~ 第141話 †穢されし戦い4† ~
「白(はく)!じっとしてろ!」
親友の華陀(かだ)がそう言って茂みの奥から急いで出てきた
ある程度毒を緩和する薬を念の為飲んでたとはいえ
遅すぎたら流石のこの身体でもかなり後遺症が残る
今後の為にそれだけは避けておきたいので今回は無理を言って彼についてきてもらった
出番が無ければ良かったんだが・・・保険をかけておいて助かった
「すまないな・・・」
「これが俺の仕事だから気にするな!
だから今は喋らずに気を傷口に・・・左手の付け根の傷に集まるように練ってくれ!」
「お、おう・・・」
華陀に怒られたのでズキズキと痛むのを堪えて気を練り始める
その間に華陀は針を用意して
さらに傷口を開く様の短刀なども用意している
「よし!いいぞ!もっとだ!もっと激しくだ!」
奴の声援に応えて傷口に向けてもっと気を練りこむ
「いいぞ!これならいける!刺すぞ!
病・魔・集・約!
この針にあ・つ・ま・れ・ええええええええええええええ!」
奴が光輝く針を刺すと傷口に一気に何かが集まり・・・
「うがああああああああああああああ!」
あまりの激痛に俺は叫んでしまった
尚、この時両陣営はすでに開戦していた為叫びは聞こえなかったらしい
「よし!次にいくぞ!」
暫く針が輝きを失うまで刺してたが光が収まると針を抜いた
その時には俺は脂汗をグッショリとかき、疲れきっていた
背中の矢傷や右手側の矢傷は先ほどの針で治癒されたようだが・・・
左手の感覚が全く無くなってる事に気づき、左手を見ると
肘から左手の付け根辺りが赤黒く変色していた
「な、なんじゃこらああああああ!」
「これは身体中に散らばっていた毒を気でこの部分に集約したからな
身体中にある毒を駆除しようとしても時間がいくらあっても足りない
だから人部分に集約させて駆除する・・・駆除するには麻酔無しで骨を削り取るから
さっきよりもひどい痛みになるが・・・いけるか?」
「やってくれ・・・向こうの戦いが終わる前に
俺の戦いを終わらせてくれ!」
「流石だ親友!必ず俺が治してやるからな!」
こうして俺の戦いが始まった・・・
雪蓮(しぇれん)冥琳(めいりん)すまん・・・見る余裕何てなかったわ
華琳(かりん)・・・落とし前は自分でちゃんとやれよ俺はちょっとフォローできないわ
そう思いながら暴れないように木に身体を縛り付け
何故かやけに笑顔になってる華佗を見ていた
「ぐううううううううう!」
あまりの激痛に意識が飛びそうになるが、痛みでまた現実に戻される事を繰り返す
舌を噛まないように布を口に入れてるが噛みすぎて顎が麻痺してる
汗をかきすぎて地面にシミができるほどだし、意識も混濁している
華陀の方も汗をびっしょりとかき、俺の体力の低下を感じると気を注入する為
奴の方も疲労困憊だ
それでも俺を助ける為に必死に治療してくれている
そして、遠くで勝ち鬨聞こえた時に
ようやくこちらも終わったみたいだ
「この傷を閉じて終わりだ!」
華陀の声に応える事が俺にはもうできないほどに疲れきっていた
意識はあるようでないような感覚だ
「白じゃないと耐え切れなかっただろうな
流石に矢傷が多すぎて毒の量も酷かったからな
後は予定通りこのまま連れて帰るか」
華陀に背負われる感覚があったが何もできない・・・
クソッタレ汗でグッショリで臭いわ!って俺もか
華陀に背負われたと同じくらいに茂みの奥から誰かきたようだ
だけど、俺の意識は汗臭さにノックダウンしてしまった
~華陀視点~
む、親友はどうやら力尽きて眠ってしまったか
まぁいいか当初の予定通り何かあれば師匠の元へ連れて帰る予定だったしな!
そう思案して歩き出そうとすると茂みから孫策軍兵士がやってきた
「失礼します!孫策様のご命令によりお迎えにあがりました!」
「お?そうなのか・・・えーっとちょっと待ってくれ」
なんだったか?白から何て言われてた?そうだそうだ
「この者はこのまま故郷へ連れて帰りそこへ弔うつもりだ」
「え?ですが・・・」
「俺の名は華陀だ、しがない医者をやってる者だ
助けようと思ったが力及ばず俺には救えなかった
だからせめて、友として故郷へ還してやりたいんだ」
俺の言葉に兵士を息を飲み・・・最敬礼をして
「分かりました!そのように伝えます!大将を救った英雄に敬礼!」
彼と一緒に来ていた兵士も同じように最敬礼して去っていった
む?何か俺やらかしたか?でも白がそうしろと言ってたし問題ないだろう
「さて・・・どこかで一度一息ついて
親友が起きるのを待って帰るとするか」
遠くではまだ勝ち鬨が響いていた・・・
~あとがきっぽいもの~
更新また遅くなってすいませんm(_ _)m
連休で休みが直前でずれるというアクシデントに見舞われました
いや、いきなりその日になって風邪引きましたって・・・ねぇ・・・分かるけどっ
ごほん失礼しましたm(_ _)m
白ちゃんは意外と重症でした
そして、この時の華陀さんの一言で白ちゃんは死んだ人となります
白ちゃんが予め彼に言っておいた言葉は
「かなりの重症を負ってなんとか命を救ったが治療の為に彼を故郷へ連れて行く」というものです
それを彼は熱血すぎる馬鹿になったので頭が若干足りない子に・・・
しかし、華陀を出すとどうも┌(┌^o^)┐が喜びそうな展開を書きたくなる衝動になります
喜ぶのはちみっこ軍師達だけなのに困ったものですねっ
次は舌戦辺りから書いて、実際戦いはどうなったかを書きたいと思います
世の中クリスマスムード、駄文はクルシミマスムード。次回もよろしくお願いします
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この物語はオリ主メインの外史です
視点は基本オリ主となっています
その他にご都合主義・チート・独自ルートで書いています
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大丈夫な人は駄文にお付き合いください
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