本拠地に来いなんて、罠に決まっているじゃない!?」
「ありがとう、心配してくれて。だが、これは俺達にとってもチャンスなんじゃないかと思う。―――ヴァリマール、セリーヌを降ろしてくれ!」
セリーヌの忠告を聞いたリィンは静かな表情で答えた後予想外の指示をヴァリマールにした。
「フム……?」
「ちょっ……何を言い出すの!?」
「大丈夫―――こんな内戦の状況下でも”Ⅶ組”は再会できたんだ。委員長と一緒にしばらく待っていてくれ。――頼む、ヴァリマール!」
「承知シタ―――」
「ま、待ちなさい―――!」
そしてヴァリマールはセリーヌの反論を聞かず、セリーヌを外に出した。
「フフ、我が弟ともしばしのお別れだな。アルバレアの人間として気骨を見せてみるがいい。そなたの誇りと信念を己自身に証明するためにも。」
裏の協力者たちと共に光に包まれたルーファスは口元に笑みを浮かべてユーシスを見下ろし
「兄上っ……!」
ユーシスはルーファスを睨んだ。
「―――ルーファス卿!」
するとその時いつの間にか外に出たシュバルツァー男爵とルシア夫人がルーファスを見つめていた。
「これは男爵閣下……ご無沙汰しております。父が失礼をいたしました。いずれメンフィル帝国にも改めて謝罪を致し、必ずや二国間の外交問題を解決してみせます。」
「それはいい……リィンをどうするつもりだ!?それに―――君ほどの若者がどうして……!」
「……ご子息はしばしの間お借りすることになりますがどうかご心配なさらず。それではこれにて―――御身をお大事にされますよう。」
そしてルーファスが恭しく礼をしたその時、ルーファス達を包み込んでいた転移魔法の光は消えた!
「……………?」
「おい、どうなっているんや?何で転移魔法の光が消えるんや?」
「―――イレギュラーが起こった模様。クロチルダ様、これは一体……?」
転移の光が消えた事に気付いたルーファスは不思議そうな表情をし、ゼノは戸惑い、状況を分析したアルティナはクロチルダに視線を向け
「わ、わからないわ!私の転移魔法がキャンセルされるなんて…………一体この郷に何が起こっているの!?」
クロチルダは困惑した様子で周囲を見回した。するとその時ヴァリマールはオルディーネと共に”パンタグリュエル”に向かった。
「リィン………!」
「リィンさん……!」
「お兄様……!」
「そんな……せっかく会えたのに!」
「すまない、みんな―――だが、必ず戻ってくる!どうか無事でいてくれ―――!」
ヴァリマールは一瞬アリサ達に視線を向けた後”パンタグリュエル”に向かい
「リィンさ――――んッ!」
「リィィィン――――!!」
「お兄様――――!!」
それを見たクレア大尉、アリサ、セレーネは悲鳴を上げた。
「フフ、リィンさんはエリスさんの件同様メンフィル帝国が必ず取り返しますのでご安心ください。」
するとその時聞き覚えのある女性の声が空から聞こえて来た!
「え……」
「こ、この声って……!」
声を聞いたセレーネは呆け、アリサは目を見開き
「―――上ですわ!」
「な――――」
「瞬迅槍!!」
デュバリィが空を見上げて叫び、上空にいる信じられない存在―――ペガサスに騎乗するシグルーンを見たクロチルダが絶句したその瞬間、上空にペガサスを滞空させていたシグルーンがクロチルダに向かって突進して聖槍で強烈な突きを放った!
「キャアッ!?クッ……何者よ!?」
咄嗟の判断で防御結界で攻撃を防御したクロチルダだったが、結界に伝わる凄まじい衝撃によって吹っ飛ばされて立ち直った後シグルーンを睨んだ。
「あら……フフ、二流魔術師の分際で今の攻撃を最小限に防ぐとは。腐っても裏組織の最高幹部と言った所ですか。」
クロチルダと対峙しているシグルーンが微笑んだその時レンやエヴリーヌ、エルフの女性の転移魔術によって現れたリウイ達が次々と執行者達や猟兵達、アルティナにそれぞれ奇襲し、執行者達はそれぞれ攻撃を回避した後リウイ達と対峙した!
フハハハハハ!ついに!皆さんお待ちかねのメンフィルによる原作をブチ壊す展開がやってきましたwwなお、リウイ達の登場時のBGMは閃Ⅱの”Awakening"かVERITAの”覇道”だと思って下さい♪
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第388話